第2回【排泄あるある】
排泄って結構奥が深いなぁと介護の仕事についてから思うことが多いです。皆さんはいかがですか?
普通の生活では考えつかないことを行う利用者様の行動に“えっ!!”“なんで?”“どうしてそうなった?”等驚くことばかり。今ではあるあるになりましたが(笑)
今回は介護現場での排泄あるあるをまとめましたのでご覧ください。介護士さんは共感できる内容が多いのではないかと思います。介護とは縁がまだない方は実際にこういうことがあるという事実を知って頂けたらなと思います。
Contents
1.リハビリパンツやパッドが濡れていないのに失禁している
リハビリパンツ(パンツ型紙おむつ:ここでは一般的に認知されているリハパンと以下記載します)やパッドが当たっているにも関わらず、なぜがリハパンやパッドは全くぬれずに失禁している事があります。本当に謎でしかありませんでした。
経験年数を重ね、自分でも排泄について勉強をしていく中で腑に落ちる原因を知ることができました!!それはちょろちょろと勢いの少ない排尿が皮膚を伝って漏れてしまう失禁です。すべてがそうとは言えませんが、自分の中で一番納得した内容でした。
勢いがほとんどなく少量の排尿の場合、パッドに到達する前に自分の皮膚を伝って下に漏れてしまうことがあるようです。対策としてはギャザーを鼠径部にしっかりと這わす事と女性の場合はパッドをWのようにして尿道口にしっかり当てる事です!
リハパンのサイズが大きく、大腿周りに隙間が出来てしまっている場合も漏れやすくなりますのでサイズ調整が必要になってきます。いろんな視点からの見直しが大切ですね。
2.パッドを外して柵に干している
夜勤での巡視の際“あれっ?パットが干してある~(泣)”となることがあります。だいたい干してあるのを発見したときは失禁して全更衣率が高いです。なので“あぁ~。着替えだぁ~。”と気持ちがなえがちです。
干している方は三角巻きをしている男性利用者様に多い印象です。パッド内の排尿が気持ち悪かったり、鼠径部などに巻いているパッドが当たったりして気持ち悪いのかなぁと思っています。
対策としては外せる方は外した方がいいと思いますが、褥瘡などの皮膚トラブルを抱えていらっしゃる方の場合は外すことが出来ないですよね。その場合は巻くパッドの大きさを小さくして交換回数を増やして不快感を取り除いてあげるしかないのかなぁと考えています。皆さんはどう対応していますか?
ただ単に陰部が痒くてパッドが邪魔で外してしまう方もいらっしゃると思いますが、その場合は1日1回の陰部洗浄を行い清潔を保つのがいいと思いますが、かゆみがなくなるまでは時間がかかりますよね…。
3.おむつ外しやパッドを脱ぎ捨てての失禁がある
これは2.と同じ感じですが、この場合は完全におむつ(テープ型紙おむつ:ここでは一般的に認知されているおむつで以下記載します)やパッドを引っ張り外して布団の上や床に捨てている事を指して説明します。
これも夜勤中に多いのですが、巡視で部屋に向かった際綺麗におむつやパッドのみを引っ張り出して外しているまるで職人のような方がいらっしゃいます。発見し、内心“あぁ~!!!”と叫んでいます。この場合もだいたい失禁しており全更衣、リネン交換率が高いです(涙)
この場合もやはりパッド内の排尿量が多く湿っていて不快だったり、パッドやおむつがしっかり当たっていなかったりすることで気持ち悪くて外してしまうのではないかと考えています。高吸収のおむつやリハパンを1枚で着用していただくと外されない方もいらっしゃるので一つの手かなと。
また、職員側のおむつの当て方の勉強会を開いたり、レクチャーしたりしています。職員側の努力も必要ですよね!!利用者様が不快に感じない当て方や排泄時間の見直しの仕方などを知識として知ることって大切だと思っています。学んで終わりではなく、どんどんアウトプットしていきましょう!!
4.数分おきにトイレに行く方がいる
本当に5分おきにトイレに行かれる方いらっしゃいます。“本当にそんなに出るのかなぁ?”と思うほどです。
膀胱機能の問題や認知症の影響、不安などからそうなってしまうと思います。
一人で行ける方は介助の面では負担は少ないですが、あまり身体を休めることが出来ていないのではないかと思いますし、介助が必要な方の場合であればトイレにお連れしてもまたすぐにトイレの要求があり結構大変です。トイレにお連れしても出ないことも多く、本当にしたいのか分かりません。
どちらの場合でも泌尿器化への受診も視野に入れて話し合いをしています。ここで注意が必要なのは泌尿器科に行ったからといって治るわけではないという事です。時間が経過すれば収まってくる方もいますし、全く効果が無い方もいます。時間が必要ですね。
最近では膀胱に尿がどのくらい溜まっているのか図ることが出来る福祉用具が登場しました。まだ値段が高く気軽に手を出せないですが、これかはそういう機械が沢山出てくるのではないかと期待しています。
5.トイレットペーパーを使う量が極端に短い
戦時中を経験していらっしゃる方は特にだと思いますが“もったいない”と本当に極端に短いトイレットペーパーで拭かれています。初めて目の当たりにした時は驚きました。追加で取って渡しても「こんなにいらないよ。もったいない。」と話されていました。生きてきた環境によるものですね。
この場合はトイレットペーパーの料金込みでお金をいただいているため安心して使っていただいて大丈夫である事や今は短くしなくても大丈夫である事を伝えています。それでも勿体ないと使われない場合はその方の気持ちを尊重するようにしています。
6.トイレに流れないほどの大きな排便が出る
便秘気味で下剤を内服した後に出る方が多い印象です。どこに入っていたのかと思うほど、3,4日分まとめて出たんじゃないかと思うほど太くて長いのが出る方がいます。驚きで思わず他の職員にも見てもらってしまうこともあります。
こういう排便が出たときはトイレ流れないんですよねぇ~。細かく砕かないと流れないので、砕くものが無い時はワイヤーのハンガーを1本ダメにしてしまいますが、ハンガーで細分化して流しています。流れていく様子を見てこちら側もすっきりする感覚があります(笑)
そうなる前に定期的にお通じが出るように水分量や食物繊維量を増やしたり、運動量を増やしたり、力む訓練をしたりして出せるように工夫しています。
7.便を柵や壁に擦りつけたり顔が便まみれになっていたりする
これを“弄便”とかいて“ろうべん”と読みます。この状況を発見した場合、一度は見なかったことにしようという気持ちになるのは私だけではないと思います(笑)本当にどこから手を付けていいのか分からないですよね!顔?手?衣類?シーツ?
弄便の酷さ、範囲によってどこから手を付けるか変わってきますが、もし人がいるのであればそのまま浴槽へGOしてシャワーをします。これはユニット型特養でもユニット内にお風呂場がある場合に限ってしまいますが。
本当にショックと疲労感がどっしりとのしかかってきます…。
やりそうだなぁ~という前兆がある場合はその時にトイレにお連れして力んで出してもらう等の対策が出来ますが、前兆がなく静か~に作業されている場合どうしようもないですよね(泣)
そうならないためにもなるべく日中にお通じが出るように水分量を上げたりお腹をマッサージしたり、看護師と相談して下剤や浣腸、坐薬、敵便などで夜になる前に出していただくように気にかけています。間違って排便を食べてしまう場合もあるので結構重要な対策なんです。
便が付いた手で触れてきたりひっかいてくる方も中にはいるので、職員側の感染症リスクの問題も出てきます。便のついた手で触られた時はその時から仕事終わりまで、お風呂に入るまで気持ちはブルーです…。“イヤー”と叫んでしまう時もあります。
排泄介助の中で一番労力も気力も奪われます…。
プロフィール
(2022年9月20日)