第9回【知って得するおむつのプチ知識】
昨年“おむつ情報局”主催のおむつのセミナーを受講し終え晴れて“地域おむつアドバイザー”の一員となることが出来ました。勉強すればするほど排泄について奥が深くて難しいなぁと思う事が多くまだまだ半人前ですが、学んだ事を広めていけたらなと思いまとめました。
勉強して始めて知ったこともあり今までの考え方が間違っていたのだと驚いた事もあります!!少しでも皆さんのお役に立つことが出来ればうれしいです。ちなみにですが、一般的におむつと呼ばれているものは“テープ型おむつ”リハパンは“パンツ型おむつ”と呼ばれています。
地域おむつアドバイザーとしてテープ型、パンツ型と記載していきますのでよろしくお願いいたします。
Contents
【1. 総吸収量と目安吸収量がある】
テープ型、パンツ型おむつやパッドには“総吸収量”と“目安吸収量”があります。市販されているものは全て“目安吸収量”で書かれていますが、施設や病院専用の物には“総吸収量”しか書かれていません。
今までは袋に書かれていた吸収量で選定していましたがこの選定方法は間違っていたという事が分かりました。“総吸収量”とは端から端までもうこれ以上吸えないという状態で“目安吸収量”では荷重をかけても逆戻りしないという事です。これはセミナーを受けて初めて知り、目から鱗でした!
今までは施設用の吸収量を参考に尿測して選定していましたが、MAXまで吸収する場合は肌に逆戻りする可能性があるとの事。これでは漏れや皮膚トラブルを起こしやすくなってしまいますよね!施設用の場合は自分たちで目安吸収量を計算して選定しなければなりません。
メーカーさん、施設用も目安吸収量で書いてください…と思ってしまいました(笑)ちなみにですが、総吸収量を目安吸収量に直すにはメーカーによっても異なりますが概ね5~7割程度の計算が多いです。例えば総吸収量500㏄のパッドの場合の目安吸収量は250㏄~350㏄となります。
大分変ってきますよね!!これを知らず尿測した時に400ml以上出ている方の場合、総吸収量500㏄のパッドを使用していると漏れる原因になるという事です。本当に知ると知らないとでは対応が変わってくるなぁと思いました。是非ご参考にしてみてください。
【2. テープ型おむつやパッドには破れやすい方向がある】
テープ型おむつやパッドは縦の引っ張る力には強いですが、横の引っ張りには弱い性質があります。パッド交換時に横方向に引っ張って破ってしまったことありませんか?破けてしまうと中のポリマーや綿状パルプ、吸収紙が出てきてしまい大変な事に…。
微調整する際でも横方向に引っ張らないように気をつけましょう!!
【3. ギャザーの立て方のポイント】
ギャザーってとっても重要な役割を果たしています。ギャザーをしっかりと立てている時と立てていない時では失禁率が大分変ってきます。ギャザーの重要性を理解してパッド交換している方の時は失禁が少ないなぁと感じています。
ギャザーの役割は“防波堤”をイメージしていただくと分かりやすいかと思います。防波堤がある場所と無い場所では洪水の危険性が変わってきますよね。ギャザーをしっかり立てるように意識するだけでも失禁率が減ってきますので意識して当ててみましょう!!
また、今まで私はギャザーを立てる際は手でギャザーを引っ張って立てていましたが、なんと!前後に軽く引っ張るだけで簡単にギャザーが立つという事を知りました!!驚きでした。手で引っ張っていた方は是非前後に引っ張ることを試してみてください。
パンツ型おむつの場合は前後に軽く引っ張るとギャザーが立ちやすくなります。軽く引っ張ってもギャザーが立たない時は指で軽く引っ張って立ててください。
【4. 立体ギャザーはゴム製】
ギャザーの素材についてセミナーを受けるまでは考えたこともありませんでした。学べば確かに伸縮する為ゴム製という事が容易に理解することが出来ました。ゴム製という事は述べた通り伸縮する性質がありますので扱いには十分に気をつけないといけません。
鼠径部にピッタリ沿わそうと引っ張って当ててしまうとその後縮もうとする反動で皮膚を擦ってしまい皮膚トラブルと起こす原因になってしまいます。鼠径部に赤い直線が出来てしまっている時はギャザーを引っ張って当てていないか確認する必要があります。
鼠径部に当てる時は軽く、優しく当てるようにしましょう。ギャザーがしっかりと鼠径部に当たっていない時は自分で当ててみるとよくわかりますが違和感が凄いです!気持ち悪いのでギャザーの位置を気にしながら対応できると良いですね。
【5. ギャザーは横向きには弱い】
仰臥位で寝ている方よりも側臥位で寝ている方の方が失禁している事が多く無いですか?実はギャザーは仰向けの状態ではしっかりと防波堤の役割を果たしてくれますが、横向きの状態では排尿の重みでギャザーが倒れやすく防波堤の役割をしっかりと果たすことが難しくなります。
失禁が多い場合は無理してパッドを1枚で使用するよりもテープ型おむつの検討をすることも大切です。また、側臥位になる場合、パッドを下側多めに当てる事も有効です。実際に下側多めに当てる事で失禁が無くなった方もいました。
この場合は尿量とパッドのどの範囲が濡れていて、どの範囲は濡れていないか、何時ごろの排尿が一番多くどのタイミングで交換した方がいいのか、一定期間検証して当てる面積を工夫していきました。分析することがとても重要です!
おむつのプチ情報いかがでしたでしょうか?学ぶ事って大切だなぁ~とセミナーを受けて身をもって感じました。今までは感覚で行ってきていましたが、メーカーさんやおむつを専門で研究していらっしゃる方々の情報は凄いです!
これからも沢山学んでブログを読んでくださっている皆さんへ分かりやすく情報を発信していきたいと思っていますので楽しみにお待ちください。
プロフィール
(2023年1月20日)