障害者施設
『横浜介護求人センター』

第23回【介護の現場で葛藤した事5選】

仕事をする上で葛藤することってありますよね。郷に入っては郷に従えとはよく言いますが、だからといってやってはいけないことをしているのを見て黙っている事ってとても苦しいです。転職したばかりの時は波風を立てたくはないので黙って従っていますが、一人になったらやらないようにしています。

そんなこと関係ないとズバズバと物を言える人もいますが、その勇気が羨ましくもたくましくも思える時もあります。そうなりたいとは思いつつも長く務めるとなると人間関係を築いていく事も大切。言い方ひとつで関係性が壊れる事もあります。凄く葛藤していたことをまとめました。

【1. ご飯の上に薬をかける】

初めて介護の仕事をした際とても驚いた光景でした。薬って苦いですよね。それを美味しいご飯の上にかけてしまうのはどうなの?って衝撃を受けました。味覚がしっかりされている方はご飯の上にかけると食べなくなってしまうから後から口に入れると教わりましたが、皆そうなんじゃないの?って思っていました。

いくら認知症で味覚が分からず介助をすれば気にせず食べるからと言って薬をふりかけのように扱うのはどうなのだろうかと思っていました。かといっておかしいと思って一人ひとり食後に介助をしていると「何やってるの?」「遅い!」と言われてしまうため出来ず…。

ユニットケアであれば出来る事も従来型特養の場合、20~30名の利用者様の対応をしているため、一人ひとり後から薬介助を行うと大幅な時間のロスに繋がる為個人的な感情だけで違う事を行う事は出来ませんでした。初めは“おかしい”と思っていたことも習慣って怖いもので1年も経つ頃には“当たり前”になっていました。

新しく入ってきた職員や実習生から「ご飯の上に薬をかけるんですね。」という言葉を聞いた時、いつの間にかおかしいと思う気持ちが無くなっていたことに気が付き“その感覚忘れていた。忘れてはいけないことだよなぁ”と気づかされる事がありました。

次に転職した施設はユニットケア施設でした。ユニットケアは1年ほど経験していましたが、利用者様主体のケアをしている施設は初めてでした。やること全て今までとは全く異なり利用者様の希望に沿ったケアを行っていました。薬についてはもちろんご飯にかけることは無く、砕いて内服することもほとんどありません。

砕く時は看護師に報告・相談したうえで内服直前に砕く事と決められていました。薬を吐き出してしまう方には水分ゼリーを使用し決してご飯にはかけない。上手く内服できない時は小さいカップケーキのようなお菓子に錠剤を入れ込んだものを提供する等食事には絶対にかけない方針で行っていました。

これに慣れてから他の施設に転職した際ご飯の上に当たり前のように薬をかけている光景を見て、まだまだご飯の上にかけるのが当たり前になっているんだなと思いました。この施設ではおかずも全部混ぜて提供していた為、少しずつですが変えていきました。

ごちゃまぜになった食事を食べたいと思うか・ご飯の上に薬をかけられて美味しいと思うか等問いかけ行くと徐々にやっている事が“おかしい事だった”という事に気が付き、1人また1人ずつご飯の上に薬をかける事をやめていきました。最終的には誰もご飯の上にかける事はなくなりました。

就職したときからご飯の上に薬をかける・おかずを混ぜると教わっていたためこれが当たり前だと思っていたと話される職員が多く、初めの段階からしっかりとしたケアを伝えていく事の大切さを学びました。出来る事であればご飯の上にかけずに済む方は食後に内服するようにしていただけたらいいですよね。

【2. 職員の仲が悪い】

同じユニットの職員同士・他職種間の仲が悪いと決まるものも決まらず、時間ばかりかかってしまい無駄な工程が増えてしまいます。本当に時間が勿体ないと思う事が多いです。専門職の人にアドバイスを貰い行っていても「私がいいって言ったらいい、ダメっていたらダメなのよ。」と怒るケアマネージャー。

看護師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の専門性を学んで来られてきた職員の指示に従う事が普通だと思っていたのですが、ことあるごとに「なんで私に聞かないの?専門職に聞く前に私でしょ。」と怒るケアマネージャーに出会ったことがあり、衝撃的な感情を抱きました。

自分の考えが否定されるとヒステリーになり怒り散らし、一度いなくなったかと思うと少し時間を置いて再度やって来ては「これはこうでしょう。おかしいよね。」等自分の正当性を主張しにくる感じでした。意見があるのであればユニット職員ではなく専門職と話し合って欲しいところですがそれは行わない。

私たちは利用者様の為に動いているはずなのに自分のプライドの方が大切で自分の立場を誇示したいという気持ちが強い人が上に立っていると大変です。嫌いな専門職の人が居た場合、その人の指示には絶対に従いません。ユニット職員も専門職の人が言っている事に従いたいと意思を示すものなら大騒ぎ。

「決定権は私にあって、専門職にはない」との一点張り。嫌いなリーダーが居るものであれば、何かあった際「リーダーに相談しますね。」と伝えるものなら「リーダーの意見なんていらないんだよ。なんでユニットの職員で決められないのよ?おかしいだろ。」と職員を捕まえて怒り始める始末。

物事を決める流れとしてユニット内の最終決定はリーダーにあり、リーダーと相談しながら決めていかなければいけないのではないかと伝えてもこういうタイプには通用しません。「あのリーダーの意見なんていらない。」の一点張り。これではリーダーの立場がありませんよね。

ケアの方向性がユニット内で決まった際も「誰が決めたの?」「みんなで話し合って決めたの?」と聞きまわり、少しでもリーダーの名前が出るようであれば「馬鹿じゃないの。あいつの意見なんていらないんだよ。なんで他の人で決められないの?」と怒り出し手に負えなくなります。

こういう人って本人を目の前にすると何も言わないパターンが多く、他の職員にうっぷんを晴らすのでたちが悪いです。直接本人と話し合って決めてもらえないと一般の介護職は誰の指示に従っていいのか分からず困る旨伝えてみても「私の意見を聞けばいいんだよ。」と言われてしまうと手の打ちようがありません。

一体“誰の為に話し合っているの?”と思う程でした。自分のプライドの為、嫌いな職員を蹴落としたいがために意見を聞かない・否定するようなことをしていては良いケアなんてできませんよね。間に入る職員も疲弊していきますし話し合わなくてはという気持ちすらなくなっていきます。

逆もしかりでこのリーダーも表面上はとてもいい感じに接していますが、基本的に自分以外の職員は好きではなく事あるごとに文句を言う人でした。面と向かっては「お蔭さまです。」「ありがとうございます。」「助かります。」「さすがです。」とほめていましたが、その人が居なくなるとけなし始めます。

私が仲良くし始めているのを見ると「〇〇さんには気をつけろ。手の平を返してくるからなぁ。」「△△さんには気を付けろ。すぐに施設長に何でも間でも言われるからな。」と嫌な情報ばかり伝えられました。また、助かっていると言っているそばから「〇〇さんはここが出来ていない。これをしない。」とあら捜し。

そばで見ていて怖いと思う程でした。次第に褒められても“本当はそう思っていないんだろうな”と思い始めてしまい信用できなくなりました。これは私以外でも感じている職員が多く、リーダーは人を信用できない人なんだろうなと感じていました。ちょっとかわいそうだなぁとも思っていました。

さらには人との関係性の作り方が分からないのか、物をあげれば関係性が良くなると思っている節があり、何もない時から「これ食べてみろ~。」「これ持っていけ~。」等事あるごとに物を配っていました。LINEギフトもしょっちゅう送られてくるので途中からやめて欲しいと思うようになりました。

断ると「私からのはもらえなのか。」「いいから黙ってもらっておけ。」と話にならず、お返しをしなくてはいけなくなるためお互いの為にやめましょうと伝えてみましたが「お返しはいならないから。」の一点張り。私自身が受け取るだけにはしておきたくない性格だったので本当に苦痛でした。

信頼関係ってこんなことをしなくても腹を割って話し合う事で築いていく事が出来ると思っています。こういう職員が多かった施設では本当にいびつな関係性が多く見られていました。私は耐えられなくて半年程度で逃げるように去りましたが、ここまで酷いところは初めてでした。ホントいろんな施設があります…。

【3. 先が見えない】

16時間夜勤を月に7回~9回行う施設がありました。16時間夜勤って仮眠時間が2時間程度あるものだと思っていたのですが、その施設では仮眠おろか休憩時間さえもありませんでした。私は初めての16時間夜勤だったため仮眠や休憩が取れない事に物凄い衝撃を受けました。

8時間夜勤ですら辛いと思っていた旨を面接段階で伝えており、施設長からは休憩も仮眠もある事や月4回程度と聞いて入職したのに嘘をつかれたと愕然としました。職員の数が足りず夜勤専門の派遣さんも使っていたため減らしてもらおうにもどうにもこうにも出来ません。

せめて仮眠時間が欲しいと伝えるも「今までもこうやってきたから。」「そのうち慣れるよ。」「休憩が取れない分夜勤手当に上乗せしているから。」と言われてしまいました。「夜勤手当他の施設よりも高いでしょ?」とも聞かれましたが、8時間夜勤とさほど大差がなく本当にしんどかったです。

しかも夜勤前に会議があると1時間前に出勤が義務づけられていたり、翌日日勤者が居ない場合はそのままお昼近くまで残業したりすることがざらにありました。こんな過酷な施設で働いたことが無かった私には“異常”とかし思えませんでしたが、ここで働いている人にとっては“当たり前”でした。

酷い時は24時間施設に居るなんてことも!!一般的には16時間夜勤の後は明、休みとなるはずが、明の日の夕方から出勤する事や、夜勤、明、出勤、出勤等が続き7日連続で出勤なんてこともありました。これは本当に労働環境が良くありません!

日中もほぼ1人で勤務する事が多く、食事介助5人の全介助8名程度。2人介助が隣のユニットと合わせて5人となると時間の使い方がとても難しく、時間に追われながらのケアになります。お風呂もままならずもどかしい気持ちになる毎日でした。

そのうち人が入って来るのだろうと思っていても入って来るタイミングで数名やめる事の繰り返し。人が居ない時はやめられないため、入って来るタイミングを見計らっている職員がなんと多い事か。ここまで毎月数名の退職者が出る施設は初めてでした。

人が居ないとなるとその分利用者様のケアに当てる時間が削られます。爪は伸び放題、ひげもモジャモジャ、水虫は酷く居室内の清掃には手も届きません。申し訳ない気持ちでいっぱいでたまにある職員2人出勤日にまとめて出来る範囲行うようにしていました。

足の水虫に関しては自分がお風呂担当になった時にしっかりと洗い、垢を落として乾燥、水虫薬塗布まで行うようにしていきました。すぐに良くなることはありませんでしたが、少しずつ綺麗になって行っている事が分かったので良かったです。行いたいケアが出来ない葛藤を抱きながらの毎日はしんどかったです。

こんな環境が数年前から続いているとの事で、労働基準を満たしているのか疑問を持ち聞いてみましたが「労基に相談しながら行っているから問題ない。」と言われました。今まで13年介護の仕事をしていましたがここまで劣悪な環境は初めてでした。体力も精神力もどんどん奪われていきました。

働き方を見直さなくてはいけないのではないかと伝えても「変えるつもりが無い。」と言われてしまうとこのままこの施設にとどまって仕事をしていていいのだろうかと思うようになります。確かに他の職員はこの仕事の流れが当たり前と思い働いていましたが、私には合いませんでした。

悶々としながらも他の職員も頑張っているのだからと気張っていましたが、ある日突然メンタルが崩れる時がきました。職員を増やす感じもなく、業務改善をするわけでもなく、業務改善を行っていてもすぐに「元のやり方に戻せ。」と言われていたので、この施設に未来はないなと感じるようになりました。

その結果私は去る決意を固め逃げましたが、この転職をしてからは介護から離れようかと真剣に悩むほど次の施設を探す事が嫌になってしまいました。先が見えないとやる気はどんどんと無くなっていき、変えようと努力しても理由も聞かず元に戻されると頑張る気力も無くなっていきます…。

【4. 職員都合のケア】

人手が足りず、時間にも追われていた施設での事。薬をご飯にかける事や日中から大きなパッドを使用したり重ね付け、早い時間の着替え、職員都合の食事の早出しに疑問しかありませんでした。“ユニットケアとは?”“個別ケアとは?”“尊厳とは?”と思ってしまう程でした。

そういうケアをする理由を尋ねた際「こうした方が楽なんです!」との返答が返ってきたときは唖然としました。何か理由があって行っているならまだ納得が出来たかもしれませんが、職員が楽をするための不適切ケアは到底納得できませんでした。

教わっている間は「そうなんですねぇ~。」と言いながらそのように対応していましたが、独り立ちした時から出来る範囲の中でその方に合わせたケアを行うようにしました。重ね付けをやめたり、着替えも就寝時や起きたときに着替えたり…。早く始める人に比べ時間はかかりますが間に合わないという事はありませんでした。

また、重ね付けをやめたことによりテープ型おむつやパンツ型おむつのサイズが下がったり、使用するパッドの量が減ったり、サイズが小さくなったり、皮膚トラブルが減ったりとメリットばかり。初めは自分だけで行っていましたが、徐々に真似し始める職員が増え重ね付けはある程度やめる事が出来ました。

着替えについても深夜2時に着替える必要があるのかと会議で話し合いました。今までは日中の入浴後や夕方にパジャマに着替えたり、深夜に日常着へ着替えをしたりしていましたが、起床時と就寝時に着替えるようになりました。夜間ぐっすり寝ている時に着替えなんて嫌ですよね!

食事に関しては朝食を一番遅く食べる方が昼食早出しになっていて、2時間程度しか間隔が空いていないことに疑問を抱いていました。それにより昼食が食べられない事が多かったのですが疑問に持つ職員が誰もいませんでした。寝たきりの人が2時間間隔で食事を食べるかと考えたら食べられないですよね。

何故この方が早出しになっているのか尋ねると「食事介助の人数が多いから。」との事。利用者様の状態に合わせて決めたことではありませんでした。確かに食事介助の人数が多く、時間をずらさないと対応できない事実もあります。ならば早出しではなく遅出しにするように出来ないかいと相談しました。

話し合い始めると「確かに2時間空きではお腹が空かないよね。」との話になり見直されるようになりました。このように誰の為のケアをしているのかと考えていくようになるとケアの仕方が大幅に変わってきますよね。職員が楽をする為ではなく利用者様主体のケアが出来たらいいなぁと思っています。

ケアの方針を見直すだけで今までは“昼食は残すことが多い人”から“食事の間隔があいていなくて食べる事が出来なかった”に変わります。時間を見直すことで食事量も増え栄養バランス的にも良くなりました。食べない原因をしっかりと見る・検証する事は大切だと感じた出来事でした。

【5. 口が悪すぎる】

ケアをしていてカッとなってしまう事や気持ちの余裕の無さから口調がきつくなってしまう事は正直な所私もたまにあります。後から後悔・反省することが多いです。心の余裕って穏やかでいる為にはとても大切だなぁと感じていますが、やることが多く時間に追われるとなかなか難しいですよね。

時には聞いていて耳を塞ぎたくなるような声掛けをしたり、怒鳴付けたりする職員を見る事があります。いくら余裕が無いとはいえ、そこまでいってしまっては完全にアウトと思うような事を平気で行っている人を見ると呆れてしまいます。

対応が難しい利用者様も中にはいますが、普通に対応していたら怒ることが無い利用者様が大きな声で怒っていたところを見たときは“一体どういうケアをしているんだ?”と思う程でした。聞いてみると喧嘩口調で話しかけたり命令口調で指示をしたり「良いからやれって言ってんだよ。」と言っていた人も…。

職員、人それぞれ心のキャパシティーが違う事はわかっています。私も怒りやすい方だなぁと感じており、感情のコントロールを上手くしていかないといけないなと感じていますが、口が悪い人って直そうともしていないですよね。こんな事他の人に聞かれたらアウトだと思っています。

勿論上司には報告しましたが、仲がいい事もあり注意されず。自分から言うにもリーダー相手に注意は出来ない為怒り始めたときは介助を変わったり、トラブルが起きる前にその利用者様を私が勤務しているユニットに連れてきたりする等していました。関わらないことが一番だと思って対応していました。

普通に声をかけていれば怒る事なんてない利用者様。よっぽど酷い声を掛けられていたんだろうなぁと申し訳なくなってしまいます。他にも認知症で大きな声を出してしまう寝たきりの利用者様に対して「ばばぁ、うるせぇんだよ。」と声をかけたり、嫌いな利用者様からのコールがあると喧嘩腰に話をかけたりしていて呆れました。

リーダーとあろう人が率先してそういうケアをしていては示しがつきません。こういう人って誰かが居る時は穏やかそうに声をかけていて、人が居なくなったと思うと一気に本性剥きだしで汚い言葉を使い始めます。盗聴器とか監視カメラなんてあったら一発アウトだよなぁ、付けようかなぁと思っていました。

これが長く続けば続くほど、利用者様はその職員を見るだけで不穏になり始めます。「私の時は何だか落ち着かないんだよ~。」と話していましたが、今までの経験上自分の時だけ不穏になるという事は自分のケアに問題があると思った方がいいと感じています。

注意されてもすぐには治りませんし、本人がしっかりと自分で考えて直そうとしない限り治りません。介護ってストレスがかかる仕事ではありますが、自分の感情のコントロールする技術って最低限必要な事だと思いました。自分自身も感情的になってしまう時があるので人ごととは思わず対策していかないとですが…。

以上の事が介護の仕事をしていて葛藤した事です。あなたが仕事をする上で葛藤している事・葛藤した事ってありますか?介護の仕事ってチームワークが大切ですが、なぁなぁになってしまうと不適切ケアが発生し始めるので本当に難しい距離感だよなぁと感じています。

仕事に対する考え方も教わってきたバックグラウンドも異なる為温度差が出やすい職業だと思いますが、自分自身のケアの仕方を見つめなおしつつ、利用者様やご家族様にとっていいケアが出来るようにしていけるように成長していけたらと思っています。

偉そうなことを並べていますが、人のしぐさを見て自分が行ってきたケアや対応を反省することが多いです。今はこうやって話をすることが出来ていますが、私も以前は不適切ケアを行ってしまっていましたし、注意されながら今に至ります。初心忘るるべからずの気持ちをもって成長していきたいと思います!!

(2023年9月26日)


第22回【知っておきたい清拭の事5選】

【知っておきたい清拭の事5選】
清拭は体調が悪い方・怪我をされている方・お風呂に入る体力が無い方の清潔を保持するために行います。皮膚の観察を行う事、血行促進やリラックスの効果も期待できます。不快な思いをせずに気持ちいいと思っていただけたらいいですよね。今回は清拭時のポイントを5つまとめました。

【1. 忘れ物が無いように準備する】

清拭中に“物が足りない”と裸の状態の利用者様のそばを離れなくて済むように必要な物品がしっかりと準備できているか確認します。とはいえ忘れてしまう事は誰にでもありますが、そばを離れる際タオル等で裸の状態のままにしないようにしていますよね?たまに裸の状態のまま離れてしまう人が居ますが注意しましょう。

必要な物品は施設によって多少異なるかもしれませんが
・バスタオル
・フェイスタオル
・シャンプー
・ドライヤー
・着替え
・陰洗ボトル
・パッド類
・保湿剤・塗布薬
等があげられます。

タオル系は多くて困ることは無いので多めに準備しています。体を隠す用・清拭する際シーツが濡れないようにするために身体の下に敷く用等々に使います。フェイスタオルも体を拭く際に暖かいタオルで身体を温めながら行うため多めに準備しています。汚れたら洗濯籠に入れて綺麗なタオルを使う事が出来るのでお勧めです。

ベッド上でシャンプーを行う際はペットボトルの蓋に細かい穴をあけてお湯を出せるようにすると便利です。また、首元にタオルを当てておくことで漏れる事を防ぐことが出来ます。フラットシートがあればその上でシャンプー出来るのでいいですが、無い場合はテープ型おむつを使用することが多いです。

シャンプー用のお湯は清拭のお湯と同じ温度では火傷してしまうため人肌程度やそれよりもちょっと暖かい程度がいいかと思います。いきなりジャーっとかけずにお湯の温度を確認していただくことも大切です。ぬるいと寒い思いをさせてしまう事もあるので気を付けましょう。

【2. 部屋の温度を調整する】

特に冬場は温度が低くならないように気を付けます。職員が暖かいと感じても高齢者は寒がりな方が多いです。また、裸になるので服を着ている職員の体感温度に合わせるのではなく、利用者様が寒くないと感じる温度に調整をします。冬場はすぐに暖かくならないため、清拭を行う15分前ぐらいから温度を高くしてつけておきます。

職員は冬でも熱さに耐えながら汗だくになりながら行いますが、利用者様が“寒い”と感じないようにすることは大切です。寒いと感じるまま行ってしまうと風邪をひいてしまう可能性があるからです。せっかく清拭を行ってもそれが原因で風邪をひいてしまったとなれば悲しいですよね。

秋口や春先も温度調整が必要です。夏も冷房のかけすぎには注意が必要です。職員感覚の暑いで温度を下げてしまうと裸の状態の利用者様は寒いと感じてしまうからです。暑いか暑くないか言える利用者様であればいいですが、言えない方の場合は肌が冷たくなっていないか、鳥肌が立っていないかなど観察できるといいと思います。

【3. お湯を準備する】

清拭はお湯の中にタオルを付けて出して体を拭いてはまたお湯につけてを繰り返します。繰り返しているうちにお湯の温度はどんどん下がっていきます。冬場であれば部屋に運んでいろいろと準備している間にも温度が下がってしまいます。

理想の温度は50~60度程度とされていますが、冬場の時はもう少し高い温度のお湯を用意するようにしています。熱いお湯であれば温度が下がる時間を遅らせる事が出来ますし、身体を拭く前にタオルを振って丁度いい温度まで下げる事が出来るからです。

お湯が冷めてしまうと汲みなおすまでに時間がかかりますし、その間利用者様はバスタオル類をかけたとしても服を着ていない状態なため寒いです。なので特に冬場の気温が低い時は熱めのお湯を準備するようにしています。
時々100度近くないと「ぬるいよ!」と言われる方がいらっしゃりますが、これは熱すぎます。

職員も火傷をしてしまうリスクがあるので100度近くの温度はやめましょう。逆にお湯の温度をあげずに普段使っているシャワーの温度を一番高くして使っている方も居ます。用意している段階から40度程度しかなくすぐに冷めてしまいます。

冷たい水で身体を拭くとかえって体を悪くしてしまう可能性がある為温度確認は必要です。また、複数人清拭する必要がある時はお湯を使いまわすことは行わず新しいお湯をその都度用意するようにします。感染症のリスクもそうですが、他の人が使ったお湯で身体を拭かれたくないですよね…。

【4. プライバシーに気を付ける】

部屋の窓のカーテンが全開になっていたり、部屋の扉が開いていたりしていませんか?もし自分が清拭をされる立場だったとしてこのような状況だったらどう思いますか?誰かに見られてしまわないかと気が気ではないですよね。想像しやすいのはエステや脱毛の時の状態で、扉を全開でされていたら嫌じゃないですか?

私たちは日々ケアを行う中で利用者様の裸について見慣れてしまっている事があるかもしれませんが、される側としてはいつだって恥ずかしい物だと思っています。職員に見られる事すら恥ずかしくて「ごめんね。」や「こんな体洗わせて申し訳ない。」と言われた事無いですか?

いくつになっても“恥ずかしい”という気持ちは残っていると思っています。なので外からは見られないようにすることや大人数で介助しない事・バスタオル等で裸になっている個所を少なくする等の配慮が必要だと感じています。リラックスして清拭できたらいいですよね。

身体を拭く時も保湿クリームを塗る時も、服を着る時も一気に全身行うのではなく、上半身から、下半身からと分けてあげる。片方の足から行う等気にかけて行う事が出来たら清拭される側も恥ずかしい思いや寒い思いをしなくて済むのではないかなぁと思っています。ちょっとしたことですが意識出来ると良いですね。

【5. 清拭の順番を知る】

清拭っていつもどこから始めていますか?清拭にも行う順番があります。
① 顔
② 腕
③ 胸・お腹
④ 背中
⑤ 足
⑥ 陰部・臀部
私は末端からと思っていたためこの順番を知った時は間違った清拭の仕方をしていたと驚きました。正しい清拭の順番を知ることで適切なケアが出来るので知ることは大切です。

顔は一番初めに綺麗なお湯・綺麗なタオルで拭きます。ごしごしと拭かずに優しく拭きます。顔を拭くにも順序があります。目→鼻→口周辺→額→頬→頚部→耳の順で拭きます。目は皮膚が薄い為軽くなでるように拭き、目頭から目じりに向けて拭きます。

胸は女性の場合胸の下も拭き残しが無いように拭きます。腹部はお腹に円を描くように拭きます。マッサージの効果があり排便や排ガスを促す効果にも繋がります。体を拭く際は基本的にくるくると円をかくように全身を拭いていきます。

足を拭く時は指の間や足裏も拭くようにします。足の裏や指の間は垢が出やすい為このとき使ったタオルはお湯に戻さず洗濯籠に入れるようにしています。1度では落ちない時はバケツに入っているタオルを新たに使用するようにしています。垢まみれのお湯は使いたくないですよね。

陰部と臀部ですが、一番汚れが見られるところであり、排便をしている場合もあるので一番最後に行います。この時洗い流さない陰部洗浄用せっけんがあれば使用し洗います。気を付けたいのはボディークリームやハンドソープの洗浄力は高すぎてしまい常在菌を殺してしまうため使用しないようにしましょう。

ボディーソープの場合泡の流れが悪かったり、洗い残しがあったりするとか逆に皮膚トラブルの原因になることがあります。専用の石鹸がありますので出来れば用意していただくとよいかと思います。今は洗い流さなくていいタイプのものがあります。普段から使えるのでお勧めです。臭い軽減にも繋がりますよ。

今回は清拭の仕方についてまとめました。清拭っていつもいつも行うわけではないため“あれ?これでよかったんだっけ?”と思う事があります。その度に見直すようにしていますが毎度見直すのは大変なので、清拭の仕方を図にして用意しておくことも一つの手かもしれません。少しでもお役に立てれば幸いです。

(2023年9月19日)


第21回【虐待が発生しやすい環境 5選】

【虐待が発生しやすい環境5選】
介護の仕事を13年間してきて虐待が発生してしまう原因は虐待を行った職員自体に問題がある場合もありますが、働く環境によって虐待を発生させやすくしてしまっている事もあるなぁと感じる事があります。働く環境を見直すことで虐待を抑止することが出来る場合もあります。

昨今施設内での虐待がボイスレコーダーや監視カメラなどの普及で表に出てきやすくなっています。今までは知らず存ぜぬで済んでいたのかもしれませんが、これからは施設をあげて対応していかなければどんどん施設の悪いイメージが付いてしまいかねません。少しでもご参考になれば幸いです。

【1. 人間関係が悪い】

介護の人間関係ってとても特殊だと感じています。上下関係があまりなく“ため口”や“使ってはいけない汚い言葉”を職員同士で平気で使っている光景を目にする事があります。一般企業ではありえないのではないかなぁと感じます。出先でそんな会話をスタッフ同士で行っていたら印象が悪いと感じませんか?

出先で聞くと“感じ悪い”“雰囲気が悪い”と感じるのに、どうして介護現場では平気で話してしまうのでしょうか?一番の原因は外部があまり介入しないからだと感じています。コロナ禍に入ってからは今まで以上に外部の人が入らなくなり、緊張感が緩んでしまってはいないでしょうか?

私が今まで体験した“えっ?”と思った事は“無視をする”“自分よりも後に入ってきた職員に対し厳しく接する”“自分の機嫌によって態度が変わる”“自分の思い通りにならないと機嫌が悪くなる”“あの職員は仕事が出来ないから一緒に仕事をしたくないとシフトを変えて欲しいと無理難題を言ってくる”等です。

まず“無視”については転職を数回してみて、どこの施設にも一定数いるなぁと感じています。挨拶をしても無視・自分の意にそぐわない意見を言う職員は無視・自分を持ち上げない人は無視…。等本当に“幼いな”と思っています。無視できるほど強いと思っているのかもしれませんがはたから見たらただの我儘ですよね。

介護の仕事ってチームプレイです。職員の数だけ物の見方や視点が異なるため意見に相違が出てくるのは当たり前な事だと感じています。意見が異なるからこそ色んな物の見方が出来るようになったり意見をすり合わせて質の良いケアが出来たりするものではないのでしょうか。

自分の意見が通らないからと機嫌が悪くなり無視をする職員が居る事によって職場の雰囲気が悪くなるどころか、自分の意見を言いにくい職員さんであれば“嫌われないように”と自分の意見を押し殺し、無視する職員の意見に同調するようになります。これではいい意見を持っているかもしれない職員を潰してしまう事になります。

ケアの質が良くなるどころか“おかしい”と思っても反対意見が出なくなると頭では“悪いケア”と分かっていても従うしかなくなってしまいます。これを繰り返していくと初めは“悪いケア”と思っていた心も次第に“当たり前”“いつもの事”“仕方が無い”という気持ちに変わってきてしまいます。

異なる意見を言う事ってとても勇気が必要です。私も経験があるのですが、反対意見を伝えてから無視され始めましたが、これを耐えるのって結構しんどいです。しかし悪いケアを見て見ぬ振りが出来ない性格上最後まで同調せずに頑張りました。最終的には上司が注意してくれましたが心が折れますよね。

時折上司がランダムに見回りを行う、会議に出席する、上司がしっかりと悪い事は悪いと言えるような訓練を行う等の仕組みが必要なのかもしれません。お互いに“それはちょっとまずいかもね”と言い合える関係性つくりが重要だなぁと感じています。とても難しい事ですが必須だなぁと…。

次に体験したのは“自分よりも後に入ってきた職員に対し厳しく接する”です。今までの中で出会ったのは1人なので、とてもレアケースなのかもしれません(笑)。転職して配属されたユニットのリーダーさん(Aさん)がこのタイプでした。

転職時初めの数週間は常に穏やかで利用者様や職員に対して敬語会話され、とても丁寧な方という印象を抱いていました。「何かあったら聞いてください。」「大丈夫ですか?」「やりにくい事とか無いですか?」等とても優しくて穏やかな印象だったのですが、日を重ねるごとに徐々に本性が見え始めました。

休憩時間ってだいたいこの時間にこのシフトの職員が入るって決まっているかと思いますが、急に「〇〇さん、先に休憩言ってください。」と他の職員を休憩に行かせたかと思うと態度が一変。「何考えてるんっすか?ちゃんと会議録読んでるんですか?」と怒り始めました…。

転職してまだ1週間。会議も行われていなければ利用者様の顔と名前を覚える事や介助の仕方について必死に覚えている段階。教えて頂いている期間であったので言われた時は“?”となり理解することが難しかったです。さらには“あれが出来ていない”“これが出来ていない”と出来ていない事を探して注意し始める。

Aさんは私に何を求めているのか本当にわかりませんでした。こんな感じの事を30分以上言われ続けメンタル的に大分参っていたところに休憩していた職員が帰ってきましたが、それを察知すると急に元の穏やかないい人に戻るのですごく怖かったのを今でも覚えています。

転職してまだ1週間しか経過しておらず、相談できる相手もいない・Aさんは私以外の前ではとてもいい人を続けているため数か月間はどうしたらいいものかずっと悩んでしました。仲が良くなってきたころにその職員に相談したところ今までにもそういう事があり、私の前に入った職員が何名かすぐにやめていったとの事でした。

私が全く表に出さなかったので気が付かなかったと言われました。事情を聴くとAさんは以前勤めていた職の関係で自分よりも先に入った人に対しては“先輩”と敬うという意識が強く、後から入った職員には指導という名の“きつく対処する”事が当たり前だと思ってしまっていたようです。

職種を聞いたら納得はしましたが陰湿すぎると思いました。この職種で働かれている方は常にこんな環境下で仕事をしていたのかと思うと恐ろしいです!!自分が所属していたところの習慣でいつの間にか良し悪しも分からなくなってしまうのは怖いなぁと感じました。

なぜ私だけにあたりが強かったのかというと、私が配属される前に異動してきたのがAさんで、Aさんからすると前からユニットにいた職員は全員“先輩”という認識だったそう。後から入ってきたのが私だけだったため指導という名の注意が始まったそうです。本当に怖くて同じ時間の勤務が嫌で嫌でたまりませんでした。

他にも自分の機嫌によって態度が変わったり、好き嫌いで仕事をするなど“社会人としてどうなの?”と思う方は老若男女問わず意外と多い印象を受けています。こういうストレスとずっと抱えていると自分よりも立場の弱い利用者様にストレスのはけ口が向いてしまうのかなぁと感じています。

実際に自分もストレス過多になった際口調がきつくなってしまったりイラっとしやすくなってしまったりという事実体験しました。後からすごく申し訳ない気持ちになり罪悪感で落ち込みます…。人間関係の悪さからくるストレスをため込むことで突発的に虐待のきっかけを作ってしまう人もいるのではないかと危惧しています。

【2. 問題解決が出来ない】

【1.】でもお伝えしたような人間関係の悩みや利用者様の問題に耳を傾けず放置しているとまずいです!“話をしてもしょうがない”“相談した方が余計にストレスを感じた”という思いをさせてしまうと目に見えない所で問題が大きくなりやすいと感じています。

一番“これはまずいよなぁ~”と感じた対応は自分にとって“面倒”と思う事は知らん顔してしまう上司です。職員が利用者様に対してマズイ対応をしていると話が出た際「あいつやってるんだろう。知ってる。ダメだよなぁ~。」で終わってしまう…。

またある時は看取り対応が続いてしまいメンタル的に落ち込んでいる職員のフォロー体制について相談した際、対応した職員を呼び理由も聞かず「看取りを経験するっていい事だぞ。不安なら本を読んだ方がいい。自分も看取士の資格を取ったから勉強して資格取得したらいいよ。」と軽く返してしまう始末…。

職員間のトラブルや職場内の環境についての話が出ると「それは主任に任せているから~。俺じゃなくて主任に話して~。」と擦り付け、主任も主任で「えっ?それ俺?」や「これは困ったねぇ~。でもまぁ何とかなるでしょう。」「注意していいよ~。」と丸投げ。

こうなるともう誰に相談したらいいのか分からなくなりますよね。一生懸命頑張っている職員は嫌気がさして施設を去っていきますが、残っている職員はどんどんやりたい放題になっていきます。自分の思い通りにならないとすぐに怒り出すように。誰も注意しなければそうなりますよね。

また、逆に上司の意見が強すぎて問題解決が出来なくなっているパターンもありました。問題が発生した際の解決方法をユニット内や当事者同士で話し合う習慣が無く、問題が起きたら上司に報告して上司が対応策も考える・又は対応策が全く出ないという施設がありました。

同じ事故報告が何度も何度も出ているにも関わらず対応が無い。事故報告書を書いている職員にどう対処したら事故が減ると思うか尋ねると「分かりません。いつも上司が考えているから上司が考えてくれるかと。」と言われた事がありました。自分で考える癖が全くついていな印象でした。

しかも1人だけではなく大半の人が自分で考える事をせず「上司が何とかしてくれると思います。」「対応策は上司が考えてくれますから~。」と他人任せ。上司も忙しい為事故対策についての検討結果が出るまでに1週間以上かかる上にこれ意味があるのかなぁと思う対応策だったことも。

1週間に同じような転倒事故が3回起きてもセンサーマットの設置を頑なに嫌がり「センサーマットはこの施設にはありませんから。センサーマットは拘束ですから。職員がしっかり見守っていれば大丈夫です。」と。職員も忙しい為常にその方を見守れるわけではありませんし、すでに3回も事故が起きています。

その都度ご家族様に謝罪の電話をしているわけで、ご家族様から転倒について言われないかのと尋ねると「転倒のリスクは伝えてあります。これ以上何をしろっていうんですか?」と怒られた時は“えっ?”となりました。頭の打ちどころが悪かった場合命に関わる可能性もあると伝えても「説明してありますから。」と。

「では転倒を防ぐことが出来ない事は仕方がありませんね。骨折するリスクもありますが、職員の見守りにも限界があります。」と強めに伝えましたが「家族には伝えてありますし、家族も了承していますから。」と。正直何かあった際ご家族様から苦情が来るのではないかとひやひやしていました。

部屋の扉を閉めて部屋を真っ暗にして寝たい利用者様でしたが、上司からの指示は“部屋の扉を全開、洗面台の電気はつけたまま”というもの。対応策を聞いた時は本人のプライバシーや意思はどうなるんだと思いました。案の定電気を消してほしい、扉を閉めて欲しいといつも以上に起きてくるようになりました。

こうなると転倒も増えてきます。転倒を起こしてほしくないと思う職員はこういう行動をして転倒した利用者様に対し必要以上に怒ってしまう事があります。一度感情がセーブできなくなるとどんどんエスカレートしていきます。利用者様が泣いてしまう程怒っている時もあり、見かねて対応を変わったことが何度かありました。

そのことを上司に伝えもっと違う解決策が無いかと相談しましたが何もなく、車いすに鈴を付けたら「人権侵害だ。」と怒られる始末。本人の意向に沿った中で対策をしたいとユニット職員で話し合い、最終的にユニット費で足元に置くセンサーライトを購入し、トイレに起きた際に光で起きたことが分かるように対処しました。

職員も車いすの音を拾う事に注力するよりも光で起きたことが分かるようになったので可能な限り付き添えるようになり精神的にも余裕が持てるようになりました。センサーマットのように音が鳴るわけではないためすべてに反応することは出来ていないと思いますが、リスクを減らせることにはつながったかと思います。

職員のマンパワーだけに頼るのではなく、職員も利用者様も双方に負担の少ない解決方法を探し出し対応していく事で職員のストレス軽減に繋ると感じています。さらには心の余裕の無さから必要以上に強く当たってしまうという事を回避できるのではないかと感じた出来事でした。

【3. 職員を一方的に責める】

何かトラブルが発生した際カンファレンスを開く事があるかと思います。問題が発生した原因が職員の怠慢によるものであれば注意を受けても仕方が無いかと思うのですが、そうではなくどう考えても防ぎようがないという場合でも原因を追及せずに職員が悪いと一方的に責める上司がいました。

ユニット型特養でしたが、人手が足りず夜勤者が来るまで朝から1人勤務。食事介助が5名に8割近くの方が全介助ないし転倒注意の方で集めていたユニットに配属でした。正直ここまで職員の数が少ないところは初めてだったうえに職員がそろっていたとしてもこの介助量はきついと思うレベルでした。

介助はほぼベッド上での排泄介助だったため部屋にこもることが多く、食事介助も部屋で召し上がる方もいらっしゃりリビングでの見守りが難しい&部屋での急変にも気が付くことが遅くなってしまう環境。その上看取り対応の利用者様を集めていたユニットだったので本当に大変でした。

お風呂も機械浴中心、離床や臥床も職員2人対応。職員が1人勤務の時はお風呂介助等出来ないため清拭対応でしたが1日5人の清拭を通常業務以外に行う事はとても至難の業としか言いようがありませんでした。通常のようにしていたら到底終わるわけがない為休憩を取らずに行う事がほとんど。

休憩が取れないことや業務量に対しての職員数が明らかに足りていない事はずっと相談していました。職員数が少ないのに何故ここまで手のかかる利用者様を集めたのだと疑問でしかありません。他のユニットに異動した職員から「すごく楽になりました。」と言われると私も異動したくてたまりませんでした。

それでも事故を最小限にとどめていた事や急変時にすぐに対応できていた事が誇らしく感じる程そこのユニットに配属になっている職員は頑張っていました。しかしいくら頑張っていてもどうにも防げない事故やトラブルは出てきます。

そんな時カンファレンスで「ちゃんと見守りをしていたのか?見守り不足だろう。」「いつ行っても職員の姿が見えない。どこに居るのか。」「もっと利用者様と関わる時間を持たなければいけない。」「いつもユニット内や部屋が汚い。」と言われてしまうと“無理だろう!!”と心の中で大きな声で叫んでいました。

看取りに関しても常に3~4名看取りの方を対応し、1人帰天してはすぐに他のユニットから看取りの方を移動してくるため常に気が休まず利用者様情報を得る事や対応を覚える事に一苦労。ユニットケアってこんなんだっけ?って思ってしまう程“おかしい”と感じていました。

利用者様の介助量と職員数が合っていない事が一番の問題で、職員数を増やしてほしい(せめてユニット内に早番と遅番を配置して欲しい)と訴えてきましたが「人が居ないから無理だ。」「知り合いを紹介しろよ。」というのみ。人員配置基準も満たしていたのか怪しい感じでした。

現場の職員が一生懸命頑張って努力して何とかなっている事も知ろうとせず、悪いところばかり注意されたり文句しか言われなかったりすると相当ストレスが溜まります。職員同士で支え合えるユニットだったため何とかなっていましたが、職員の大異動があってから一気に崩れ落ちました。

忙しい時にペースを乱される事を利用者様がしてしまった時に大きな声で怒ってしまったり、口喧嘩をしてしまったり、無理やり介助をしたりしてしまう事が発生しはじめました。現場の状況をしっかりと把握して判断する能力が求められますよね…。

【4. 責任転嫁する】

今まで述べてきたように様々なリスクやこういう事故が起きると安易に想像できる事を助言しても全く耳を貸さなかったのに、いざ提言したとおりの問題が発生した際に「俺は聞いていない。」「なんでもっと早く分からなかったんだ。」「自分たちは関係ない。職員の問題だろう。」と責任転嫁する上司がいました。

面倒が起こるとすぐに“自分は知らなかった”“自分は関係ない”と上司が言ってしまうのはまずいですよね。トラブルを未然に防ぐために、こういうトラブルが起きそうだから早めに対処をした方がいいと伝えているのに何の対応もせず言った通りのトラブルが発生する。

現場の職員としては“だからあれほど提言したのに!!”となりますよね。こうなった時にどこに問題があったのかカンファレンスを行いますが大抵「俺は知らなかった。」「問題が分かっていたのならば現場で対処が出来なかったのか。」「主任は知らなかったのか?」等言いがちです。

責任転嫁をすればするほど信用は無くなりますし、職員のストレスは大きくなります。モヤモヤとした気持ちが立場の弱い利用者様に向かってしまう事が起こりえます。どういう理由があれ虐待は絶対に良くないことですが、ストレスをため込んでしまうとこういう事になりかねません。

上司は問題に真摯に向き合いどこに原因があってどう対処したらよかったのか、助言された時点で何か出来る事が無かったのか等を検証し、対処していく事が大切だと感じています。“自分は悪くない”と責任を転嫁してしまう事は絶対に避けて欲しいなぁと感じています。

【5. 傍観しているだけ】

暴力行為のある利用者様や奇声をあげ続ける利用者様の対応で困っていた時、上司やケアマネージャーに相談しても「仕方が無いよね。」「利用者様の性格を把握しなさい。」で終わってしまう事が何度かありました。事務所職員は利用者様と関わらないから現場の気持ちなんて分からないよねと溝が深まるばかり。

何の対応もしていなければ“やれることがあるだろう”と言われても仕方が無い部分もありますが、あの手この手を使ってもダメ、何か熱中できるのが無いかと探して行ってみるもダメ、ご家族様に趣味等聞いて対応するもダメな場合もあります。そうなると職員もこれ以上どうしていいか分からないとなってしまいます。

色々と試しても失敗が続き、その間も暴力や奇声に耐え続けていると次第にメンタルがやられてきてしまいます。認知症外来や精神科の受診が出来ないかと相談しても「薬に頼るのは拘束だ!虐待だ!」と言われてしまうと“じゃぁどうすればいいのよ!?”となってしまいます。

毎月のユニット会議で議題として持ち出してみますが「毎月同じ事話しているけどどうしたいの?意味ないじゃん。」と言われた時はさすがに現場でどうしようもなく、他の利用者様とのトラブルも発生している事、職員のメンタルが限界にきている事を伝えどう対処したらいいかお手本を見せて欲しいと言ってしまいました。

実際に丸1日でもそのような環境の中で仕事をしてみれば職員の気持ちも分かってもらえるかと思って提案したのですが「忙しいから無理。」と逃げますよね…。薬でぐったりするほど状態を落としたいわけではなく、認知症の症状を抑える薬などで落ち着くパターンもある為行ってみて欲しいと伝えても理解されず苦労しました。

こんな環境ではいろんな事が起きてしまします。実際何人かにあなたが行っている事は虐待に繋がってしまうと伝えた事があります。ストレスは痛い程理解できますが、やってはいけない線を越えてはいけません。虐待を抑止するためにも病院受診をと訴えていましたが理解しようとしない上司を説得するのはとても大変です。

最終的には生活相談員として転職されてきた方がこの状態をそのままにしておくのはおかしいと上司を説得してくれ病院受診に繋がりました。利用者様の症状に合う薬の量になるまでは薬の調整が難しく日々状態観察をして記録に残し受診の度に持って行ってもらいました。

ぐったりするほど強い薬では寝たきりと変わらず今まで出来ていた事も出来なくなってしまう事、思わぬ転倒や誤嚥のリスクに繋がります。怒らず、暴力も出ないけど自分で出来る事は今まで通り自分で出来る所を目指して調整していきました。とても時間がかかりましたがその人らしさを残せたのは良かったです。

これらの事が虐待を生んでしまう悪い環境だと長年介護に携わっていて感じる事です。働く環境を整えるだけで職員のストレス軽減に繋がり、虐待を防ぐことにも繋がると思っています。残念ながらニュースで介護士の虐待について耳や目にすることが多いですよね。

原因を聞くと「忙しかった。」「ストレスが溜まっていた。」という話が出てきます。いつもは穏やかな職員でも過度なストレスを感じ続けてしまうとちょっとした出来事から虐待が始まってしまいます。どんな時でも虐待をしていい理由なんてありませんが、一度ストッパーが外れてしまうとエスカレートしていきます。

環境と整える事で虐待しそうになる“初めの1歩”を止める事が出来るのであれば、施設をあげて環境を整えていく事が大切だと感じています。ネット社会の今、いままで以上に情報が外に漏れやすくなります。早急な環境整備・職員満足度調査などが必要なのかもしれませんね。

(2023年9月5日)


第20回【介護現場の洗濯あるある7選】

介護施設って1日何回洗濯をするんだと言うほど常に洗濯をしていますよね。洗濯機の数は施設によって異なりますが、業務用、汚染衣類用、食事エプロン用、利用者様衣類用、職員衣類用等様々です。乾燥機も家庭用が各ユニットにあったり、業務用があったその施設に就職してみないと分からないですよね。

洗濯の仕方って職員の性格やこだわりが垣間見えるなぁ~と思う事が多々あります。色別で洗ったり、全部の服を洗濯ネットに入れたり、逆に洗濯ネットなんて全く使わなかったり、裏返したり、見ていて面白いなぁと思う事やまずいでしょ!と思う事もあります。今回は洗濯についてのあるあるをまとめました。

【1. ハイターの種類を間違えてしまう】

汚染衣類を洗う時にやってしまいがちなのがワイドハイターとキッチン用のハイターを間違って入れてしまう事です。なぜキッチン用ハイターが洗濯室に置いてあるかというと、ポータブルトイレや尿瓶を漂白する為に使用するからです。ワイドハイターよりもハイターの方がより漂白力が強い為使われています。

汚物室にはこの2種類が置いてあることが多く、急いでいる時に誤ってハイターを入れてしまう事が度々あります。その都度衣類の色落ちが問題になり、誰が対応したのかの犯人捜し…。対応してしまった職員が始末書を書くなんてこともあります。

一方で責任逃れをしたくて誰に聞いても対応していないと返って来る事もあり、“誰も対応しなくて勝手に色が抜け落ちるの?勝手に汚染衣類がバケツに入り漂白剤が入るの?オバケの仕業なのかしら?”となることも…。責任逃れの場合疑いたくない気持ちと責任の所在を突き止めるのに一苦労します。

これを解決するために漂白対応した職員の名前を書くボードを設置するようにしました。何時に誰が誰の衣類を漂白したのかを知ることによって責任の所在が明らかになることと漂白時間が短すぎてやっている意味が無いなんてことが無いようにしました。これを始めてからミスも減りました。

【2. ティッシュやパッドを一緒に洗ってしまう】

洗濯が終わりいざ衣類を取り出そうとした際、衣類と一緒にティッシュやパッドが出てくると“やってしまった”と思ったり“ティッシュやパッドと一緒に洗濯したの誰ぇ~”と思ったりしてしまいます。この後の作業がとてつもなく大変なので一気にやる気がガタ落ちします(笑)

今施設に入所されているお年寄って戦争時代やその直後の時代を生きてこられている世代である為、“勿体ない精神”がとても強く、数回使ったティッシュもまた綺麗に畳んでしまっている事があります。ポケットに入れてくれていればいいのですがそういう事ばかりでは決してありません。

介護施設で働いたことがある方ならうなずかれているのではないかと思うのですが、服と服の間や下着の中、ズボンの内側、袖等“えっ!!こんな所に入れる!?”と思うような個所に器用にしまっています。ポケットをくまなく探すだけでなくありとあらゆる可能性を考えて探さないといけないです!!

パッドに関しては完全に職員の取り外しミスですね!入浴介助後の洗濯ものから一緒に出てくることが多いです。下着に付けるパッドやリハビリパンツとパッドが一緒に出てくることもありました。ポリマーが散乱している時はもう洗濯物に触りたくすらないです。

この場合は乾燥機が使えなくなるため1枚1枚洗濯物を“バサバサ”と振ってある程度のポリマーを落としてから手干ししています。乾燥機にかけた際にポリマーが溶けて衣類に付着してしまったり、乾燥機が壊れてしったりする可能性があるからです。1枚1枚ハンガーにかけて自然乾燥します。

しっかりと乾いた後、再度“バサバサ”すると簡単にポリマーが落ちてくれますが、いつもよりもはるかに時間がかかる作業なので、間違って洗ってしまわないようにすることが大切です!洗濯機に貼り紙をしていても見ない人は見ないのでどうにか出来ないかなぁ~と悩んでいます(笑)

時々ポリマーに“塩”をかけると良いという話を聞くことがありますが、洗濯機の故障に繋がる可能性がある為おススメはしません。各洗濯機メーカーさんの方でポリマーを洗ってしまった時の対処法についてネットに上げてくださっていますので、調べて対処することが一番いい解決方法だと思います。

各メーカーさんが出す程なので、パッドやおむつを洗濯してしまう事って結構あるあるなんだろうなぁと感じています。お子さん用のであればまだポリマーの量が少ないですが、1200吸収等おとな用の大きいパッドを洗ってしまった時は絶望ですね…(泣)

何度か対処したことありますが遅番者が洗っていってくれたポリマーまみれの衣類を夜中に一人で“バサバサ”しながら干していたのが懐かしい…。自分も洗ってしまったことがあるのですが、本当に気を付けて洗濯したいですね!!

【3. 乾燥機にかけてはいけない衣類を乾燥機に入れてしまう】

秋口から春先までの間この問題が発生します。乾燥機に入れてはいけないニット類やセーター類が乾燥から縮んだ状態で出てきたときは“うわぁ~”となります。子供サイズまで縮んでいた事もあり、明らかにもう着る事が出来ないサイズになっていました。

この場合、当たり前ですがご本人様やご家族様に謝罪しなくてはなりません。完全に職員のミスなので、謝罪+弁償することもあります。ご家族様によっては「良いですよ。」と話してくださる方や職員の対応を責める方、施設では洗濯しないでくださいと話される方等様々です。

職員のミスなのでただただ謝罪する事しかできませんが、家族様によっては本当に何を言われるか分からない、きっと怒るだろうと思いながら電話するのは心臓に悪いです。ミスしないことが大切なのでどうしたかいいか話し合ったこともあります。

おしゃれが好きな職員の場合は結構衣類の素材を見てから乾燥機に入れても大丈夫か判断してくださったり、ちょっとでもトラブルになりそうだなぁと思った衣類は手干ししてくださったりするのですが、そういう職員ばかりではありません。

私も衣類について詳しい方ではないのですが、怖いかなと思ったら手干しするようにしていますがこの感覚も分からない方もいらっしゃるのが現実。その場合は乾燥機の蓋にタグに書いてある洗濯表示を印刷してこの印は乾燥機NGと分かるようにしました。

毎回服のタグを確認することは大変ですが、慣れてくればこの衣類は乾燥機にかけられないだろうなぁと分かるようになります。見ないで“大丈夫だろう”と思い乾燥機にかけられるよりも見なくても“これは乾燥機だめだろうな”となってくれたらいいなと思っています。

ご家族様の中には施設で洗濯が出来ない素材の衣類をお持ちになられる方もいらっしゃいます。その場合は施設での洗濯事情を説明しクリーニングにかけてもいいか、自宅に持ち帰るか等決めて頂いています。また、乾燥機使用する事が多い事も伝えるようにしています。

【4. 洗濯量が多い】

ユニット型特養であれば10人の衣類+入浴者の衣類等を毎日洗濯しています。夏場でも内出血や怪我から肌を守る為長袖を着用していたり、羽織物を来ていたりするので洗濯量が多いです。冬場ならはさらに分厚い服や羽織を数枚来ているため下手したら倍近く洗濯をすることも!

乾燥機を使用したとしても1回の乾燥に1時間近くかかる為、洗濯機を6回も回すと6時間以上乾燥に時間がかかることになります。これは滞りなく順調に回した時なので、この間に介助等が入ればもっと時間がかかってきます。毛布や寝具類を乾燥する時はそれだけで1回回すことになるので本当に時間との勝負です!

天気のいい日はなるべく天日干ししようとしていますが、ベランダまでの動線が長いと億劫になりますね…。夏は気温が高い為あっという間に乾いてくれるので夏の洗濯は好きです。毛布類も洗ってあげたくなります。この気持ち分かる方いらっしゃいますかねぇ(笑)

【5. 誰のか分からなくなる】

洗濯・乾燥が終わって衣類をたたんで仕分けをしていると名前が無かったり文字が薄くなっていたりして誰のか分からないなんてこと多いですよね。柄やサイズを見て分かる時もありますが、似たり寄ったりしている衣類や黒い靴下は本当に誰のか分からないです。

ご家族様がお金を出して購入された衣類ですので、本来ならばしっかりと管理して無くなるなんて事は避けたいのですが、毎回チェックしている余裕が無い上に毎回洗濯畳を行うわけではないので職員全員が日ごろからチェックしていく習慣を作ることが大切だと感じています。

名前が薄くなっていたら書き直す・タグが薄くなってきていたら襟元のタグに名前を書く・黒い衣類には名前タグを貼る等するようにしています。テプラに名前タグ用の物がありますが、100円ショップの名前シートでも十分ですというより、100円ショップの方が剥がれにくいと感じています。

剥がれにくくするにはタグの端を丸く切るだけで効果があります。名前つけの時は切る作業が面倒かもしれませんが、剥がれにくくなれば貼る作業を減らすことが出来る上に紛失も減るのでお勧めです。長めに熱を当てれば尚剥がれにくいなぁと感じています。

また、アイロンが施設に無い場合用意していくのが大変ですよね。家に衣類を持って帰るのも大変…。そこで私はヘアアイロンをアイロン代わりに使用しています。これが結構いい感じで、持ち運びにも便利です。温度が調整できるのもだと良いですよ。

【6. 違う人の衣類を着ている】

介助をしているとたまに“あれっ?これってこの方の服じゃない気がする”と思う事無いですか?私はこう感じたときは高確率で違う人の服を着ている事が多いです。トイレに行った際に着替えるようにしています。ご家族様が気付く前に気が付けて良かったなと思いますが、間違いはまずいなぁと感じています。

衣類を返却する際に必ず名前を確認して仕訳をすることになっていても間違えている事が結構あります。何故なのか分からず対処が難しいなぁと感じていました。1人1人専用の洗濯ネットを用意し、1袋ずつ名前を確認して畳むことにしていますが、間違える方って一気に全部袋から衣類を出していたんです。

畳んでいるうちに他の方の衣類と一緒になってしまったり、これはこの方のだと思い込んで疑うことなく他の方の衣類と一緒にしてしまったり…。こうなってくると1人での返却が出来なくなってきます。必ず2人で確認して~とやっていたら仕事が終わりません。

どうしたらいいのか結構悩むところです。毎月衣類整理をしてもらったり、名前のチェックをしてもらったりしていますが、時間が取れないことの方が多いです。時間外で行う事は良い事ではないため業務内に組み込みたいのですが人手がある時でないと出来ない…。難しい…。

せめて服を着替える時に名前が合っているかだけでも確認していただければ間違った衣類を着せずに済むのでその手間は行ってほしいと伝えるようにしています。ご家族様が親の為に買った服を他の利用者様が来ているのを見たら嫌な気持ちになりますよねと伝えると理解していただきやすい印象があります。

【7. ボールペンを一緒に洗ってしまう】

職員の衣類を施設で洗っていた時の話です。洗濯を出す際にポケットを良く確認せずに出してしまう職員がいると自分の衣類にボールペンのインクやハンコのインクが付いて返ってくることがあります。インクの色が目立つ服についてしまった場合は泣く泣くおさらばすることも。

また、ハンコの場合印鑑が服にいくつも押されて返って来ることもあり、これもまた使用できなくなります。これ以外にハンドクリーム・口紅・ライター・USBメモリが入っていたことも。私も何度かやってしまったことがありますが幸いにも他の職員さんへの被害が無かったことが救いでした。

ライターの場合、そのまま乾燥機に入れられてしまうため爆発の危険もあり厳重注意の張り紙が出ました。介護施設での爆発事故なんてあったらと考えると恐ろしい…。仕事終わりで疲れもあると思いますがしっかりと確認しないといけないですね。

洗濯あるあるいかがでしたか?介護施設で働いたことがある方は結構分かる内容ではないでしょうか?ミスを全くなくすことは出来ませんが、ミスの回数を減らすことは工夫次第で出来ると思っています。洗濯のトラブルで悩まれている方に少しでも参考になりましたら幸いです。

(2023年8月9日)


第19回【夏の介護現場!仕事中の熱中症対策7選】

本格的な夏が始まる前からこの急な暑さに参っていませんか?年々異常な程に気温が高くなり、利用者様だけでなく職員も熱中症対策しないと危険ですよね!私は数年前に熱中症になり、熱が身体から抜けず体の芯から熱いという感覚と激しい頭痛に襲われました。

高齢者って温度調節が難しく、暑いのにも関わらず厚着をされたり冷房の風が嫌いだったり、中々涼しくできない環境がありますよね。さらに今年は電気代の価格が上がっている事もあり電気代には厳しい施設が多いのではないでしょうか。私の施設も毎日電気を消すようにとの館内放送が流れています。

そんな環境の中、自分の身は自分で守らないといけません!数年前に熱中症になってから熱中症対策には余念が無い私が行っている熱中症対策をご紹介します。少しでもお役に立てば幸いです!一緒にこれから来る熱い夏を乗り切ってきましょう!!

【1. 水分を1日2Lはとるようにする】

仕事をして動き回っていると中々水分を摂る機会って少なくないですか?私は500mlのペットボトルを3本程持って行っても1本しか飲まなかったなんてことが何度もあります。1Lを飲むのもやっとな日が多いです。喉の渇きが無い状態で身体に入れていく事はとてもしんどいです…。

しかし、熱中症とは喉が渇いたと思った時にはもう熱中症になっていたりなりかけていたりします。喉が渇いていない時からキッチンに入ったら飲むようにする等ルールを決めて意識的に摂るようにしています。飲み物はスポーツドリンクや果汁ジュースではなく水や麦茶等糖分の入っていないものを摂っています。

砂糖が多く入っている飲み物を多く摂取してしまうと血糖値が上がってしまい、小学生でも飲みすぎで糖尿病になってしまった人がいると聞いてから飲んだとしても1本にして残りは水や麦茶にするようにしています。糖分って飲めば飲むほど喉が渇いたりすることもあるのでほどほどに!!

入浴介助の後は過酷な環境の中での仕事を頑張ったご褒美に小さいサイズの炭酸を飲んでいい事にしています。高温多湿で頑張った後の冷えた炭酸ってなんであんなにも美味しいんでしょうか。やめられなくなります(笑)

【2. 塩分を摂るようにする】

汗っかきな方ならば理解していただけると思うのですが、汗を多量にかいた後って黒い服を着ていると白っぽくなることありませんか?汗もしょっぱい感じの臭いになり、きっと白いのは塩の結晶だと思っています。これからの季節汗をかくときに着る服の色は気にしないといけないなぁと思っています。

出てしまった塩分を補給する事ってとても大切ですよね。仕事中に効率的に塩分を補給できる手段としては塩飴や塩分入りの飲み物を飲むようにしています。食事では梅干や塩辛等“塩”を意識的に取り入れるようにしています。ただし、食べすぎると高血圧になる可能性があるので食べすぎには要注意です!!

汗をかきやすい時期になるとユニットやお風呂場に塩飴を常備しておき、誰でもいつでも食べられるようにしています。ちょっとした工夫ですが、ユニット職員の健康を守ることも大切だと思っているので色んな種類の塩飴を用意していました。

私のお勧めは飲み物ならば“梅ソルティー”飴ならば“塩サイダー”がおススメです。塩サイダーの飴はユニット職員にも大好評でした!美味しく食べられるのがいいですよね。スーパーやドラッグストア、アマゾンなどで安くまとめて購入していました。

【3. ボディーシート】

有難い事に数年前から-〇℃という感じの冷感のボディーシートが発売されています。初めて使った時にはそのひんやり感にとても驚き、感動したのを覚えています。今では毎年まとめ買いして暑い夏を乗り切っています。なくてはならない必需品です!

最近ではいろんなメーカーさんが出してくださり、首に巻くタイプや大判型など種類も多くとてもありがたく思っています。冷感シートで拭いた後に扇風機等風が当たる場所に行くとさらに冷感を感じ涼むことが出来ます。とてもおススメです。

接触冷感タオルも使用していたことがありますが、襟元がびしょびしょになってしまったり首に巻いているとすぐにぬるくなってしまったり、その都度振って対応していましたが手間を感じるようになってしまい今では冷感シートに頼っています。そろそろまとめ買いする頃かなぁと思っています。

このタイプの冷感シートもお風呂場に香りやメーカーを変えて数個おいておくようにしていました。結構使ってもらえると嬉しいです。暑さ対策大切ですし、お風呂介助をしてくださっている職員さんが一番熱中症になるリスクが高いので少しでも予防に繋がったらなぁと思っています。

【4. 首を冷やす】

今は主流になりつつあるクールリングを使用しています。先ほども書いたように冷感タオルでは襟元がびしょびしょになってしまいますが、こちらはびしょびしょにはなりません。初めは“ひやっ”としますが30分もしないうちにぬるさを感じるようになるため3個ぐらい用意しています。

冷凍庫で早く固まってくれるので本当にありがたいです。保冷剤だと溶けてから固まるまで時間がかかりますが、クールリングは交換するまでの間の時間で十分冷えてくれるので夏の必需品になっています。使い終わったものはアルコールできちんとふき取ってから冷凍庫に入れるようにしています。

これ以前は首にかける扇風機を使っていましたが、ファンの音で利用者様の声が聞き取りにくかったり抱える時に利用者様にぶつかってしまう危険や圧迫してしまう危険があったりしたので使う回数がとても少なくなりました。一人の時間になり記録を打つ際に使っていたぐらいです。

また、メーカーにもよるのかもしれませんが風を感じても生ぬるい風で涼しいとはあまり感じませんでした。利用者様のドライヤーをかける時の汗対策にはいいのかもしれません。首にかける扇風機は買ったもののあまり出番がありませんでした。

【5. 接触冷感マスク】

コロナが5類相当に下げられた今でもマスク着用が義務化されている施設は多いのではないでしょうか?真夏のマスクって本当にしんどいですよね。特にマスクをしたままのお風呂介助なんて地獄です!!コロナ禍になって冷感マスクが発売されるようになって本当にありがたかったです。

とはいえいくら冷感といえどマスク無しよりは蒸れますし、熱いです!しかも私はですが、普通のマスクに対して汗の吸収が悪いような気がしています。きっと冷感加工や性能の問題なんだろうと思っていますが、汗が口周りに付いているなぁと感じる事が多いです。

肌が弱いので夏場は汗かぶれで肌荒れが酷くなり痛みを感じてしまう事が度々あります。マスクが汗を吸収しきれなくなったりある程度の時間使用したマスクは交換するようにすることで皮膚トラブルが大幅に軽減されました。勿論あまりにも酷くなってしまった時は皮膚科にも通いました。

夏の汗かぶれにお悩みの方は勿体ないと感じるかもしれませんがこまめなマスクの交換が一番有効的でしたのでお試ししてみてください。今年の夏もマスクによる肌荒れと戦いながら涼しくなる季節を待ちわびたいと思います。車やロッカーにも常備し持ってくるのを忘れたとしても大丈夫なようにしています。

【6. 冷感スプレー】

これは服にバシャバシャかけています。本当に涼しくなるのでお勧めです!「あっつ~い!!」と感じたらスプレーして冷感を感じています。結構涼しさを感じられることが出来ています。かけすぎるとヒリヒリするので注意が必要です(笑)

お風呂介助前や仕事前、休憩中に服にスプレーすることはもちろんですが、ユニットやお風呂場にも用意しています。今は服だけで履く制汗剤でも冷感を感じられるものが出ているのでいろんなものを使っていい感じのものを見つけたいと思っています。

頭皮にも“バチバチ”となるスプレーをしていますが、ぱちぱち感が爽快で汗をかいた頭皮にスプレーするととても気持ちがいいです。これは大学生の頃から使用しているのでもう13年以上愛用しています。13年って凄いですよね!まだ廃盤にならず発売されている事に感謝しかありません。

【7. 小型扇風機】

これは本当に便利でもう何年も愛用しています。コードレスな事や扇風機の角度を変えられるものがおススメです。脱衣所で風を感じながら着替え介助を行ったり、記録を打つ際にデスクに置いて使用しています。私が使用している物は風量を5段階で調整できるのでそれもありがたいです。

普段使いはもちろんですが、これからは洪水などの水害で電気が使えない時に充電しながら使う事が出来るので重宝します。ソーラーで充電できるバッテリーも用意してあるので涼むものが何もないよりは安心です!施設に忘れて帰った時は他の職員が使っていたようです(笑)

一度使ってしまうと風が無い事がとても不便に感じます。広い空間での冷房は効き目を感じにくいですが、風があるだけで涼しく感じる事が出来ます。16時間夜勤で介助していない間はずっと使っていますが、充電が切れて朝には使えなかったという事は今のところありません。

汗で蒸れたマスクを乾かしたり、冷感マスクの冷感を感じる為に使う事もあります。やはり夏は冷感を感じる事が重要だなぁと思っています。便利なグッズが沢山出ているのでいろんなものを使ってみたいなぁと考えています。

熱中症対策いかがでしたでしょうか?ご参考になるものがあればとても嬉しいです。おススメの熱中症対策グッズがありましたら是非教えて頂きたいです。

(2023年7月14日)


第18回【こんな施設では働きたくない事例7選】

介護施設って全国に沢山数がありますがその分働きやすい施設・働きにくい施設って分かれるなぁと感じています。今まで数回転職をしてきましたが、働きにくい施設には共通点があることに気が付きました。今からお伝えする内容は私が経験した話をまとめたものになります。

介護士のなり手が少なく人手不足な施設が多い中、これからは利用者様だけでなく職員からも選ばれる施設を目指していかないとケアの質が悪くなる悪循環に陥ると肌で感じています。こんな働きにくい環境になってしまっている場合は早急に働き方改革を行う必要があると思います。ご参考までにご覧いただけましたら幸いです。

【1.休みの日に会議や委員会・研修に参加しなくてはならない】

いままで複数の施設で働いてきましたが、休日の会議や委員会・研修に参加しなくていいとなっている施設は少なかったです。休みって午前0時から翌日の午前0時まで休まないと休日とは言えないことになっています。休みの日の出勤は予定も入れられずゆっくり休むことも出来ず休みではないですよね。

休みの日に会議を入れられると本当に嫌で嫌でたまりませんでした。時間外をつけると言われたとしても嫌です。会議や委員会・研修の日程は前もって分かることが多いのでその日をあらかじめ希望休の紙に記載し、出勤で出られるようにしてくださっていた施設には感謝しかありません。

このことから私がシフトを作る際はあらかじめ予定が分かっているところは出勤で参加できるようにしていました。どうしても予定が合わないことももちろんあります。その時は代わりの職員を出す・会議の1週間前に議題を渡して意見をもらっておく等していました。

工夫次第で休みをしっかりと確保することは出来ます!働き方改革が叫ばれている昨今、昔ながらの“当たり前”を少しずつでも変えていき、働きやすい職場を作っていかなくてはならないなと感じています。職員がいてくれるのが当たり前と感じず、休日と仕事のメリハリを作っていけたらと思っています。

【2. 熱や体調不良、怪我でも出勤させる】

これはすべて私の身に起きた出来事で本当に辛かったですし、職員の身体を大切にしない施設では長い目で見たときにここで長期間働けない・倒れるまで使い倒されるのではないかという恐怖を覚えました。こういう事から施設に対する不信感って芽生えるんだなと感じています。

1つ目は熱が38度出てしまい夜勤を休ませて欲しいと連絡した時です。夜勤の勤務変更はとても大変な事はシフトを作っている身からすると申し訳ない位分かっています。それでも無理して出勤できない程頭痛・吐き気が酷く、ふらふら状態では仕事にならないと思い電話しました。

すると「夜勤を交換してもらう事は難しい。業務は手を抜いてもいいから出てきて欲しい。」との言葉が!!ふらふら状態で仕事にならない事、出勤しても寝ている事が多くなってしまう事を伝えましたが「それでもいいから。」と。本当に鬼畜だと思いましたし、涙が出てきました。

親に送ってもらい出勤しましたが、悪寒と吐き気、頭痛、ふらふら状態で排泄介助もままならない状況でした。事前に体調が悪い事は遅番者に伝わっており、パッドをいつもよりも大きい物にしてくれていたので回数を減らして何とかなりましたが、起床介助は鬼のように感じました。

2つ目は疲労とご家族様からのカスタマーハラスメントに身体が悲鳴を上げたときの事です。以前勤めていた施設は深夜だろうが面会に来られたら断ることなく受け入れている施設でした。被害妄想が激しい方がいらっしゃり、身に覚えのない事を携帯電話で家族に電話され身内の方が飛んで来られる感じでした。

事実とは異なるという事を伝えてもやはりご家族様なので「身内が嘘つくわけがない!」との事で怒られることが頻繁にありました。事務所職員がいない時間帯の面会を辞めて欲しい事やそのご家族様の面会時間の制限をして欲しいと施設側に要望していましたが「みんな分かっているから。」と言われるのみで対応されず。

ある日の夜勤明け、家でゆっくり過ごしていると急に呼吸がしにくくなり息を吸おうとすると肺あたりが激痛で息をごく微量しか吸うことが出来ず窒息するかと思うほど。身体を動かそうにもちょっと動かすだけで激痛が走りでこのまま倒れて死んでしまうのではないかという恐怖を感じた事がありました。

たまたま家族が家に居て異変にすぐ気が付いてくれたので何とか病院に行くことが出来ました。泣く事しかできず初めは救急車を呼ぶかという話にもなりましたが、数分で少し落ち着いてきたので病院に電話をしてすぐに連れて行ってもらいました。

病院に到着したころには落ち着きましたが、念のためレントゲン撮影を行う事に。異常はなく精神的ストレスによる不調ではないかとの事でした。このことを出勤した時に看護師資格を持っているの上司に伝えると「心臓の方じゃないの?生活習慣が悪いのでは?ご飯食べられて眠れているならストレスじゃないよ。」と…。

言われた時何を言っているのか理解できずしばらくフリーズしたのを覚えています。正直“悪魔”だと思いました。この一件以降この上司には何も言わなくなりましたし、「大丈夫?」と聞かれても「はい。」としか答えなくなりました。きっと悩みを伝えたところで軽くあしらわれるんだろうなと思ったからです。

3つ目は足を怪我したときのことです。夜勤中足首の痛みを感じ始め、ストレッチをしたり揉んだりして朝まで迎えましたが、時間の経過とともに足が床に着く事が激痛になってきました。足首は腫れていませんでしたが、痛みが今まで感じたことが無い程の痛みで骨折したのかと思ったほどです。

起床介助で利用者様を抱えたときの悶絶するほどの激痛は二度と経験したくない程でした。仕事終わりには片足が床に付けない程までになってしまい、ケンケンして駐車場まで向かいました。施設から駐車場まで階段を上らなくてはならず距離もあったのでいつもは1分で行ける所15分以上かかっていました。

痛すぎて笑いが出てきたほどです。笑いながらも思うように動けず自分が嫌になって笑い泣きしていました。どうしようもなくなる時に笑いがこみあげてくることってドラマの中だけではないんだなぁと思った1幕でした。実際は笑っている場合では無かったですが…。

自宅に着いてからも手すりの付いていない階段を上ることが出来ずたった3段の階段に10分以上かかりました。油断して足が床に着いた瞬間体中に電気が走るかのような痛みに悶え、疲れたのか失神するかのように眠ったのを覚えています。家族は気絶しているのかと心配になったと話していました。

午後から整形外科に受診に行き、施設内では車いすを借りて異動していました。レントゲンを撮るも異状なく骨折でもヒビが入っているわけでもないと言われた時は不思議で仕方がありませんでした。自宅用に松葉杖を借りる程の痛み。1週間ほど安静にするようにと言われたためその旨施設に電話しました。

仕事から帰る時に上司には足の痛みや病院に行く事を伝えていたので話がスムーズにいくかと思っていたのですが、「車いす使えば出勤できるってことだよね?」「車いすだったら排泄介助も大丈夫だよね。」という言葉が返ってきたときは“鬼畜”と思いました。

松葉杖を使っている事も伝え、足をつくと激痛で利用者様のトイレ介助も困難である子を説明していましたが出勤するようにと…。食事の配膳も難しいと伝えても軽く思われており最終的には「早番から遅番になれば大丈夫かもしれないよね。」と…。

もうどう話しても出勤は免れないと思い遅番ならば出勤する旨伝えました。電話しながら上司には分からないように泣いていました。状況を知っている他の職員さんが「代わりに出勤するので休ませてあげてください。」と掛け合ってくれましたが、「本人が出るって言ってるから大丈夫だよ~。」と言われたそうです…。

まる1日半足を使わず安静にしていたこともあり、出勤する頃には痛みが大分治まったので最後まで仕事をすると夕方から来てくれると言ってくださっていた職員さんに連絡をしましたが、きっと無理して仕事をすると思ったと早い時間から駆けつけてくれました。

開き直って仕事をしていたのですが、その職員さんが上司を説得し早退させてもらう事が出来ました。本当に感謝しかありませんでしたし、上司の事は嫌いになりましたよね…。それ以降足の痛みは出ていませんが、疲労を感じにくいのか一気に痛みとして出る為小まめにメンテナンスするようにしています。

この1年後あたりに上司に掛け合ってくれた職員さんが同じような症状に襲われたそうで「松葉杖を使うまでの痛みではなかったけど、あの痛みでも仕事をしろって言われたら無理。泣いちゃうよ。」と話していました。仲間って大切だなぁと改めて感じました。

ちなみにこの上司、交通事故にあった職員に対しても「今日は休みで病院もやってないし、出勤できるよね。」と言ってこさせようとしていました。事故直後ってパニック状態になっている事もあり痛みって感じにくく、数日後に症状が出る事があることを伝えながら上司に“おかしい”と噛みつきました!!

それでも理解できない上司は「本人が来るかどうか決めるから。」との1点張り。事故に合った職員には裏で今日は病院に行って診断書を貰い休むことを伝え、上司の指示には従わなくていいと連絡しました。また、その上司のさらに上の上司に報告し休みの許可を出してもらいました。

私たちの立場では上司を選ぶことは出来ませんが、施設側は上に立つ人をしっかりと選ばないと真面目な職員程その施設を離れていきますし、最悪職員の人生を台無しにしてしまうリスクがあることを肝に銘じていただきたいなと思います。

2つ目3つ目の時は転職したてでリーダーをしておらず平社員でしたが、こういう上司にはなってはいけないと心に刻む経験となりました。嫌な思いをしたからこそ、自分がリーダーをする時には職員を守れる上司になりたいなと思いました。

【3. 面談内容を他の職員に話す】

これは本当にマズイです!面談をする立場の方ってベラベラと話してしまう人ではいけません。1対1の面談だからこそ言える悩みや不満ってあると思うんです。しかし、話した内容を「〇〇さんが△△で悩んでいるんだよ。」とか「□□って言ってたよ。」って話してしまってはいけません。

こんなことをされては職員間に亀裂が入ることは間違いないですし、面談でなくても普段から何も話さなくなります。面談内容によっては1人ではどうしようも出来ないこともあるとは思いますが、相談する相手や内容をしっかりと考えていかなくてはいけないと思います。

私もつい口に出てしまう時がありますが、こういう状況を見て何でも思ったら話してしまうのはまずいなと感じました。話す前に話しても大丈夫な内容か、話す場合も言葉を選んで話すことが必要だと思いました。これは訓練が必要ですが、一旦家に持ち帰って内容を整理する事や時間を置くことも必要なのかなと思っています。

【4. パワハラを見て見ぬふり】

時々リーダーは偉い!部下の意見はすべて間違っている。自分のいう事を聞いていればいいんだと思い込んでいる方を見かけます。意見を言うもんであれば「ハァ?」「誰がそう言ったの?」と聞く耳を持たず意見を却下。威圧的態度を取ってきます。

こうなると部下は何も言えなくなりますし、おかしいと思っていても指摘すらできません。会議でも発言はなく、そのリーダーの意見ばかりが通るようになり反対意見が多かったとしても絶対に自分の意見を曲げようとはしません。

リーダーより上の上司に相談したときに「まぁまぁ。」「きっと考えがあるんだよ。」「理解してあげて。」としか言われないと何を理解すればいいのか分かりませんし、話したところで無駄なんだなと思ってしまいます。日ごろから自分の意見を伝えてくれるリーダーならばいいですが、「ハァ?」しか返されなければ終わりです。

部下同士で意見をまとめ多数決に持ち越しても、リーダーにとって都合の悪い話に進んでいくと毎回「保留。」と言われそれ以上話が進まないようにされてしまいます。また、嫌いな職員に対しては皆の前でその人を落とすようなことを平気でします。いじめだと感じている職員は多かったです。

しかし、一緒に会議に参加している施設長や主任クラスの人が見て見ぬふりしていては私たちはどうすることも出来ません。注意されないことを良い事にどんどんエスカレートしていき、しまいには嫌いな職員に対して無視をしたり物を隠したりする、その人が用意した物を捨てるなどの行為にまで発展しました。

そのことを上の人たちに伝えても「話し合おう。」と上司を含めた3人での話し合いの機会を作り、話し合いを行ったことに対して満足している始末。本人目の前にして意見なんていえるわけがないですよね。他の職員からの話が出ているのに聞く耳を持たなかった為一斉退職に繋がりました。

自分がそのリーダーから嫌われたくないからと何の手も打たずにいると真面目に働いている職員はやめていきますよね。耐えてまでその施設にしがみつく理由って無いので。誰を大事にするのかを見極め間違えると大量離職に繋がりますので、第三者を含めた検討をしていく事が必要だと思っています。

【5. 素手、素足で介助するように強要する】

いつの時代の話をされているのだろうかと思いました。排泄物や体液には感染症に繋がるものが含まれている事があり、素手では触れないようにと教わってきた私には驚愕でしかありませんでした。手袋をつけての介助は利用者様に失礼だとか、家族だと思えば手袋なんてつけないだろうと説明されました。

いくら説明を受けても到底納得できず、まず身内ではなく赤の他人である事・自分の親や祖父母の介助をすることになったとしても手袋は着用して行う旨伝えました。また、もし素手や素足での介助により感染症を貰った場合、保証をしてくれるのかと尋ねましたがこういう時は逃げられますね…。

これに関しては看護師さんの入れ替わりもあった事もあり、おかしいと感じた看護師さんが施設長を説得して素手・素足は禁止となりました!本当に看護師さん様々です!!私たち介護士の話って聞いてもらえないことが多いのですが、看護師さんの意見なら聞いてもらえるこの風潮って何なんですかね?

従業員の健康を守ることは会社としての義務であり役目であることを忘れないで頂きたいと思います。感染症リスクを怠ったことによる労災等になれば施設の評価が下がるって分からないんでしょうか?それとも労災は申請しない感じなのでしょうか?どの道ブラック施設確定です!!

【6.プラスティック手袋を使いたければ自腹で用意】

排泄介助や感染症対策時にペラペラのエンボス手袋だと感染症をもらってしまうのではないかと心配になりますよね。今まで複数の施設を経験しましたが、直近の2施設はエンボス手袋しか用意が無く驚きました!プラスティック手袋を置いてある施設は職員の事を考えていたんだなと感じました。

看護師さん用にはプラスティック手袋が用意されていても介護士は使用禁止!何故?感染症リスクのある利用者様のケアをする時は本当に不安しかありません。手袋が破けやすいし、エンボスを2重にしてもすぐにスポット抜けてしまう為本当に介助しにくい!

嘔吐や吐血など感染症リスクがある時に使用するためにも欲しいと伝えても許可が降りず本当に不思議でしかありませんでした。状況を知っている看護師さんがいつも内緒で分けてくれていましたが、それ以外に使いたい時は自費で用意するしかありませんでした。

プラスティック手袋って安くはなくて100枚入りの手袋でも無くなるのが早い。片手だけプラ手袋でもう片方
エンボス使うようにする等工夫しながら使っていました。看護師さんの働きかけで介護職員もプラスティック手袋が使えるようになった時は喜びましたし、看護師さんに感謝しかありませんでした。

今の施設は未だエンボス手袋のみで、時々総務の方がこっそり箱ごとくれますが本当に感謝しかありません。日ごろから声をかけたり仲良くなっておいたりするとみに対して手を貸してくださる事があるのでコミュニケーションってとても大切ですね!!

【7.宿直者がいない】

特養で宿直者を置かない施設ってあるの?と驚きました。救急搬送時や急変時どうするのかと尋ねると上司に連絡するようにと!!上司に連絡したところで緊急時に上司が来るのを待つのっておかしくないですか?看護師からの救急搬送要請が出た後、上司に連絡し来るまで救急車要請出来ず不安しかありませんでした。

この施設では4回程夜間に救急搬送要請を行いましたが、毎回なぜ救急搬送要請指示を受けてから連絡するまで30分近く何も出来ないまま待っていなくてはいけないのかと憤りを感じていました。待っている間に何かあった場合どうするのかと不安でしかありませんでした。

また、救急隊の方からも看護師から救急搬送要請が出てから救急隊を呼ぶまでの空白の時間は何をしていたのかと聞かれる為、その間の説明も本当に困りました。自分を守る為に「上司に連絡した所到着間際まで電話するのを待って欲しいとの指示があり〇分後に連絡するようにとの指示を受けました。」と伝えていました。

勿論救急隊の方はそれで納得されるわけもなく、上司が到着するのを待っている間に急変したらどうするつもりなのかと聞かれました…。ごもっともすぎて何も言い返せませんでした。施設側や上司は何かあったらどうしようと思わないのかと疑問でしかありませんでした。

辞めてしまった相談員の方はこういう時に備えて施設近くのアパートを借りて住んでいたようですが、個人の采配やそういう気遣いに甘えていてはいけないと感じています。特養は利用者様の人数も多く、急変リスクも高いので宿直者は必ず設置するようにした方がいいと思っています。

ちなみに宿直者を設置していない理由としては今まで救急搬送をしてこなかったからという単純な話でした。怖さを感じないで施設運営していること程怖い事は無いと思いました…。今でも宿直者を設置していないみたいですが、正直辞めて正解だったと思っています。

以上がこの13年間で経験してきた“こんな施設では働きたくない”と思った出来事でしたがいかがでしたでしょうか?転職を数回していると驚くようなことをしている施設があることに驚くことが多いです。きっと皆さんも驚愕した出来事があるのではないでしょうか?

昔ながらの働き方に固執している施設は職員がどんどん離れていきます。利用者様やご家族様だけでなく、職員の働き方満足度も上げていかなければ人材の確保は難しい&良い人材は残らないと思っています。是非とも見直して働き方改革をしていきましょう!!

(2023年7月7日)


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