第4回【お年寄りの歯あるある11選】
今まで自分の歯し位しかよく見たことが無かった生活でしたが、介護士になってからお年寄りの歯をよく観察するようになりました。驚く事も多く、80歳で20本の歯が残っている方、1本も残っていない方この差はなんだろうか?と疑問に思うことも。
私たち介護士のケアによって誤嚥性肺炎のリスクを下げたり、自分の歯でしっかり食事を食べることが出来たりすることが出来ます。ケアの時に意識していることに関しては次回記事にしますが、今回はお年寄りの歯あるある編をまとめました。
介護士の皆さん、在宅介護をされている皆さん、読んでいてきっと“それあるある~”と思う事があるのではないでしょうか?是非楽しんでご覧ください。
Contents
1.歯茎でおせんべいが食べられる
歯がすべて抜けてしまっているA様。抜けたばかりの時は歯茎が柔らかく常食は歯茎に食い込み痛くて食べられないと話していました。しかし、入れ歯は違和感があり入れたくないとの事でお粥に極刻み食で召し上がっていました。
時間は経過し、おやつの時間どうしてもおせんべいが食べたいと歯茎の状態で挑戦されました。職員たちは唾液で溶かしながら召し上がるのかと思っていましたが、予想とは全く異なり“バリッ。バリッ”という快音が!!
A様の方を見ると歯のない歯茎でバリバリ・ボリボリおせんべいを召し上がっていました。まさかの出来事に職員同士目を合わせて笑ってしまいました。歯磨きの時に歯茎を触らせていただくと、歯のように固くなっていました!!
歯茎も進化するんだねぇ~とA様や職員と笑っていました。
2.歯が無いと歯茎が固くなる方がいる
【1.】でもご紹介しましたが、歯が無くなると歯茎って固くなるんです!!ただ、口から食べている方に限るように感じている部分もあり、歯茎も状況に合わせて進化するのかと驚いています。
歯茎がプニョプニョの方に噛まれたとしても全く痛くないのですが、A様に噛まれた時はとっても痛かったです(笑)歯より鋭利ではないためかみちぎれる事はないですが、骨が折れる事はあるかもしれません。歯が無いからといって侮れないです!!
3.歯茎で噛まれても痛くいない方がいる
【2.】の反対になりますが、歯茎がプニョプニョしている方もいらっしゃいます。本当に人によって違うので驚くばかりです。硬さが必要な方の歯茎は固くなり、使わない方は固くならないのでしょうか?人体ってとても不思議です。
4.歯がある方より無い方の方がケアしやすい
これはもう皆さんうなずかれていらっしゃるのではないでしょうか?自分の歯で食べられることってとても大切で健康にも影響があるほどなので自分の歯があった方がいいことは間違いないのですが、大きい声では言えませんが、歯が無い方の方がケアはしやすいです。
歯がたくさん残っていたりまだらに残っていたりする方の場合、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやポイントブラシ、マウスウォッシュなど複数の物品を使用しないと綺麗になりにくい傾向にあります。
また、認知症の症状が強い方の場合は歯磨きが理解できずとても嫌がり口をぎゅっと閉じてしまったり手で職員をたたいたり口を押さえてしまったりして中々うまくケアが出来ません。それをクリアして綺麗に出来たり歯科診療で褒められたりすると嬉しいんですがね。
嫌がる所を無理やりケアするのは結構胸が痛む事もあるのですが、あの手この手で工夫して少しずつ歯磨きできる時間を伸ばし時間をかけてクリアしています。
5.くしゃみで入れ歯が飛び出る
入れ歯って作った日から年数が経ったりしばらく使用しなかったりすると歯茎の形が変わってしまい合わなくなりがちです。合わないと上の入れ歯は“カポカポ”と下に落ちやすくなってしまいます。ポリグリップが使用できる方は良いのですが、使用できない方も中にはいらっしゃいます。
ポリグリップを使用できない原因としては使用するご本人様の認知症の症状で出し入れが難しい場合、介助を嫌がるもののご自身で使用する場合適切に使用できない場合や経済的な問題等様々あります。
入れ歯が合わないと話をする時に落ちてくることを気にして話が出来なくなってしまったり、歯茎と入れ歯の隙間に食事のカスが入ってしまい不快感を感じることがあります。
そして何よりタイトルのようにくしゃみをする際吹き飛んでしまうことがあります。一生懸命入れ歯が出ないように口を閉じてくしゃみをしていた方でも数回くしゃみが続くと最後の方で“ハックション”と共に入れ歯が“ポ~ン”と口からすごい勢いで出ることがあります。
笑ってはいけない事はわかっているのですが、どう頑張っても笑いを堪えられず笑ってしまします。飛び出た際に入れ歯が欠けてしまうこともあるので、よく確認してあげてください。
6.入れ歯が入っていない顔も好き
入れ歯が入っている時と入っていない時の顔って本当に違いますよね!!入れ歯が入っている顔は本来の精悍な顔立ちですが、入れ歯が無い口がすっぱい梅干を食べたかのようにすぼまっている顔もまた好きなんです。 日中は見ることが出来ない特別な感じがいいのかもしれません。
7.入れ歯を外すと何を話しているのかが分からない
話をするのにもとても大事なパーツなんだなぁと思います。入れ歯は入っていると発音よく会話できますが、入れ歯を外した途端呂律が回らないかのような話し方になってしまいます。ある程度関係性が築ける頃にはだいたい何を話しているか分かってきます。
異動してきた職員さんや実習生の方になぜ聞き取れるのかと驚かれることもあるあるではないでしょうか。
8.高齢者のケアの方が自分よりも丁寧にケアしている
自分の歯がある方は歯周病や歯肉炎にならないように、歯が取れてしまわないように様々な物品使用します。歯ブラシもフラットタイプではなく、先が細くなっているものが良い方や子供用の歯ブラシの方がいい方等千差万別です。
他にもマウスウォッシュやポイントブラシ、歯間ブラシ、糸ようじ、口腔スポンジに、口腔ガーゼ、口腔ジェル等々。自分のケアよりも時間も種類も多く使用しています。今から自分も歯を大切にしなくてはと思う日々です…。
9.歯が取れていく
グラつく歯があるのはあるあるですよね。1本が取れると連鎖して次々に取れていきます。飲み込んでします事もあり、歯磨き中に歯の状態観察をすることも大切な仕事のひとつです。取れた歯を取っておくのか、捨てていいのか迷うのもあるあるではないですか?
10.入れ歯の歯が取れたら接着剤で接着する】
これは本当に驚愕した出来事です。「あれ!歯が取れちった。」と入れ歯の前歯を手に持っていた男性利用者様。慣れている様子で「これでくっつければ大丈夫だぁ~。」と取り出したのが瞬間接着剤!!
口に入れる入れ歯に瞬間接着剤!!!???と驚くと同時に止めに入り、歯医者に行った方がいいと伝えるも頑なに「今までもそうしてきたんだから大丈夫だ。」と付けてしまいました。
身体に害が出る可能性もあり、ご家族様やケアマネージャー、相談員にすぐ報告しました。害はなかったようでしたが、とても驚きました。
11.しばらく使っていない入れ歯に黒カビが生えている】
入れ歯が合わなくなり外し、水に浸し続けていた利用者様。お亡くなりになられた際、入れ歯を入れようとケースから取り出すと黒カビで真っ黒に!!
使っていないからと確認がおろそかになってしまっていました。その経験からは使わなくなった入れ歯は乾かして保管するか、高頻度で水洗いしてカビが生えないようにするか対応しています。
お年寄りの歯あるあるいかがでしたか?Instagramの内容よりもさらにいくつか内容を増やしてみました。 “あるある~”と共感頂ける物はありましたか?また、乗ってないけどこれもあるあるなんだよなぁ~と思う内容がありましたら是非Instagramの方にコメントを頂けましたら嬉しいです。
こちらの記事ではInstagramでは載せきれない内容までより濃い内容を発信していきますので楽しみにして頂けると嬉しいです。ご要望がありましたら、そちらもコメント頂けましたら嬉しいです。
皆さんと一緒に質の良いケアができるように私自身も沢山勉強して学んでいきたいと思っています。一緒に介護の仕事を盛り上げていけたらと思います
プロフィール
(2022年10月18日)