第1回【記録を書く時に意識している事7選】

第1回【記録を書く時に意識している事7選】

みなさんは記録について意識した事ありますか?面倒だからと省いていてしまったり、何をどう記録として残したらいいか分からなかったりしていませんか?よく見る記録はケアした食事、水分、排泄、入浴のみしかかいていない記録です。中にはその項目だけ記録し内容は全く書いていない人も見受けます。

私は12年介護の仕事をしていて記録の重要性を痛い程見てきました。ご家族様から記録の介助を求められたときに提出したり、事故が起きた時や体調不良者の発見時や救急搬送時に見返したり…。記録がしっかり残っているかいないかで対応や説明が変わってくることがあります。

救急搬送時、口頭で転倒した旨の送りのみで記録がバイタルしかなかったときは愕然としましたし、正確な情報を救急隊に伝えることが出来ずもどかしい思いをしたこともあります。

また、記録をしっかり残していることで自分の身を守ることにも繋がります。人の記憶って時間と共に正確ではなくなってきますよね。時間の経過とともに事実とは異なってしまったり、思い出せなくなったり。

以前急変して施設でご利用者様がお亡くなりになられた際に警察官が来て事情聴取を受けたことがあるのですが、「あの時確か〇〇だったと思います。」よりもその場で記録にしっかり残っていた方が事実として認識されやすくしっかり記録に残しておいて良かったと思ったことがありました。

記録がなぜ大切かという事を皆さんにも知って頂きたくまとめました。

1.事実を記録する

記録は事実のみを書きます。時々介護職の主観で「〇〇という意味だと思う。」や「△△と考えていると思う。」等の記録を目撃しますが、それはあくまでも記録者の主観でしかありません。会議の場や話し合いの場でそういう意見を伝えることは良いと思いますが、記録には事実のみ記載するように意識しています。

利用者様や職員の話ことばには「」を使うと他の人が見たときに見やすいですね。話が長くなりそうなときは改行して交互に話したことを書くのも見やすい工夫かと思います。

また、記録に書く際はその利用者様以外の人物はイニシャルで書くようにしています。例えばA様、K職員、H看護師、ケアマネジャー、施設長等。特に他利用者様の名前は個人情報に当たりますので気を付けましょう。

2.趣味や好みを記録する

記録から利用者様の趣味・嗜好・嫌いなものなどの情報を収集するために記載するようにしています。例えば沢山の飲み物の種類から何を選ばれたか、選択メニューの時に何を選択されたか、残したものは何かなどを記録に残すようにしています。これらの情報が集まればその方の食事や飲み物の好みが分かりますよね。

こういう細かい情報を集めていくとユニットケアであれば24時間シートにも反映させることが出来ます。24時間シートに情報が沢山乗っているとその方の事を良く観察しているな、良くかかわっているなと思います。

ご家族様側の立場に立っても空白が多いより情報が多い方が嬉しいですよね。今まで知らなかった一面を知るご家族様もいらっしゃいます。

3.レク時の様子を記録する

【2.】と重なる部分がありますが、レクリエーションに参加されている時の様子を書くように意識しています。カラオケではどんな曲、誰の曲が好きなのか、どういうレクリエーションに興味があって、どういうものには興味が湧かないのか知るためにも大切だと思っています。

これらの情報を集めることで次回のレクリエーションの企画を立てる時に何にしようか、どうしようかと考える材料にもなります。時々楽しそうと思って企画したけれど利用者様の反応がいまいちだったなんて事ありませんか?それを回避するためにも記録大切です。

また、日常生活の中では見たことがない反応や行動をされ人が変わったようになる利用者様の姿に驚く事ありませんか?その内容は思い出だけではなく必ず記録に残すようにしています。

4.いつもと違う事を記録する

お年寄りっていつ急に体調が悪くなるか分かりませんよね。いつもと違う事を良く観察することによって病気の早期発見に繋がることがあります。看護師やケアマネジャーなどに相談することももちろんですが、後から見返した時にいつから様子がおかしいのか説明できるように記録にしっかり残すように意識しています。

例えば、いつもより立ち上がりが悪い、痛みがある、居眠りがち、よだれを垂らしている、痰がらみがある、食欲が無い、排尿量が少ない、血圧が平均値よりも低いや高い等。

記録に書く際は“普段に比べ”と比較するように書くように意識しています。これらの情報を元に小さな脳梗塞を起こして居た方を早期発見し病院受診に繋がった事や、痛みが長く続いていた方は癌が見つかったり骨折やヒビが入っていたりしたことに気が付けたこともあります。

利用者様の一番近くで様子を見ている私たち介護士の違和感はだいたい当たっていると思っています。報告だけでなく、記録にも残せたらいいですね。

5.相談内容を記録する

誰にどんな内容を相談してどんな指示を受けたのか、誰からどんな相談を受けて誰に伝えてどう返答したのか等記録するようにしています。何かあった場合自分の身を守るため、“言った”“言わない”にならないようにするため、どこまで話が伝わっているか(職員→リーダー→主任→ケアマネジャー→等)を確認する為にも記録に残した方がいいと感じています。

記録に記載する際は【1.】でも書いたように基本イニシャル職員や看護師(例:A看護師)で書くようにしていますが、1名勤務の専門職の場合は施設ケアマネジャー、入居相談員、短期入所相談員、作業療法士、言語療法士等書いています。

6.ご家族様とのやりとりを記録する。

ご家族様と話をした大まかな内容(依頼されたこと、病院受診や外出の予定、聞かれた事、お預かりした物、依頼した物、購入したいもの、施設で購入してもいいかご家族様がご用意されるか等)を記録するようにしています。

これも“伝えた”“聞いていない”や“持って行った”“預かっていない”などのトラブルを防ぐためにも必要です。出来たら聞いた事はメモしてご家族様と一緒に間違いないか確認しておくと尚いいと思います。これはご家族様との信頼関係にも繋がってくるので大事な記録だと思っています。

7.救急搬送時は時系列を細かく記録する。

救急搬送時ってバタバタするので覚えていられず、焦ってもいるので記憶が曖昧になりがちですよね。搬送後はホットして気が抜けるので余計に記憶が曖昧になりがちかと思います。そんな時はメモに何時に発見して、どう対応したのか(バイタル測定、心臓マッサージ、AEDの使用、看護師への連絡し、救急車要請等)を記録します。

救急搬送時は電話対応の方と救急隊それぞれに説明する必要があるため、メモがあると見返してそれぞれに正確な情報を伝えることが出来ます。一人では焦ってしまうため人を呼ぶことも大切です。

私はこのメモで何度も助けられました。またメモは救急車に乗っていく人用と施設に残って記録に残す時用と2枚用意しています。救急車に同乗した職員は検査が終了するまでだったりご家族様に引き継ぐまでだったりと帰ってくるまでに時間がかかります。

記録したい時にバイタルの数値が分からず困ったことがあったので忙しくても2枚用意するようにしています。

私が記録するときに意識していることをまとめてみましたがいかがでしたか?記録ってタイピングに慣れていないと時間がかかってしまい、それでなくても普段の業務で忙しく記録の時間がなかなか取れない為ケアの記録のみになりがちですよね。
いきなりこのすべてを意識する必要はありませんが、ピンポイントで気になった事、これは記録として残した方がいいなと思った内容について記録していくことから始めてみませんか?記録に慣れてくる頃には一目置かれる職員さんになっていると思います!!

私が意識している事シリーズ、少しでもお役に立てれば幸いです。私ももっと勉強して学んで日々変わってくる情報を吸収して皆さんに提供していけたらと思います。



プロフィール

介護の学校を卒業し、介護福祉士として働き始めました。

介護福祉士歴14年で、26歳の時に、半年間ベトナムでの施設ボランティアを経験しました。

介護施設は現在で5社目で、今はリーダーとして働かせていただいています。

身長150cm台の小柄な介護士として

Instagramでは介護をする方へ少しでも役に立てるような発信をする活動をしています。

「今日が1番若い日」を心がけて、お年寄りに接しています。

介護士歴12年目、リーダー歴約10年です。


★ご興味ある方は直接LINEにメッセージ下さい!
弊社担当よりご連絡いたします。

友だち追加

(2022年9月1日)

横浜介護求人センター
からのお知らせ



 まとめて読む


BLOG
介護業界



 あるある編

 実務編