第3回【お風呂介助時あるある7選】

第3回【お風呂介助時あるある7選】

お風呂介助って裸の利用者様の介助をするため、結構気を付けないといけないポイントがありますよね。素肌に石鹸で滑りやすく、掴むところが無い為転倒・転落のリスクを把握してケアしないとならなですし、その方一人一人のケアの方法を把握しておくことはとても大切です。

 例えばお湯の温度やシャワーキャップを被る、洗身用タオルでは内出血になりやすい為タオルや素手で洗う。感染症対策が必要で長靴やカッパの着用が必須だったり、個人のシャンプー、ボディーソープがあったり、入浴の順番にこだわりがある方がいらっしゃったり…。

ひとえにお風呂と言っても上記のように細かい決まりや注意点があることも。怪我や溺れてしまうリスクや意識喪失など命にかかわってくるインシデントが発生してしまう場合もありますよね。入浴時の注意点については今後記事にしたいと思います。

今回はお風呂介助といったらこれあるあるだなぁと感じた事をまとめました。皆さんはお風呂介助あるあると聞いて何を想像されましたか?10年以上介護の仕事に携わって感じたあるあるだなぁ~と思った事を7つまとめました。皆さんが想像された内容は入っていましたか?

1.内出血や剥離・掻き傷をみつけがち

服を脱いだ時に「あっ!!」と見つけがちですよね。事故報告書を書かなくてはいけない場合が多く、見つける確率が高いと「あぁ…。また見つけてしまった…。」と思ってしまいます。「これは数日前からあったのでは?誰か知っていたのでは?」と疑ってしまう時も…。

しかし、落ち込んだり疑ってばかりではいけませんよね!!どうしたら内出血・剥離・掻き傷を減らすことが出来るかまで考えて対策を立てないと何度も同じ事故報告書を書くようになってしまいます。

・自分で動いている際にぶつけるのか?

・自分では動けない方の場合、どこにぶつけてしまう可能性が高いのか?

・ベッドや車いすの出っ張りに擦ってしまい剥離してしまうのか?

・自分で掻いて剥離してしまうのか?

・爪が伸びていて剥離しやすくなっているのか?

・下着の素材が合わずにかゆみが発生しているのか?

・皮膚が乾燥しているのか?

・疥癬など皮膚トラブルが起きているのか?

等々いろいろな事を想像し検証する必要があります。ぶつけてしまうのであればベッドや車いすを保護する・レックウォーマー等で皮膚を保護する。爪を切る。痒みであれば皮膚科を受診する。保湿クリームを塗る等…。

対応策の引き出しが多ければ多い程いろんなことを試すことが出来ると思います。皆で観察して検討して防いでいけるといいですね。それがケアの質を高めていける事だと考えています。

2.服を脱ぐとき皮膚雪が舞う

皮膚雪とはなに?と思われる方が多いかもしれません。私が勝手にそう呼んでおり、老人性乾皮症等皮膚の乾燥が原因で皮膚が粉を吹いて舞う事をそう呼んでいます。吸い込まないように注意している職員さん多いのではないでしょうか?

特に冬場は乾燥する為夏場よりもさらに粉を吹きやすいですよね。ここで私たち介護士が予防対策できる事をご紹介します。手間と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、介護のプロとして出来る事は行っていきたいですね。

まずはやはり保湿!!セキューラ軟膏、ヘパリンクリーム、プロペト、ワセリン等病院によって処方される軟膏が変わってきますが、処方された軟膏だけでなく市販のニベアクリームを併用することもあります。その方に合った保湿剤が見つかるといいですよね。

塗る時間帯についてですが、以前勤めていた施設ではお風呂の時はもちろんですが、夏場は就寝時、冬場は起床時と就寝時に全身に塗っていました。何か所かの施設を経験しましたが、ここまでしっかりできていた施設はその施設だけでした。

次に湿度管理です。冬場はとても乾燥しやすいことに加え暖房を常時使用していますよね。乾燥が酷くなりがちです。加湿器で常時湿度を保ち、加湿器が無い場合はバスタオルを濡らし柵にかける等少しでも乾燥を防ぐように努めています。

加湿器についてちょっとアドバイスを。安い加湿器が用意しやすいのはとてもよくわかるのですが、やはりメーカーの物の方が壊れにくく且つ掃除がしやすくていいと思います。安いものはすぐに壊れている印象があります。

また、できればタンク式で容量の大きい方が何度も水を補給しなくて済むためありがたいです。小さい容量だと水が切れてしまっても補給に手が回らず止まってしまっている場合があります。

 お風呂の温度にも注意が必要です。

温度が熱いと皮膚の皮脂を余計に取ってしまう為乾燥しやすくなってしまいます。また、長湯も同様です。熱すぎず、長風呂にならないように気にかけてあげましょう。

身体を洗う際は柔らかいタオルや手で優しく泡で洗うようにすると皮膚に優しく洗うことが出来ます。泡タイプの石鹸が良いなぁと個人的には思っています。まさしく「摩擦レス~。」です!!皮膚の乾燥が酷い方で個人で用意できる方は是非ご家族様に相談して用意していただけたらと思います。

下着も出来たら綿100%の物がいいですね。裏起毛のようになっているものやアクリル等が入っている下着は皮膚が弱い方にはちくちくして痒みが酷くなるような印象があります。

3.カランと間違えてシャワーを出してしまい浴びて濡れる

これは結構経験された方多いのではないでしょうか?下を向いて蛇口をひねってカランからお湯を出そうと思っていたら、急に頭にシャワーが…。内心「ウワ~。やってしまった。」と凹みます。

お風呂から出て「あれ?髪の毛洗ったの?」と利用者様や職員から聞かれることも()お風呂介助の時は着替え衣類を忘れないように気を付けないとですね!忘れたときは帰宅するまで気持ちがブルーです…(泣)

4.職員にお湯をかけてくる。全身びしょびしょになる

ふざけてかけてくる方、お風呂を嫌がり抵抗されるときにかけてくる方、中には職員の服をびしょびしょにして着替えさせようとセクハラ目的の利用者様がいらっしゃいます。

お風呂介助の時は全身が濡れる覚悟で着替え一式を用意しています。たとえ全身濡れても着替えられると分かっていれば落ち込まなくて済みますし、セクハラも避けられます!!

セクハラの場合は出来れば同性介助にして、こういう状況を作らない環境整備も大切になってきます。それ以外のかけてくる方の場合は回数を重ねるうちに慣れてきてサッとよけられるようになることもあります。

5.湯船の中で浮いてしまう方がいる

痩せてしまっている方、座位が保てない方に多い印象です。一般欲では溺れてしまう危険があるため、寝台の機械浴でベルトを着用して対応したり、リフト欲でも浮かないように体を抑えたりする必要があります。

100円ショップで販売している旅行時に使う首に装着するエアーネックピローを使用して頭が湯船に落ちてしまわないようにする工夫がおススメです。頭が湯船につかってしまう方に是非試していただきたいです。

6.足裏の垢が凄い

週に2回しかお風呂に入れないこともあり足裏の垢が凄い方が多いです。湯船に浸かってある程度ふやかしてから、浴槽から出て上がり湯の時をかける時にかかとや指の間を軽くこするとポロポロ…。このポロポロ感が結構快感になるのは私だけでしょうか()

垢は軽くこすって取れる程度で終わりにすることが大事で、こすりすぎると余計な皮膚まで落としてしまい傷が出来てしまうことがあるため気を付けないといけません。

また、手に麻痺がありギューッと握ってしまっている方は指を入れて手の平、指の間の垢もこすって落としてあげるようにします。水虫になっていることもあるので皮膚の観察も大切です。

7.浴槽内で排便や排尿等用を足してしまう方がいる

排便や排尿の感覚が無い方に多いですが、裸になってシャワーチェアーに座っていると解放感からか排便や排尿が出てしまう方がいらっしゃります。排便の方には申し訳ないのですが、浴槽内でも排便が出てしまう可能性が高い為シャワー浴に切り替えます。

もちろん、排便が止まりそうな時やお尻を洗っていて出なくなったときは浴槽に入れることもあります。大丈夫だと思って湯船に入ったらプカプカと浮いてくると「ダメだったか…。」と悔やみますね。利用者様の体が排便で汚れてしまわないように出ていただき再度軽く体を洗って終了します。

シャワー浴では体が冷えないようにバスタオルを体にかけて少し熱めのシャワーをかけて体を温めます。浴槽に浸かるよりも体が温まりにくいですが、まんべんなくシャワーをかけて冷えないように気を付けましょう。

お風呂が終了し脱衣所に出る時も注意が必要で排便や排尿で車いすが汚れないように、出る可能性が高い方の場合はフラットパッドやパッドを敷いてガードします。男性の方で出てすぐに放尿されてしまう方がいらっしゃり、職員にかかってしまう時もあります。とてもショックです。

その可能性が高い方の場合はパッドで陰部を覆うようにして対処します。これを忘れると脱衣所や着替えた衣類、車いすや職員が排尿で濡れる可能性がある為、結構重要な工程です。

以上がお風呂介助あるあるでした。皆さんが想像した内容は入っていましたか?介護経験者の方は結構あるあるかもしれませんが、全く知らない方は衝撃の内容だったかもしれません。

少しでも介護に興味を抱いたり介護現場の実情を知って頂けたら幸いです。介護士の方には「あるある~。」と楽しんでいただけましたら嬉しいです。最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事を楽しみにしていてください。



プロフィール

介護の学校を卒業し、介護福祉士として働き始めました。

介護福祉士歴14年で、26歳の時に、半年間ベトナムでの施設ボランティアを経験しました。

介護施設は現在で5社目で、今はリーダーとして働かせていただいています。

身長150cm台の小柄な介護士として

Instagramでは介護をする方へ少しでも役に立てるような発信をする活動をしています。

「今日が1番若い日」を心がけて、お年寄りに接しています。

介護士歴12年目、リーダー歴約10年です。


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弊社担当よりご連絡いたします。

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