第10回【食事を食べる際に気をつけたいポイント7選】

第10回【食事を食べる際に気をつけたいポイント7選】

私たちは普段食事を食べる際の姿勢ってあまり気にしないですよね…。それは姿勢によって誤嚥するリスクが少ないから。高齢者は姿勢が悪いと誤嚥するリスクが高まります!!咽ることが出来る場合はまだいいですが、静かに誤嚥・窒息している場合もあります。

介護士にならなかったらきっと姿勢なんて気にしなかっただろうなと思います。食事は生きていくうえでなくてはならない事です。また利用者様にとって1日の中での唯一の楽しみになっている場合も多いです。介護士が出来るケアのポイントをまとめました!!

【1. 立ったまま食事介助を行わない】

自分が椅子に座っていて隣に人が立つと自然と見上げる姿勢になり顎が上がりませんか?そのまま食事を介助されたらどうでしょうか?食べやすいですか?私たちは食べられない事は無いかもしれませんが、利用者様はどうでしょうか?

介護現場ではまだ立ったままの食事介助を目にすることがあります。“いつでも動くことが出来るようにと立っている”“座って介助をしなくてはならないと教わったことが無い”“座ったり立ったりすることが面倒”“椅子に座ると先輩から注意されてしまう”等理由は様々でした…

食事介助の方って認知症で食事が理解できない方や身体が思うように動かなくなってしまい、自分で食べたくても食べられなくなってしまった方が主です。自分のタイミングで食べることが出来ないため介助だけでも咽やすいうえにさらに姿勢が崩れてしまったら余計に咽ますよね。

しっかり「食べにくい。」と言える方は良いですが言いたくても言えない方、介助してもらっているのに申し訳ないと思っている方、食事を食べている事を理解できていない方は何も言えないことも少なくありません。

時々こっそり「あなたの介助が一番食べやすい。」とおっしゃられる方がいらっしゃいますが、なんだかとても申し訳ない気持ちになります。介助をする際は利用者様と同じ目線になれるように椅子に座って介助しましょう。

先輩に言われてしまうとやりたくても出来ないかもしれませんが、会議の議題に出してみる・看護師やST・OTから指導してもらう・真似しないと自分に言い聞かせて椅子に座って介助する等試していただきたいと思います。誤嚥した時に後悔するなら是非解決しましょう!!

【2. 食事姿勢を整える】

仙骨座りや左右に傾いていたり、後ろにのけぞったりする体勢になっていませんか?またはリクライニングシートを倒しすぎたりベッドのギャッチが上がっていなかったりしていませんか?姿勢が崩れた状態で食事を摂ると気管に入りやすくなってしまいます。

STさんやOTさんが常駐している場合は相談して対処してもらう必要があります。いない場合は自分たちで解決しなくてはなりませんが、看護師も交えて対処できると良いですね。今はYoutubeで座位の治し方等の情報を得る事が出来る時代です!!

是非活用しながら出来る事から取り入れていただきたいと思います。座位が崩れてしまうのはお尻や背中が痛くてなのか、足の位置が合わないからなのか等原因によって対処方法は異なってきますよね。クッションを使用したり車いすを変更してみたりできる事から行います。

仙骨座りの方の場合、車いすや椅子の前側(膝側)が高くなるようにクッションやタオルをおいてみるだけで解消できた方もいらっしゃいました。円背の方の場合、車いすの座面を円背の曲がり具合に合わせてたゆませたり、椅子の場合は隙間が出来ないようにクッションを入れたりするだけでも姿勢崩れが解消された方もいます。

私は介護職なので身体の仕組みまでは良く理解できていません。できれば専門家の方に見ていただきたいですが、いない場合はどうしても自分たちで解決しないとなりません。YouTubeがあって良かったと本当に感じています!!

【3. 足の位置を確認する】

【2.】と重なる部分がありますが、足の位置も重要です。足が浮いてしまっていたり前の方に伸びていたり、フットレストの上で窮屈に曲がっていたり…。椅子に座りこのような体勢を取ってみてください。きっと姿勢よくすわっている事は難しいと思います。

足が床につかない場合は足台を用意する。足が伸びてしまう場合は座面の高い椅子や車いすに変更する。フットレストの上で窮屈に曲がっている場合はフットレストから足を下す。出来る事はいろいろとあります。足の踏ん張りが効かない方には板を設置してあげると良かったです。

これもSTさんやOTさんがいらっしゃる場合は相談して対処してもらってください。いない場合は参考にしてみてください。

【4. おかずとご飯をぐちゃぐちゃと混ぜない】

本人希望の場合は除きますが、介助が大変だからとおかずを全てご飯に混ぜていませんか?綺麗に分けて乗せているならまだしも、おかずを全部ぐちゃぐちゃに混ぜている光景を見たときは驚きとショックで言葉が出ませんでした…。

しかも、ご飯とは一緒に食べないおひたしやフルーツまで一緒に混ぜている方も居て“自分だったら食べるのかい?”と聞きたくなりました。転職直後だったため直接伝える事は出来ませんでしたが、利用者様に「味分かりますか?」「美味しいですか?」と遠回しに聞いていました。

まぁこんな事してもやっている方には全く響くことが無かったですが、こんな食事食べたくないよなぁ~と思いながら介助していました。慣れてきてからは「私だったらこれ食べられないんですが、食べられますか?」と聞いてみたりしていました!!

「これ何食べているか分かるんですかねぇ~?」「別々で食べたいと思いませんか?」「自分の食事がこんな風に出てきたら食べますか?」とも聞いていました。だいたい帰ってくる返答は“食べたくないです”“何を食べているか分からないと思います”という事でした。

そこからは次第に全部混ぜる事はなくなり、1品食べ終わったら次の1品をご飯に乗せるようにな流れになりました。大きな一歩だと感じています!私の場合は言える人なのでいいですが、言えない人は心を痛めているんだろうなぁ~と思っています…。

食事介助に時間がかかるのは分かります。しかし、全部混ぜても混ぜなくても食べる量が変わることはありません。時間もそんなに変わりません!!食事の度に何を食べているのか分からない・まずい食事を食べるよりも味が良くわかるように介助していきたいなぁと思っています。

【5. 薬をご飯と混ぜない】

ご飯に薬をぐちゃぐちゃと混ぜる光景を見ることがあります。薬って苦いですよね。苦い薬を美味しいご飯に混ぜたらおいしいわけがありません。苦くて飲めない方もいらっしゃるとは思いますが、仕方がないと決めつけずに出来る工夫をして頂きたいなぁと思っています。

例えば水分ゼリーやトロミのついた水分で薬を包むようにしたり、食感で吐き出されてしまう場合は食事を少し別皿に移してその分だけに薬を混ぜたりするだけで変わってきます。美味しい食事は美味しく召し上がって頂きたいですよね。

漢方もご飯に混ぜているしまっては白いご飯が茶色になりますし、臭いも漢方独特なので食べたいとは思えませんよね。もし数口食べていらないとなった場合薬が飲めないことにも繋がります。苦い思いは少なくなるように工夫出来たらいいですね。“お薬飲めたね”等を使用するのもありだと思います。

薬なので中々試す事は難しいですが、一度職員が体験する必要があるよなぁ~と感じています。出来たらご飯のぐちゃぐちゃ混ぜも一緒にやってみたいと思っています!!自分が体験してみないと相手の気持ちって案外分からないものなのかなぁ~と感じています。

【6. 咽る原因を探る】

何に咽ているのかを探ることってとても大切です。咽るには原因があります。食事形態なのか、食材なのか、トロミの付き方が弱いのか、水分でなのか等を観察して咽るものを取り除いていく事で誤嚥や誤嚥性肺炎を防ぐことに繋がります。

意外と食形態を細かくしすぎて咽てしまう方もいらっしゃり、一口大やあら刻みに形態を上げたことで咽が軽減されたケースもあります。細かい方が結構気管に入りやすいです。また、“お酢”がきつくて咽る方もいらしゃいます。私でも咽てしまう時があるので、利用者様は咽やすいだろうなぁと思います。

何に咽ているのかを記録やメモ等に書き出して分析していく事・周知していく事が大切になってくると思っています。ある程度その食材で咽ると分かれば食事形態やトロミの強さを変更するなどして対策しましょう!!

【7. 盛り付けを綺麗にする】

取り分け配膳を行っていた時、汁が垂れていようがグチャっとよそろうがお構いなしの方が居ました。見た目って大切ですよね。また、お皿を持った時にぬるっと汚れていたら嫌ですよね。お店のように時間をかけて綺麗に盛り付ける必要はありませんが見栄えが悪くないように盛り付けましょう。

汚れた部分はふき取る・間違って違うお皿に盛りつけてしまったら一度お皿をゆすいで綺麗にしてから盛り付ける等些細な事ですが些細な事こそ積み重ねだと思います。利用者様って結構見ています。「あの人の時はお皿が汚いんだよなぁ~。」「あの人の時は綺麗だよ。」等耳に入ってきます。

利用者様への信用にも繋がってきますので、是非気にしていただきたいポイントです!!

食事について如何でしたでしょうか?結構面倒だなぁと思われましたか?それとも気をつけなくちゃなと思われましたか?ちょっとした事かもしれませんが、この積み重ねが信頼につながると感じています。出来ている人を見ると“いいなぁ”と感じますし信頼度が上がります!!

同じ仕事をするのであれば信頼されながら働いていきたいですよね。“あなたに任せれば安心”ってとっても重要だと思います!是非目標とされる職員を一緒に目指していきましょう!!



プロフィール

介護の学校を卒業し、介護福祉士として働き始めました。

介護福祉士歴14年で、26歳の時に、半年間ベトナムでの施設ボランティアを経験しました。

介護施設は現在で5社目で、今はリーダーとして働かせていただいています。

身長150cm台の小柄な介護士として

Instagramでは介護をする方へ少しでも役に立てるような発信をする活動をしています。

「今日が1番若い日」を心がけて、お年寄りに接しています。

介護士歴12年目、リーダー歴約10年です。


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