シフト管理
『横浜介護求人センター』

第25回【介護の進歩 5選】

介護士になって早13年!!本当にあっという間でした。駆け抜けている感じですかね。介護をしていく中で年々介護に関する新しい技術がどんどん出てくるようになり職員も利用者様の負担もだいぶ軽減されてきているように感じます。今回は介護に関する進歩しているなぁと感じる事をまとめました。

【1. 持ち上げない介助】

介護と言えば力仕事のイメージが強いですよね。抱える・持ち上げる・身体を上に上げる・移乗する等とにかく力仕事が多いです。介護をし始めた頃は腰が痛くて痛くて大変でした。排泄介助を行った後は自分が高齢者になったかのように前かがみになった状態のまま移動していました。

自分にあった体の使い方がまだ分からず無理な体勢のまま介助をしているため腰に負担が来てしまいます。ベッドの高さを変える事が腰痛予防には大切と謳われていますが、従来型特養で勤務していた時は対応する人数も80名を超えていたため時間との勝負!!1人1人ベッドの高さ調整をしている時間はありませんでした。

夜勤の時は朝方に2時間弱かけての排泄介助…。腰に悲鳴が来るわけです。拘縮の強い利用者様や内出血ができやすい方は職員2人対応で車いすに移乗しますがこれもまた腰に結構な負担が来ます。ほんの数秒ですがその数秒の積み重ねが痛みとなって現れます。

私は幸運な事に介助後しばらく筋の痛みがあるだけでヘルニアや腰痛にならないで済んでいますが、ヘルニアや腰痛持ちの方・ぎっくり腰もちの方はしんどいだろうなぁと見ていて思います。コルセットは必需品ですよね!ストレッチも大切ですが現場で行う時間が無い忙しさをどうにか考えていかないとですよね。

ユニットケアに移ってからは排泄介助の少なさに感動を覚えました。さらに“ユニットケア”を取り入れている場合は一斉排泄や一斉起床等を行わないので時間をずらすことによりさらに腰には負担がかからず腰痛知らずですごせています。

ここで注意したいのがユニットケアとは“ユニット型施設”ではなく“ユニットケア”をしている施設という事です。ユニット型施設であっても行っているケアが従来型特養と同じように一斉起床・一斉排泄を行っている施設もあります。“ユニットケア”をしている施設は1人1人のペースに合わせてケアをしています。

ユニット型特養の中でも職員の腰への負担軽減、利用者様への負担を考え“リフト”を積極的に導入しているところもあります。私が以前勤めていた施設では浴槽に天井走行リフトを全ユニットに配置・職員2人介助で離床や内出血ができやすい・体重が重い方には組み立て式のリフト・移動式のリフトを導入していました。

“機械で介助”と聞くと初めは「冷たい気がする。」「いちいち機械を使うのが面倒くさい」「自分たちで今まで通り対応した方が早い。」「覚えるのが大変。」等のマイナスなイメージが多く聞かれていました。私自身も初めは“機械に介助されるなんて利用者様が可哀そう”と思っていた人でした。

そんな中リフトについて施設外の方への発表をして欲しいとの要望がありリフトを積極的に使ってみる事に。なれるまでは「面倒くさいなぁ。」「取りに行く時間、装着するが勿体ない。」と思っていましたが、慣れれば時間も短縮できるようになり何より自分の身体への負担が少ない事にありがたさを感じるようになりました。

それまでは謎の内出血ができやすかった利用者様もリフトを使用することによって内出血が減り、職員介助による内出血だったのではないかという話も出ました。職員が介助すると体に力が入ってしまう利用者様もリフトを使用する事によって体に力が入ることなく楽そうな様子が見られていました。

布でつるされて上に上げられる事を怖がってしまうのではないかという懸念を抱いていましたが、足を骨折された方や認知症の症状が強い方においてもとても安心していそうな様子なうえに歌を歌っている方もいて職員が介助するよりも安心感があるのではないかと感じるようになりました。

職員が介助する時はどうしても手のひらに力が集中してしまいますが、リフトであれば布全体が体を包み込むため安心感が大きいと乗ってみて感じました。試しに職員介助とリフトを使った時の介助双方をビデオに収め比べてみましたが、利用者様の反応は雲泥の差でリフトの方が落ち着かれていました。

今ではリフトを導入している施設は増えていますが、私がいた施設ではまだ導入があまり進んでいない6年前に導入しました。発表後は導入しても職員が使ってくれなくてどうしたらいいかという相談を受けていました。これはリーダーが率先して使っていき便利であることを伝えるしかないと伝えていました。

実際にリーダーが率先して使用しメリットを伝えていく事で徐々に使い始める人が出てきます。リーダーが文句ばかりで「面倒。」と使わなかったり使っていてもマイナスな事しか言わなかったりすれば職員は使いません。いかに“楽しそうに使う”かがポイントかと思っています。

一方で機械に頼らず職員の身体の使い方によって楽々介助出来るという方法もあります。最近は良く動画で流れてきますし、以前の施設では機械に頼らない介助を謳っていたため、機械浴やリフト浴もありませんでした。この施設は“機械 = 悪い介助”と決めつける風潮があり、頑なに寝たきりの方を個浴に入れていました…。

確かに頑張れば個浴で入れる方もいましたが、膝とわきの下を抱えて浴槽に入ったり出たりして頂くのは好きでは無かったので“機械浴ならこんなことしなくてもいいのになぁ~”“こうやって入れられたくないなぁ”と思ってしまっていました。何度か寝浴を打診しましたが「使えませんから。」と一括されました。

どちらのケアがいいということは無く、どちらもいい面と難しい面があるのでどちらかしか取り入れないのではなく利用者様に合わせて対応していけたらいいなぁと凄く感じた出来事でした。リフトも全員に使えるのではなく物によっては対象外になってしまう方もいるので“検討していく事”が大切です!!

【2. 見守りセンサー】

今までは離床センサーやマット式の床に置くタイプのセンサーマット、赤外線センサーが主流でしたが、ここ数年部屋に設置する“見守りセンサー”“見守りスキャン”という種類のセンサーが出てくるようになりました。これは部屋に設置し夜間の睡眠状態や離床状況、体動の有無などを教えてくれるものになります。

リフトを導入していた施設ではこの見守りセンサーもデモンストレーションで使っていました。夜間職員が巡視に行くときにすぐに目を覚まされてしまう方っていらっしゃいますよね!その方や体動が多くベッドから落ちてしまう危険がある方、部屋から出て行ってしまう方のお部屋に設置して試しに使っていました。

体動が2時間無いと見に行くようにというお知らせが来たり、部屋から出ようとしている事を知らせてくれたりします。種類によってはカメラが付いている物もありそのタイプのセンサーの時には部屋の中の様子が分かるようになっていました。

巡視の回数を減らし入眠を阻害しない事・夜間職員1人対応で見守りが難しい・気が付くことが遅くなってしまうという状況でも見守りセンサーが知らせてくれることで早く対応できるようになるメリットがある一方、体動が激しい方等は常に情報が飛んでくるためそれが複数人の場合確認が大変になるデメリットもありました。

見守りセンサーはデモンストレーションで使っていた6年前からどんどん進化が進み入眠記録、心拍数、呼吸数が分かる物も出てきています。またカメラなどがあることによって虐待の防止にも大いに役立つと思っています。メリットの方が大きい為、これからは見守りセンサーは主流になってくると思っています。

【3. トロミ付きサーバー】

最近自動販売機でとろみが付けられるようになったものがあるとテレビ報道で聞いて衝撃を受けました!トロミって200mlに小さじ〇杯と決めていても職員によって水分の入れる量が異なる・擦切りでつけてくれる人と山盛りでつける人とがいる等で統一していても濃さが異なることが良くあります。

トロミが薄いと咽やすくなり誤嚥性肺炎のリスクが高まります。一方とろみが強いとゼリーのような固さになってしまい飲み込みにくく、1口が大きいと窒息してしまうリスクがあります。また、とろみをしっかり均等につけるには“混ぜる”という作業がありますがとろみを使用する方が多いと結構な時間がかかるんですよね…。

混ぜている途中で呼ばれてしまうと途中で手を放して対応しに行かなくてはいけませんが、戻ってくるとだまになっていたなんてこともしょっちゅう…。だまになると中々水分に溶けてくれないので作り直しをするなんてこともあります。時間が勿体ないと感じてしまう時も…。

それらの事にとても悩んできた介護士にとってこの自動販売機の存在はとても嬉しいものではないでしょうか。今はまだ出せる飲み物の種類は限られていますが、この自動販売機を導入した施設があると聞いて“そういう使い方もあるか!”“施設にとろみ付き自動販売機って考えなかった”驚きました。

1個1個ボタンを押さなければいけないかもしれませんが、ボタンを押した後は他の業務が出来るのでありがたいのではないかと思っていますが、あなたはどう思いますか?誰が作ってもとろみの濃さが一緒で水分量も一緒だと水分量を少なくして普通にカウントするという事も出来なくなるかと思っています。

トロミで介助の方だと水分量を減らされてしまう傾向があるように感じています。夏場はそのせいで脱水になってしまう方もいます。記録ではしっかり水分量が取れている事になっていても実際はその半分しか出してないなんて事や全く出してないのに記録では飲んだことにしている人も実のところ存在します。

この自動販売機がもっと普及していけば飲み物の種類やトロミの濃さも細かく設定できるようになるのではないかと思っています。そうするともう時間をかけて水分を作る必要や作り置きをしておく必要も無くなります。飲みたい時に提供できるようになるのはとても嬉しいですよね。

ご家族様が面会に来られた時も職員に遠慮せずにその方の濃さのボタンを押して出してあげられるという事も出来そうだなぁ~と感じています。ご家族様と一緒に飲み物を飲みながら談笑できる時間を提供できるようになったらとても嬉しくないですか?

【4. においセンサー】

今排泄介助において革新的な研究と商品開発をしてくださっている方がいらっしゃいます。海外ではテープ型おむつや肌に機械を取り付けて排尿を知らせるシステムがありますが、日本人は肌に機械を付ける事をしたくないという気持ちが強いからと防水シーツのような形のものを作ってくださっています。

私が所属している“地域おむつアドバイザー”の中でも取り上げられ実際に話を伺いましたが、本当に並々ならない気持ちと行動力に“凄い”という言葉しか出てきませんでした。その努力の結晶で出来た商品名は“HELPPAD”最近ではいろんな賞を受賞されています。

開発の為に自分たちが実際にその上に横になり排泄をしてみてセンサーがしっかりと反応するかどうか試しているそうです。データを取る為に人前で試しています。本当に簡単に出来る事ではありません!!企業さんの努力のたまものですし、その努力のおかげで介護士も利用者様も負担が減るのです。感謝しかありません。

排泄介助をする時なんとなくの時間や一斉排泄で他の業務に支障が出ない時間などで決めていませんでしたか?地域おむつアドバイザーの勉強を始めてからここに記録を取って排泄タイミングを確認し対応していく事が大切だという事を知りました。“根拠”が大事なんです!

“HELPPAD”を使用することによって排泄パターンが可視化できるようになります。その根拠を元に排泄時間や使用具の選定を行えるようになります。そうすることによって排泄介助に入ったけど排尿が出ていなかった・排泄時間に入ったけど排尿量が多すぎて失禁していたという事が減ると思っています。

排泄介助って私たち介助者は見慣れてしまっていてあまりなんとも感じないかもしれませんが、やられる側だとどうでしょうか?何度も何度も下部を露出するのって結構嫌ですよね。1人1人に合わせた適正時間・回数を行う事で利用者様の“羞恥心”や“尊厳”も守られるのではないでしょうか?

水様便も早い段階で交換できるようになれば背中漏れや皮膚トラブルが軽減されるのではないかと思っています。下剤の服用なども記録できるため下剤を内服してからどのくらいで反応があるのかも可視化できるようになれば「この時間に入った方がいいね」と決めることもできてきます。

これからもっといろんな機能が付いてくるのではないかと思っていますが、こういう開発者様たちの努力のおかげでこれからの介護はもう少し楽になってくるのではないかと考えています。そうなればもう少し余裕をもって利用者様と関わっていけるし、理想のような穏やかな日々を提供できるのではないかと期待しています。

【5. ロボット】

AI機能がどんどん進化してきている今、介護士がやらなくても大丈夫な仕事はどんどんロボットが行っていくようになると思います。例えばルンバのような自動掃除機。今や自動で掃除したい範囲の見取り、インプットしてそれに合わせて掃除できるようになっています。

以前の物であれば掃除が出来ていない箇所があった事もありますが、AI機能が付いた事により掃除が抜ける箇所が少なくなります。また雑巾をかけてくれるロボットもある為職員が毎日掃除していた時間を利用者様のケアや余暇活動などへ有効に使う事が出来ます。

掃除ロボットが使える時間は利用者様がフロアや部屋等掃除する場所に居ないという事が条件になってきますが、掃除の時間って結構馬鹿にならないので有効に使っていけたらいいなぁと思っています。大掃除やワックス清掃なども出来るようになったらいつでもできるようになるので積極的に使いたいですね。

掃除以外にも最近では会話が出来るロボットも出てきています。今までにも声を出せる人形はありましたが、動作によって決められた言葉を発する事しかできず、利用者様が質問しても受け答えは出来ませんでした。可愛いと人気でしたが今はそれよりもはるかに性能がいい!!

値段は張りますが受け答えがしっかりと出来るので会話を楽しみたい方にも楽しんでいただけるのではないかと思っています。そのうち職員よりもロボットの方がいいって言われてしまう可能性もあるなぁと危機感を感じていますが、自分も負けずに対応の仕方を向上するきっかけにしたいです。

食事の配膳についても飲食店で使われているロボットが将来介護施設にも導入され、食事の配膳ミスや食事提供時間(準備から配膳)のロスを助けてくれる存在になるのではないかと思っています。トレーに乗せればキッチンまで下膳もしてくれるので食器をもって何往復もせずに済むのは良いですよね。

私が感じている介護の進歩はいかがでしたか?見返してみると本当にありがたい物が増えてきたなぁと思いませんか?しかし今はまだこの流れが始まったばかり。これから先どんどんAI技術の発展や介護ロボットの登場でもっともっと介護士も利用者様も楽なケアが出来るようになると思っています。

そのうちロボットが出来ない事を人間が補助するような形になりそうだなぁと感じなくもないですが、まだまだ先の話だとしてもそうなった時に切り捨てられないように意識してアイディアを出したり熱い思いをもって介助をしたりしていきたいと思います。一緒に頑張っていきましょう!!

(2023年11月1日)


第24回【介護の仕事で失敗した事 5選】

介護に限らず、仕事や遊びでも失敗してしまう事ってきっと誰しも1回は経験した事があるのではないでしょうか…。どんなに偉い人でも仕事が出来る人でもミスをしたことが無いという人はいないと思っています。ミスをしても次同じミスをしないようにすればいいと感じています。今回は私の失敗談をまとめました。

【1. データを消してしまった】

介護施設って何かとExcelで表を作る事多くないですか?シフトや排泄チェック表・食事チェック表・掃除チェック表、入退所荷物チェック表等々いろんな事で使っています。個人情報が無い物は自宅で作成してくることもあります。ある時、職員からデータを1つのExcel表にまとめられないかとの相談を受けました。

Excelをまとめる事は出来る為「できますよ。」と言いデータを預かりました。元あるデータに新しいデータが入ったシートををコピーして挿入。出来たと思いそのまま保存して終わりにしましたが、どういう手順間違いをしたのか元のExcelにも作ってきたExcelにもデータが無くなってしまいした!!

“エッ!?”と思い何度かそれぞれのExcelデータを確認しましたが何度確認しても見当たりません。データがきちんと移行出来ていない状態のまま上書き保存をしてしまったため元のデータすら消えてしまったのです。ゴミ箱を探しても見つけることが出来ず本当に焦りました。

消されてしまった職員の方は言うまでもなく愕然としている状況…。データの復旧や思いつく事を行ってみますがデータが無く元に戻すことが出来ない事態…。私は半分パニック状態でデータを探すもとうとう見つけられませんでした。

何とか復旧する手立てはないかと、パソコンに強い事務所職員に連絡し来てもらいました。何かのソフトを使用して無事に復旧することが出来ましたが、この時は本当に申し訳ない気持ちとデータがどうにか復活しないかという焦りで冷や汗が湧き出ていました。

この経験からデータをまとめる時やいじる時は万が一に備えデータをコピーしておいてから操作するようにしました。確認してきちんとデータの移行が出来ている事が確認できてからコピーしたものを消すようにしています。面倒な手間かもしれませんが、データが消えてしまって再度作り直しするよりはいいかなと思っています。

【2. 施設の備品を壊してしまった】

ショートステイの方の服を洗濯する際、毎日違う方が来られる事や似たような服を持って来られる方が多くないですか?タグに名前が付いていても毎回タグを確認する作業も大変…。そこで洗濯を干すハンガーに誰の服か分かるように名前をラミネートしてひっかけるようにしました。

また、季節の行事がある時にはそのテーマのイラストや写真をラミネートしてランチョンマットを作ることもありました。例えば母の日であればカーネーションの写真に“お母さんいつもありがとう”と文字を入れて印刷しています。ラミネートがあれば簡単なガーランドも作ることが出来るのでとても重宝しています。

ラミネートって入れる向きがあるのご存じですか?ラミネートのくっついている側を先に機械に通し、ペラペラになっている方が後に入るようにして入れます。間違えて入れてしまうと歪んでしまったり、機械が故障してしまう事があるんですよね。

いつものように向きを確認しながらラミネート作業を行っていましたが、そのうちの1枚を逆に入れてしまいました。気が付かないままラミネートを行っていると出てくるはずのものが出てこない!!“おやっ”と思っていると残りの部分はどんどん中に入って行ってしまう状況…。

確認すると中でくるまってしまっていました。“ヤバイ”と思ってすぐにスイッチを切りますがその後どうしたものかと悩むばかり。リバース機能が付いていないラミネートだったため戻すことができなく、機械に入っていない部分を引っ張っても全くびくともしませんでした。

後ろから引っ張ってダメならば前側からどうにか引っ張り出せないかと考え、先の細い物で引っ張ってみようという事になりました。ピンセットのようなものが欲しかったのですが見つからず、代わりを探して見つかったのはハサミ!今思い返せばハサミを選択したことが最大のミスだったと後悔しています。

ハサミを入れ軽く挟むようにして引っ張り出そうとしましたが、挟めるわけもなく切ってしまいます。何か所か試しても細かく切れてしまうばかり…。出てくるどころか機械の中で細かくなってしまう上に、一部が機械の中に落ちてしまう始末…。これ以上頑張っても悪くなるばかりだという事で手を止めました。

最終的に事務所職員の所に行き事情を説明しました。余計な事をしてしまった事も合わせて謝罪しました。事務員さんからは「困ったねぇ~。」の一言。最終的に機械のねじを外して紙を取り出してもらう事が出来ましたがラミネートはそのまま壊れてしまいました…。

その後新しいラミネートを施設が購入しリバース付のものにグレードアップしていましたが、また壊してしまうのではないかという不安の方が大きく、自分で個人的に購入しそれを使うようにしていました。自分のものであれば壊れても罪悪感は無いですが、また施設のを壊してしまうと気持ちが滅入るのでそうしました。

ラミネートは施設でしか使う用途がないと思っていましたが、なんだかんが家でも使う事が増えてきて個人で購入しておいて良かったなと思っています。写真や汚したくない書類・飾りたいものなどをラミネートして保存できるのであって良かったです。

【3. 勤務変更になっている事を忘れていた・大寝坊】

シフトが出てすぐの時、月の最後の方のシフト変更を依頼されていました。了承し勤務変更していましたが、シフト表に変更になった事を書き忘れていたまま時が流れ、勤務変更した事すらすっかり忘れてしまっていました。勤務時間までまだ時間があると思っていたら施設から電話が…

「あれ?今日〇〇さん遅(11時~)番だよね?」との質問に「・・・?・・・!!!」となりました!電話を受けた時13時からの遅番だと思い込んでいたため理解が追い付きませんでしたが、「勤務変更したんじゃなかった?」と言われてから勤務変更した事を思い出しパニックに!!

「わぁ~!!すいません!!勤務変更した事すっかり忘れていました。」と急いで用意して施設に向かいました…。勤務変更を承諾した上で遅刻してしまうのは本当に嫌ですね。勤務変更を受けたときはすぐにシフトに赤字で書くようにするようにしました。また、前日にも確認し勤務が間違えていないか確認しています。

シフト変更ミス以外に社会人最大の大寝坊をしたことがあります…。今までも何度か早番の時に30分程度の寝坊をしてしまったことはありましたが、それは社会人1年目の終わりから2年目の初めの方だけで、それ以降は寝坊することなく出勤することが出来ていました。

ある早番の日。日が昇り気持ちよく目が覚めスマホを見ると施設から異常なほどの電話の着信履歴がありました。覚えている限り10回以上は来ていたんじゃないかと思います。早番の起きる時間に目が覚めたと思っていましたが、時計を確認し一瞬“あれっ?今日私は休みだっけ…?”となりました。

いつもは5:30に目覚ましをかけて起きているはずが、時計を確認すると9:00になっていました。まさかの2時間半の大寝坊!!!そりゃぁ施設側も鬼電するよなぁと思います。やってしまったと即施設に電話。「〇〇です、すいません。」と電話すると「電話出たぁ良かったぁ。」と心配してくださっている様子。

「今まで無断で遅刻なんてないから体調が悪くなったか事故にでもあったのかと思った。」と。ここの施設では無遅刻で数年が経過していたため何かあったのではないかと心配してくださっていました。そんな中「寝坊です。」と伝えるのが本当に心苦しかったです…。

「急いで向かいます。」と伝え出勤しましたが、それはもう気まずいのなんの…。いろんな職員さんから「大丈夫?」「心配したよ。」と言われるたびに、小さい声で「すいません。大寝坊しました。」と伝えていました。これ以外に大寝坊した事はありません!

寝坊の原因はスマホがマナーモードになっていた事。仕事中はマナーモードに設定し、仕事後に解除していましたが前夜は解除し忘れたまま目覚ましをセットして寝てしまっていました。しばらくの間は早番前の夜に何度もマナーモードが解除されているか確認していました。

寝てからもマナーモードが解除されていないのではないかという不安で目が覚めてしまう事もありました。ある意味早番恐怖症のような感じになっていました。仕事もしばらくの間はいつもに比べ「行きますよ~。」「やりますよ~。」と動き回っていました。寝坊は怖いですよね!!

【4. 送迎準備ミス】

ショートステイの送迎をしていた時の話です。送迎を行うようになって数か月が経過したころ、いつも施設の車いすを準備してお迎えに伺っているお宅に何も持たずに行ってしまったことがあります。玄関に着き“ピンポ~ン”とチャイムを鳴らして利用者様の顔を見た瞬間に車いすを持ってくるのを忘れていた事に気が付きました。

冷や汗タラタラになりました。ご家族様のご予定もあったと思います。幸いにも施設から5分もしないご自宅だったためすぐに取りに戻る事が出来ましたが、自分でもなんで忘れたんだ!!と苛立ちました。丁度ショートステイ業務に慣れ始めた頃だったかと思います。

慣れてきた頃って一番ミスが生じやすいとは言いますが、まさにその通りでした…。その日以降しばらくの間は何度も忘れ物が無いか確認するようになりましたが、不安要素が大きく運転中にもちゃんと持ってきているか不安になることが何度かありました。

デイサービスもそうだと思いますが、送迎って分刻みになっている事が多いので、出勤と同時にバタバタしています。前日のうちにある程度用意はしておきますが送迎ルートの再確認、当日ご利用の利用者様と送迎時間の確認等結構忙しいです。

送迎に到着してからも、私が勤めていた施設では薬の確認を行う事が決まっていたため泊まる日数分の薬がしっかりと用意されているか、頓服や吸入・点眼等の忘れは無いかの確認を行っていました。薬の用意し忘れがちょいちょいあるので、探して用意する時間も考慮して送迎の時間を設定していました。

また、お通じの状態や食事の状態・最近の様子などもご家族様に伺っていました。初めの頃はご家族様との会話に緊張していましたが、回数と共に徐々に慣れていき信頼関係を築くことが出来ました。退所の際には時間に余裕がある時もあり、その時は介護の相談に乗ることもありました。

ショートステイ担当をしていた時はほぼ1人勤務状態でした。2人勤務の日は余裕持って仕事をすることが出来ていましたが、1人だとあれもこれも全部1人で調整しなくてはなりませんでした。介護職員になって2年目にはとても責任重大でハードな環境だったと思っています。

今思えばその大変さを2年目で経験させてもらう事って滅多に出来ない経験だよなぁと思います。若手の時に責任のあるポジションに配属していただけたことはありがたかったのかなと思うようになりました。この時のおかげでご家族様との関係性の作り方や電話対応・外部ケアマネとの報連相の仕方と学ぶ事が出来ました。

【5. 判断ミス】

介護の仕事をしているとセンサーが複数名同時になる事ってありますよね。これは従来型特養でもユニット型特養でも経験しています。センサーマットを使用しているという事は転倒や転落のリスクが高いからですよね。センサーが反応したらすぐに部屋に向かい対応することが基本ですが、同時だと優先順位をつける必要があります。

同じセンサー対応でも、Aさんは行動に移す事が早く鳴ってからすぐ反応しないと転倒・転落に繋がるけれど、Bさんはセンサーが反応してもすぐに動かれるわけではなく、センサーマットに足を下して靴を履いている事があるから同時に反応した場合はAさんを先に対応してからBさんのように瞬時に判断します。

例えばAさんがトイレの要望であればトイレに座って頂きその間にBさんをトイレにお連れする。Aさん、Bさんのトイレにかかる時間を把握しておかなくてはなりませんが、トイレが長い方に座っていていただき早く終わる方をベッドにお連れし、もう1人の方の対応をする。

センサーマットを使用している方は結構待っている事が難しい方が多く、「待ってるよ。」と言ってくださってもほんの数分でそのことを忘れて動き出される方が多い印象です。本来は1人対応してからもう一人の対応をすることが好ましいですが行えない現状があります。

時にはAさんに車いすに乗って頂いて一緒にBさんのもとへ向かいBさんの対応をしてからAさんの対応をすることもあります。これを瞬時に判断して対応しなければなりません。介護って体力勝負のイメージが強いですが、時間配分や利用者様の状態を見ながら判断するので結構頭も使うなぁと感じています。

この判断を間違えてしまうとBさんが靴を履いているのを待っている間にAさんは転倒や転落してしまいます。このように2人同時であればまだ何とか対応できるのですが、これが3人・4人となると申し訳ないという気持ちは大きいですが、もう誰かしらは転倒・転落することは確定です。防ぎようがありません。

職員の身体は1つしかありませんので、どれだけ急いだとしても最後の方に向かうまでに何かしらの事故が発生するリスクは高いです。事故にならずに済んだとすれば本当に運が良かったとしか思えないと感じています。この判断って介護経験が長くても難しいです。

介護経験が浅い時であれば尚の事判断することは難しいですよね。日中であれば他にも職員が居るので手分けして対応することが出来ますが、1人の時間帯では助けてくれる職員はいません。判断の仕方は先輩から聞くか経験を積んで理解できるようになるかだと思っています。

また、施設側がリスクを把握し考えてくれるところであればユニットごとのリスクを確認したうえでユニット移動をしてくれるところもありますが、今まで経験してきた施設ではほとんどの場合「運が悪かったね。」「見守り不足だね。」で終わってしまいます。これでは何の解決もできません!!

リスクを完全に防ぐことは出来ませんが、利用者様の身体機能や認知機能の状態に合わせてリスクを最小限に抑える事は出来るかもしれません。ユニット会議や普段の職員とのコミュニケーションで試せることはどんどん行っていきたいなと思っています。

これらが私が失敗したなぁと感じている事5事例になります。どんな人でも失敗を経験しながら成長してくものと思っています。失敗はしてもいいと思っていますが、大切な事は“同じ失敗を繰り返さない事!”同じ失敗を繰り返すことは成長には繋がりませんし反省していないと感じてしまいます。

失敗から何が原因で失敗してしまったのか、次また同じ失敗をしないようにするためには何をする必要があるのかを考える事が大切です。私も未だに失敗する事は度々あります。挑戦しての失敗は許容範囲だと思っています。いいケアを提供できるよう、一緒に頑張っていきましょう!!

(2023年10月10日)


第23回【介護の現場で葛藤した事5選】

仕事をする上で葛藤することってありますよね。郷に入っては郷に従えとはよく言いますが、だからといってやってはいけないことをしているのを見て黙っている事ってとても苦しいです。転職したばかりの時は波風を立てたくはないので黙って従っていますが、一人になったらやらないようにしています。

そんなこと関係ないとズバズバと物を言える人もいますが、その勇気が羨ましくもたくましくも思える時もあります。そうなりたいとは思いつつも長く務めるとなると人間関係を築いていく事も大切。言い方ひとつで関係性が壊れる事もあります。凄く葛藤していたことをまとめました。

【1. ご飯の上に薬をかける】

初めて介護の仕事をした際とても驚いた光景でした。薬って苦いですよね。それを美味しいご飯の上にかけてしまうのはどうなの?って衝撃を受けました。味覚がしっかりされている方はご飯の上にかけると食べなくなってしまうから後から口に入れると教わりましたが、皆そうなんじゃないの?って思っていました。

いくら認知症で味覚が分からず介助をすれば気にせず食べるからと言って薬をふりかけのように扱うのはどうなのだろうかと思っていました。かといっておかしいと思って一人ひとり食後に介助をしていると「何やってるの?」「遅い!」と言われてしまうため出来ず…。

ユニットケアであれば出来る事も従来型特養の場合、20~30名の利用者様の対応をしているため、一人ひとり後から薬介助を行うと大幅な時間のロスに繋がる為個人的な感情だけで違う事を行う事は出来ませんでした。初めは“おかしい”と思っていたことも習慣って怖いもので1年も経つ頃には“当たり前”になっていました。

新しく入ってきた職員や実習生から「ご飯の上に薬をかけるんですね。」という言葉を聞いた時、いつの間にかおかしいと思う気持ちが無くなっていたことに気が付き“その感覚忘れていた。忘れてはいけないことだよなぁ”と気づかされる事がありました。

次に転職した施設はユニットケア施設でした。ユニットケアは1年ほど経験していましたが、利用者様主体のケアをしている施設は初めてでした。やること全て今までとは全く異なり利用者様の希望に沿ったケアを行っていました。薬についてはもちろんご飯にかけることは無く、砕いて内服することもほとんどありません。

砕く時は看護師に報告・相談したうえで内服直前に砕く事と決められていました。薬を吐き出してしまう方には水分ゼリーを使用し決してご飯にはかけない。上手く内服できない時は小さいカップケーキのようなお菓子に錠剤を入れ込んだものを提供する等食事には絶対にかけない方針で行っていました。

これに慣れてから他の施設に転職した際ご飯の上に当たり前のように薬をかけている光景を見て、まだまだご飯の上にかけるのが当たり前になっているんだなと思いました。この施設ではおかずも全部混ぜて提供していた為、少しずつですが変えていきました。

ごちゃまぜになった食事を食べたいと思うか・ご飯の上に薬をかけられて美味しいと思うか等問いかけ行くと徐々にやっている事が“おかしい事だった”という事に気が付き、1人また1人ずつご飯の上に薬をかける事をやめていきました。最終的には誰もご飯の上にかける事はなくなりました。

就職したときからご飯の上に薬をかける・おかずを混ぜると教わっていたためこれが当たり前だと思っていたと話される職員が多く、初めの段階からしっかりとしたケアを伝えていく事の大切さを学びました。出来る事であればご飯の上にかけずに済む方は食後に内服するようにしていただけたらいいですよね。

【2. 職員の仲が悪い】

同じユニットの職員同士・他職種間の仲が悪いと決まるものも決まらず、時間ばかりかかってしまい無駄な工程が増えてしまいます。本当に時間が勿体ないと思う事が多いです。専門職の人にアドバイスを貰い行っていても「私がいいって言ったらいい、ダメっていたらダメなのよ。」と怒るケアマネージャー。

看護師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の専門性を学んで来られてきた職員の指示に従う事が普通だと思っていたのですが、ことあるごとに「なんで私に聞かないの?専門職に聞く前に私でしょ。」と怒るケアマネージャーに出会ったことがあり、衝撃的な感情を抱きました。

自分の考えが否定されるとヒステリーになり怒り散らし、一度いなくなったかと思うと少し時間を置いて再度やって来ては「これはこうでしょう。おかしいよね。」等自分の正当性を主張しにくる感じでした。意見があるのであればユニット職員ではなく専門職と話し合って欲しいところですがそれは行わない。

私たちは利用者様の為に動いているはずなのに自分のプライドの方が大切で自分の立場を誇示したいという気持ちが強い人が上に立っていると大変です。嫌いな専門職の人が居た場合、その人の指示には絶対に従いません。ユニット職員も専門職の人が言っている事に従いたいと意思を示すものなら大騒ぎ。

「決定権は私にあって、専門職にはない」との一点張り。嫌いなリーダーが居るものであれば、何かあった際「リーダーに相談しますね。」と伝えるものなら「リーダーの意見なんていらないんだよ。なんでユニットの職員で決められないのよ?おかしいだろ。」と職員を捕まえて怒り始める始末。

物事を決める流れとしてユニット内の最終決定はリーダーにあり、リーダーと相談しながら決めていかなければいけないのではないかと伝えてもこういうタイプには通用しません。「あのリーダーの意見なんていらない。」の一点張り。これではリーダーの立場がありませんよね。

ケアの方向性がユニット内で決まった際も「誰が決めたの?」「みんなで話し合って決めたの?」と聞きまわり、少しでもリーダーの名前が出るようであれば「馬鹿じゃないの。あいつの意見なんていらないんだよ。なんで他の人で決められないの?」と怒り出し手に負えなくなります。

こういう人って本人を目の前にすると何も言わないパターンが多く、他の職員にうっぷんを晴らすのでたちが悪いです。直接本人と話し合って決めてもらえないと一般の介護職は誰の指示に従っていいのか分からず困る旨伝えてみても「私の意見を聞けばいいんだよ。」と言われてしまうと手の打ちようがありません。

一体“誰の為に話し合っているの?”と思う程でした。自分のプライドの為、嫌いな職員を蹴落としたいがために意見を聞かない・否定するようなことをしていては良いケアなんてできませんよね。間に入る職員も疲弊していきますし話し合わなくてはという気持ちすらなくなっていきます。

逆もしかりでこのリーダーも表面上はとてもいい感じに接していますが、基本的に自分以外の職員は好きではなく事あるごとに文句を言う人でした。面と向かっては「お蔭さまです。」「ありがとうございます。」「助かります。」「さすがです。」とほめていましたが、その人が居なくなるとけなし始めます。

私が仲良くし始めているのを見ると「〇〇さんには気をつけろ。手の平を返してくるからなぁ。」「△△さんには気を付けろ。すぐに施設長に何でも間でも言われるからな。」と嫌な情報ばかり伝えられました。また、助かっていると言っているそばから「〇〇さんはここが出来ていない。これをしない。」とあら捜し。

そばで見ていて怖いと思う程でした。次第に褒められても“本当はそう思っていないんだろうな”と思い始めてしまい信用できなくなりました。これは私以外でも感じている職員が多く、リーダーは人を信用できない人なんだろうなと感じていました。ちょっとかわいそうだなぁとも思っていました。

さらには人との関係性の作り方が分からないのか、物をあげれば関係性が良くなると思っている節があり、何もない時から「これ食べてみろ~。」「これ持っていけ~。」等事あるごとに物を配っていました。LINEギフトもしょっちゅう送られてくるので途中からやめて欲しいと思うようになりました。

断ると「私からのはもらえなのか。」「いいから黙ってもらっておけ。」と話にならず、お返しをしなくてはいけなくなるためお互いの為にやめましょうと伝えてみましたが「お返しはいならないから。」の一点張り。私自身が受け取るだけにはしておきたくない性格だったので本当に苦痛でした。

信頼関係ってこんなことをしなくても腹を割って話し合う事で築いていく事が出来ると思っています。こういう職員が多かった施設では本当にいびつな関係性が多く見られていました。私は耐えられなくて半年程度で逃げるように去りましたが、ここまで酷いところは初めてでした。ホントいろんな施設があります…。

【3. 先が見えない】

16時間夜勤を月に7回~9回行う施設がありました。16時間夜勤って仮眠時間が2時間程度あるものだと思っていたのですが、その施設では仮眠おろか休憩時間さえもありませんでした。私は初めての16時間夜勤だったため仮眠や休憩が取れない事に物凄い衝撃を受けました。

8時間夜勤ですら辛いと思っていた旨を面接段階で伝えており、施設長からは休憩も仮眠もある事や月4回程度と聞いて入職したのに嘘をつかれたと愕然としました。職員の数が足りず夜勤専門の派遣さんも使っていたため減らしてもらおうにもどうにもこうにも出来ません。

せめて仮眠時間が欲しいと伝えるも「今までもこうやってきたから。」「そのうち慣れるよ。」「休憩が取れない分夜勤手当に上乗せしているから。」と言われてしまいました。「夜勤手当他の施設よりも高いでしょ?」とも聞かれましたが、8時間夜勤とさほど大差がなく本当にしんどかったです。

しかも夜勤前に会議があると1時間前に出勤が義務づけられていたり、翌日日勤者が居ない場合はそのままお昼近くまで残業したりすることがざらにありました。こんな過酷な施設で働いたことが無かった私には“異常”とかし思えませんでしたが、ここで働いている人にとっては“当たり前”でした。

酷い時は24時間施設に居るなんてことも!!一般的には16時間夜勤の後は明、休みとなるはずが、明の日の夕方から出勤する事や、夜勤、明、出勤、出勤等が続き7日連続で出勤なんてこともありました。これは本当に労働環境が良くありません!

日中もほぼ1人で勤務する事が多く、食事介助5人の全介助8名程度。2人介助が隣のユニットと合わせて5人となると時間の使い方がとても難しく、時間に追われながらのケアになります。お風呂もままならずもどかしい気持ちになる毎日でした。

そのうち人が入って来るのだろうと思っていても入って来るタイミングで数名やめる事の繰り返し。人が居ない時はやめられないため、入って来るタイミングを見計らっている職員がなんと多い事か。ここまで毎月数名の退職者が出る施設は初めてでした。

人が居ないとなるとその分利用者様のケアに当てる時間が削られます。爪は伸び放題、ひげもモジャモジャ、水虫は酷く居室内の清掃には手も届きません。申し訳ない気持ちでいっぱいでたまにある職員2人出勤日にまとめて出来る範囲行うようにしていました。

足の水虫に関しては自分がお風呂担当になった時にしっかりと洗い、垢を落として乾燥、水虫薬塗布まで行うようにしていきました。すぐに良くなることはありませんでしたが、少しずつ綺麗になって行っている事が分かったので良かったです。行いたいケアが出来ない葛藤を抱きながらの毎日はしんどかったです。

こんな環境が数年前から続いているとの事で、労働基準を満たしているのか疑問を持ち聞いてみましたが「労基に相談しながら行っているから問題ない。」と言われました。今まで13年介護の仕事をしていましたがここまで劣悪な環境は初めてでした。体力も精神力もどんどん奪われていきました。

働き方を見直さなくてはいけないのではないかと伝えても「変えるつもりが無い。」と言われてしまうとこのままこの施設にとどまって仕事をしていていいのだろうかと思うようになります。確かに他の職員はこの仕事の流れが当たり前と思い働いていましたが、私には合いませんでした。

悶々としながらも他の職員も頑張っているのだからと気張っていましたが、ある日突然メンタルが崩れる時がきました。職員を増やす感じもなく、業務改善をするわけでもなく、業務改善を行っていてもすぐに「元のやり方に戻せ。」と言われていたので、この施設に未来はないなと感じるようになりました。

その結果私は去る決意を固め逃げましたが、この転職をしてからは介護から離れようかと真剣に悩むほど次の施設を探す事が嫌になってしまいました。先が見えないとやる気はどんどんと無くなっていき、変えようと努力しても理由も聞かず元に戻されると頑張る気力も無くなっていきます…。

【4. 職員都合のケア】

人手が足りず、時間にも追われていた施設での事。薬をご飯にかける事や日中から大きなパッドを使用したり重ね付け、早い時間の着替え、職員都合の食事の早出しに疑問しかありませんでした。“ユニットケアとは?”“個別ケアとは?”“尊厳とは?”と思ってしまう程でした。

そういうケアをする理由を尋ねた際「こうした方が楽なんです!」との返答が返ってきたときは唖然としました。何か理由があって行っているならまだ納得が出来たかもしれませんが、職員が楽をするための不適切ケアは到底納得できませんでした。

教わっている間は「そうなんですねぇ~。」と言いながらそのように対応していましたが、独り立ちした時から出来る範囲の中でその方に合わせたケアを行うようにしました。重ね付けをやめたり、着替えも就寝時や起きたときに着替えたり…。早く始める人に比べ時間はかかりますが間に合わないという事はありませんでした。

また、重ね付けをやめたことによりテープ型おむつやパンツ型おむつのサイズが下がったり、使用するパッドの量が減ったり、サイズが小さくなったり、皮膚トラブルが減ったりとメリットばかり。初めは自分だけで行っていましたが、徐々に真似し始める職員が増え重ね付けはある程度やめる事が出来ました。

着替えについても深夜2時に着替える必要があるのかと会議で話し合いました。今までは日中の入浴後や夕方にパジャマに着替えたり、深夜に日常着へ着替えをしたりしていましたが、起床時と就寝時に着替えるようになりました。夜間ぐっすり寝ている時に着替えなんて嫌ですよね!

食事に関しては朝食を一番遅く食べる方が昼食早出しになっていて、2時間程度しか間隔が空いていないことに疑問を抱いていました。それにより昼食が食べられない事が多かったのですが疑問に持つ職員が誰もいませんでした。寝たきりの人が2時間間隔で食事を食べるかと考えたら食べられないですよね。

何故この方が早出しになっているのか尋ねると「食事介助の人数が多いから。」との事。利用者様の状態に合わせて決めたことではありませんでした。確かに食事介助の人数が多く、時間をずらさないと対応できない事実もあります。ならば早出しではなく遅出しにするように出来ないかいと相談しました。

話し合い始めると「確かに2時間空きではお腹が空かないよね。」との話になり見直されるようになりました。このように誰の為のケアをしているのかと考えていくようになるとケアの仕方が大幅に変わってきますよね。職員が楽をする為ではなく利用者様主体のケアが出来たらいいなぁと思っています。

ケアの方針を見直すだけで今までは“昼食は残すことが多い人”から“食事の間隔があいていなくて食べる事が出来なかった”に変わります。時間を見直すことで食事量も増え栄養バランス的にも良くなりました。食べない原因をしっかりと見る・検証する事は大切だと感じた出来事でした。

【5. 口が悪すぎる】

ケアをしていてカッとなってしまう事や気持ちの余裕の無さから口調がきつくなってしまう事は正直な所私もたまにあります。後から後悔・反省することが多いです。心の余裕って穏やかでいる為にはとても大切だなぁと感じていますが、やることが多く時間に追われるとなかなか難しいですよね。

時には聞いていて耳を塞ぎたくなるような声掛けをしたり、怒鳴付けたりする職員を見る事があります。いくら余裕が無いとはいえ、そこまでいってしまっては完全にアウトと思うような事を平気で行っている人を見ると呆れてしまいます。

対応が難しい利用者様も中にはいますが、普通に対応していたら怒ることが無い利用者様が大きな声で怒っていたところを見たときは“一体どういうケアをしているんだ?”と思う程でした。聞いてみると喧嘩口調で話しかけたり命令口調で指示をしたり「良いからやれって言ってんだよ。」と言っていた人も…。

職員、人それぞれ心のキャパシティーが違う事はわかっています。私も怒りやすい方だなぁと感じており、感情のコントロールを上手くしていかないといけないなと感じていますが、口が悪い人って直そうともしていないですよね。こんな事他の人に聞かれたらアウトだと思っています。

勿論上司には報告しましたが、仲がいい事もあり注意されず。自分から言うにもリーダー相手に注意は出来ない為怒り始めたときは介助を変わったり、トラブルが起きる前にその利用者様を私が勤務しているユニットに連れてきたりする等していました。関わらないことが一番だと思って対応していました。

普通に声をかけていれば怒る事なんてない利用者様。よっぽど酷い声を掛けられていたんだろうなぁと申し訳なくなってしまいます。他にも認知症で大きな声を出してしまう寝たきりの利用者様に対して「ばばぁ、うるせぇんだよ。」と声をかけたり、嫌いな利用者様からのコールがあると喧嘩腰に話をかけたりしていて呆れました。

リーダーとあろう人が率先してそういうケアをしていては示しがつきません。こういう人って誰かが居る時は穏やかそうに声をかけていて、人が居なくなったと思うと一気に本性剥きだしで汚い言葉を使い始めます。盗聴器とか監視カメラなんてあったら一発アウトだよなぁ、付けようかなぁと思っていました。

これが長く続けば続くほど、利用者様はその職員を見るだけで不穏になり始めます。「私の時は何だか落ち着かないんだよ~。」と話していましたが、今までの経験上自分の時だけ不穏になるという事は自分のケアに問題があると思った方がいいと感じています。

注意されてもすぐには治りませんし、本人がしっかりと自分で考えて直そうとしない限り治りません。介護ってストレスがかかる仕事ではありますが、自分の感情のコントロールする技術って最低限必要な事だと思いました。自分自身も感情的になってしまう時があるので人ごととは思わず対策していかないとですが…。

以上の事が介護の仕事をしていて葛藤した事です。あなたが仕事をする上で葛藤している事・葛藤した事ってありますか?介護の仕事ってチームワークが大切ですが、なぁなぁになってしまうと不適切ケアが発生し始めるので本当に難しい距離感だよなぁと感じています。

仕事に対する考え方も教わってきたバックグラウンドも異なる為温度差が出やすい職業だと思いますが、自分自身のケアの仕方を見つめなおしつつ、利用者様やご家族様にとっていいケアが出来るようにしていけるように成長していけたらと思っています。

偉そうなことを並べていますが、人のしぐさを見て自分が行ってきたケアや対応を反省することが多いです。今はこうやって話をすることが出来ていますが、私も以前は不適切ケアを行ってしまっていましたし、注意されながら今に至ります。初心忘るるべからずの気持ちをもって成長していきたいと思います!!

(2023年9月26日)


第22回【介護士になって覚えた事6選】

【介護士になって覚えた事6選】

介護士の仕事って食事・排泄・入浴がメイン業務ですが、それ以外にもやる事や覚える事は沢山ありますよね。介護士になってから利用者様の趣味に合わせて初めて覚えた事が沢山あります。今回は介護士になってから覚えた事をご紹介します。きっと介護士さんなら納得されるはず(笑)

【1. 歌謡曲】

介護士になるまでは全く知らなかった歌謡曲。介護施設と言えば歌謡曲は切っても切り離せないものですよね。就職し初めの頃は歌謡曲のタイトルすら全く分からず手拍子するしかできませんでしたが、経験年数を重ねるごとに歌謡曲が自然と歌えるようになりました。

「若く明るい 歌声に~」の青い山脈、「赤いリンゴに くちびる寄せて~」のリンゴの唄、「潮来の花嫁さんは~」の潮来の花嫁、「月が出た出た 月が出たヨイヨイ」の炭坑節、「ハァ 踊り踊るなら チョイト 東京音頭 ヨイヨイ」の東京音頭。みなさん歌詞を見ただけで歌いだせるのではないでしょうか?

私が歌謡曲をどう覚えたのかというと、利用者様が歌っているのを聞いて覚えていきました。デイサービスの時は帰る前に必ずカラオケの時間があったのでその時にある程度覚えました。今でも記憶にあるのはいつも「潮来の花嫁」を元気に歌っていた利用者様の事です。

“潮来の花嫁”自体しっかりと聞いた事が無かった為その利用者様が歌う潮来の花嫁しか知りませんでした。なので、独特な歌い方をする歌なんだと思って過ごしていました。ある時歌を習っていたという新規利用者様がいつものように潮来の花嫁を歌っている方の歌を聞き始めると「下手だねぇ。」と笑いながら職員に話されました。

その後「私も歌う。」と同じ潮来の花嫁を歌うと全くの別物!!本当に同じ曲なのかと疑ったほどでした(笑)歌う人によってこんなにも変わるのかと驚いて笑ってしまったのを覚えています。いつも歌っていた方は拍手をして「あんた~上手だねぇ~。」と言いながら大きな声で音を外しながら歌っていたのが懐かしいです。

リンゴの唄や炭坑節は施設の夏祭りで利用者様の出し物の定番になっていた所もありました。リンゴの衣装を作ったり、ハッピを着て炭坑節を踊ったり準備は大変でしたがとても楽しかったのを覚えています。東京音頭も結構定番な曲でした。

これ以外にも“鳥取砂丘”をエンドレズで歌われていた方、“ブルーライトヨコハマ”のさびだけ歌う方・歌えないと言いながらも曲がかかるとマイクを持って熱唱される方等いろんな方がいらっしゃいました。歌を歌いながら介助することで落ち着かれる方もいらっしゃり、歌謡曲を覚える事は必須だと感じています。

【2. 将棋】

男性利用者様で将棋をされる方多いですよね。ショートステイの時は将棋が出来る方が来所されるときは将棋が出来る方同士で席を一緒にする事や、他のユニットに入所されている方に対局を依頼する等していました。業務をしながらの事なので上手く対応できることばかりではありませんよね。

さらにはコロナ禍になるとショートステイは完全に隔離され、他のユニットへの行き来は禁止されるとユニット内でどうにかするしかありませんでした。つまらない思いをして頂きたくなかったので、将棋アプリで練習していました。小さい頃祖父から少し教わったことがあったのでちょっぴり助かりました。

教わったと言えど時々遊びに行った際に教わっていた程度。教えてもらいながらでないとうまくできません。利用者様に練習しているが完全には出来ない為教えながら対戦していただけないかと声をかけ行っていました。手を抜いたりハンディをくれたりしていましたが結果はいつも惨敗。

それでも「そこに置いていいのかぁ~?」「とっちまうぞ~。」「手を抜くのも大変だなぁ。」等なんだかんだ楽しそうに行ってくださっていたので覚えて良かったなと思っています。いつから覚え始めても遅くはないですし、やれることはやりたいなぁと思っています。

【3. 囲碁】

囲碁が出来る方って将棋に比べとても少ない印象があります。やってみて結構難しいなぁと思う事も。禁止手等理解できないのでこれもアプリやYouTubeなどを見て少しずつ覚えていきました。今回は順調順調と思っていてもいつの間にか囲われていて大量失点になることが何度あった事か…。

ルールを覚えるのが大変でした。手加減云々よりもセンスが無いなぁ~なんて感じていました。心理戦・頭脳戦だなぁと実感しました。いつもスタートの時点で駒を多く打たせてもらっていても勝てない!その利用者様が来るたびに利用中1回は対戦してもらうようにしていました。

また、この利用者様は囲碁の観戦も好きな方でご家族様より利用期間中に囲碁の試合がある時は見せて欲しいとの要望があったので見て頂いていました。何もない時は「家に帰る。」と帰宅願望がある方でしたが囲碁をしている時や見ている時は全く動かず集中されていました。

施設にWi-Fiを完備してからはYouTubeで囲碁の対局画面を流すようにすると落ち着かない時でも落ち着いて過ごせるようになりました。職員との関係性も囲碁の対局によって徐々に上手く取れるようになって行ったので利用者様の趣味を知る事と一緒にやる事って大切だなぁと感じています。

【4. 麻雀】

麻雀が好きな方もいらっしゃいますよね。「何だ麻雀出来ないのか。」と言われた事をきっかけにユニット費で麻雀を購入する事に。麻雀も囲碁と同様に出来る方は少ない印象があります。家に麻雀のゲームがあったのでやった事はありますが、役については全く分かりません。

出来るのは“チー”“ポン”と何となく“リーチ”リーチをかけて“ロン”や“ツモ”これは出来るのですがなんせ役なんて全く分からないので「何だそれでリーチかけたのか。」と言われることが結構ありました(笑)強い役はわかりませんが勝ちは勝ちなので勝つ回数を稼いでいました。

学生の頃、この3つとも得意な友人が居ました。その時は出来なくても将来に関わらないと思っていたのですが、友人は将棋が出来るという理由で介護施設に内定したと話していてそんな事あるのか!?と驚いた事を思い出しました。出来る事に越したことは無いですね!

介護施設内でも「あんちゃん。」と利用者様から声がかかるほど人気も出たそうで一緒に覚えておけば良かったなぁなんて思う事もあります(笑)しかし、今の時代アプリで覚える事が出来るようになっているので今からでも遅くはないと思っています。あなはた将棋・囲碁・麻雀の中で得意なものはありますか?

【5. 手話】

学生の頃点字や手話をかじっていましたが、使う機会が無いとすっかり忘れてしまうものです…。就職してからも10年以上手話を使う機会が無く、習得しようという気持ちすらなくなってしまっていました。習慣って大切ですね。

ここ数年、テレビドラマで手話を題材にしたものがいくつか放送されるようになり、またちょっと勉強しようかなぁなんて思っていた所、転職した先のユニットに手話・筆談をされる利用者様がいらっしゃいました。初めは筆談で話をしていましたが、ご家族様と手話で会話をされているのを見て“私も手話で会話したい!”と思うように。

手話辞典を数冊購入してまずは挨拶や食事・お風呂に関する手話から覚え手話で会話するようになりました。排泄に関してはピンポイントで“おむつ交換”や“おしっこ出ました?”等の手話が載っておらず排泄に関しては最後まで筆談でした…。転職して半年でまさかの異動になってしまったことがとても悔やまれます…。

手話を使って挨拶するようにした時の利用者様のとても嬉しそうな表情が今でも忘れられません。その後手話が出来る人だと思われ、普段通りのスピードで会話をしてくださっていましたが、本当に簡単な手話しか覚えていなかったので理解することが出来ずとても申し訳ない気持ちになりました。

“今手話の勉強中です。教えてください”と手話をして伝えた後、辞書を渡して意味が通じているか確認しながらの少しずつ覚えていきました。病院受診や面会の際に“いってらっしゃい”や“おかえりなさい”がスムーズに出るようになった時は自分でも嬉しかったですね。

異動したことによってまた手話を使う機会が無くなってしまったのが残念ですが、コミュケーションツールの1つとして習得出来たらいいなぁと思っています。出来るようになれば利用者様やご家族様とももっと会話が進むだろうなぁと感じています。願望ですが、介護用の手話の本が欲しいです(笑)

【6. 英語】

まさか介護施設で英語を覚えるとは思ってもみませんでした。海外に行ってみたいという憧れがあり1年程英会話教室に通っていたこともあるんですが、やはりアウトプット出来る環境って大切で話す相手がいないと覚えが悪いなぁと感じています。(私の場合はだと思いますが…)

介護施設にも外国籍の方が働きに来られていますが、私が出会った方々は皆日本語ペラペラで英語を話す必要がありませんでした。技能実習生は日本語のテストを定期的に受けているようで必死に日本語を勉強していました。漢字やどくとくなニュアンスの日本語もしっかりと理解できていて驚きました。

そんな矢先、転職した先の施設で初めて日本語があまり分からない方と出会ました。他の職員が付いて指導していたのですが何かの時に話をした際“あれ?日本語理解できていないかも”と感じる事がありました。話をしてみると漢字は全く読めずひらがなを読むのもやっとな感じという事でした。

性格なのか分かりませんが、その方は言われたことに対し「はい。」「分かりました。」と返答されていたため、指導していた人は理解できていないことに気が付いていませんでした。“もしかして日本語が分からないのではないか”という疑問を提示したことで他の職員さんも気にかけてくれるようになりました。

その結果やはり日本語を理解できていないという事が分かり、そこからどうしたら理解できるか本人と話し合う機会を増やすようにしました。漢字は読めないけれどローマ字なら読めるという事で名前にローマ字のロビを打つようにしました。

これだけで利用者様の名前を間違える事は減りました。また薬に関しては食前薬なのか砕くのか数回に分けるのか等も細かく英語表記をつけたり、排泄チェック表には排便の色や形状についても記載をして欲しいと英語で書いたりしました。英語を調べて書き出し、意味が通じるか確認したうえで記載するようにしました。

記録の打ち方についても“分からないからやらなくていい”ではなく、外国の方でも分かるように記録の仕方をスクリーンショット・書き方や意味・注意点を日本語で記入したものを印刷し、英語に訳してもらう事は本人に行ってもらうようにしてお互い歩み寄るような仕組みにしました。

そのうち今までは分からなくても“はい”と返事していた事も「すいません。これが分からない。」と聞いてくれるようになり、少しずつ距離感も縮まっていきました。利用者様からあがったクレームについても理由を説明しこうするといいと伝えたり、間違えないように英語表記をつけるようにしたりしました。

今更ですが、英会話教室に通っていた時にしみじみ勉強しておけば良かったと後悔しています。こういう時にすらすらと英語が話せる職員を見ると“カッコいいなぁ”“凄いなぁ”と尊敬しています。英語での連絡のやり取りをしてもらうようにしていますが、英語翻訳アプリは手放せません。

単語も大事ですが、まずは英会話が最低限スムーズに出来るようになりたいなぁと思っています。もし学生の方がこの記事を読まれていたら声を大にして“英語の勉強って大事だよ!!”と伝えたいです。介護施設では使う事が無いと思っていましたが、使います!!

この6つの事が介護士になってから覚えた事でしたがいかがでしたでしょうか?“あるある!”と思っていただけましたか?学生の頃に比べ学ぶ事って吸収が悪くなり難しくなっていきますが、学生の頃よりも楽しく学ぶ事が出来ているなぁと感じています。

いくつになっても自分のやる気次第で学ぶ事は出来ます。楽しく学んでいけてさらにそれが自分のスキルだけでなく周りの方とのコミュニケーションを円滑にとれる術になればなおの事いいですよね。これからもいろんなことを学んでいきたいと思います。一緒に頑張りましょう!!

(2023年9月12日)


第21回【転職したくなる時5選】

介護の世界って転職多いですよね…。1度目の転職の時はとても勇気がいりますが、1度転職をしてしまえば次の転職は怖くないと感じてしまいますし問題なく再就職することが出来る割合が高いですよね。人手不足な業界ならではなのかもしれません。そんな私も実は4回ほど転職をしています(笑)

今回は私が転職を決意した理由を含め転職したくなる原因についてまとめました。あなたは転職したくなった事や転職をしたことありますか?また転職を決意した理由って何ですか?次の理由以外にありましたら是非教えてください。

【1. 無料残業が多い】

仕事開始の30分~1時間前に出勤して仕事を開始していませんか?私が就職した13年前は30分前出勤が当たり前とされていました。今でも「30分前に出勤するのは社会人として当たりまえだろう!」と言われることがあります。しかし今の時代早く出勤するように伝えるとそれは業務命令になってしまいます。

本来なら残業申請していいはずなのですが、こういう事を言う施設って残業を認めません…。その上定時に退勤できるかというと定時退勤なんて出来ないという雰囲気を醸し出されることが多いです。早く来て遅く帰る…。自分の仕事が遅くて帰れないのであれば仕方が無いですが気を使ってだとストレスが溜まりますよね。

以前勤めていた施設では働き方改革をして業務について見直しが行われました。その際、各リーダーには早く来るように注意することは業務命令になる為遅刻しない限り言わないようにとの指導が入りました。なので“来るのが遅いなぁ”と感じても注意することを躊躇することが多々ありました。

教わる立場であっても業務開始の数分前に来る人も居ます。教える側は自分の流れで仕事をしたい上に教えながらだと時間が押してしまうためストレスを感じています。この時は独り立ちするまでの間は教わる立場である為教えてもらう人と同じ時間にはいて欲しい旨伝えています。

独り立ちしてからであれば業務が押したとしても自分で対処すればいいですが、教える側がイライラしながら待ったり時間に追われ焦ってミスしてしまってはいけないですよね。勿論早く出勤しすぎる人が教える側の場合は話し合って常識の範囲内でスタートしてもらう等に伝えています。これが結構難しい調整だったりします…。

リーダーになってからは通常業務以外にリーダーの仕事をしなければいけませんよね。通常の仕事が終わった後にリーダーの仕事を行うため常に2時間程度の無料残業をするようになりました。翌日が休みの日はもっと残ることも…。しかしこれは上司からの指示ではないため残業扱いにはならないですし、評価にも繋がりません。

目をつぶってやらなければいいのかもしれませんが、性格的に気になった部分は早めに解決したいため出来る限り頑張りますが長くは続きません。いつしか何のために頑張っているのかが分からなくなり虚無感を感じ疲れ果ててしまい転職を考えるようになります。業務中にリーダーの仕事が出来るようになったらいいですね。

【2. 人間関係が悪い】

人間関係の悪さが1番の転職理由ではないでしょうか。介護って1人では仕事が出来ません。チームプレイの中でギクシャクする関係が続くと精神的に大ダメージを受けますよね。介護の業界ってハラスメント対策が遅れていると感じる事がとても多いです。

上司に向かってため口を使う、気に入らない事があれば無視、出来ない職員を大勢の前で非難したりつるし上げたりする、嫌いな職員のシフトをきつくする、セクハラ、モラハラ等コンプライアンスが謳われている中いつまでたっても昔の風土のままな気がしています。勿論しっかりと対策している施設もあると思いますが。

体験した中では施設の長が「てめぇ~このやろ~。」と職員を怒ったり蹴っ飛ばしたり「馬鹿じゃないの?お前さぁ~。」と言い放ったり本当に“えっ?”と思う言葉が飛び交う施設もありました。こういう施設はケアもちゃんとできていない印象があります。受けたストレスを利用者様で発散してしまう悪循環にも陥ります…。

介護の経験が長い職員は経験の浅い人が上に立つのが気に食わずリーダーを無視したり、自分の意見が正しいと勝手に物事を決めてしまう人もいます。無法地帯状態です。これではケアの統一も出来ません。この先ここで頑張っても仕方が無いと思ってしまうと転職に繋がります。

【3. 守られない】

利用者様やご家族様からのハラスメントが発生した際、トラブルを避けたくて「仕方が無い。」「自分たちが我慢すればいい。」「利用が無くなる方が困る。」との理由から職員が守られないことがあります。職員の人権は守られないのかと思う事が何度かありました。

利用者様からのセクハラ問題が上がった時には「減るもんじゃないから揉ませてあげたらいい。」「そんなことをする人じゃないでしょう。あなたが嘘ついてる。」「話を大げさに言ってる。」等言われた事があります。しかも同性の上司に。同性ならば嫌気が分かると思っていましたがそんなことはありませんでした。

もう誰に相談したらいいのか、どう対処したらいいのか、いつまで我慢しなければいけないのかと悩む毎日…。セクハラされやすい勤務の時には行きたくないという気持ちにすらなりますし、その時間が来るとそうならないためにどういう対応をしようか、一人になった時はどうしようかと不安に陥っていました。

ご家族様からのカスハラに対しても職員からの事情を聴かずに一方的に「こちらが悪かったです。」と言われてしまえば職員側に非があった事になってしまします。ご家族様が帰られた後にいくら「みんな分かっているからね。」「あなたの味方だよ。」と言われても直接ご家族様に話してもらえなければ意味がありません。

ここの施設に居たら守ってもらえない。病んでしまうと思い転職に繋がっていきます。私たち介護士も人間です。問題が発生した時にどう対処するかによって気持ちが離れていきます。ハラスメント対策、時にはご家族様に対てしっかりと話をする事をしていって欲しいなぁと思っています。

【4. 評価基準が分からない】

仕事は出来なくても口が上手くて気に入られている人は評価が高く、黙々と仕事をしてフォローもしてくれている人の評価が低いと嫌になってしまいますよね。上長のお気に入りにならないと評価がされない。介護現場ではあるあるな事なのかもしれませがなんだかなぁと感じる事があります。

面談などで数名から悪い評価の意見が上がったとしても自分のお気に入りの職員であればなかったことにしたり、逆にいい評価が上がっているのにそれを考慮しない。こういう事が明るみに出れば頑張る職員は減りますし、今の施設で頑張ろうという意欲も無くなります。

介護士の評価の場合、数字での評価はつけられないため業務内での態度や仕事の具合、利用者様やご家族様からの評価で判断するしかないと感じています。不透明になりやすい評価をどうしていくのか、納得できるような評価基準を作ることが大切になってきます。

私は1度到底納得のいかない評価をつけられたことがあります。無遅刻無欠席な上に急遽休んだ職員の代わりに出勤、急な残業を受ける、コストダウン等の結果を出したにも関わらず人事評価で最低をつけられたことがあります。全く持って理解できず不服申し立てをしましたがその原因を聞いて唖然としました。

それは自分のお気に入りの職員が私に対し悪い評価をつけていたからとの事。いろいろと変えていきたいから意見が欲しいと言われていたので、聞かれた事に対し意見を出していましたがそれが面白くなかったとの事で悪いように報告をしていたそうです…。

結構話を盛る職員で嘘が7割で話をする方でした。他の職員はそのことを知っており、施設長の耳にも入っていましたが自分のお気に入りの職員だった為か他の職員への事実確認もせず評価をしていました。この結果は覆ることが無く、嫌気がさして退職しました。

評価を下す人は決して私情を挟んではいけないと思っています。客観的に物事を判断し、おかしいと思ったら事実確認をするなど冷静な判断をして欲しいと切に願います。この施設ではとても悔しく苦い思いをしました。同時に辞めていいやとも思いました!こういう施設は離れた方が正解です!!

【5. 激務】

介護施設って全体的に人手不足ですが、人員配置ギリギリ叉は足りていないと思われる施設では当たり前のように休憩なし・無料残業・長時間労働・休日出勤・休み返上が行われています。数か月勤務しただけで身体がおかしくなるかと思うほどです。

このままでは身体が持たないと訴えても、労働基準に触れるのではないかと伝えても何とも思わず「昔からこうだから。」と言われて終わりにされた事が多いです。当たり前に行ってきた職員やそこしか知らない職員はこれが当たり前と思ってしまうのかもしれませんが、転職してきた人は異常な事だと気が付きます。

転職してきてもすぐ辞めていく人が多い施設は本当に危ない経営をしているという事に気が付かないといけないと思っています。激務により精神的な病気になったり健康被害が出てしまったりします。利用者様の事も大切ですが、ケアする自分の身体が健康であることが大切です。

職員の健康を脅かすような運営しかできない、現状がおかしいと思えない、変えようとしない施設で働いていると自分がおかしくなってしまいます。おかしくなる前に逃げる事が大切です!!しかし、こういう施設に限って退職でもめる事が多いので余計にメンタルがおかしくなりそうになります。

現に私もこういう施設を退職するにあたって大分揉め、労働基準監督署に何度か足を運び相談・アドバイスを貰って何とか退職できた事もあります。ここの施設ではその日で辞めていく職員が多かったですが、それが出来ない性格なのが施設からいいように使われた結果でもありました…(泣)

転職したくなる時5選をあげてみましたが、あなたはいくつ当てはまりましたか?介護施設って沢山あるからこそとんでもない施設や働きやすい施設との差が大きいなぁと感じています。おかしくなる前に逃げる事も大切です!我慢すればいいわけではないので自分の身体と向き合って欲しいなぁと思います。

(2023年8月28日)


第20回【介護現場の洗濯あるある7選】

介護施設って1日何回洗濯をするんだと言うほど常に洗濯をしていますよね。洗濯機の数は施設によって異なりますが、業務用、汚染衣類用、食事エプロン用、利用者様衣類用、職員衣類用等様々です。乾燥機も家庭用が各ユニットにあったり、業務用があったその施設に就職してみないと分からないですよね。

洗濯の仕方って職員の性格やこだわりが垣間見えるなぁ~と思う事が多々あります。色別で洗ったり、全部の服を洗濯ネットに入れたり、逆に洗濯ネットなんて全く使わなかったり、裏返したり、見ていて面白いなぁと思う事やまずいでしょ!と思う事もあります。今回は洗濯についてのあるあるをまとめました。

【1. ハイターの種類を間違えてしまう】

汚染衣類を洗う時にやってしまいがちなのがワイドハイターとキッチン用のハイターを間違って入れてしまう事です。なぜキッチン用ハイターが洗濯室に置いてあるかというと、ポータブルトイレや尿瓶を漂白する為に使用するからです。ワイドハイターよりもハイターの方がより漂白力が強い為使われています。

汚物室にはこの2種類が置いてあることが多く、急いでいる時に誤ってハイターを入れてしまう事が度々あります。その都度衣類の色落ちが問題になり、誰が対応したのかの犯人捜し…。対応してしまった職員が始末書を書くなんてこともあります。

一方で責任逃れをしたくて誰に聞いても対応していないと返って来る事もあり、“誰も対応しなくて勝手に色が抜け落ちるの?勝手に汚染衣類がバケツに入り漂白剤が入るの?オバケの仕業なのかしら?”となることも…。責任逃れの場合疑いたくない気持ちと責任の所在を突き止めるのに一苦労します。

これを解決するために漂白対応した職員の名前を書くボードを設置するようにしました。何時に誰が誰の衣類を漂白したのかを知ることによって責任の所在が明らかになることと漂白時間が短すぎてやっている意味が無いなんてことが無いようにしました。これを始めてからミスも減りました。

【2. ティッシュやパッドを一緒に洗ってしまう】

洗濯が終わりいざ衣類を取り出そうとした際、衣類と一緒にティッシュやパッドが出てくると“やってしまった”と思ったり“ティッシュやパッドと一緒に洗濯したの誰ぇ~”と思ったりしてしまいます。この後の作業がとてつもなく大変なので一気にやる気がガタ落ちします(笑)

今施設に入所されているお年寄って戦争時代やその直後の時代を生きてこられている世代である為、“勿体ない精神”がとても強く、数回使ったティッシュもまた綺麗に畳んでしまっている事があります。ポケットに入れてくれていればいいのですがそういう事ばかりでは決してありません。

介護施設で働いたことがある方ならうなずかれているのではないかと思うのですが、服と服の間や下着の中、ズボンの内側、袖等“えっ!!こんな所に入れる!?”と思うような個所に器用にしまっています。ポケットをくまなく探すだけでなくありとあらゆる可能性を考えて探さないといけないです!!

パッドに関しては完全に職員の取り外しミスですね!入浴介助後の洗濯ものから一緒に出てくることが多いです。下着に付けるパッドやリハビリパンツとパッドが一緒に出てくることもありました。ポリマーが散乱している時はもう洗濯物に触りたくすらないです。

この場合は乾燥機が使えなくなるため1枚1枚洗濯物を“バサバサ”と振ってある程度のポリマーを落としてから手干ししています。乾燥機にかけた際にポリマーが溶けて衣類に付着してしまったり、乾燥機が壊れてしったりする可能性があるからです。1枚1枚ハンガーにかけて自然乾燥します。

しっかりと乾いた後、再度“バサバサ”すると簡単にポリマーが落ちてくれますが、いつもよりもはるかに時間がかかる作業なので、間違って洗ってしまわないようにすることが大切です!洗濯機に貼り紙をしていても見ない人は見ないのでどうにか出来ないかなぁ~と悩んでいます(笑)

時々ポリマーに“塩”をかけると良いという話を聞くことがありますが、洗濯機の故障に繋がる可能性がある為おススメはしません。各洗濯機メーカーさんの方でポリマーを洗ってしまった時の対処法についてネットに上げてくださっていますので、調べて対処することが一番いい解決方法だと思います。

各メーカーさんが出す程なので、パッドやおむつを洗濯してしまう事って結構あるあるなんだろうなぁと感じています。お子さん用のであればまだポリマーの量が少ないですが、1200吸収等おとな用の大きいパッドを洗ってしまった時は絶望ですね…(泣)

何度か対処したことありますが遅番者が洗っていってくれたポリマーまみれの衣類を夜中に一人で“バサバサ”しながら干していたのが懐かしい…。自分も洗ってしまったことがあるのですが、本当に気を付けて洗濯したいですね!!

【3. 乾燥機にかけてはいけない衣類を乾燥機に入れてしまう】

秋口から春先までの間この問題が発生します。乾燥機に入れてはいけないニット類やセーター類が乾燥から縮んだ状態で出てきたときは“うわぁ~”となります。子供サイズまで縮んでいた事もあり、明らかにもう着る事が出来ないサイズになっていました。

この場合、当たり前ですがご本人様やご家族様に謝罪しなくてはなりません。完全に職員のミスなので、謝罪+弁償することもあります。ご家族様によっては「良いですよ。」と話してくださる方や職員の対応を責める方、施設では洗濯しないでくださいと話される方等様々です。

職員のミスなのでただただ謝罪する事しかできませんが、家族様によっては本当に何を言われるか分からない、きっと怒るだろうと思いながら電話するのは心臓に悪いです。ミスしないことが大切なのでどうしたかいいか話し合ったこともあります。

おしゃれが好きな職員の場合は結構衣類の素材を見てから乾燥機に入れても大丈夫か判断してくださったり、ちょっとでもトラブルになりそうだなぁと思った衣類は手干ししてくださったりするのですが、そういう職員ばかりではありません。

私も衣類について詳しい方ではないのですが、怖いかなと思ったら手干しするようにしていますがこの感覚も分からない方もいらっしゃるのが現実。その場合は乾燥機の蓋にタグに書いてある洗濯表示を印刷してこの印は乾燥機NGと分かるようにしました。

毎回服のタグを確認することは大変ですが、慣れてくればこの衣類は乾燥機にかけられないだろうなぁと分かるようになります。見ないで“大丈夫だろう”と思い乾燥機にかけられるよりも見なくても“これは乾燥機だめだろうな”となってくれたらいいなと思っています。

ご家族様の中には施設で洗濯が出来ない素材の衣類をお持ちになられる方もいらっしゃいます。その場合は施設での洗濯事情を説明しクリーニングにかけてもいいか、自宅に持ち帰るか等決めて頂いています。また、乾燥機使用する事が多い事も伝えるようにしています。

【4. 洗濯量が多い】

ユニット型特養であれば10人の衣類+入浴者の衣類等を毎日洗濯しています。夏場でも内出血や怪我から肌を守る為長袖を着用していたり、羽織物を来ていたりするので洗濯量が多いです。冬場ならはさらに分厚い服や羽織を数枚来ているため下手したら倍近く洗濯をすることも!

乾燥機を使用したとしても1回の乾燥に1時間近くかかる為、洗濯機を6回も回すと6時間以上乾燥に時間がかかることになります。これは滞りなく順調に回した時なので、この間に介助等が入ればもっと時間がかかってきます。毛布や寝具類を乾燥する時はそれだけで1回回すことになるので本当に時間との勝負です!

天気のいい日はなるべく天日干ししようとしていますが、ベランダまでの動線が長いと億劫になりますね…。夏は気温が高い為あっという間に乾いてくれるので夏の洗濯は好きです。毛布類も洗ってあげたくなります。この気持ち分かる方いらっしゃいますかねぇ(笑)

【5. 誰のか分からなくなる】

洗濯・乾燥が終わって衣類をたたんで仕分けをしていると名前が無かったり文字が薄くなっていたりして誰のか分からないなんてこと多いですよね。柄やサイズを見て分かる時もありますが、似たり寄ったりしている衣類や黒い靴下は本当に誰のか分からないです。

ご家族様がお金を出して購入された衣類ですので、本来ならばしっかりと管理して無くなるなんて事は避けたいのですが、毎回チェックしている余裕が無い上に毎回洗濯畳を行うわけではないので職員全員が日ごろからチェックしていく習慣を作ることが大切だと感じています。

名前が薄くなっていたら書き直す・タグが薄くなってきていたら襟元のタグに名前を書く・黒い衣類には名前タグを貼る等するようにしています。テプラに名前タグ用の物がありますが、100円ショップの名前シートでも十分ですというより、100円ショップの方が剥がれにくいと感じています。

剥がれにくくするにはタグの端を丸く切るだけで効果があります。名前つけの時は切る作業が面倒かもしれませんが、剥がれにくくなれば貼る作業を減らすことが出来る上に紛失も減るのでお勧めです。長めに熱を当てれば尚剥がれにくいなぁと感じています。

また、アイロンが施設に無い場合用意していくのが大変ですよね。家に衣類を持って帰るのも大変…。そこで私はヘアアイロンをアイロン代わりに使用しています。これが結構いい感じで、持ち運びにも便利です。温度が調整できるのもだと良いですよ。

【6. 違う人の衣類を着ている】

介助をしているとたまに“あれっ?これってこの方の服じゃない気がする”と思う事無いですか?私はこう感じたときは高確率で違う人の服を着ている事が多いです。トイレに行った際に着替えるようにしています。ご家族様が気付く前に気が付けて良かったなと思いますが、間違いはまずいなぁと感じています。

衣類を返却する際に必ず名前を確認して仕訳をすることになっていても間違えている事が結構あります。何故なのか分からず対処が難しいなぁと感じていました。1人1人専用の洗濯ネットを用意し、1袋ずつ名前を確認して畳むことにしていますが、間違える方って一気に全部袋から衣類を出していたんです。

畳んでいるうちに他の方の衣類と一緒になってしまったり、これはこの方のだと思い込んで疑うことなく他の方の衣類と一緒にしてしまったり…。こうなってくると1人での返却が出来なくなってきます。必ず2人で確認して~とやっていたら仕事が終わりません。

どうしたらいいのか結構悩むところです。毎月衣類整理をしてもらったり、名前のチェックをしてもらったりしていますが、時間が取れないことの方が多いです。時間外で行う事は良い事ではないため業務内に組み込みたいのですが人手がある時でないと出来ない…。難しい…。

せめて服を着替える時に名前が合っているかだけでも確認していただければ間違った衣類を着せずに済むのでその手間は行ってほしいと伝えるようにしています。ご家族様が親の為に買った服を他の利用者様が来ているのを見たら嫌な気持ちになりますよねと伝えると理解していただきやすい印象があります。

【7. ボールペンを一緒に洗ってしまう】

職員の衣類を施設で洗っていた時の話です。洗濯を出す際にポケットを良く確認せずに出してしまう職員がいると自分の衣類にボールペンのインクやハンコのインクが付いて返ってくることがあります。インクの色が目立つ服についてしまった場合は泣く泣くおさらばすることも。

また、ハンコの場合印鑑が服にいくつも押されて返って来ることもあり、これもまた使用できなくなります。これ以外にハンドクリーム・口紅・ライター・USBメモリが入っていたことも。私も何度かやってしまったことがありますが幸いにも他の職員さんへの被害が無かったことが救いでした。

ライターの場合、そのまま乾燥機に入れられてしまうため爆発の危険もあり厳重注意の張り紙が出ました。介護施設での爆発事故なんてあったらと考えると恐ろしい…。仕事終わりで疲れもあると思いますがしっかりと確認しないといけないですね。

洗濯あるあるいかがでしたか?介護施設で働いたことがある方は結構分かる内容ではないでしょうか?ミスを全くなくすことは出来ませんが、ミスの回数を減らすことは工夫次第で出来ると思っています。洗濯のトラブルで悩まれている方に少しでも参考になりましたら幸いです。

(2023年8月9日)


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