理学療法士
『横浜介護求人センター』

第33回【介護施設でのおすすめの手作業5選】

「介護施設でのおすすめの手作業5選」

今回は、利用者さんと一緒に行える手作業を5つ紹介したいと思います。ここでは、利用者さんに、お願いすることを、 『お手伝い』や『レクリエーション』と書かずに『手作業』と書いています。『お手伝い』だと介護スタッフの手伝いをする 利用者さん。という関係性になってしまうため、一緒に生活をする上で助け合っていきたいという想いで避けています。 『レクリエーション』のように楽しみながら、取り組んでいただきたいとは思っていますが、利用者さんの役割に していきたいという想いがあり、レクリエーションという表現も避けています。 取り組むには、難易度の高いものもありますが、少しでも参考になれば良いなと思っています。

①おしぼりたたみやタオルたたみ

「何かすることないか?」「手伝えることあったらするから言ってね」とよく声をかけてくださる方がいらっしゃいました。 何かしていただけることで、役割になり、少しでも充実した生活にならないか。取り組みやすいことはないかとスタッフ同士で 話をして、タオルを畳んでいただくのはどうだろうかと言う話になりました。タオルたたみは、指先を動かす運動にもなり、 脳への刺激にもなるのではないか。と言う意見から取り組み始めました。初めはスタッフと一緒にたたんでいたのですが、 そのうち「あんた、他にすることあるやろ?やっとくよ」とお任せするようになり、ご自身の仕事のように「タオルたたもうか?」と 声をかけてくださるようになりました。 「何か手伝うことはない?」と利用者さんがおっしゃってくださる時はありませんか?きっと「忙しそうだし、何か私にできることは ないかな?」「誰かの役に立ちたい」「してもらってばっかりで、何もできなくなってしまった」「暇だし、何か仕事が欲しい」 他にもいろんな想いがあると思いますが、こういった気持ちから声をかけてくださっているのではないかなと思います。 スタッフも何かしてほしいとは思うけど、何をしてもらったら良いんだろうか。お願いしても良いのだろうか。 見守りが必要で、お願いしている時間がない。という思いもあると思います。そんな時、食事の際に使うおしぼりや、 洗濯物のタオルなどを利用者さんにたたんでいただきます。おしぼりや、タオルを畳んだりするのは、怪我をする危険もなく、 取り組みやすいです。こういった手作業から依頼すると、どなたでも取り組んでいきやすいです。たたんでいただく前には、 必ず、手指の消毒を行っていただきます。簡単な作業ですが、利用者さんにとっては指を動かす体操になります。そのため、 着替えのボタンをとめる動作などの細かい動作の維持・向上にもつながると思います。

②縫い物

僕は職場で履いていたズボンのポケットが破れたことがありました。破れてしまったため、ズボンを履き替えると「どうしたの?」 と聞いてくださる利用者さんがいらっしゃいました。ズボンのポケットに指を入れて「破れました」と伝えると、笑って、 「針と糸持っておいで」と仰ってくださいました。お渡しすると、すぐに縫ってくださり、すごく手際も良く綺麗に縫って くださいました。話を聞くと「洋裁だけど、昔してたの。息子もよくズボンを破いて帰ってきたから、できるのよ。懐かしいわ」 と笑っておられました。今でも大切にそのズボンを履かせていただいています。利用者さんの中には裁縫が得意な方は いらっしゃると思います。伸びたズボンのゴムを通していただいたり、破れた部分を縫っていただいたり、ボタン付けお願いしたり、 古くなったタオルを雑巾にしていただいたりしています。 縫い物が得意な方がいらっしゃれば、縫い物をしていただくと手作業になります。指先の細かい作業なので、集中力も必要になります。 身体の色んな機能を刺激するので縫い物が得意な方には行っていただきたいです。針を糸に通す作業は難しい方もいらっしゃるので、 事前に準備しておくか、その都度スタッフが行うと「私にはできない」とおっしゃることもなく、スムーズに行えると思います。

③食器の拭きあげ

食後の食器を洗った後の食器は、置いていても乾きますが、食後のゆっくりした時間が退屈に感じられたり、落ち着かなくなる方も 少なくありません。しかし、食後はスタッフも、利用者さんお一人おひとりとゆっくりお話することが難しい時間だと思います。 そんな時に食器の拭き上げ作業を利用者さんと一緒に行っていました。数人の利用者さんと一緒に行えて、ゆっくりと お話しもできると思います。人は一緒に何かをすると、仲良くなれるようで、普段あまりお話しない利用者さん同士でも、 一緒に作業をすることで、話すきっかけになったり、共通点ができたりと、良い関係を築くことができると思います。 食器の拭き上げ作業は、簡単でいろんな方にお願いすることができるんじゃないかなと思います。そして、お一人おひとりの 指の力や、細かい作業が得意かどうか、目が見にくくなっていないかも見えてきます。拭き方でなんとなく性格が見えたりもするので 色んな視点で一緒に行うと面白い作業だと思います。

④園芸

ある夏の日、施設の庭に雑草が生えていました。背も高く、量も多かったのですが利用さんが「この草なんとかしたいな」と 仰ってくださり、そこからみんなで草刈りをすることにしました。夏の終わり頃だったのですが、暑い日もあり、1日20分ぐらいで 少しずつ草むしりを行いました。1ヶ月ほどで綺麗になり、みんなで「意外と広かったんやなぁ」と笑っていました。 「さぁ、何を育てようか。せっかく綺麗になったんやから、何か育てたいな」と話しておられました。みんなで、色々考えても なかなか答えが出ず・・・。「じゃあ、何が食べたいですか?」と聞くと「いちご!さつまいも!ぜんざい!」と食べたいものは たくさんあるようで、すぐに意見が集まりました。あずきを育てた方がいらっしゃって、簡単にできるようだったのと、時期的にも ちょうどよかったので、小豆を育てることになりました。利用者さんと水やりをして、収穫をして、殻剥きも行いました。 利用者さんは「早く美味しいぜんざいが食べたいな」と同じ目標に向かって、楽しんで作業に参加してくださっていました。 収穫した小豆は、利用者さんと一緒にぜんざいを作って食べました。草むしりから始まり、小豆を育てて、ぜんざいを作るまで 利用者さんと一緒にできた経験はとても楽しかったし、イキイキした毎日を送ることができたと思います。 庭があって、園芸や畑ができる施設もあれば、ベランダにプランターをおくことのできる施設もあると思います。 プランターだと育てられる植物や野菜の種類は、選ぶ必要がありますが、育てることで楽しみや、やりがいができることが 大切だと思います。園芸を始めると、毎日の水やりが日課になります。そして、天気予報を気にして、室内に入れてあげようか考えたり、 元気がなければ、肥料をまくことも考えます。園芸クラブを作るなどして、季節によって植えたいものを調べたり、探したり、 時にはお店に行って、野菜の苗や植物の種を見に行くことで、育てたい野菜や植物を見つけることができたり、育てるイメージも 湧くので楽しいと思います。そして想像することや、色んなものを見ることで良い刺激になると思います。施設の中で、なかなか 季節を感じることは難しいです。しかし、外に出たり、野菜や、植物を育てることで季節を感じることもできるんじゃないかなと思います。自分達で育てた野菜は格別で、野菜が苦手な利用者さんも「美味しい」と召し上がられます。

⑤調理

利用者さんに包丁を持っていただくのは、危ないんじゃないかと思うかもしれませんが、長年、台所に立って 調理をしてきた利用者さんの包丁さばきはお見事です。手続き記憶があるため、身体で覚えた記憶はなかなか忘れることが ないからです。一緒に調理をしていても「あんたの包丁の使い方見てたら怖いわ。包丁、貸して」と綺麗に、手早く切って くださいます。僕の方が、包丁の使い方が危ないなと感じます。 調理を利用者さんと一緒に行うのは、難しいと感じるかもしれません。僕が、今まで利用者さんと調理をしてきて一番簡単なものは、 ホットケーキじゃないかなと思います。トッピングのフルーツをスタッフが切れば、材料を混ぜて焼くだけだからです。ダマに ならないように気をつけたり、ホットプレートを使うので火傷に注意しながら焼くことで、調理をしている実感がわきます。 調理の工程を考えたり、火傷に気を付けて、焼き加減を見たりすることで、脳を働かせることができます。そして、腕を動かし、 ひっくり返す時の失敗しないようにする緊張感やうまくできた時の達成感も良い刺激になるんじゃないかと思います。 うまく焼けた時の利用者さんの嬉しそうな表情は忘れられません。ホットケーキを作ることができれば、たこ焼きを作ることもできます。 その時には、食材を切っていただける時間を作れたら良いなと思います。たこ焼き作りは、着る食材も多くなく、工程も簡単なため、 行いやすいです。食事作りは、利用者さんとワイワイ作ることができるので、普段は食事量の少ない利用さんでも楽しみながら 食事ができて、普段よりも、たくさん召し上がられます。食事作りで気を付ける点は、衛生面です。きちんと消毒と、調理用の手袋の 着用が必要です。調理は、お願いするには難しいこともあるかもしれませんが、お皿に取り分けることからお願いしてみると 良いと思います。お願いしていないから、利用者さんの能力に気づけていないだけで、利用者さんはスタッフよりも、人生経験が長く、 好きなことや、得意なことを活かせる場面は多いんだと思います。 ⑥洗濯物 洗濯物を干したり、畳んだりする作業を利用者さんと行います。入浴後や更衣したの衣類の洗濯物を干していただいたり、 干した洗濯物を畳んでいただく作業です。利用者さんは施設に入所される前にはご自身で行われていた方もおられると思いますので、 多くの方に協力していただける手作業だと思います。洗濯物を干す際には、しっかりと生地を引っ張ってシワにならないように 丁寧に一つひとつ行ってくださいます。数人の利用者さんが行ってくださると「何してるの?」と他の利用ささんも一緒に 参加してくださることが多いです。手作業とはいいながらも、家事になるので「今まで散々してきたから嫌やわ」と断る 方もいらっしゃいます。断られると寂しいし、心が折れそうになることもあると思います。そんな時は、快く引き受けて くださる方を見つけて、1人2人と少しずつ手作業をしてくださる方を増やして、輪を広げていくことが大切だと思います。 晴れた日には、外やベランダで洗濯物を干すのも良いと思います。陽の光を浴びることで、体内時計をリセットできたり、 免疫機能を高めたり、ストレスの軽減や精神を安定させる効果などがあります。他にも日光を浴びると色々な良い効果があります。 日光を浴びる時間がとれるようにする取り組みとしても、洗濯物干しを行ってみることをお勧めします。 手作業は、身体を動かすことだけが目的ではありません。利用者さんが、施設に入るまでにやってこられた日常生活を、少しでも 続けていけるように、支えていけたら良いなと思っています。それは、家事でも、趣味でも、仕事だったことでも、その方の 得意や、好きを活かして、その手作業で、利用者さんが「誰かのためになっている。今日も自分は誰かの役に立った」と思えることで、 社会的欲求、承認欲求、自己実現の欲求が満たされるんじゃないかなと思います。 利用者さんにお願いするよりも、スタッフがする方が早くできたり、丁寧にできることもあると思います。(僕よりも丁寧に作業を される利用者さんはたくさんおられますが)それでも、利用者さんに行ってもらう理由は、利用者さんに「ありがとう」と言って もらえる日常よりも「ありがとうございます」と伝えられることの多い日常をつくっていけるように、関わっていきたいからです。 利用者さんが、普通に生活するために介護士は存在するんだと思います。利用者さんの中には認知症の方、身体に麻痺があったり、 動かしにくかったり、車椅子を使用しておられたりもします。今回のおすすめ手作業は、利用者さんの能力を知らないと ヒヤヒヤすると思います。しかし、普通の生活を送っていただくためには、普段から利用者さんの身体能力を見極める目も必要です。 スタッフが利用者さんの行動をどこまで見守れるか、どこで介助するのかの視点も大切だと思います。お一人おひとりの身体能力や、 得意や好きを発見できると、どんなことをお願いしようかワクワクできる毎日を過ごすことができると思います。

(2024年3月27日)


第32回【介護職員が入浴介助で気を付けること6選】

今回は私が気にかけている「入浴介助のポイント」を6つ紹介したいと思います。

1.体調の確認を行う。

入浴前には、本人への体調の確認をし、顔色が悪くないか、普段と表情に変化はないかを確認し、 必ずバイタル測定を行います。体温、血圧、脈拍など、必要であれば血中酸素濃度を測ります。 今まで、大事に至ったことはありませんが、朝から熱がある。少し血圧が高い。などの理由で、入浴を中止したり、 シャワー浴に変更することがありました。体調の変化は、目にみえるものだけではないので、入浴前に バイタル測定を必ず行うことが大切です。 普段の血圧と比べて、高い時や低い時、熱がある時などは、看護師にまずは相談するようにしています。 看護師が常にいない施設もありますので、自分だけで判断せず、判断できないときは、無理せずに入浴を 中止することも考えます。普段からの血圧が平熱が高い方や、低い方もいらっしゃると思います。 その方達は、どのくらいなら入浴してもいいのかを看護師や医師と相談して、決めておくといいかもしれません。

2.衣類を準備する。

私は、できるだけご自身で着たい服を着て欲しいと思っています。ある日、お風呂に行く時に、利用者さんと 一緒に服を選んで、どの組み合わせにするかなど話していました。すると、普段あまり着ておられない 服を選んでおられました。入浴後に、職員さんから「あら、珍しい服。前はよく着てましたね。素敵ですね」 と声をかけられて恥ずかしそうに、嬉しそうにされていました。その後、その服はお気に入りのローテーションの 仲間入りをしていました。利用者さんと一緒に着たい服を選ぶことができて、よかったなと思う経験がありました。 お風呂の準備をする時など、利用者さんと一緒に衣類を選ぶようにしています。理由の1つは『今からお風呂に行く』 と認識していただくためです。心の準備ができていないのに、急にお風呂に連れて行かれると、 誰でも、拒否したくなると思います。そして、お風呂に入るのはいいけれど、着替えの準備があるかも分からないと、 お風呂から出た後はどうするのかと不安になり、服を脱ぐことはできないと思います。「お風呂に入らない。入りたくない」 と言う気持ちになってしまう原因の一つなんじゃないかなと思います。一緒に着替えを準備することで、心の準備もできて、 着たい服も用意することで、安心して浴室に向かうことができると思います。もう1つの理由はご自身の好きな衣類、 今の気分にあった衣類、できれば気分が上がる衣類をご自身で選んでいただけるからです。衣類には、その方の趣味や 嗜好や性格が出るのでどんな服を着ておられるかで、なんとなくその方の人柄が見える気がするからです。ご自身で 選ぶのが難しい方でも、服の組み合わせや、どんな服をよく着ておられたかなど、ご家族に聞いたり、できるだけ 同じ服ばかりの着回しにならないように気をつけることが大切だと思います。

3.プライバシーへの配慮

入浴を断られることが多い利用者さんがいらっしゃいました。浴室までは入ってくださるのですが、 衣類を脱ぐことに抵抗があったようで、何度も断っておられました。そんな時にいつもより、多めのタオルを 持っていき、手すりにかけて「タオルで見えないようにするので」と伝え、目を合わさないようにしてました。 すると、少しづつ脱いでくださいました。浴室に入るまでには肩からタオルをかけて、腰にバスタオルを巻いて おられましたが、髪の毛も身体も洗っておられました。その日は湯船に浸かられることはありませんでしたが、 徐々に拒否はなくなり、最終的には湯船に浸かってくださるようになりました。 入浴介助では、利用者さんは、職員に裸を見られてしまいます。きっと、見られたくない・恥ずかしい。 いろんな思いがあると思います。同性介助ができればいいとは思いますが、難しい施設は多いと思います。 できるだけ、恥ずかしいと思わせないように、ご自身で着脱ができる方の時は、衣類を脱がれる前に 手すりにタオルをかけて、脱いだ後にタオルで身体を隠すことができるように準備しています。そして転倒されないか、 急に立ち上がられないかを見守りしながら衣類を畳んだりして、着脱している様子を凝視しないように配慮するように 気をつけています。

4.転倒に注意する

普段は見守りにて歩行されている方がいらっしゃいました。入浴の時は、脱衣場から浴室に入る時に「怖いわ。 転けへんかな」とスタッフの手を握り、ゆっくりと入る方がいらっしゃいました。怖いと慎重になり、 手にも力が入ってしまうんだなと思いました。声かけをして、手すりを持っていただきながら、 反対の手を支えると、ご自身のペースで浴室に移動しておられました。 浴室は濡れるので浴室内を移動する時には、普段以上に注意が必要です。利用者さんも滑らないか不安で、 緊張しておられるため、普段より身体がかたいこともあります。歩行に手引き介助が必要な方は皮膚に 直接触れてするため、持つ位置や、指で腕などを握ってしまわないように、手のひらで触れるように 意識することを心がけています。 更衣の時にも、立ったまま着脱しようとする方もいらっしゃいますが、椅子を用意して、手すりに掴まれる 安全な場所で着脱介助を行うように心がけています。

5.洗髪と洗身をする

入浴の時に、寒がりな利用者さんがおられました。かけ湯のシャワーも常温くらいの温度でないと「あつい!」と おっしゃる方でした。洗髪の時などにシャワーをとめると「寒い!」とおっしゃっていました。シャワーの温度も ぬるいからだと思います。その後も湯船の温度が40℃程度あったので湯船に浸かるのも熱かったんだと思います。 僕は、できるだけその方が「寒い。熱い」と不快に感じず入浴できるように、常温のシャワーから、徐々に 温度を上げていき、かけ湯2時間をかけました。その後もタオルを背中にかけて、シャワーを肩からかけながら、 頭と身体を洗いました。うまくいかなかったこともありますが、お風呂から出るまで「熱い、寒い」と おっしゃらなかったこともありました。不快な思いをせずに入浴していただけるように配慮するのは 難しいですが、何が嫌なのかがはっきりしていれば対応できると思います。 利用者さんの身体を洗う前に、かけ湯をする時は、心臓から遠い足先や、手でシャワーの温度を確認していただきます。 体が冷えていると、職員はぬるく感じていても、利用者さんは熱く感じることがあるからです。確認していただいた後も、 急な温度変化によって、心臓に負担をかけないために徐々に身体の外側の心臓に遠いところから、お湯をかけていきます。 介護を始めた時は、耳にシャワーが入らないようにするのに苦労しました。手で押さえても入っているような気がして、 手の位置もなかなか定まりませんでした。髪の毛を切りに行った時に、意外と手を添えてるだけだな。流してシャワーが 当たらないようになってから、手を離しているんだなと直接聞くことができずに、考えながら髪の毛を洗って もらっていたのを覚えています。 他人の髪の毛を洗うのは難しく、初めは苦戦しました。力加減が難しく「もうちょっと力入れて」と言われたことも ありました。腹の指を浸かって洗っていましたが、力を入れて利用者さんに触れることなんてなかったので、 怪我させてしまわないか、初めは不安でした。しかし、自分で髪の毛を洗う時に、どのくらいの強さで洗っているのか、 散髪に行ったときに、どのくらいの強さが気持ちいいのかを考えていました。そして、自分で髪の毛を洗う時と同じくらいの 強さで洗わないと、気持ち悪いことに気づきました。そこからは、少し力を入れても怖くないようになり、利用者さんからも 「もうちょっと力入れて」と言われなくなりました。 人の髪の毛を洗う難しさはありますが、自分が洗われたら気持ちいいのか、どうされたら不快に思うのかを考えて 洗髪しています。爪は短く切って、爪を立てずに指の腹で洗うと利用者さんを傷つけることはないと思います。

6.皮膚状態の確認

利用者さんの身体を見るタイミングは、なかなかありません。入浴の時には、全身を確認するようにしています。 お風呂が嫌いで、家でもあまり入っていなかったという方が、入所されました。入所後は、お風呂に入って くださったのですが、身体を見せていただくと、かき傷や発疹があり、すぐに看護師さんに薬を塗るなどの 処置をしてもらったことがありました。その後は、入浴回数も増えて、体も綺麗になったのですが、 更衣する時や、トイレの時などでもなかなか見せていただけないところがあると思います。 お風呂の時は、自然と裸になるので、その時に身体の変化や、傷やアザなどがないか、確認できる タイミングだと思います。 最後に、室温は季節や利用者さんの体感温度によって少し変えますが、入浴や更衣の時などの時は、 だいたい24℃前後が適温だと言われています。服を脱ぐため、利用者さんが、寒いと感じない温度に 設定することを心がけています。 脱衣室だけでなく、浴室の室温調整も必要です。お風呂に暖房設備がない場合は、入浴前に熱いシャワーを 出し、浴室だけでなく、床や椅子を温めると快適に入浴することができると思います。 入浴前に寒いと感じず、入浴後は、気温差でヒートショックを起こさないように気を付けることが大切だと 思います。

(2024年3月12日)


第31回【ほんとにあった介護現場のほっこりする話】

「綺麗になりたい」

普段から美意識の高い利用者さんがおられました。オシャレな服をたくさん持っておられ、美容院では髪の毛を毎回染めてこられます。
「私はいつでも恋をしたいのよ。彼氏募集中」と笑ってお話されています。そんな利用者さんは、お薬を飲む時でも美を追求されます。「この薬はなんのお薬?綺麗になるお薬?」と聞かれます。
「はい。美は内面からくるものらしいですよ。腸から綺麗になりましょう」と調整剤をお渡しすると、
「私は、すぐに綺麗になりたいのに!」とわざと少し残念そうな顔をして見せて笑っておられました。
気さくな利用者さんにいつも元気をもらっています。笑顔の絶えない明るい方は素敵だなと思います。

「新しいお友達?」

利用者さんと、散歩を兼ねてゴミ拾いに行った時に、近所の公園で子供がお母さんと遊んでいました。
子どもの好きな利用者さんが、その子に近寄り「あなた、いくつ?」と聞くと、子供は恥ずかしそうに、指を『2』にして見せてくれました。
それを見た利用者さんに2歳だということをお伝えすると「2歳なの?私、97」と笑顔で返答されました。
お母さんが「お元気ですねぇ。こんな歳の差のある方と出会う事なんてなかなかないですねぇ」とびっくりしておられました。
「ほんとねぇ。95歳も離れてるのね」と笑っておられました。最後は95歳の歳の差のお二人が、握手して手を振ってお別れしました。
施設に戻ってからも「可愛かったねぇ。また会えるかな。また散歩に行きましょうね」とおっしゃっていました。

「将棋の藤井名人のことが心配」

将棋の藤井名人が高校生の時からのファンで、対局に勝つたびに「若いのにすごいね。まだ学生で、将来が楽しみね」と
自分のことのように喜んでおられました。そんな中、新聞で高校を自主退学をした記事を読み「この子は高校辞めて、大丈夫かな?将棋の道だけにするのは大変かもしれへん。高校だけはちゃんと卒業してからやったらあかんかったんやろか」とそこからは心配されて、藤井名人の対局がある度にソワソワされていました。
将棋が好きなわけでもなければ、ルールも知らないとのことで、対局を見たりはされないのですが「まだ結果出てないか?結果は明日か」と聞いておられました。
次の日に新聞を見て「あーよかった。勝ちやってんなぁ。ドキドキするわ」と目に涙を浮かべながら記事を読んでおられました。
安心されてからは「凄いなぁ。高校辞めるって決断して、あの時はどうなるかと思ったけど」と話されていました。
対局がある度にニュースや新聞を気にしておられます。

「歌手」

いつも歌の本を持ち歩いておられる利用者さん。歌が大好きで、音楽番組を見ていると一緒に歌っておられます。
そんな利用者さんですが、アカペラでも歌えるんです。いつも持ち歩いている歌の本から得意な歌のページを開き「これは〇〇さんの歌でな、私よく歌ってたの」と、近くに座っている利用者さんに話しかけておられました。
「みなさんで歌いましょうか?」と提案すると「そうね。歌いましょう!」と大きな声で歌われます。
最後はみんなで拍手をして終わるのですが、歌が大好きなその利用者さんは、ページをめくり、次の曲を探されます。
そこからは、立ち上がりお一人でフルコーラス歌われます。周りからは「上手ねぇ。これだけ歌えたら気持ちいいだろうねぇ」と拍手を受けると、恥ずかしそうに「汗かくわぁ。恥ずかしい」と言いながら、すぐに席に座られるのですが、また立ち上がりいろんな曲を披露してくださいます。
男性職員とのデュエットでは、腕を組んカップルのように歌っておられます。

「嬉しい冗談」

帰宅欲求や介護拒否のある利用者さんがおられました。衣類汚染をしていても、トイレの声かけには拒否され介入もさせていただけず・・・。
入浴も「家で入るからここでは入らない」と強く拒否されていました。
根気強く関わり、少しずつ施設に馴染まれて、トイレの介入もさせていただけるようになりました。
使用済みのパッド類は新聞紙に包んで捨てるようにしているのですが、そんなある日、その利用者さんのトイレの介入をさせていただけました。
汚染パッドを新聞紙で包んでくださっていました。(新聞紙に包むことで、消臭効果があります。トイレには新聞紙が置いてあり、パッドが汚れて、破棄する際に使っています。基本的には、職員が行うのですが、職員が包んでいるのを見て、ご自身で包んでくださる方もいらっしゃいます。)
お礼を伝え、預かろうとすると「はい。お土産」と悪戯っぽく笑って、手渡してくださいました。入所当初は、なかなか冗談も
言ってくださらず「ほっといて」とおっしゃる事の多い方でしたが、少しずつ心を開いてくださり、冗談を言ってくださるようになりました。
利用者さんが、心を開いてくださったんじゃないかなと感じられる瞬間はとても嬉しいです。

「あんこの威力」

ある日、利用者さんとぜんざいを作ろうと計画していました。昼食後の眠たい時間帯でした。
「何を作るの?」と話している利用者さんもいらっしゃれば、ウトウトと居眠りしている利用者さんもいらっしゃいました。
「今からぜんざいを作りましょう」とお話しすると「あんこ?」と嬉しそうに質問される利用者さんがいらっしゃいました。
その声にピクっと反応される居眠り中の利用者さん。「そうですよ。このあんこを使ってぜんざいを作っていきたいと思います。みなさんご協力お願いします」と声をかけると『あんこ』の言葉に目を覚まされた利用者さんが「私、あんこ大好き。もうお腹が空いてきた」と腕まくりをして参加してくださいました。甘い物の原動力って凄いなと驚きました。
みなさん手慣れておられ、手際がよく、職員は、ほとんど何もすることなく、出来上がってしまいました。
利用者さんが作ってくださったぜんざいは、甘くてとても美味しかったです。

(2024年2月27日)


第31回【介護職員が排泄介助で気を付けること6選】

1.自尊心を傷つけない。

トイレの声かけを断り続ける利用者さんがおられました。時間を置いて、何度かに1回の声かけで
トイレに入ってくださるのですが、声かけをしても「今は行きたくない。さっき行ったとこ。
トイレぐらい自分で行ける」とおっしゃられていました。行くタイミングは人それぞれなので、
無理強いすることはなかったのですが、間に合わず、衣類が汚れてしまう事も少なくありませんでした。
そのため、尿路感染等の清潔保持の観点でどういうタイミングで声をかけたらトイレに応じていただけるだろうと、
職員で話し合いをした結果、『立ち上がられた際に声をかける。トイレの前を通られた際に声をかける。
体操の前後で声をかける』というのを今まで以上に気をつけようということになりました。
すると、お断りされる事もありましたが、トイレに入ってくださる回数は増え、ほとんど断られることが
なくなりました。その中でも、フロアから離れたトイレの前を通られた際に、小さな声でジェスチャーを交えて
お声かけすると、トイレに入ってくださることが多かったのです。やはり、周りがいるところで声をかけられるのは
恥ずかしいものです。今までは、お断りされることが多かった利用者さんでしたが、今は声変えすると「行っとこか」と
おっしゃられ、汚染があった際には「汚れてたんやな。ありがとう」とおっしゃってくださるようになりました。
トイレにお誘いする際に大きな声で「トイレに行きましょうか」など他の方に聞こえるような大きな声で、
声かけしてしまうことはありませんか?「そういえば行きたいな。行っておこうかな」と思っていても、
周りの目があると恥ずかしい気持ちになり「今は行きたくない」となることがあると思います。
声をかける時は、小さな声でご本人にコソっと伝えたり、周りに他の利用者さんや職員がいないところで
声をかけるだけで、笑顔でトイレに向かってくださる方は、多いと思います。トイレ介助中も同じように、
トイレの中で大きな声で話すのは控えることが大切です。他にも、立ち上がられたタイミングで声をかけたり、
体操や、レクリエーションの前後に声をかけて、ついでに行っておこうかと思っていただけるように、
配慮する事で相手の気持ちを傷付けずに、声をかけることができると思います。パッド内汚染、衣類汚染された時には、
失敗してしまった、恥ずかしい、申し訳ない、情けないという気持ちになります。そのため、利用者さんの
気持ちに寄り添い、「大丈夫ですよ。すぐ終わりますからね。」などの声かけを行い、いつもより話すスピードを
ゆっくりすることで、安心できる声かけになります。あとは、できるだけ早く丁寧に介助する事で、
恥ずかしい時間が少なくなります。

2.プライバシーに配慮する。

トイレの際、見守りをしていないと立ち上がられて、ご自身でトイレから出てこられる利用者さんがいらっしゃいました。
動きも機敏で、転倒される可能性もあったので、トイレ内での見守りを行っていました。
しかし、トイレに座られる時間が短く、排尿はされても排便がなかなか出ませんでした。出ない日は下剤を
服用されていました。トイレに座れていないんじゃないかと思い「お腹に力を入れてゆっくり座ってくださいね」と
声かけをして、トイレから出て見守っていると、排便がありました。その後も毎日ではないですが、排便が出る回数は
増え、下剤の量も減りました。やはり、トイレに座る時間は1人でないと、落ち着いて排泄できないんだなと思いました。
その経験から、トイレの際に、介助が必要な方であっても、トイレに座っていただいた後は、その場を離れて、
お1人でしていただくことが大切だと思います。トイレの外から見守りをして、終わったら声をかけていただいたり、
コールを押していただくなどの対応をします。何かあれば、すぐに反応して、対応できる準備をしていればいいと思います。
その際も扉を閉めましょう。やはり、排泄中というのは人に見られたくない空間です。リラックスして、排泄できるように
するためにもその場を離れることが大切です。多床室でのおむつ交換の時もしっかりとカーテンを閉めて、声をかけるときには
静かに声をかけるといいと思います。ベッド上での交換時は、衣類を捲し上げすぎないように気をつけたり、
お腹の上にバスタオルをかけるなどすると、少しは恥ずかしい気持ちが和らぐのではないかと思います。

3.介助をしすぎない。

排泄時の着脱は、できるだけ利用者さんに行ってもらうようにしています。入居当初は、立っていられる時間も
短くて、着脱にも時間がかかっており、介助する事が必要な方がいらっしゃいました。できるだけ、介助を
しないように関わっていると、徐々にご自身で行われるようになり、ついには介助が必要なくなるまでになりました。
それでも、見守りが必要なため、心配する職員もいましたが、嬉しい悩みになりました。
衣類の着脱や立ち上がりの介助などご自身で、できるところは、ご自身に行っていただくことで、
申し訳ない気持ちにさせてしまうこともないですし、身体機能の維持や向上にもつながります。
介助しすぎてしまうと、できることが、どんどんできなくなってしまいます。
介護者が行えば早い事かもしれませんが、利用者さんの能力を奪う存在になってはいけません。
利用者さんにしていただけること、難しいことを見極めて、できることはお任せすることが大切だと思います。
そして、利用者さんの中には「申し訳ない。できることは自分でしたい。子供じゃないんだから触らないで」と
色々な思いの方がいらっしゃるので、相手の気持ちに寄り添うことも忘れてはいけません。

4.排泄間隔を把握する。

新しく入居された方は、排尿間隔がわからないので、記録をつけます。その方は、衣類が汚染されることの多い方でした。
だからと言って、トイレにお連れする時間が早いとトイレにも排泄がありませんでした。、記録をつけていると、
必ず食後には排泄があることがわかり、そこからは、毎食後、それ以外は2時間空くまでに必ずトイレにお連れするように
決めました。すると、衣類汚染は減り、パッド内汚染のないこともありました、パッド汚染のない時は、とても嬉しく
感じました。食後にトイレにお連れしようと思ったのは、副交感神経が働き、リラックスしている状態で、排尿が出やすく
なっているということと、食べ物を消化しようと胃や大腸が動くため排便が出やすいからというこがあったからです。
高齢になると1日のトイレの回数はだいたい8〜10回で、2時間に1回程度と言われています。
それまでに、トイレに誘導することができれば、自尊心が傷つくこともないですし、汚染して気持ち悪い思いを
されずに済みます。人によって排尿間隔は違いますが、記録をつけて、把握することで、トイレで気持ちよく
排泄ができるようになります。
排尿間隔を把握することで、介助者の介助量の軽減にもつながります。介助量が減ると、利用者さんとの関わる時間も
増えると思います。

5.できるだけおむつを使用しない

僕は学生時代、おむつ体験をする授業で、おむつをつけて授業を受けたことがありました。
他の事に集中できず、つけたあと廊下に出ると、他の学生とすれ違うのも恥ずかしかったのを
覚えています。その後、教室で映画を見たはずですが、集中できず内容は全く覚えていません。
どんなに集中しても、簡単に出せるものではなく、排便はおむつをつけている状態ではトイレに
座っていたとしてもできなかったと思います。結果、排尿はなんとか出しました。しかし、周りに人が
いる状態、トイレではない環境ではあの時だけだったからできたんじゃないかと思います。
出した後も、服が漏れている感覚もあり、その場から離れたいと思ったことは未だに忘れることはできません。
みなさんは、おむつの中で排泄したことのある人ならわかると思いますが、おむつの中での排泄は
とても難しいです。ベッドに寝ていたり、椅子に座っていたり、他人が生活している空間で、排泄することを想像して
いただけたらわかると思います。排泄するには、誰にも見られないという安心感がある空間でなければ、リラックスして
排泄することは難しいです。身体の仕組み上も排泄するには前傾姿勢になり、お腹に力を入れやすい姿勢があり、
腸と肛門の位置も関係しているからです。排泄のしやすさだけでなく、おむつをつけることへの抵抗感、屈辱感があると
思います。おむつをつけたくてつけている人はいないと思います。職員の都合で安易におむつを使用してはいけません。
おむつを使用せずに、2人介助でトイレ誘導を行ったり、ポータブルトイレを使用することも検討できます。
日中と夜間帯でも対応は変わってくると思いますが、利用者さんの生活リズムに合わせて、できるだけトイレでの
気持ちい排泄ができるように考えていくことが大切です。

6.排泄物の確認をする。

利用者さんの体調の把握は難しいですが、排泄物の確認を行うことでわかることはたくさんあります。以前、排便に
血液が付着している利用者さんがいました。すぐに主治医に相談し、受診することができました。特に問題はないとの
ことで帰ってこられました。この時は、大きな病気ではなかったのですが、気づいていないと受診する事も
できていなかったですし、利用者さんの異変に気づく事もできていなかったかもしれません。普段から排泄物の
観察を行っていてよかったなと思いました。
排泄物の色、匂い、形状、量は、利用者さんの体調を把握する上で大切なことです。
排尿の場合、水分摂取量が少ないと濃い色の排尿が出たり、糖尿病の方は少し甘い匂いの排尿が出ます。
血尿がでているときは、病院受診を早めにするなど、見ていないと気づけないことがあります。
排便でも下痢していないか、硬い便が出ていないか、消化されていない便は出ていないか、便に血液は混じっていないか
しっかりと量は出ているのか、など体調を把握するためにも観察することが必要です。
高齢になると、痛みに鈍感になり、利用者さんが伝えることが難しく気づくことが遅くなってしまうため、
排泄物からの情報は大切です。

(2024年2月13日)


第30回【リーダーになって学んだこと・気を付けていること7選】

リーダーの仕事って大変ですよね。何が正解なのか分からないし、上司と部下に挟まれたり何かと文句を言われたり…。年上の方には意を決して注意することもあれば部下や実習生の育成や対応をすることもあって普段の仕事だけでなくあれこれ考えながら仕事をするので本当に大変です。

何かあれば「リーダー」と呼ばれ、冷静かつ的確に判断しなくてはなりません。常に一緒に仕事をしている人の動きを見ながら・何か依頼や注意する時の言葉選び・やらなくてはいけない事を考えながらの仕事…。辛いことも大変な事もありましたがやりがいややって良かった思える事もありました。

リーダーを担う中で初めは不安でしかなかった事も年月とともに徐々に自信を持ち比較的冷静に物事を考えられるようになってきたと思います。その中で“もがいて悩んで学んだこと”をまとめました!これが最後の投稿となります。共感してくださる方や悩んでいる方に届いたら幸いです。

【1. 気分のムラは出さない。常に笑顔を絶やさない】

リーダーの機嫌が悪いと職場の雰囲気も悪くなりますよね。機嫌が悪いと“あぁ今は話さない方がいいよな。”“今日は怒っているからこの件報告したくないよなぁ”“早く帰りたい”と思ってしまいます。喜怒哀楽が激しい方や波が激しい方の場合は“今の様子”を観察しながら仕事を行うようになります。

悪い雰囲気は利用者様にも伝わります。特に認知症の方には大影響を与えてしまい、不穏のオンパレードになることもあります。認知症の方って雰囲気を敏感に感じるなぁと感じています。職員の雰囲気が利用者様に伝わって悪い方向に言ってしまうのは嫌ですよね。

逆に楽しそうに仕事をしていると周りの職員も自然と楽しく仕事をするようになり、利用者様も笑顔になります。楽しく仕事をする事で相談や報告もスムーズになりますし、職場内の意見交換も積極的になります。楽しい雰囲気や悪い雰囲気は伝染していくので、率先して楽しく仕事をするように意識しています。

とはいえ時には愚痴りたくなることや泣きたくなることもあります。そんな時は仕事終わりに心許せる職員に愚痴を聞いてもらったり話を聞いてもらったりしています。その感情まで抑え込んでしまっては精神的に良くないのでなんでも話が出来る仲間を見つける事も大切です!!

【2. 自信の無さは隠す】

リーダーになりたての頃って仕事に対しても不安がある上にリーダーの責務までと思うとプレッシャーで押しつぶされそうになりますよね。私の場合、初めて就職した施設が特殊で2年目からリーダーの職を担いましたが本当に不安しかなく、先輩方の目が気になりすぎてしんどかったです。

何か決定するとなるとすべてにおいて相談が来てどうするか意見を求められます。介護の知識も経験も1年しかない状態での判断って出来ないです。これでいいのかって不安ですし、他の先輩職員に相談しながら行っていました。

その不安な気持ちが行動にも出てしまい周りの目からは“オドオドしている”ように映ってしまっていました。リーダーになりたいと思っていた先輩からは自分を越して先にリーダーを担っている事でも気に入らないのにさらに自信なさげに仕事をされたら尚イライラさせてしまいますよね。

「リーダーなのにそんなことも分からないの?」と言われたことが悔しくて怖くて情けなくて、リーダー1年目はどれだけ泣いたか分かりません。先輩と同じ勤務になることが本当に辛かった…。相談すらできませんでしたし、率先して仕事をするぐらいしかできませんでした。

これと関係あるか分かりませんが、2年目になる直前に車にスプレーで落書きされたこともありますし、自宅で不審な事が沢山起こり警察沙汰になった事もあります。仕事中は皆普段通り接してくるので、誰がこんなことをするのか恐怖でしかありませんでした。もう人間不信ですよね。

さらにリーダー1年目に疥癬の集団感染がありました。従来型特養だったこともあり利用者様も職員もほぼ全員疥癬に感染してしまいました。もう1人のリーダーもリーダー1年目で毎日どうしていくか話し合いを行い、病院受診と居室移動・バルサン・入浴調整など決めていました。

職員の体調不良もカバーしなければならず、“リーダーだから頑張らないと”と2人で残業を負担しあっていました。今思えばもっと他の職員にも頼ればよかったのですが、この時は2人とも自分の事や疥癬の事で必死過ぎて“自分たちが頑張ればいい”と思っていました。

夜勤が回らない時は遅番から深夜2時まで残業してもう1人が深夜2時から早番業務までをこなすなんて事もしていました。若いから出来ていましたが、今はもう出来ないと思います。自分自身に鞭を打って仕事をしていましたが、それが功を奏したのか周りの目も変わってきたように感じました。

自分がそう感じただけかもしれませんが、必死に仕事をしていくうちに徐々に自信が付いてきたのだと思います。自信が出てくると周りの対応も少しずつ変わってきます。分からない事は恥を捨てて聞く・調べる・勉強するようにする事や経験を重ねるごとに“これでいいんだ”という自信に繋がるようになりました。

不安そうなリーダーについて行くのって“大丈夫かなぁ”と部下も不安になりますよね。逆に“付いてこい!”ぐらいどんと構えているリーダーだと安心感がありませんか?このことから自信が無い事は隠すようにした方がいい事や不安をのける程の経験を積むしかないと思いました。

リーダーなりたての頃なんて不安があって当たり前!!初めからなんでもかんでも上手く出来る人なんていません。失敗を重ね、成功体験を積んでいく事で自信が付いてくるもの!周りに頼りながら自分の苦手な事を克服できるようになります。失敗してもめげずに成功への近道ととらえていきましょう!!

【3. 誰と話をする時も敬語を使う】

介護現場ってため口で話している光景をよく見かけますよね。年上でも先輩でも施設長にでもため口なので本当に驚きますよね。友達じゃないし、プライベートの時間でもないので介護業界だから通用するのかなぁと思ってはいますが、はたから見るとおかしいですよね。

私はため口には違和感しか覚えず、相手に敬意を示す意味でも仕事中は同期でも年下でも部下でも実習生でも敬語を使うように意識していました。最初に就職した法人では同期も同じ考えの人が多かったので、職場では敬語・遊ぶ時はため口と使い分けていました。

結構驚かれることもありまたが、敬語を使う事によって“今は仕事中”という感覚がありました。ある程度敬語を使って距離を作ることで近づきすぎないようにも出来ていたかなぁと思っています。ため口だとどうしても友達のような感覚になりますし、いろんなことがフランクになりがちです。

嫌な事があった場合ギスギスしがちですし、逆に注意をしたい時に仲が良すぎて注意しても響かないと悩んでいる人も居ました。ある程度近すぎず且つ離れすぎない程度の距離を保つためにも敬語は使った方がいいかなぁと感じています。距離感って大事!!

【4. どんどんチャレンジする・仕事を任せる】

何か物事を決める時って結構トップダウンになりがちですよね。私も上から指示することがリーダーとしての役目だと思ってしまっていた時がありました。しかし、トップダウンでの仕事は不満を抱かせてやる気をそぐだけだなぁと感じるようになりました。

色んな人の気づきを吸い上げてみる・考えられるリスクを話し合う・実際に行ってもらいリーダーはサポートに回るようにして“成功体験”積むことが大切だと学びました。自分で考えてそれをやってみる事って不安もありますが楽しいですよね。

成功体験を積むことによってどんどん新たな考えが浮かんできますし、失敗を元に次は同じ失敗をしないように対策を練ることが出来ますし、1人1人の経験値が上がっていくと感じていました。私自身もいろんなことを任せていただき、相談したらアドバイスを貰える環境で大分自分の引き出しが多くなったと感じています。

上から「あれやっておいて。」「これはダメ。」「こうして。」「そんなのやらない。」等マイナスな事を言わない・出来ないと決めつけないように意識し、成功できるように背中を押す事や悩んでいる時に声をかけるように意識しています。結構口を出してしまいそうになるので難しいですが…。私自身も経験を積んでいます!

【5. もらった悩みは早期解決する】

介護の仕事って悩みが尽きないですよね。相談を受けたときにすぐに動くか動かないかで信頼度が大きく変わってくると思っています。悩みだけ聞いて行動しない場合、話しても無駄と思われ以降悩み相談はされなくなります。そうなると職員間に溝が出来るだけで改善していく事は難しいかと感じています。

早期解決できることと出来ない事はありますが、早期解決できそうな事はなるべく早めに解決策を考えます。解決に時間がかかりそうな時でもケアマネージャーや相談員・看護師・施設長等他職種にも相談し、進捗状況を伝えるようにしています。

進捗が遅かったとしても何もしないよりは悩みの解決に向けて動いてくれていると思ってもらえるので悩みを抱え込まずに相談してくれるようになってきます。意見をあまり言えない職員や私はパートだからと思っている職員さんには「何か困っている事ありませんか?」と声をかけるようにしています。

あまり相談して来ない人に聞いてみると結構“なるほどな”と思う悩みや考えを教えてくださることがあるので“言ってこないから何も思っていない”と思わずに聞いてみて欲しいと思います。悩みを聞いた上でなるべく早く動線や業務についてであれば100円ショップの物を駆使して解決しています。

頭をフル回転させ、100円ショップ内でも何か役に立つものは無いかという思いで探し回ります。これを繰り返していた為今でも“あれが役立ちそうだなぁ”と考える癖が付きました。結構で100円ショップで解決することが多いので100円ショップには感謝です!!

【6. 注意はほどほど、難しいなら見える化】

注意って相手のプライドを傷つけないように且つしっかりと意図が伝わらないといけないので伝え方がとても難しいですよね。特に自分よりも経験がある方を注意しなければならない場合にはとても気を使います。気難しい方・年下から言われることが嫌いな方等いらっしゃるのでその時は本当に悩みます。

相手のプライドを守るという意味で、注意する時は他の職員がいない時や誰もいない利用者様の居室内など他の人に気が付かれないように意識しています。また、注意と聞くときつそうなイメージがあるかもしれませんが、なるべく相手の意見をまず聞くようにしています。

相手がどうしてそう対応したのかを理解した上で何がまずかったのかを説明するようにしています。この説明も誤解を生む可能性がある為言葉選びがとても難しいのですが、なるべく穏やかな雰囲気で且つ責めている訳でないというスタンスで伝えるように意識しています。

2回伝えてもダメなようであれば“見える化”するようにしています。何度も注意するのは嫌ですし、言われる方も「またか。」と気持ちが萎えてしまいますよね。この状態になると溝ができはじめる事がある為そうならないためにもどうしたらいいのかを説明した図や説明書きを作るようにしています。

図や写真を入れ、そこに説明書きを加える事で誰が見ても同じケアが出来るようにします。実施するその場に掲載することが大切で、例えば職員の申し送りノートに載せておくとします。その場では理解できるかもしれませんが、いざ利用者様の居室でケアをする際には思い出せず“まっいっか”と今までのケアを継続する可能性があります。

これではせっかく見える化するために労力を使ったのにそれが無駄になってしまいますよね。それでは勿体ないので作業するその“場所”に貼り出す事が大切になってきます。これだけで結構改善されることがありました。私の説明が下手で理解できなかったとしても図や写真があることによってイメージしやすくなります。

このことを経験してからは説明した後に“見える化”するようにしています。“職員それぞれが違うケアをする=職員それぞれの解釈が異なる”ということなので共通認識を持つためにも有効だと思っています。作るまでがとても大変なのですが、これを行う事で職員間のケアの質が上がると感じています。

特に洗濯に関しては作った方がいいと思っています。乾燥機にかけてはいけない衣類・洗濯ネットに入れて洗濯して欲しい衣類・ソフト洗いにした方が衣類等結構難しいですよね。私も細かいところまでは把握していませんが、乾燥機にかけてしまって縮んでしまってからでは遅いです!

写真を乗せてこれは乾燥OK!叉はNG!と表記し、ポケットの中を確認して欲しいというイラストも載せます。これによってティッシュを入れたままの洗濯や間違った洗濯や乾燥から衣類をダメにしてしまうという事が大分減りました。ご家族様への謝罪も絡んできますので、減ることは大切な事です!!

【7. 常に勉強し情報収集する・過剰なプライドは捨てる】

介護未経験から2年目でリーダーとなった私は、専門学校を出ている同期や後輩よりも知識も技術も劣っていました。ましてや先輩の足元には到底及ばず、知らない事も多い中判断や指示をしなくてはならないので毎日が必死でした。

知ったふりは自信を無くす上に信頼もなくすだけなので恥を捨てて沢山聞いて教えて頂きました。また個人でも介護に関する勉強をするようにして分からない事を減らすようにしていきました。余計なプライドがあると“知らない=恥”と思い聞けなくなることが多いかと思います。

しかし、実際のところは“知らない=恥”と思っているのは間違いでその思い込みは“知ったふり”を意識的・無意識に行っていくようになります。知ったふりって自分では気が付いていないかもしれませんが、周りは“あの人分かってないよね”とすぐに気が付きます!!

知ったふりしていると思われるよりも分からないことは“経験不足”なだけである事もありますので「すいません。〇〇が分からなくて教えて頂けますか?」と聞いてしまった方がいいと思っています。これを聞くと“あの人こんなことも知らないんだよ”と言われる可能性もありますが経験して来なかったので仕方が無いですよね。

これを言われたくないという“プライド”があると“聞けない・知ったふりをする”しかなくなると思っています。私も初めはそう言われるのが嫌だなぁと思っていた事がありましたが、知らない事を知ったふりすること程気が滅入る事は無いと感じているので恥を捨てて聞くようにしています。

知ることで勉強にもなりますし、聞くことによってそのうち“見下す”態度から“分からないことがあったら教えてあげるよ”という態度に変わっていくのを身をもって感じています。まさしく“聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥”という言葉通りです!

知ったふりを長年しているともう無意識のうちから知ったふりをするようになってしまいます。長年これを続けているとそのうち何も聞けなくなってしまいます。それこそ「長年やってきて知ったふりをしているけど、あんなことも知らないの?」と言われるようになってしまいます。

陰でそう言われていると思うと本当に“一生の恥”ですよね。私はこの恥をかくよりも分からないことは分からないと正直に伝えて“一時の恥”をかくようにしています。一時は恥をかきますが、教えてもらえることで知識として自分の糧になります。

このことから“余計なプライド”は持たない方がいいなと思いました。リーダーという役職が付くと“謝罪する”事が増えてきます。指導する時・注意する時・ご家族様へ・上司へ等いろんな場面で自分が悪くなくても頭を下げる事が出てきます。これもプライドがあると出来ないんですよね。

頭を下げる事で丸く収まる事は多々あります。変にプライドを持って間違っていないと強気でいたり、謝罪しないで逆上したりすると関係性は崩れます。うまく行く事もいかなくなっていきます。なのでケアに対するプライドは持っていいと思いますが、余計なプライドは捨てた方がうまく行くと思っています!!

これらがリーダーになって学んだこととそれを元に気を付けている事です。リーダーという役職になったからこそ気が付けた事なので、大変な役職ですが経験してよかったなぁと思っています。リーダーを行っていない今はリーダーさんを見てこういう言い方いいなぁ・こういう言い方は傷つくなぁなど学んでいます(笑)

リーダーの仕事って本当に大変です。怒りたくなることも泣きたくなることも嫌になって投げ出したくなることもあります!悩みながら泣きながら・迷いながらあっという間にリーダー歴10年になっていました。少しでも悩んでいる・困っているリーダーさんのお役に立てましたら幸いです。

(2024年1月30日)


第30回【介護施設の年末年始あるある 9選】

皆さんは介護施設の年末年始と聞いて何を思い浮かべますか?介護施設に携わっている人であればある程度想像出来ると思います。今回は介護施設の年末年始についてまとめました。こんな事をやっているのかぁと感じて頂けたらと思います。

【1. 大掃除が大変】

介護施設に限らず大掃除は毎年恒例ですよね!介護施設の大掃除は自宅での大掃除に似ているかもしれませんが、通常業務にプラスで行わなくてはいけないため大変な作業になります…。12月から始めようなんて思っていたら終わらないですし、残業しなくては終わらないなんて事になりかねません。

早い段階から計画的に行っていく事をお勧めします。私は11月から始めるようにしていました。掃除する個所としては
・エアコン(フィルター・通気口)
・窓(サッシ・カーテン)
・お風呂場(カビ取り・排水溝)
・換気口
・床掃除(ワックスがけ)
・キッチン周り(汚れ落とし・欠けた食器の破棄)
・ベランダ掃除
等があります。他にも施設によって掃除しない場所や追加で掃除する場所があると思います。こう見るとこれを普段の業務以外に行わないといけないので大変な作業ですよね。

大掃除の時期に一気にこれらを行う事は大変なので普段からちょくちょく掃除をするようにしておくと大掃除の時にはサッと掃除するだけで済むので1年かけて取り組めると良いかと思います。エアコンのフィルターや通気口であれば3か月に1回掃除する。

お風呂場のカビ取りも1か月叉は数か月に1回行うようにしておく。窓やベランダは半年に1回行うようにする等日ごろから掃除をしておくとそこまで頑固な汚れが付く事は無いので掃除の負担も少なくなります。常に綺麗な環境で仕事が出来ると気持ちがいいですよね。

人手が足りずそんなに掃除している暇がないと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、年に数日でも人が多く配置出来る日があればその日のうち数時間を掃除の時間に当てて行う事もいいのではないかと思います。かといってそんな日は利用者様との行事に当てたい気持ちも分かります。匙加減難しいですよね…。

【2. 仕事納めの翌日に出勤】

大晦日に「今年もお世話になりました。よいお年を~。」と挨拶して翌日「あけましておめでとうございます。」という流れ、あるあるですよね!!介護の仕事をしていて年末年始にゆっくり休めたのは転職するタイミングの時以外ありませんでした。今年も年末年始は仕事です。

利用者様と一緒に年越しの雰囲気を楽しめるのはいつもとはまた違った感じでこれもまた楽しみだなぁと感じています。お正月は利用者様に画用紙に印刷した年賀状をお渡ししたり、お正月のイラストをラミネートしてランチョンマットにしてみたり、福笑いを楽しんだりして楽しい時間になるようにしています。

【3. 夜勤中に年越し】

大晦日が夜勤の場合は夜勤中に年越しを迎えます。時間を気にして年越しそばを食べる方や、利用者様の対応に追われてバタバタと動いている中いつの間にか新年を迎えていた方、利用者様と一緒に新年のカウントダウンを行いお祝いする方等思い思いに過ごされます。

滅多に利用者様が年越しまで起きていて一緒に過ごすなんてことは無いですが、一緒に楽しい気持ちを共有出来たら嬉しいですよね。不眠の利用者様に年越しまであと少しですと伝えてそのまま一緒にカウントダウンをして寝て頂くなんてことは数回ありました。

朝、利用者様と一緒に初日の出を拝んで帰宅する事なんて事もしていました。毎日見る太陽ですが、初日の出となるといつもとはまた違った気持ちで朝日を迎える事ができますよね。新年の目標を太陽に向かって宣言する事もいいですよね。

【4. 初詣は職場行事で済ませる】

ユニットケア施設では初詣企画を行うところが多いのではないでしょうか。私もユニットケア施設で働いている時は毎年近くの神社やちょっと遠いけど有名な神社にお参りに行っています。プライベートでも行きたい気持ちはありますが、人混みが苦手なので職場の行事の時に一緒にお参りして終わりにすることもあります。

階段しかない神社や多目的トイレが無い神社では入念に準備をしていかないと大変な事になります。一度階段しかない神社に参拝に行く際、雪が積もっていて、車いすを持ち上げながら移動した事がありますがもぅ大変でした。階段以外の場所でも持ち上げての移動だったのでどっと疲れました。

その時は参拝に来られていた若い男性グループの方々が見かねて手伝ってくださりとても助かりました。さらっと「お手伝いしましょうか?」と声をかけてくださり、本当にありがたかったです。まぁ、可愛い女性職員がいてその職員にだけ声をかけてお手伝いだったというオチがありましたが…(笑)でも、ありがたいですよね…!!

【5. 初詣・初売りによる交通渋滞がキツイ】

大きい神社やお寺・ショッピングモールの近くの施設は出勤が大変!!早番であればまだ混雑に巻き込まれることは少ないですが、日勤や遅番だと交通渋滞に巻き込まれます。普段より1時間も早く出発しているにもかかわらず遅刻しそうになると焦ります。

いっその事希望休を入れてしまおうかなんて考えも浮かんでしまします。交通渋滞はどうすることも出来ないので毎年この季節にはやきもきします!退勤時も帰宅ラッシュにかぶるので帰るまでも時間がかかります。新年早々事故に合わないようにしたいなぁと気を引き締めなくてはいけないと思っています。

【6. 新年を迎えた実感がわかない】

「あけましておめでとうございます!!」とお祝いの挨拶をかわしますが、実際の所普段のように業務をこなしているためあまり実感を得ない部分もあります。お風呂介助が無い事や通勤・帰宅の際に渋滞に巻き込まれる・ご家族様の面会が増える事で頭では新年を迎えたという事が理解できますが、なんとも言えない感覚です。

面会もご家族様が集まってこられる事が為、大人数での面会になることが多く朝からひっきりなしに入れ替わり立ち代わりで対応をするので気を使いどっと疲れてしまいがちです。でも利用者様やご家族様の楽しそう・嬉しそうな表情を見るとこちらも嬉しい気持ちになります。

【7. お屠蘇をふるまう】

これは施設によって様々ですが、私が以前勤めていた施設では毎年新年に施設長が袴を着て利用者様にお屠蘇(おとそ)をふるまって歩いていました。お屠蘇とは新年の初めに飲むお酒の事を指し、呑める方には日本酒や甘酒をふるまっていました。

新年早々日本酒を何杯かお代わりされ朝から顔を真っ赤に染める方・久しぶりにお酒を飲んで酔っ払ってしまう方がいらっしゃり見ていて微笑ましい光景が見られます。お酒に弱いかどうかは事前に確認しておき酔いやすい方は飲みすぎないように職員が声を掛けます。

初めて参加される方は様子を見ながら対応しますが、翌年に繋げるために必ず記録をとっておき個人ファイルにメモを挟むようにしておきます。新年早々アルコール中毒や体調を崩してしまっては申し訳ないので、職員がしっかり調整していきます。

【8. 福笑い・かるたを行う】

新年はお風呂介助やリネン交換などの業務を行わない施設が多いのではないでしょうか?新年くらいはゆっくり過ごそうという意味が含まれています。かといって見たいテレビが無い事もあるので、その時はタオルで目隠しをして福笑いを行ったり・かるたを行ったりしています。

福笑いのグッズを買って用意したり、段ボールを切って作ったりして楽しんでします。完成した後目隠しを外して自分が行った福笑いを見て大笑いする光景はこちらも楽しくなります。かるたも利用者様に読み手を依頼すると時々全く異なった文章を読まれる方がいらっしゃり、みんなで大笑いすると事があります。

【9. 書初めをする】

書初めをしたいという利用者様がたまにいらっしゃいます。その時は書道道具を用意して新年の目標を書いて頂きます。書き終わったものは色画用紙に貼ってお部屋に飾りますが、何を書かれるのか見るのが楽しいですね。書けない方でも手に朱墨を塗って手形を作られる方もいらっしゃいます。

以上が介護施設の年末年始あるあるですがいかがでしたか?想像と異なっていましたか?それとも「分かる~。」と共感されましたか?2023年は大変お世話になりました。投稿を見てくださりありがとうございます。
2024年が皆様にとって素敵な1年になりますように!!

(2024年1月23日)


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