第22回【介護士になって覚えた事6選】

第22回【介護士になって覚えた事6選】

【介護士になって覚えた事6選】

介護士の仕事って食事・排泄・入浴がメイン業務ですが、それ以外にもやる事や覚える事は沢山ありますよね。介護士になってから利用者様の趣味に合わせて初めて覚えた事が沢山あります。今回は介護士になってから覚えた事をご紹介します。きっと介護士さんなら納得されるはず(笑)

【1. 歌謡曲】

介護士になるまでは全く知らなかった歌謡曲。介護施設と言えば歌謡曲は切っても切り離せないものですよね。就職し初めの頃は歌謡曲のタイトルすら全く分からず手拍子するしかできませんでしたが、経験年数を重ねるごとに歌謡曲が自然と歌えるようになりました。

「若く明るい 歌声に~」の青い山脈、「赤いリンゴに くちびる寄せて~」のリンゴの唄、「潮来の花嫁さんは~」の潮来の花嫁、「月が出た出た 月が出たヨイヨイ」の炭坑節、「ハァ 踊り踊るなら チョイト 東京音頭 ヨイヨイ」の東京音頭。みなさん歌詞を見ただけで歌いだせるのではないでしょうか?

私が歌謡曲をどう覚えたのかというと、利用者様が歌っているのを聞いて覚えていきました。デイサービスの時は帰る前に必ずカラオケの時間があったのでその時にある程度覚えました。今でも記憶にあるのはいつも「潮来の花嫁」を元気に歌っていた利用者様の事です。

“潮来の花嫁”自体しっかりと聞いた事が無かった為その利用者様が歌う潮来の花嫁しか知りませんでした。なので、独特な歌い方をする歌なんだと思って過ごしていました。ある時歌を習っていたという新規利用者様がいつものように潮来の花嫁を歌っている方の歌を聞き始めると「下手だねぇ。」と笑いながら職員に話されました。

その後「私も歌う。」と同じ潮来の花嫁を歌うと全くの別物!!本当に同じ曲なのかと疑ったほどでした(笑)歌う人によってこんなにも変わるのかと驚いて笑ってしまったのを覚えています。いつも歌っていた方は拍手をして「あんた~上手だねぇ~。」と言いながら大きな声で音を外しながら歌っていたのが懐かしいです。

リンゴの唄や炭坑節は施設の夏祭りで利用者様の出し物の定番になっていた所もありました。リンゴの衣装を作ったり、ハッピを着て炭坑節を踊ったり準備は大変でしたがとても楽しかったのを覚えています。東京音頭も結構定番な曲でした。

これ以外にも“鳥取砂丘”をエンドレズで歌われていた方、“ブルーライトヨコハマ”のさびだけ歌う方・歌えないと言いながらも曲がかかるとマイクを持って熱唱される方等いろんな方がいらっしゃいました。歌を歌いながら介助することで落ち着かれる方もいらっしゃり、歌謡曲を覚える事は必須だと感じています。

【2. 将棋】

男性利用者様で将棋をされる方多いですよね。ショートステイの時は将棋が出来る方が来所されるときは将棋が出来る方同士で席を一緒にする事や、他のユニットに入所されている方に対局を依頼する等していました。業務をしながらの事なので上手く対応できることばかりではありませんよね。

さらにはコロナ禍になるとショートステイは完全に隔離され、他のユニットへの行き来は禁止されるとユニット内でどうにかするしかありませんでした。つまらない思いをして頂きたくなかったので、将棋アプリで練習していました。小さい頃祖父から少し教わったことがあったのでちょっぴり助かりました。

教わったと言えど時々遊びに行った際に教わっていた程度。教えてもらいながらでないとうまくできません。利用者様に練習しているが完全には出来ない為教えながら対戦していただけないかと声をかけ行っていました。手を抜いたりハンディをくれたりしていましたが結果はいつも惨敗。

それでも「そこに置いていいのかぁ~?」「とっちまうぞ~。」「手を抜くのも大変だなぁ。」等なんだかんだ楽しそうに行ってくださっていたので覚えて良かったなと思っています。いつから覚え始めても遅くはないですし、やれることはやりたいなぁと思っています。

【3. 囲碁】

囲碁が出来る方って将棋に比べとても少ない印象があります。やってみて結構難しいなぁと思う事も。禁止手等理解できないのでこれもアプリやYouTubeなどを見て少しずつ覚えていきました。今回は順調順調と思っていてもいつの間にか囲われていて大量失点になることが何度あった事か…。

ルールを覚えるのが大変でした。手加減云々よりもセンスが無いなぁ~なんて感じていました。心理戦・頭脳戦だなぁと実感しました。いつもスタートの時点で駒を多く打たせてもらっていても勝てない!その利用者様が来るたびに利用中1回は対戦してもらうようにしていました。

また、この利用者様は囲碁の観戦も好きな方でご家族様より利用期間中に囲碁の試合がある時は見せて欲しいとの要望があったので見て頂いていました。何もない時は「家に帰る。」と帰宅願望がある方でしたが囲碁をしている時や見ている時は全く動かず集中されていました。

施設にWi-Fiを完備してからはYouTubeで囲碁の対局画面を流すようにすると落ち着かない時でも落ち着いて過ごせるようになりました。職員との関係性も囲碁の対局によって徐々に上手く取れるようになって行ったので利用者様の趣味を知る事と一緒にやる事って大切だなぁと感じています。

【4. 麻雀】

麻雀が好きな方もいらっしゃいますよね。「何だ麻雀出来ないのか。」と言われた事をきっかけにユニット費で麻雀を購入する事に。麻雀も囲碁と同様に出来る方は少ない印象があります。家に麻雀のゲームがあったのでやった事はありますが、役については全く分かりません。

出来るのは“チー”“ポン”と何となく“リーチ”リーチをかけて“ロン”や“ツモ”これは出来るのですがなんせ役なんて全く分からないので「何だそれでリーチかけたのか。」と言われることが結構ありました(笑)強い役はわかりませんが勝ちは勝ちなので勝つ回数を稼いでいました。

学生の頃、この3つとも得意な友人が居ました。その時は出来なくても将来に関わらないと思っていたのですが、友人は将棋が出来るという理由で介護施設に内定したと話していてそんな事あるのか!?と驚いた事を思い出しました。出来る事に越したことは無いですね!

介護施設内でも「あんちゃん。」と利用者様から声がかかるほど人気も出たそうで一緒に覚えておけば良かったなぁなんて思う事もあります(笑)しかし、今の時代アプリで覚える事が出来るようになっているので今からでも遅くはないと思っています。あなはた将棋・囲碁・麻雀の中で得意なものはありますか?

【5. 手話】

学生の頃点字や手話をかじっていましたが、使う機会が無いとすっかり忘れてしまうものです…。就職してからも10年以上手話を使う機会が無く、習得しようという気持ちすらなくなってしまっていました。習慣って大切ですね。

ここ数年、テレビドラマで手話を題材にしたものがいくつか放送されるようになり、またちょっと勉強しようかなぁなんて思っていた所、転職した先のユニットに手話・筆談をされる利用者様がいらっしゃいました。初めは筆談で話をしていましたが、ご家族様と手話で会話をされているのを見て“私も手話で会話したい!”と思うように。

手話辞典を数冊購入してまずは挨拶や食事・お風呂に関する手話から覚え手話で会話するようになりました。排泄に関してはピンポイントで“おむつ交換”や“おしっこ出ました?”等の手話が載っておらず排泄に関しては最後まで筆談でした…。転職して半年でまさかの異動になってしまったことがとても悔やまれます…。

手話を使って挨拶するようにした時の利用者様のとても嬉しそうな表情が今でも忘れられません。その後手話が出来る人だと思われ、普段通りのスピードで会話をしてくださっていましたが、本当に簡単な手話しか覚えていなかったので理解することが出来ずとても申し訳ない気持ちになりました。

“今手話の勉強中です。教えてください”と手話をして伝えた後、辞書を渡して意味が通じているか確認しながらの少しずつ覚えていきました。病院受診や面会の際に“いってらっしゃい”や“おかえりなさい”がスムーズに出るようになった時は自分でも嬉しかったですね。

異動したことによってまた手話を使う機会が無くなってしまったのが残念ですが、コミュケーションツールの1つとして習得出来たらいいなぁと思っています。出来るようになれば利用者様やご家族様とももっと会話が進むだろうなぁと感じています。願望ですが、介護用の手話の本が欲しいです(笑)

【6. 英語】

まさか介護施設で英語を覚えるとは思ってもみませんでした。海外に行ってみたいという憧れがあり1年程英会話教室に通っていたこともあるんですが、やはりアウトプット出来る環境って大切で話す相手がいないと覚えが悪いなぁと感じています。(私の場合はだと思いますが…)

介護施設にも外国籍の方が働きに来られていますが、私が出会った方々は皆日本語ペラペラで英語を話す必要がありませんでした。技能実習生は日本語のテストを定期的に受けているようで必死に日本語を勉強していました。漢字やどくとくなニュアンスの日本語もしっかりと理解できていて驚きました。

そんな矢先、転職した先の施設で初めて日本語があまり分からない方と出会ました。他の職員が付いて指導していたのですが何かの時に話をした際“あれ?日本語理解できていないかも”と感じる事がありました。話をしてみると漢字は全く読めずひらがなを読むのもやっとな感じという事でした。

性格なのか分かりませんが、その方は言われたことに対し「はい。」「分かりました。」と返答されていたため、指導していた人は理解できていないことに気が付いていませんでした。“もしかして日本語が分からないのではないか”という疑問を提示したことで他の職員さんも気にかけてくれるようになりました。

その結果やはり日本語を理解できていないという事が分かり、そこからどうしたら理解できるか本人と話し合う機会を増やすようにしました。漢字は読めないけれどローマ字なら読めるという事で名前にローマ字のロビを打つようにしました。

これだけで利用者様の名前を間違える事は減りました。また薬に関しては食前薬なのか砕くのか数回に分けるのか等も細かく英語表記をつけたり、排泄チェック表には排便の色や形状についても記載をして欲しいと英語で書いたりしました。英語を調べて書き出し、意味が通じるか確認したうえで記載するようにしました。

記録の打ち方についても“分からないからやらなくていい”ではなく、外国の方でも分かるように記録の仕方をスクリーンショット・書き方や意味・注意点を日本語で記入したものを印刷し、英語に訳してもらう事は本人に行ってもらうようにしてお互い歩み寄るような仕組みにしました。

そのうち今までは分からなくても“はい”と返事していた事も「すいません。これが分からない。」と聞いてくれるようになり、少しずつ距離感も縮まっていきました。利用者様からあがったクレームについても理由を説明しこうするといいと伝えたり、間違えないように英語表記をつけるようにしたりしました。

今更ですが、英会話教室に通っていた時にしみじみ勉強しておけば良かったと後悔しています。こういう時にすらすらと英語が話せる職員を見ると“カッコいいなぁ”“凄いなぁ”と尊敬しています。英語での連絡のやり取りをしてもらうようにしていますが、英語翻訳アプリは手放せません。

単語も大事ですが、まずは英会話が最低限スムーズに出来るようになりたいなぁと思っています。もし学生の方がこの記事を読まれていたら声を大にして“英語の勉強って大事だよ!!”と伝えたいです。介護施設では使う事が無いと思っていましたが、使います!!

この6つの事が介護士になってから覚えた事でしたがいかがでしたでしょうか?“あるある!”と思っていただけましたか?学生の頃に比べ学ぶ事って吸収が悪くなり難しくなっていきますが、学生の頃よりも楽しく学ぶ事が出来ているなぁと感じています。

いくつになっても自分のやる気次第で学ぶ事は出来ます。楽しく学んでいけてさらにそれが自分のスキルだけでなく周りの方とのコミュニケーションを円滑にとれる術になればなおの事いいですよね。これからもいろんなことを学んでいきたいと思います。一緒に頑張りましょう!!



プロフィール

介護の学校を卒業し、介護福祉士として働き始めました。

介護福祉士歴14年で、26歳の時に、半年間ベトナムでの施設ボランティアを経験しました。

介護施設は現在で5社目で、今はリーダーとして働かせていただいています。

身長150cm台の小柄な介護士として

Instagramでは介護をする方へ少しでも役に立てるような発信をする活動をしています。

「今日が1番若い日」を心がけて、お年寄りに接しています。

介護士歴12年目、リーダー歴約10年です。


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