第1回【思わず笑ってしまった利用者様の事5選】
介護士として働き始め早12年が経過しました。日々ご利用者様との関わりの中で楽しい事や悩ましいこと、辛い事や「えっ?」と驚きつつも笑ってしまう事が多々あります。
日々の生活の中で予期せず起こる事なので覚えていないことも多々ありますが、今回は強烈に印象に残っている思わず笑ってしまった出来事を5つご紹介させていただきます。
1.一心不乱に水を求めてきた
従来型特養で勤務していた時の話です。ショートステイをご利用されていたご利用者様(A様)。暑がりで涼しい環境が好みでしたが多床室ということもあり、他のご利用者様との関係で冷房を強くかけられず就寝時は上下とも下着姿で就寝されていました。
また、夜間は500mlのペットボトル1本を飲まれる為就寝時に水を補給してお渡ししていました。
A様がご利用されていた夜勤中、ケアステーションで待機しているとどこからともなく「ハァ、ハァ、ハァ。」との吐息が…。
様子を見に行こうとしたところ、暗闇の中下着姿で手には空になったペットボトルを持ち一心不乱に早歩きされているA様の姿が!!
曲がり角から急に出てこられたときは驚きましたが、必死な姿に思わず笑ってしまいました。
2.お金大好き
経理の仕事をされていたと話されていたご利用者様(B様)。ショートステイご利用の度に通帳・印鑑・現金を持って来られていました。職員側としては紛失が怖い為金庫管理したいところですが、手元にないと不安になり落ち着かなくなってしまうB様。
ご家族様と話し合い、印鑑は偽印鑑に変更し現金は紛失する可能性をご理解いただいたうえで手元に置いておくことに。「お金が大好きなんだ。」と笑顔で話されていたのが印象的なB様でした。
とある夜勤中、ぶつぶつと声が聞こえてきたため部屋をそ~っと覗くと、薄明りの中、ベッドに足を延ばして座り笑顔でお札を数えているB様の姿が…。思わず笑ってしまいました。ユニット型特養で個室だったためトラブルにならず済みました。
3.妊婦さんと間違えられた
夏、ユニット行事で流しそうめんをしていた時の事、楽しかった流れで「あなた今何か月なの?動きすぎだからあまり無理しちゃダメよ。」とC様。ふくよかな体形の私、妊婦さんと間違えられました。
ここで「いやぁ、脂肪を蓄えてもう十数年なんですよねぇ~。」とお腹をさすりながら答えると「あら?やだ。ごめんなさい。私目が悪いからわからなかったの。」と大笑いされバツが悪そうに話されるC様。周りの利用者様も職員もつられて大笑いしました。
4.入れ歯が飛ぶ
総入れ歯の方あるあるかもしれませんが、入れ歯って年と共に歯茎が痩せてしまったり、長年使わなかったりすると合わなくなってしまうんですよね。ポリグリップを使用できる方は良いですが、使えない方はいつも口を開くたびに下に落ちてしまうことも。
その方がクシャミをしたい時、一生懸命口を閉じて入れ歯が飛ばないようにされている姿が。“頑張れ”と心の中で応援していますが、“ヘックション!!”との声と共に上の入れ歯が猛スピードで飛んできました。笑わないようにこらえていましたが、思わず笑ってしまいました。
5.噛み合っていないけど楽しそうに話をしている
認知症の症状が強く意思疎通が難しいご利用者様(D様、E様)。いつもは話をしているというよりも一人で話をされていることが多いお二人なのですが、時折会話をしているように見えることがあります。
D様「〇×△$ねぇ~。」
E様「なにぃ?」
D様「ん?」
E様「〇×△…」
D様「×□〇…」
と全く聞き取れない言葉ですが、お二人の中ではしっかりと会話になっているようでお互い相手の方を見ながらタイミング良く話をされている姿が。
思わず他の職員さんに声をかけて一緒に観察したことがあります。とても微笑ましかったです。
私が印象に残っている思わず笑ってしまった言動を5つご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?皆さんも利用者様の言動に思わず笑ってしまった事ありませんか?普段業務に追われ心に余裕が無くなってしまいがちですが、こういう利用者様の言動や関わりで心がホットしたり落ち着いたりすることがあります。
利用者様との関わりを深めたり、よく観察したりすることでその方の好み等も分かってきます。是非業務だけでなく、ご利用者様との関わりを持っていただけたらと思います。
プロフィール
(2022年9月1日)