初任者研修
『横浜介護求人センター』

第26回【覚える為に工夫している事5選】

介護の仕事ってケアの方法から専門用語等覚える事が沢山ありますよね。新卒の時専門用語が沢山行きかっていて何が何のことなのか理解できずに“えっ!?何それ?”ってなった事が幾度となくありました。介護を始めたばかりの頃ってそうなりませんでしたか?

専門用語なのか何なのか分からず、申し送りで話している内容は全部紙にメモして後から調べたり先輩に聞いたりするようにしていました。今では笑い話ですが“ももひき”“傾眠”も申し送りのスピードの中では理解で来ていませんでした。

新卒の頃は専門卒や介護施設でアルバイトをしていた同期に比べるとどうしても覚えが遅い自分が情けなくて、先輩が優しくて余計に不甲斐なさを感じて落ち込む日々を過ごしていました。覚え方を自分なりに習得してからは異動や転職時にも大いに役立っていると感じているので今回は工夫している事をお伝えします。

【1. 居室や席は図を書いて覚える】

部屋や食事の席ってもう決まっている事が多いですよね。ショートステイやデイサービス以外では毎日変わるわけではないため見取り図にして書くようにしています。テレビの位置・カウンターやキッチン・ベランダ等分かる部分を書いてテーブルの形も大まかに書きます。

車いすの人と椅子の人で色を使い分けるととても見やすいです。利用者様に特徴がある場合はその特徴もメモすると顔と名前が一致しやすいです。また、転倒注意などの細かい注意点も食事の席に書き出します。図面と一緒に注意点が書いてあることによって1枚1枚注意点を書いた紙を探さなくて済むので見やすいです。

居室も大まかにユニット内の見取り図を書いてそこに部屋番号と利用者様の名前を書きだします。部屋の中は1部屋1部屋ざっとベランダ・洗面台・トイレなどの設備を書いてからベッドの向き、頭の位置、ポータブルトイレ・車いすの位置などを書き出します。

必要であればセンサーマットの有無や転倒・転落注意があるのか・就寝時の電気はどうするのか・部屋に用意する水分等があるのかどうかも書くようにしています。動きながらペラペラと見返すよりも付箋を付けてこのページを見ればまとめてあるという事が分かるようにすると尚見返しやすいです。

そこに書ききれない部分は次のページなどに書いていき、後で見返して違うノートや紙にまとめるのもいいと思います。“パッと開いてすぐ確認が出来る”“開いたページに多くの情報が載っている”という事が早く覚えるためには有効的だと感じています。

【2. お箸などの自助具の絵を描く】

ユニット型特養の場合、お箸などの自助具は個人購入してあることが多いです。使う用具もそれぞれ異なっており頭だけで覚えるのは時間がかかる作業です。間違って他の方に出してしまうわけにもいかないので大雑把でいいので絵を描くようにしています。

どのように絵を描いていくのかというと、四角い枠1人1人分けて書きその中に自助具やお盆なのかランチョンマットなのか、食事用エプロンが必要かどうか・トロミの有無や濃さを書くようにしています。1人1人分けて書くという事がポイントです。

書き方の例としてお箸であれば柄や色の特徴を書いたり、右利きなのか左利きなのかでお箸の向きを変えたりして書きます。スプーンやフォークを使用するのであれば大きさや福祉用具の物なのかで書き方を変えています。ただ単にスプーンと書いてあるよりも絵があることによって見やすくなります。

ご飯茶わんや汁椀・食事形態なども人それぞれ細かく異なります。ご飯だけでもペースト粥・お粥・軟飯・常食・パン食と複数の種類があります。ここに味噌汁の具の有り無し・塩分制限による味噌汁の量・ご飯のグラム数も加わると食事量だけでも結構な情報量ですよね。

メモしたところをペラペラとめくって1人1人の情報を得るよりもまとめて書いてあることによって食事も見やすくなります。“まとめる”事を意識して書いていくといいですよ!是非試してみてください。

【3. コップの絵を描く】

これも先ほどまでと同様ユニットケアでは個人で用意する事が多いので特徴を書くようにしています。コップも陶器・プラスティック・マグマグ・吸い飲み・ペットボトルなど使うものは様々です。色が違うだけで同じ物を使う方もいらっしゃるので、間違えないようにしないといけません。

さらに水分制限がある場合には何時に何cc提供するのか、トロミを付ける場合には200ccに対して小さじ・大さじ何杯入れるのか・好みの水分や嫌いな水分を書くようにしています。これ以外にもぬるめにする・熱いままの提供がいい等の好みも重要ですよね。これを覚えるのも本当に苦労しました。

【4. 排泄介助の準備】

これは従来型特養の時にとても苦労しました。新卒で配属されたのが従来型特養でした。ここは遅番で出勤したら就寝時の排泄用具を準備するという決まりがありました。従来型特養では就寝介助も30名行っていたためトイレ介助を行う方用の分を用意することが地味に大変でした。

個人用の籠がありそこに使うテープ型おむつやパッドをいれていたのですが、毎回サイズが書いてある紙を見なくては用意することが出来ず時間がかかっていました。慣れている先輩方はものの数分で準備が終わっていたのにその倍近くかかっていました。こんなことでと思われるかもしれませんが情けなさを感じていました。

準備に時間がかかるため早めに出勤し準備をするようにしていましたがこれはしんどいですよね。ある時同じ施設に配属になっていた介護施設でバイト経験のある同期にどうしたら覚えられるか相談したことがあります。その時に「紙に全部書き出して持って行くといいよ。」と言われハッとしました。

当たり前といえば当たり前なのですが、それまでは排泄チェック表を持って準備をしていました。早番者が書きたいけど書けない、記録を打ちたいけど打てないなんて事をしてしまっていました。排泄チェック表も時間帯でそれぞれ異なるサイズが書いてあったため見間違いで準備間違いをすることも。

同期にアドバイスを貰ってからは準備しなくてはいけないサイズを書き出し、それを持って準備するようにしました。今思えば“当たり前”“なんでそんなことも考えつかないの?”と思ってしまいますが、初めの頃は何をどうしたらいいのか分からないことだらけで付いていく事に必死でそこまで考えが回りませんでした。

ユニット型特養に移ってからは“個別ケア”が謳われており一斉排泄は行わないためパッド類のサイズ+排泄時間も覚える必要がありました。時系列を書き、この時間に〇〇様、テープ型おむつM+700mlパッド等と書くようにしました。排泄チェック表を1枚貰い排泄時間に色を付けたりそこに使用品を書くのもありです。

そうやって書いた紙をポケットに入れて排泄介助をしているため、よく利用者様の部屋に紙やボールペンを置いてきてしまうという事をしていました。無駄な時間をカットする為に作ったはずが、逆にそれを探すために余計な時間をつかうはめになる事なんていまだにやります(笑)

【5. ポジショニングの絵を描く】

ポジショニングってクッションを外す前はどっち向きでどのようにクッションを入れていたのか分かるのに、外して排泄介助をしたとたんどっちを向いていたのか、クッションがどう入っていたのかど忘れする事ありませんか?私はいまだに体位交換の向きがどっちだったか分からなくなる時があります(泣)

クッションの入れ方も利用者様によって大分異なりますよね。使用するクッションの大きさや固さも違います。どこに何を入れるのか絵をかいてしまうのが覚えるには近道です。勿論何故そこにこのクッションを入れる必要があるのかを根拠を元にして理解することも有効だと思います。

体位交換の向きついては次に向く側を排泄介助中ずっと心の中で連呼するようにしています。そうすれば排泄介助が終わった時に次どちらの向きにするのか忘れなくて済みます。または体位交換する際にやりやすい位置に立って排泄介助をすることもおススメです。

体位交換をする時って利用者様の背が見えるように対応しますよね。つまり、排泄介助に入る際は顔が見える側に行って排泄介助を行うとそのまま体位交換することが出来ます。こうすることで間違う事は極端に減ります!!忘れやすい方は是非試してみてください。

以上が覚えるために工夫している事です。リーダーになってからはこの苦労を元に“見える化”していく事にしていました。介助するその場に表やイラストがあることによってメモした場所を探す事や紙を無くした場合でも対応することが出来るようになります。

ちょっとしたことですが、あるかないかだけでもケアの統一性も上がります。見える化するにあたり準備することが一番大変ですが、一度作り上げてしまえばあとは本当に楽です。異動してきた職員や新卒者・中途採用者にとっても働きやすくなると思っています。良かったら参考にしてみてください。

(2023年11月22日)


第26回【独身介護士あるある 6選】

“独身”ってだけで結構いいように使われるよなぁ~と思う事ありませんか?特にこれからクリスマスや年末年始が来ます!この時期になると独身介護士が出勤する率が高い日がやってきます…。「予定ないから大丈夫です!」と何度伝えたことか…。今回は独身介護士の私が感じているあるあるをまとめました。

【1. 勤務変更を頼まれがち】

子供さんや職員の急な体調不良による欠勤時に出勤のお願いをされやすいなぁと感じています。休みの日に施設からの連絡があり「もしもし。今日なんですが〇〇さんのお子さんが体調を崩してしまってお休みになってしまったんですよ…。急な連絡で申し訳ないのですが、出勤って可能ですか?」って連絡が多い事…。

自分が体調不良になった時や身内に不幸があった時に交換していただくことがあるので“お互い様”という気持ちで出勤しますが、勤務変更の依頼が多いと“またかぁ~”と思ってしまう気持ちも正直あります。もちろん外せない用事がある時もあるので、その時は「難しいです。」と断っています。

リーダーをしていた時は“リーダーだから”仕方が無いと思い率先して勤務変更を受けていましたが、独身=勤務変更しやすいと思われてしまうのは悲しいなぁと思ってしまいます。予定があっても誰も出勤が出来ないなんて時は急遽予定を変更することもあります。

予定があったら何が何でも断るという気持ちがあればいいのでしょうが、性格的に出来ないもの痛いところ…。ちゃんと断れる人が凄いなぁと思ってしまいます。あなたは勤務変更の依頼が来た時断れる方ですか?それとも私のように引き受けてしまう人ですか?断れる勇気を持つ事も必要なんですよね!

【2. 残業をお願いされがち】

シフト作成の時にどうしても人が足りず誰かが残業をしなければならない時があります。その時に誰に残業をしてもらうか考える際“独身者”がお願いされることが多い傾向にあります。子供さんが居ると残業することが難しい事が多いからです。中には残業を引き受けてくださる方もいらっしゃいますが。

“独身”ってだけで“少し残業しても大丈夫でしょ”みたいな感じになるのが“う~ん…”とモヤモヤを感じる事もあります。独身だって仕事後に予定があることもあるんだよなぁ~って思いませんか?私の場合、早番の次の日が遅番や夜勤・休みの時は早番後に映画鑑賞をしたいと思っているので、予定が変わってきます。

また、2ユニットそれぞれのシフトがこなせるようになってくると例えば隣のユニットの職員が欠勤や早退で残業が発生する時、だいたい私に「急でごめんね。今日なんだけど〇時まで残業出来ますか?」と依頼が来ます。隣のユニットにも早番者が居るのですが、「家の…。」と言われてしまうとお願いしにくいですよね。

何故だか分かりませんが、私が早番の時に限って残業しなければならない事が発生し、回数が多くなってくると“はいはい、分かりました。残業すればいいんですよね…”って思ってしまう自分がいます。誰かが残らないといけないので仕方が無いのかもしれませんが、依頼が多いと辛いところがあります。

時々何を勘違いされているのか「残業代が貰えるから残業になってよかったね。」と言ってくる人がいますがそれは大きな勘違い!残業するよりも定時に上がって帰りたい人の方が多いです。自分でそう思って頑張るのはありだと思いますが、勝手にいい事かのように解釈して言ってくるのは無しです。

【3. 年末年始出勤しがち】

年末年始は就職している時は毎年出勤しています。休めたのは退職して次の職場の入職日が年明けてしばらくしてからの時だけでした。それくらい年末年始は“独身”にとって休みにくいのです。Instagramの方でも「分かります~。」というDMをくださった方が何名かいらっしゃいました。

何故年末年始の休みが取れないかというと、新婚さんであれば両家に挨拶に行ったり、子供さんやパートナーがいる場合は家族が集まる為、その準備や親せきにあいさつ回りなどをしたりするからです。田舎独特なのかもしれませんが、毎年年末年始に出勤できる介護士を確保する事が悩みの種です。

私は年末年始に出勤できる職員が少ない事を知っているため希望休は書かないようにしています。また、年末年始4連勤でも大丈夫であることをあえて伝えるようにしています。こうしてしまうから余計に休めないと思われるかもしれませんが、シフトを作る身としてはその一言がとてもありがたい事なのです。

その代わりに三が日を過ぎてから連休をつけてくれたり、年末年始出勤手当が付いたり、年末に仕事に来た職員にデリバリーの食事を頼んでくれたりと施設によってフォロー体制が出来ている事もあります。ある意味年末年始は出勤した方がよかったりもするので年末年始を休みたいかは人によりますね。

私の場合は人混みが得意ではないため初もうでや初売りには行かないですし、特に見たい番組があるわけでの無いのでお正月を利用者様と一緒に楽しく過ごす方が好きです。福笑いを持って行き一緒に笑ったり、駅伝マラソンを一緒に応援したりという時間がとても楽しいです。

私の初もうでは三が日を過ぎて人の出が落ち着いてきたころに行くようにしています。初もうでには行きたいので、人混みの少ない時にゆっくりお参りをして挨拶をするようにしています。人が多いとゆっくりお参りすることも出来ないですからね…。

1月1日はお風呂介助が無い事が多いので、利用者様とゆっくり過ごせる数少ない日でもあります。新年のあいさつをしておせちを食べて笑っていい年明を迎えます。画用紙で作った大きい年賀状を作ってお渡しすると結構喜ばれるので、是非やってみてください!!

【4. 夜勤が多くなりがち】

子供さんがいての夜勤は本当に大変だと思います。独り身であれば夜勤の時間まである程度しっかりと仮眠を確保することが出来ますが、子供さんがいるとそういうわけにはいきません。家事・炊事・育児と休む暇なくこなしたうえで夜勤も働くとなると想像しただけでも結構ハードですよね。

子供さんがいて夜勤をされている方、本当に凄いなぁと感じています。なので夜勤の回数がおのずと少なくなるのは仕方がない事かなぁと思っています。その方の夜勤の回数が少なくなる分、他の職員に回数が回ってきますが、時々夜勤を多くやりたい方がいらっしゃるのでその時はその方にお願いしています。

私は出来る事ならば夜勤の回数は少ない方がいいのですが、こういう事情がある時は月6回までの夜勤であれば引き受けています。直近の施設では休憩・仮眠無しの夜勤を月7,8回行っていたことを考えるともう少しできそうな気もしなくもないですが、明が休みカウントになるので5回が限界ですかね…。

夜勤が多くなった月は夜勤手当で溜めたお金で何か欲しい物を買っていいと自分にご褒美をあげるようにしています。そうしないと夜勤を頑張るモチベーションにならないんです。身を削って夜勤を行っているためたまには自分を甘やかすことも必要だと思っています。

【5. 早く結婚しなさいと利用者様から言われる】

利用者様方が若かったころの結婚年齢は若かったですよね。しかも中々恋愛して結婚という事は少なく、お見合いや親に言われた相手と結婚をしていたと聞くことが多いです。だからこそ私のようにいつまでも結婚しないでいると「もうそんな年齢なんだから早く結婚しなさい。」と言われてしまいがちです。

自分でもわかっているけど、こればかりは焦ってするものでもないしなぁと。また、利用者様の時代は男性を立てる・多少嫌な事があっても我慢するという時代でしたが今はそういう時代ではありません。お互い手に職をつけていると何かと折り合いをつけるのが難しい事も。

そう考えると本当に利用者様方は不満があっても我慢する・好きではなかった相手と結婚しても離婚せずに最後まで添い遂げる等本当に凄いなぁと感じています。お互いに少し距離がある方が干渉しすぎず相手を立てる事ができるのかもしれませんね。仲睦まじいご夫婦が多いので凄いなぁと感じています。

男女ともに“自立”出来る時代になったからこそお互いに尊敬・尊重し合える相手を見つけたいところです。利用者様に報告して一緒に喜べる日が来ることを私自身も楽しみにしたいと思います(笑)

【6. 子供がいると思われる】

【5.】とは真逆になりますが、「結婚してるだろう?」「子供もいるんだろう?」「子供何歳になったの?」「こんな遅くまで仕事をしていて子供が悲しむだろう?」と言われることも結構多いです。「子供いないんですよ~。」と伝えると「なんで?旦那は居るんだろう?」と高確率で聞かれます(笑)

「旦那もいないんです。」と伝えると「えっ!!」「嘘だ~。」と。結婚しているのにしていないと嘘をつくメリットがないと伝えると「若い旦那を見つけに来たんだろう。」とコントのような感じになります(笑)。こうやって笑い話に出来るのでこれはこれで嫌いではない私。

その流れから「〇〇さんが見つけてくれるっていうから待ってるんですけど~。いつになったら紹介してくれるんですか~?」という会話になるのはお決まり文句!「待ってろ見つけてきてやるから。」「年寄りの紹介を待っているんじゃないよ~。」と返答は様々です。

中には「私の息子なんだけど、△歳で結婚もしてないんだ。優しい息子なんだけどどう?」「孫がいるんだけど…。」という話になることも。本気で探そうとされる方もいらっしゃるので、冗談を言える相手はしっかりと見極めないと本当に紹介されてしまう事があるので注意が必要です。

これ以外に印象に残っているのは、私が丸い体形をしているため「今、何か月?」と聞かれた事。「あぁ~。もう20年ぐらい居ますかねぇ~。」と伝えるとぽかんとした表情をされる利用者様。お肉であることを伝えると「あらっ、ごめんなさい。私目が悪くってよくわからなかったの。」と大笑い。

マイナスに感じてしまう方もいらっしゃるとは思いますが、このように楽しいくらいの感じで話が出来たらいいなぁと思っています。孫のように可愛がってくださるのでいい報告が出来るようにしたいなぁと思っています。年を召してもこういう話になると目を輝かせ話に花を咲かせ楽しい表情をされますよね。

以上が“独身”で感じる事です。いかがでしたでしょうか?今の時代あまりこういう話をすると“ハラスメント”ととらえられてしまう事もあるかと思いますが、マイナスに考えてしまうと自分自身も辛くなってしまうので、前向きにいい方向に物事をとらえられるようにしていきたいです。

(2023年11月16日)


第25回【なぜあの職員は問題解決能力が高いの?】

職場で問題が起きたときすぐに解決策が出る人っていませんか?しかも内容がしっかりしていて“凄い!”と思うような解決策なので“なんでそんなに解決策が出てくるの?解決内容も凄くてどういう思考回路をたどっているの?”と気になった事がありませんか。

私はそう感じた人が数名いました。その施設では毎年職員に年間目標を作ってもらい、半年単位で振り返りを行う習慣がりました。その際に用いられていたのが“PDCAサイクル”。学生の頃には聞いた事が無く、就職してから初めて行うものでした。

PDCAサイクルを取り入れていくうちに問題解決能力が高い人はPDCAサイクルが習慣化していて“考える力”が身についているのだと感じました。PDCAサイクルを習慣化することによって何事にも考えて検証していく力が身に付くと身をもって感じています。

今回はPDCAサイクルについてどういうものなのかを紹介していきたいと思います。今はこれ以外にも大谷翔平選手が昔から行っていた夢を叶える為の“マンダラチャート”の活用が有効であると耳にする機会が増えました。“自分を見つめなおす”“どうしたいのか考える”力が必要とされる時代なのかもしれないですね。

【1. PDCAサイクルとは】

“PDCAサイクル”という言葉を聞いた事ありますか?PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとったものになります。流れとしてはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)そしてまたPlan(計画)の順で繰り返し行います。

この流れを常に行っていく事でケアの質がどんどん向上していき、問題が発生した時もこれを元に何が原因でどう対処していけばいいのかを考えられるようになっていきます。指示をされてからでないと行動できないよりもみんなが考え意見を出し合っていった方が個人としても施設としても成長度は大きいと感じています。

ではどうやって“PDCAサイクル”を活用していけばいいのか?ひとつずつ順を追って説明していきます。私は“PDCAサイクル”を導入している施設で仕事をしていた時に考える能力や客観的に物事を見る力が身に付いたと実感しています。離れてからは尚更ありがたい環境だったなと思っています。

【2. Plan(計画)】

計画をたてるにあたり、まずは個人の年間目標やユニット内目標、施設目標を元に自分は何が出来て何が出来なさそうかを紙に書き出していきます。その中で出来そうな事・出来なさそうな事・頑張れば出来そうな事柄を計画にしていきます。資格取得も目標になりますね。

計画を作る際はWho(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、What(何を)Why(なぜ)、How(どのように)、How much(いくらで)を組み込んで検討するとより具体的に考えられるかと思います。具体的に物事を考えられた方が計画するにあたり成功時のイメージがしやすいです。

例えば介護福祉士や社会福祉士・ケアマネージャーの資格取得を目標とする事やユニット内で利用者様と1対1での外出を企画するとあった場合、担当利用者様の行きたい場所を聞き取り料金が発生する場合は行きたい場所の利用料金や食事処での予算を盛り込んで計画を立てます。

計画を立てるにあたり、おのずと自分が何をしなくてはいけないのかが見えてくるはずです。計画は時期も書き出していきます。ここまでにこの範囲までの勉強をする・この時期に試験申し込みが開始されるため必要な資料を集めておく・ご家族様との連絡調整・タイムスケジュールを作るなどが計画に入ってきます。

いわゆる年次計画書のようなものでしょうか。大まかな年次計画書を元にそれをもっと細かく深堀していく作業を行っていきます。大切なのは簡単に達成できてしまう目標ではなく、頑張れば達成できる目標を立てる事!簡単な目標では成長は期待できないと思っています。

この流れがどう問題解決に繋がっていくのかというと、例えば転倒事故が起きたとします。その際、一番初めに何故転倒事故が起きていしまったのかという検討をしますよね。その後、事故原因を元に転倒を防ぐための対応策を考えます。この対応策がPlan(計画)にあたると思っています。

【3. Do(実行)】

立てた計画を元に実行していきます。先ほどの転倒事故の場合であれば対応策を遂行することに当たります。計画通りにスムーズにいく事もあれば思うように進まないことも出てきます。どういう流れで進んでいるのかを記録しておくのも大切です。

また、“ここはこうした方がよさそう”という事があればそれも書き出していきます。このやってみてどうだったかという感覚をメモに残せることで次のCheck(評価)をする時にとても役立ちます。いろんなことを感じながらDo(実行)出来るといいですね。

【4. Check(評価)】

Plan(計画)を立ててDo(実行)した事に対しての評価を行います。計画通りに進んでいたのか、思うように進まなかったのかについて深く検証していきます。計画通りに進まなかった時には何故計画通りに進まなかったのか、原因はどこにあるのかを検討します。

ここで役に立ってくるのが先ほどDo(実行)した時の記録です。ここの部分でつまずいてしまった・ここの部分をこうした方がよさそうだと感じたなど、実行してみての感想があれば原因を探る際に大きなヒントとなります。

計画通りに進んだ時もスムーズに遂行出来た要因を評価します。例えばこの時期にご家族様に了承を得る事が出来たため早めに施設や食事処の予約をすることができた。施設利用料や食事処の大まかな予算を早めに算出してご家族様に相談したから了承を得る事が出来たという感じで評価します。

こういう評価をすることによって成功した時の“成功体験”を感じる事が出来るようになります。成功体験が増えれば増えるほど“次はこれをやってみよう”“このやり方は間違っていなかったんだ”というやる気や自信に繋がってきます。

これを事例の事故に当てはめていくと、立てた対応策があっていたのかそれとも修正が必要になってくるのかを検討することに当たります。立てた対応策に問題が無い場合は対応策を引き続き実行し、変更が必要な場合は何をどう変えた方がいいか検討するとこになります。

【5. Action(改善)】

Do(実行)、Check(評価)をしてみてこのままの計画のまま進めてもいいか・一部改善して再度計画を立てるか・計画を中止または延期するかどうかを決めていきます。このまま計画を進めていく場合には予定通り計画を遂行しながらまた評価をしていきます。

計画を変更したり延期したりする場合にはどう変更するのか、中止する理由は何かを検討します。先ほどの転倒事故の場合は対応策をそのまま継続していくのか、立てた計画の変更が必要であればどう変更していくのかを決めていきます。

ここでどうするかを決めたのち、また最初のPlan(計画)に戻りPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)と続いていきます。これを繰り返していく事によって徐々に考える力や想像力が付くようになり、結果問題解決能力が高くなると感じています。

問題解決能力と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、要は“自分で考える力”が身に付く事が大切だと思っています。自分で考え発信し対処していく事で自分の経験値が上がっていきます。“間違えてしまったらどうしよう”という不安な気持ちがあるのも分かります。

しかし、失敗から沢山の事を学べます。失敗した事により同じ失敗をしないように回避したり、何が失敗に繋がったのかを考え検討したりしていく事で次に生かすことが出来ます。考える力を身につけて問題解決能力を一緒に高めていきましょう!!

(2023年11月8日)


第25回【介護の進歩 5選】

介護士になって早13年!!本当にあっという間でした。駆け抜けている感じですかね。介護をしていく中で年々介護に関する新しい技術がどんどん出てくるようになり職員も利用者様の負担もだいぶ軽減されてきているように感じます。今回は介護に関する進歩しているなぁと感じる事をまとめました。

【1. 持ち上げない介助】

介護と言えば力仕事のイメージが強いですよね。抱える・持ち上げる・身体を上に上げる・移乗する等とにかく力仕事が多いです。介護をし始めた頃は腰が痛くて痛くて大変でした。排泄介助を行った後は自分が高齢者になったかのように前かがみになった状態のまま移動していました。

自分にあった体の使い方がまだ分からず無理な体勢のまま介助をしているため腰に負担が来てしまいます。ベッドの高さを変える事が腰痛予防には大切と謳われていますが、従来型特養で勤務していた時は対応する人数も80名を超えていたため時間との勝負!!1人1人ベッドの高さ調整をしている時間はありませんでした。

夜勤の時は朝方に2時間弱かけての排泄介助…。腰に悲鳴が来るわけです。拘縮の強い利用者様や内出血ができやすい方は職員2人対応で車いすに移乗しますがこれもまた腰に結構な負担が来ます。ほんの数秒ですがその数秒の積み重ねが痛みとなって現れます。

私は幸運な事に介助後しばらく筋の痛みがあるだけでヘルニアや腰痛にならないで済んでいますが、ヘルニアや腰痛持ちの方・ぎっくり腰もちの方はしんどいだろうなぁと見ていて思います。コルセットは必需品ですよね!ストレッチも大切ですが現場で行う時間が無い忙しさをどうにか考えていかないとですよね。

ユニットケアに移ってからは排泄介助の少なさに感動を覚えました。さらに“ユニットケア”を取り入れている場合は一斉排泄や一斉起床等を行わないので時間をずらすことによりさらに腰には負担がかからず腰痛知らずですごせています。

ここで注意したいのがユニットケアとは“ユニット型施設”ではなく“ユニットケア”をしている施設という事です。ユニット型施設であっても行っているケアが従来型特養と同じように一斉起床・一斉排泄を行っている施設もあります。“ユニットケア”をしている施設は1人1人のペースに合わせてケアをしています。

ユニット型特養の中でも職員の腰への負担軽減、利用者様への負担を考え“リフト”を積極的に導入しているところもあります。私が以前勤めていた施設では浴槽に天井走行リフトを全ユニットに配置・職員2人介助で離床や内出血ができやすい・体重が重い方には組み立て式のリフト・移動式のリフトを導入していました。

“機械で介助”と聞くと初めは「冷たい気がする。」「いちいち機械を使うのが面倒くさい」「自分たちで今まで通り対応した方が早い。」「覚えるのが大変。」等のマイナスなイメージが多く聞かれていました。私自身も初めは“機械に介助されるなんて利用者様が可哀そう”と思っていた人でした。

そんな中リフトについて施設外の方への発表をして欲しいとの要望がありリフトを積極的に使ってみる事に。なれるまでは「面倒くさいなぁ。」「取りに行く時間、装着するが勿体ない。」と思っていましたが、慣れれば時間も短縮できるようになり何より自分の身体への負担が少ない事にありがたさを感じるようになりました。

それまでは謎の内出血ができやすかった利用者様もリフトを使用することによって内出血が減り、職員介助による内出血だったのではないかという話も出ました。職員が介助すると体に力が入ってしまう利用者様もリフトを使用する事によって体に力が入ることなく楽そうな様子が見られていました。

布でつるされて上に上げられる事を怖がってしまうのではないかという懸念を抱いていましたが、足を骨折された方や認知症の症状が強い方においてもとても安心していそうな様子なうえに歌を歌っている方もいて職員が介助するよりも安心感があるのではないかと感じるようになりました。

職員が介助する時はどうしても手のひらに力が集中してしまいますが、リフトであれば布全体が体を包み込むため安心感が大きいと乗ってみて感じました。試しに職員介助とリフトを使った時の介助双方をビデオに収め比べてみましたが、利用者様の反応は雲泥の差でリフトの方が落ち着かれていました。

今ではリフトを導入している施設は増えていますが、私がいた施設ではまだ導入があまり進んでいない6年前に導入しました。発表後は導入しても職員が使ってくれなくてどうしたらいいかという相談を受けていました。これはリーダーが率先して使っていき便利であることを伝えるしかないと伝えていました。

実際にリーダーが率先して使用しメリットを伝えていく事で徐々に使い始める人が出てきます。リーダーが文句ばかりで「面倒。」と使わなかったり使っていてもマイナスな事しか言わなかったりすれば職員は使いません。いかに“楽しそうに使う”かがポイントかと思っています。

一方で機械に頼らず職員の身体の使い方によって楽々介助出来るという方法もあります。最近は良く動画で流れてきますし、以前の施設では機械に頼らない介助を謳っていたため、機械浴やリフト浴もありませんでした。この施設は“機械 = 悪い介助”と決めつける風潮があり、頑なに寝たきりの方を個浴に入れていました…。

確かに頑張れば個浴で入れる方もいましたが、膝とわきの下を抱えて浴槽に入ったり出たりして頂くのは好きでは無かったので“機械浴ならこんなことしなくてもいいのになぁ~”“こうやって入れられたくないなぁ”と思ってしまっていました。何度か寝浴を打診しましたが「使えませんから。」と一括されました。

どちらのケアがいいということは無く、どちらもいい面と難しい面があるのでどちらかしか取り入れないのではなく利用者様に合わせて対応していけたらいいなぁと凄く感じた出来事でした。リフトも全員に使えるのではなく物によっては対象外になってしまう方もいるので“検討していく事”が大切です!!

【2. 見守りセンサー】

今までは離床センサーやマット式の床に置くタイプのセンサーマット、赤外線センサーが主流でしたが、ここ数年部屋に設置する“見守りセンサー”“見守りスキャン”という種類のセンサーが出てくるようになりました。これは部屋に設置し夜間の睡眠状態や離床状況、体動の有無などを教えてくれるものになります。

リフトを導入していた施設ではこの見守りセンサーもデモンストレーションで使っていました。夜間職員が巡視に行くときにすぐに目を覚まされてしまう方っていらっしゃいますよね!その方や体動が多くベッドから落ちてしまう危険がある方、部屋から出て行ってしまう方のお部屋に設置して試しに使っていました。

体動が2時間無いと見に行くようにというお知らせが来たり、部屋から出ようとしている事を知らせてくれたりします。種類によってはカメラが付いている物もありそのタイプのセンサーの時には部屋の中の様子が分かるようになっていました。

巡視の回数を減らし入眠を阻害しない事・夜間職員1人対応で見守りが難しい・気が付くことが遅くなってしまうという状況でも見守りセンサーが知らせてくれることで早く対応できるようになるメリットがある一方、体動が激しい方等は常に情報が飛んでくるためそれが複数人の場合確認が大変になるデメリットもありました。

見守りセンサーはデモンストレーションで使っていた6年前からどんどん進化が進み入眠記録、心拍数、呼吸数が分かる物も出てきています。またカメラなどがあることによって虐待の防止にも大いに役立つと思っています。メリットの方が大きい為、これからは見守りセンサーは主流になってくると思っています。

【3. トロミ付きサーバー】

最近自動販売機でとろみが付けられるようになったものがあるとテレビ報道で聞いて衝撃を受けました!トロミって200mlに小さじ〇杯と決めていても職員によって水分の入れる量が異なる・擦切りでつけてくれる人と山盛りでつける人とがいる等で統一していても濃さが異なることが良くあります。

トロミが薄いと咽やすくなり誤嚥性肺炎のリスクが高まります。一方とろみが強いとゼリーのような固さになってしまい飲み込みにくく、1口が大きいと窒息してしまうリスクがあります。また、とろみをしっかり均等につけるには“混ぜる”という作業がありますがとろみを使用する方が多いと結構な時間がかかるんですよね…。

混ぜている途中で呼ばれてしまうと途中で手を放して対応しに行かなくてはいけませんが、戻ってくるとだまになっていたなんてこともしょっちゅう…。だまになると中々水分に溶けてくれないので作り直しをするなんてこともあります。時間が勿体ないと感じてしまう時も…。

それらの事にとても悩んできた介護士にとってこの自動販売機の存在はとても嬉しいものではないでしょうか。今はまだ出せる飲み物の種類は限られていますが、この自動販売機を導入した施設があると聞いて“そういう使い方もあるか!”“施設にとろみ付き自動販売機って考えなかった”驚きました。

1個1個ボタンを押さなければいけないかもしれませんが、ボタンを押した後は他の業務が出来るのでありがたいのではないかと思っていますが、あなたはどう思いますか?誰が作ってもとろみの濃さが一緒で水分量も一緒だと水分量を少なくして普通にカウントするという事も出来なくなるかと思っています。

トロミで介助の方だと水分量を減らされてしまう傾向があるように感じています。夏場はそのせいで脱水になってしまう方もいます。記録ではしっかり水分量が取れている事になっていても実際はその半分しか出してないなんて事や全く出してないのに記録では飲んだことにしている人も実のところ存在します。

この自動販売機がもっと普及していけば飲み物の種類やトロミの濃さも細かく設定できるようになるのではないかと思っています。そうするともう時間をかけて水分を作る必要や作り置きをしておく必要も無くなります。飲みたい時に提供できるようになるのはとても嬉しいですよね。

ご家族様が面会に来られた時も職員に遠慮せずにその方の濃さのボタンを押して出してあげられるという事も出来そうだなぁ~と感じています。ご家族様と一緒に飲み物を飲みながら談笑できる時間を提供できるようになったらとても嬉しくないですか?

【4. においセンサー】

今排泄介助において革新的な研究と商品開発をしてくださっている方がいらっしゃいます。海外ではテープ型おむつや肌に機械を取り付けて排尿を知らせるシステムがありますが、日本人は肌に機械を付ける事をしたくないという気持ちが強いからと防水シーツのような形のものを作ってくださっています。

私が所属している“地域おむつアドバイザー”の中でも取り上げられ実際に話を伺いましたが、本当に並々ならない気持ちと行動力に“凄い”という言葉しか出てきませんでした。その努力の結晶で出来た商品名は“HELPPAD”最近ではいろんな賞を受賞されています。

開発の為に自分たちが実際にその上に横になり排泄をしてみてセンサーがしっかりと反応するかどうか試しているそうです。データを取る為に人前で試しています。本当に簡単に出来る事ではありません!!企業さんの努力のたまものですし、その努力のおかげで介護士も利用者様も負担が減るのです。感謝しかありません。

排泄介助をする時なんとなくの時間や一斉排泄で他の業務に支障が出ない時間などで決めていませんでしたか?地域おむつアドバイザーの勉強を始めてからここに記録を取って排泄タイミングを確認し対応していく事が大切だという事を知りました。“根拠”が大事なんです!

“HELPPAD”を使用することによって排泄パターンが可視化できるようになります。その根拠を元に排泄時間や使用具の選定を行えるようになります。そうすることによって排泄介助に入ったけど排尿が出ていなかった・排泄時間に入ったけど排尿量が多すぎて失禁していたという事が減ると思っています。

排泄介助って私たち介助者は見慣れてしまっていてあまりなんとも感じないかもしれませんが、やられる側だとどうでしょうか?何度も何度も下部を露出するのって結構嫌ですよね。1人1人に合わせた適正時間・回数を行う事で利用者様の“羞恥心”や“尊厳”も守られるのではないでしょうか?

水様便も早い段階で交換できるようになれば背中漏れや皮膚トラブルが軽減されるのではないかと思っています。下剤の服用なども記録できるため下剤を内服してからどのくらいで反応があるのかも可視化できるようになれば「この時間に入った方がいいね」と決めることもできてきます。

これからもっといろんな機能が付いてくるのではないかと思っていますが、こういう開発者様たちの努力のおかげでこれからの介護はもう少し楽になってくるのではないかと考えています。そうなればもう少し余裕をもって利用者様と関わっていけるし、理想のような穏やかな日々を提供できるのではないかと期待しています。

【5. ロボット】

AI機能がどんどん進化してきている今、介護士がやらなくても大丈夫な仕事はどんどんロボットが行っていくようになると思います。例えばルンバのような自動掃除機。今や自動で掃除したい範囲の見取り、インプットしてそれに合わせて掃除できるようになっています。

以前の物であれば掃除が出来ていない箇所があった事もありますが、AI機能が付いた事により掃除が抜ける箇所が少なくなります。また雑巾をかけてくれるロボットもある為職員が毎日掃除していた時間を利用者様のケアや余暇活動などへ有効に使う事が出来ます。

掃除ロボットが使える時間は利用者様がフロアや部屋等掃除する場所に居ないという事が条件になってきますが、掃除の時間って結構馬鹿にならないので有効に使っていけたらいいなぁと思っています。大掃除やワックス清掃なども出来るようになったらいつでもできるようになるので積極的に使いたいですね。

掃除以外にも最近では会話が出来るロボットも出てきています。今までにも声を出せる人形はありましたが、動作によって決められた言葉を発する事しかできず、利用者様が質問しても受け答えは出来ませんでした。可愛いと人気でしたが今はそれよりもはるかに性能がいい!!

値段は張りますが受け答えがしっかりと出来るので会話を楽しみたい方にも楽しんでいただけるのではないかと思っています。そのうち職員よりもロボットの方がいいって言われてしまう可能性もあるなぁと危機感を感じていますが、自分も負けずに対応の仕方を向上するきっかけにしたいです。

食事の配膳についても飲食店で使われているロボットが将来介護施設にも導入され、食事の配膳ミスや食事提供時間(準備から配膳)のロスを助けてくれる存在になるのではないかと思っています。トレーに乗せればキッチンまで下膳もしてくれるので食器をもって何往復もせずに済むのは良いですよね。

私が感じている介護の進歩はいかがでしたか?見返してみると本当にありがたい物が増えてきたなぁと思いませんか?しかし今はまだこの流れが始まったばかり。これから先どんどんAI技術の発展や介護ロボットの登場でもっともっと介護士も利用者様も楽なケアが出来るようになると思っています。

そのうちロボットが出来ない事を人間が補助するような形になりそうだなぁと感じなくもないですが、まだまだ先の話だとしてもそうなった時に切り捨てられないように意識してアイディアを出したり熱い思いをもって介助をしたりしていきたいと思います。一緒に頑張っていきましょう!!

(2023年11月1日)


第24回【リーダーになって理不尽だなぁと感じた事 3選】

リーダーになると今まではそこまで気にして来なかった事が気になったり、なんで怒られているの?これって当たられているだけでは?と思ったりすることありませんか?リーダーになり見る景色が変わるから感じるのかもしれませんが、勘弁して欲しいなと思うがあります。今回はそんな事をまとめました。

【1. 怒りのはけ口にされる】

私よりも二回り以上年上の男性職員から事あるごとに怒られ、時には怒鳴られていました。一度退職されていたこの職員が復職するとなって施設内がどよめいた程。私はこの職員と関わった事が無かった為どういう人かわかりませんでしたが、シフト会議では「同じユニットに配属しないでよね。」との声が上がっていました。

配属ユニットは後日決めるという事になりその後しばらくしてから主任より「ここに配属にしようと思っている。気は強いけど多分気が合うと思うよ。」と…。この時はまだそこまで深刻に考えていませんでしたが、のちにこの時の主任の発言を恨むことになりました(笑)

自分のユニットにその職員が復職になることをユニット職員に伝えると、知っている職員は皆顔をしかめる程。ここまで嫌がられている職員って?と恐怖心を抱き始めました。パート職員は皆知っているけれど、常勤は私を含め誰もその人との接点が無かった為私のユニットに配属しやすかったのだと気がつきました。

復職されてから慣れていた施設という事もあり始めからエンジン全開の職員。私の事を「あんた。」と初めから名前を呼ぶつもりがないという態度。面倒だなぁと思いつつも関わらないといけないため嫌な気持ちを抑えながら仕事をしていました。

いつものように仕事をしていたある日、申し送り終わりに「あんたは上から目線でムカつくんだよ。」と言われ“…”となりました。なぜ上から目線と感じたのか尋ねると、ノートに書いてあった文言が上から目線に感じるとの事。

それはリーダー会議で言われた事に対して「〇〇と決まりましたので、よろしくお願い致します。」や「△△が気になるとの指摘がありました。注意していきましょう。」という文字。私はノートに書く際、文面では誤解が生まれやすくなると思っていたため丁寧に書くことを心がけていたためびっくりしていましました。

どこがどう上から目線になるのか私には一切理解できず、他の職員にそう感じるか尋ねると「そんな事思ったこともない。」「丁寧に伝えているんじゃない?」「なぜ上から目線と感じたのか理解が出来ない。」との事でした。もしかしたら私の前だから言えなかっただけかもしれませんが、衝撃を受けました。

ここから一気にエスカレートしていき「あんたは利用者から信頼されていない。」「俺は他の職員に聞いたけどあんたがやっているやり方をしている人は一人もいない。」「ちょっとこっちに来てみろ。楽しそうにしているように見えるか?」等事あるごとに怒られ始めました。

一番しんどかったのが会議中に「俺は他の職員に聞いたけど、あんたがやっているやり方をしている人は一人もいない。あんただけだよ。」と腕を組みながら睨みつけるかのように言われた事。会議の進行をしていましたが、あまりにも辛すぎて泣きそうになるのを堪える事が精一杯でした。

この前からその職員の発言が問題視されていたため、主任と相談しあえて会議の日を休みにしてみる事もしましたが、会議に参加していました。夜勤入りでも明にしても出勤されるため、会議には相談員だけでなく主任・施設長が同席する事になりその時も2人とも同席していました。

意見を言われたのは前月に話し合った利用者様の対応について。ドクターからの指示もありこうしていくと看護師も含め話し合ったことに対しての意見でした。おそらくその対応に納得が行っていなかった事が原因だと思われますが、水面下で他の職員に聞きまわっていたと聞くと辛いものがあります。

事前に他の職員からその職員から「〇〇についてどうしてる?俺は納得いってなくてやってないんだけどやってるの?と聞かれました。違う意見を言うと目をつけられそうで怖くて同意しちゃいました。」と聞いていたためまだ救われましたが、それでもみんなの前で詰められるのは辛いものが…。

その時、主任が「それは間違っているよね。前月ドクターからの指示を元に、本人の性格を踏まえてそうした方がいいって決めたよね。逆にやっていない職員に対して注意をしなければいけないんじゃないの?そこで裏でこそこそ聞いてリーダーを責めるのは間違っているよね。」とフォローしてくれました。

本当に号泣しそうになるほど、守ってくださったことに感謝しました。しかしその後も私を怒る事は治まらず、私が一緒に仕事を出来ない・怒られた際に他の職員さんが事務所に連絡する・促され事務所に逃げ込むという事が続きました。これでは仕事に支障が出ます。

他にも勉強会の参加者を当日の朝に施設長がピックアップして決めていたのですが、それすら気に入らず事務所に怒鳴りこみに行っていたこともあったそう。事務所でも手に負えないと問題になっていました。なぜこんな方の復職を認めたのかと本当に思ってしまいました。

出勤時に毎回その職員が行ったことについて事務所職員やらユニット職員から報告を受けるたびに謝罪しており、仕事に行くのが本当に嫌でたまりませんでした。いっその事リーダーをやってもらった方がいいという話になり打診してくれていましたが、頑なに断っていたそうです。

施設長も、主任も、相談員も看護師もお手上げ状態。誰にでもかみついていて、話し合っていくうちに、もしかしたら男性の更年期障害ではないのかという話になり、ポスターを掲示板に貼る事や病院受診にどう持って行くか安定剤を内服したら少しは落ち着くのではないかという話にまでなっていました。

半年後、その職員が入院する事を期に復帰時にユニット異動してもらう事になりました。「うまく行く可能性があるかもしれないと思って配属したんだけど、辛い思いをさせちゃってごめんね。」と主任から謝られました。退院後は人が変わったかのように穏やかになり、持病による痛みのせい?かという話になりました。

入院することを誰にも言わない・その職員の為に出勤数を増やしてくれる職員に対しても何も言わない・意思疎通も難しかったです。もう2度と一緒に働きたくないと思う人でした…。ちなみに移動先で穏やかになったのはその職員が好みの職員がいたからでした…。

その職員が産休に入ると元の性格に戻り、リーダーや同じユニット職員が疲弊していました。リーダーってだけで怒りを発散するターゲットになってしまうのは本当に理不尽ですし、だからやりたいという人出ないのだなぁと思う出来事でした。

【2. 都合のいい時だけリーダー呼ばわりされる】

やりたくないことに関しては人の話を聞かず、やらないのに自分の都合が悪くなってくるときだけリーダー呼ばわりしてくる人っていませんか?「リーダーなんだからやってくれないと。」“リーダーなんだから”という言葉本当にずるいなぁと思いますし言われても全く嬉しくありません。

ある日の出来事。入浴介助中の職員(Bさんとする)は他の職員(Cさんとする)を教えながら介助を行っていました。そんな中Cさんがあわただしくユニット内を右往左往していたのでどうしたのか尋ねると「〇〇さん(利用者様)が意識消失をしてしまって…。」との事。

話を聞くと今意識消失したのではなく入浴する前の脱衣の時、すでに意識消失をしていたとの事。本来入浴前に意識消失していれば入浴は中止しベッドで休んでいただきながらバイタル測定や看護師報告をしなければなりません。それをしないどころかすぐに意識が戻ったからとなんの報告もなしに介助を続行していたとの事。

すぐに上げてもらいベッドまで運び横になってもらいました。看護師にも報告していないとの事ですぐに看護師と相談へ報告。幸いにも意識は回復しそれ以外に体調が悪くなることもなく事なきを得ましたが、この時は焦りましたよね。きっと介助していたBさん自身も焦ったと思います。

この件は看護師から事務所に報告があがり事故報告書対応という事になりました。Bさんに事故報告書を書いてもらいましたが、着ていた衣類に問題があったとなっており到底納得できる内容ではありませんでした。指摘するとすぐに仲の良い職員に告げ口をして2人で不満をあらわにしてくるので伝え方に悩みました。

主任とも相談し、生命にかかわる重大事案という事もあり看護師から注意してもらう事になりましたが、それが仇に…。Bさんより「看護師から注意を受けたんだけど、私はあなたの部下なのになんでリーダーが注意してくれないの?看護師じゃなくてリーダーが指導するんでしょ?」となぜか私が怒られる羽目に…。

看護師から「生命にかかわる事なので私から指導する。」と言われたため任せたと伝えましたが、私から注意したところで納得しない方なので“私が注意したところで聞かないじゃんかよ!!”と内の中で怒りました!!本人に直接言えたらいいのでしょうが、そこらへんが言えないのが私の弱いところ…。

またこのBさんは仲の良い利用者様と親密になりすぎてしまい、個人的な買い物等をお願いされた際にそれを誰にも言わずにやり取りをしていました。いつの間にか知らないものが増えていっていた為他の職員に聞くと「私も気になっていました。」と。

ご家族様が面会に来られたわけでもなく、お金には結構厳しいご家族様だったので不思議でしかありませんでした。そこで利用者様に尋ねると「Bさんにお願いして買ってきてもらったんだよ。お金は渡しているから大丈夫なの。」と。“えっ!?”となりました。

施設のルールとして利用者様の物品を購入する時にはいくら本人からのお金であっても書類を書かないといけない決まりになっていました。金銭って結構トラブルの原因になるのでこの手順は必ず必要です。にもかかわらずそれを無視し、ユニット職員誰にも報告しないのはいけませんよね。

せめて居室担当者に相談してくれていたらそこから手順を踏んで購入してきてもらう等できたはずなのに…。これはBさんに伝えなくてはいけない事なので伝えましたが治らないどころか最悪な事に隠し始めるようになりました。利用者様も口を割らないように2人で話し合っていた感じでした。バレバレでしたがね。

私が注意しても余計隠れて行うようになってしまったためここは主任の出番です。主任から話をしてもらいましたが、やはりここでも「なんでリーダーが話しをしてきてくれないの?」と。「いやっ私何度か注意しましたよね。それでも隠れて行っていたので。」と伝えました。

それ以外にも何かやりたくないことがあると「リーダーなんだからやってよ。」「リーダーなんだからこの人どうにかしてよ。」「リーダーなんだから〇〇さん(利用者様や職員)を移動させてよ。」と無理難題も言ってきます。
“リーダーって何なの?”と思う事が沢山ありました。

【3. リーダーのシフトはきつくても仕方がない】

シフトを作った事があるかたなら分かって頂けるのではと思うのですが、自分のシフトって結構きつくなりませんか?自分のシフトを楽に作る人もいますが、それって他の職員からはバレています。そういう事や自分の性格上他の人がきつくなるぐらいなら自分がきつい方がいいと思い、キツイシフトを作りがちです。

そんな中「リーダーはリーダー手当をもらっているんだから、キツイシフトになるのは当たり前だよね!」と言われたことがあり“えっ?何て言った?”と思う事がありました。リーダー手当って施設によって異なりますが私が貰っていた手当は5千円。夜勤の方が貰える額。リーダーやらずに夜勤を多くやった方がいい!

リーダーって1日のバランスや連勤のバランス等を見てシフトを作成しています。休みが重なって作れない時は自分の予定をキャンセルする事や連勤を続けることもあります。その点を分かってもらえないことはとても辛いですよね。どうにかして希望休を出勤にてしている事が分かるようにできないかと思っていた程。

前半とてもキツイシフトを作っていると後半に公休が沢山余ってしまうという事も起きます。そうすると後半に連休が続く時があるのですがこれはもう「ずるい。」「自分ばかり楽なシフトだ。」と言われる対象になります。“いやいや、その前の連勤見てよ!皆の休みがかぶっているから6連勤しているじゃない”となります。

あまりにも酷かったときはシフトを交代制で作ろうと提案しましたが、そういうことは「私出来ないから。」と逃げるんですよね。一度腹が立ちすぎてユニット会議の勉強タイムの時にシフトを作ってみようという時間を設けたこともあります。

それぞれの希望休や、出勤可能日数・行事や受診等の紙を想定で作ってやってもらいました。数日で作れなくなり「無理~。」と言って投げ出す職員が多かったですね。これで少しはわかってくれたかなと思いましたがそんなことはありませんでした(泣)

施設的にも問題だと感じたようで年度始まりの挨拶の時にPowerPointでシフトに関する意見としてという事でまとめてくれていました。そこからは少しは減りましたが、実際に自分で作ってみる事をしない限り無くならないなと思っています。

リーダーの仕事って部下育成や実習生対応・ご家族様対応・シフト作成・入浴やリネン交換の予定表作り等々、仕事は多岐にわたります。通常の業務をこなしながらプラスでこの業務を行う事が多いので、残業したり家で作業したりすることが結構あります。

それに加えみんなが働きやすいようにするためにはどうしたらいいかと常に考えて動いていますが、こういう何気ない一言で凹んでしまう事があります。逆に頑張っている事に気が付いてフォローしてくれる職員もいて、そういう時は報われ心が軽くなるんです!

これだけ見るとリーダーってやりたくないなと思ってしまうかもしれませんが、私は意外とリーダーという役職は嫌いではありません。一緒に同じ方向を向いて動けている時はとても楽しいからです。またリーダーにならないと見えない景色もあるので貴重な経験をさせて頂けているなと思っています。

人間としても成長できると感じており、間違った時に指摘してもらう事で間違いに気が付けますし、人とのかかわり方や距離の取り方、伝え方なども身についていくと実感しています。とは言え私もまだまだ感情的になってしまう事があるので成長途中ですが、苦労しながら成長できるのは糧になると思っています。

リーダーとして苦しんでいる方も多いと思います。今はSNSが発展してきている為、自分の施設内だけで悩むのではなくいろんな方と関わって悩みを相談できるようになった事はとても大きい事だと感じています。一緒に切磋琢磨していけたら嬉しいです。

(2023年10月24日)


第24回【介護の仕事で失敗した事 5選】

介護に限らず、仕事や遊びでも失敗してしまう事ってきっと誰しも1回は経験した事があるのではないでしょうか…。どんなに偉い人でも仕事が出来る人でもミスをしたことが無いという人はいないと思っています。ミスをしても次同じミスをしないようにすればいいと感じています。今回は私の失敗談をまとめました。

【1. データを消してしまった】

介護施設って何かとExcelで表を作る事多くないですか?シフトや排泄チェック表・食事チェック表・掃除チェック表、入退所荷物チェック表等々いろんな事で使っています。個人情報が無い物は自宅で作成してくることもあります。ある時、職員からデータを1つのExcel表にまとめられないかとの相談を受けました。

Excelをまとめる事は出来る為「できますよ。」と言いデータを預かりました。元あるデータに新しいデータが入ったシートををコピーして挿入。出来たと思いそのまま保存して終わりにしましたが、どういう手順間違いをしたのか元のExcelにも作ってきたExcelにもデータが無くなってしまいした!!

“エッ!?”と思い何度かそれぞれのExcelデータを確認しましたが何度確認しても見当たりません。データがきちんと移行出来ていない状態のまま上書き保存をしてしまったため元のデータすら消えてしまったのです。ゴミ箱を探しても見つけることが出来ず本当に焦りました。

消されてしまった職員の方は言うまでもなく愕然としている状況…。データの復旧や思いつく事を行ってみますがデータが無く元に戻すことが出来ない事態…。私は半分パニック状態でデータを探すもとうとう見つけられませんでした。

何とか復旧する手立てはないかと、パソコンに強い事務所職員に連絡し来てもらいました。何かのソフトを使用して無事に復旧することが出来ましたが、この時は本当に申し訳ない気持ちとデータがどうにか復活しないかという焦りで冷や汗が湧き出ていました。

この経験からデータをまとめる時やいじる時は万が一に備えデータをコピーしておいてから操作するようにしました。確認してきちんとデータの移行が出来ている事が確認できてからコピーしたものを消すようにしています。面倒な手間かもしれませんが、データが消えてしまって再度作り直しするよりはいいかなと思っています。

【2. 施設の備品を壊してしまった】

ショートステイの方の服を洗濯する際、毎日違う方が来られる事や似たような服を持って来られる方が多くないですか?タグに名前が付いていても毎回タグを確認する作業も大変…。そこで洗濯を干すハンガーに誰の服か分かるように名前をラミネートしてひっかけるようにしました。

また、季節の行事がある時にはそのテーマのイラストや写真をラミネートしてランチョンマットを作ることもありました。例えば母の日であればカーネーションの写真に“お母さんいつもありがとう”と文字を入れて印刷しています。ラミネートがあれば簡単なガーランドも作ることが出来るのでとても重宝しています。

ラミネートって入れる向きがあるのご存じですか?ラミネートのくっついている側を先に機械に通し、ペラペラになっている方が後に入るようにして入れます。間違えて入れてしまうと歪んでしまったり、機械が故障してしまう事があるんですよね。

いつものように向きを確認しながらラミネート作業を行っていましたが、そのうちの1枚を逆に入れてしまいました。気が付かないままラミネートを行っていると出てくるはずのものが出てこない!!“おやっ”と思っていると残りの部分はどんどん中に入って行ってしまう状況…。

確認すると中でくるまってしまっていました。“ヤバイ”と思ってすぐにスイッチを切りますがその後どうしたものかと悩むばかり。リバース機能が付いていないラミネートだったため戻すことができなく、機械に入っていない部分を引っ張っても全くびくともしませんでした。

後ろから引っ張ってダメならば前側からどうにか引っ張り出せないかと考え、先の細い物で引っ張ってみようという事になりました。ピンセットのようなものが欲しかったのですが見つからず、代わりを探して見つかったのはハサミ!今思い返せばハサミを選択したことが最大のミスだったと後悔しています。

ハサミを入れ軽く挟むようにして引っ張り出そうとしましたが、挟めるわけもなく切ってしまいます。何か所か試しても細かく切れてしまうばかり…。出てくるどころか機械の中で細かくなってしまう上に、一部が機械の中に落ちてしまう始末…。これ以上頑張っても悪くなるばかりだという事で手を止めました。

最終的に事務所職員の所に行き事情を説明しました。余計な事をしてしまった事も合わせて謝罪しました。事務員さんからは「困ったねぇ~。」の一言。最終的に機械のねじを外して紙を取り出してもらう事が出来ましたがラミネートはそのまま壊れてしまいました…。

その後新しいラミネートを施設が購入しリバース付のものにグレードアップしていましたが、また壊してしまうのではないかという不安の方が大きく、自分で個人的に購入しそれを使うようにしていました。自分のものであれば壊れても罪悪感は無いですが、また施設のを壊してしまうと気持ちが滅入るのでそうしました。

ラミネートは施設でしか使う用途がないと思っていましたが、なんだかんが家でも使う事が増えてきて個人で購入しておいて良かったなと思っています。写真や汚したくない書類・飾りたいものなどをラミネートして保存できるのであって良かったです。

【3. 勤務変更になっている事を忘れていた・大寝坊】

シフトが出てすぐの時、月の最後の方のシフト変更を依頼されていました。了承し勤務変更していましたが、シフト表に変更になった事を書き忘れていたまま時が流れ、勤務変更した事すらすっかり忘れてしまっていました。勤務時間までまだ時間があると思っていたら施設から電話が…

「あれ?今日〇〇さん遅(11時~)番だよね?」との質問に「・・・?・・・!!!」となりました!電話を受けた時13時からの遅番だと思い込んでいたため理解が追い付きませんでしたが、「勤務変更したんじゃなかった?」と言われてから勤務変更した事を思い出しパニックに!!

「わぁ~!!すいません!!勤務変更した事すっかり忘れていました。」と急いで用意して施設に向かいました…。勤務変更を承諾した上で遅刻してしまうのは本当に嫌ですね。勤務変更を受けたときはすぐにシフトに赤字で書くようにするようにしました。また、前日にも確認し勤務が間違えていないか確認しています。

シフト変更ミス以外に社会人最大の大寝坊をしたことがあります…。今までも何度か早番の時に30分程度の寝坊をしてしまったことはありましたが、それは社会人1年目の終わりから2年目の初めの方だけで、それ以降は寝坊することなく出勤することが出来ていました。

ある早番の日。日が昇り気持ちよく目が覚めスマホを見ると施設から異常なほどの電話の着信履歴がありました。覚えている限り10回以上は来ていたんじゃないかと思います。早番の起きる時間に目が覚めたと思っていましたが、時計を確認し一瞬“あれっ?今日私は休みだっけ…?”となりました。

いつもは5:30に目覚ましをかけて起きているはずが、時計を確認すると9:00になっていました。まさかの2時間半の大寝坊!!!そりゃぁ施設側も鬼電するよなぁと思います。やってしまったと即施設に電話。「〇〇です、すいません。」と電話すると「電話出たぁ良かったぁ。」と心配してくださっている様子。

「今まで無断で遅刻なんてないから体調が悪くなったか事故にでもあったのかと思った。」と。ここの施設では無遅刻で数年が経過していたため何かあったのではないかと心配してくださっていました。そんな中「寝坊です。」と伝えるのが本当に心苦しかったです…。

「急いで向かいます。」と伝え出勤しましたが、それはもう気まずいのなんの…。いろんな職員さんから「大丈夫?」「心配したよ。」と言われるたびに、小さい声で「すいません。大寝坊しました。」と伝えていました。これ以外に大寝坊した事はありません!

寝坊の原因はスマホがマナーモードになっていた事。仕事中はマナーモードに設定し、仕事後に解除していましたが前夜は解除し忘れたまま目覚ましをセットして寝てしまっていました。しばらくの間は早番前の夜に何度もマナーモードが解除されているか確認していました。

寝てからもマナーモードが解除されていないのではないかという不安で目が覚めてしまう事もありました。ある意味早番恐怖症のような感じになっていました。仕事もしばらくの間はいつもに比べ「行きますよ~。」「やりますよ~。」と動き回っていました。寝坊は怖いですよね!!

【4. 送迎準備ミス】

ショートステイの送迎をしていた時の話です。送迎を行うようになって数か月が経過したころ、いつも施設の車いすを準備してお迎えに伺っているお宅に何も持たずに行ってしまったことがあります。玄関に着き“ピンポ~ン”とチャイムを鳴らして利用者様の顔を見た瞬間に車いすを持ってくるのを忘れていた事に気が付きました。

冷や汗タラタラになりました。ご家族様のご予定もあったと思います。幸いにも施設から5分もしないご自宅だったためすぐに取りに戻る事が出来ましたが、自分でもなんで忘れたんだ!!と苛立ちました。丁度ショートステイ業務に慣れ始めた頃だったかと思います。

慣れてきた頃って一番ミスが生じやすいとは言いますが、まさにその通りでした…。その日以降しばらくの間は何度も忘れ物が無いか確認するようになりましたが、不安要素が大きく運転中にもちゃんと持ってきているか不安になることが何度かありました。

デイサービスもそうだと思いますが、送迎って分刻みになっている事が多いので、出勤と同時にバタバタしています。前日のうちにある程度用意はしておきますが送迎ルートの再確認、当日ご利用の利用者様と送迎時間の確認等結構忙しいです。

送迎に到着してからも、私が勤めていた施設では薬の確認を行う事が決まっていたため泊まる日数分の薬がしっかりと用意されているか、頓服や吸入・点眼等の忘れは無いかの確認を行っていました。薬の用意し忘れがちょいちょいあるので、探して用意する時間も考慮して送迎の時間を設定していました。

また、お通じの状態や食事の状態・最近の様子などもご家族様に伺っていました。初めの頃はご家族様との会話に緊張していましたが、回数と共に徐々に慣れていき信頼関係を築くことが出来ました。退所の際には時間に余裕がある時もあり、その時は介護の相談に乗ることもありました。

ショートステイ担当をしていた時はほぼ1人勤務状態でした。2人勤務の日は余裕持って仕事をすることが出来ていましたが、1人だとあれもこれも全部1人で調整しなくてはなりませんでした。介護職員になって2年目にはとても責任重大でハードな環境だったと思っています。

今思えばその大変さを2年目で経験させてもらう事って滅多に出来ない経験だよなぁと思います。若手の時に責任のあるポジションに配属していただけたことはありがたかったのかなと思うようになりました。この時のおかげでご家族様との関係性の作り方や電話対応・外部ケアマネとの報連相の仕方と学ぶ事が出来ました。

【5. 判断ミス】

介護の仕事をしているとセンサーが複数名同時になる事ってありますよね。これは従来型特養でもユニット型特養でも経験しています。センサーマットを使用しているという事は転倒や転落のリスクが高いからですよね。センサーが反応したらすぐに部屋に向かい対応することが基本ですが、同時だと優先順位をつける必要があります。

同じセンサー対応でも、Aさんは行動に移す事が早く鳴ってからすぐ反応しないと転倒・転落に繋がるけれど、Bさんはセンサーが反応してもすぐに動かれるわけではなく、センサーマットに足を下して靴を履いている事があるから同時に反応した場合はAさんを先に対応してからBさんのように瞬時に判断します。

例えばAさんがトイレの要望であればトイレに座って頂きその間にBさんをトイレにお連れする。Aさん、Bさんのトイレにかかる時間を把握しておかなくてはなりませんが、トイレが長い方に座っていていただき早く終わる方をベッドにお連れし、もう1人の方の対応をする。

センサーマットを使用している方は結構待っている事が難しい方が多く、「待ってるよ。」と言ってくださってもほんの数分でそのことを忘れて動き出される方が多い印象です。本来は1人対応してからもう一人の対応をすることが好ましいですが行えない現状があります。

時にはAさんに車いすに乗って頂いて一緒にBさんのもとへ向かいBさんの対応をしてからAさんの対応をすることもあります。これを瞬時に判断して対応しなければなりません。介護って体力勝負のイメージが強いですが、時間配分や利用者様の状態を見ながら判断するので結構頭も使うなぁと感じています。

この判断を間違えてしまうとBさんが靴を履いているのを待っている間にAさんは転倒や転落してしまいます。このように2人同時であればまだ何とか対応できるのですが、これが3人・4人となると申し訳ないという気持ちは大きいですが、もう誰かしらは転倒・転落することは確定です。防ぎようがありません。

職員の身体は1つしかありませんので、どれだけ急いだとしても最後の方に向かうまでに何かしらの事故が発生するリスクは高いです。事故にならずに済んだとすれば本当に運が良かったとしか思えないと感じています。この判断って介護経験が長くても難しいです。

介護経験が浅い時であれば尚の事判断することは難しいですよね。日中であれば他にも職員が居るので手分けして対応することが出来ますが、1人の時間帯では助けてくれる職員はいません。判断の仕方は先輩から聞くか経験を積んで理解できるようになるかだと思っています。

また、施設側がリスクを把握し考えてくれるところであればユニットごとのリスクを確認したうえでユニット移動をしてくれるところもありますが、今まで経験してきた施設ではほとんどの場合「運が悪かったね。」「見守り不足だね。」で終わってしまいます。これでは何の解決もできません!!

リスクを完全に防ぐことは出来ませんが、利用者様の身体機能や認知機能の状態に合わせてリスクを最小限に抑える事は出来るかもしれません。ユニット会議や普段の職員とのコミュニケーションで試せることはどんどん行っていきたいなと思っています。

これらが私が失敗したなぁと感じている事5事例になります。どんな人でも失敗を経験しながら成長してくものと思っています。失敗はしてもいいと思っていますが、大切な事は“同じ失敗を繰り返さない事!”同じ失敗を繰り返すことは成長には繋がりませんし反省していないと感じてしまいます。

失敗から何が原因で失敗してしまったのか、次また同じ失敗をしないようにするためには何をする必要があるのかを考える事が大切です。私も未だに失敗する事は度々あります。挑戦しての失敗は許容範囲だと思っています。いいケアを提供できるよう、一緒に頑張っていきましょう!!

(2023年10月10日)


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