第26回【覚える為に工夫している事5選】

第26回【覚える為に工夫している事5選】

介護の仕事ってケアの方法から専門用語等覚える事が沢山ありますよね。新卒の時専門用語が沢山行きかっていて何が何のことなのか理解できずに“えっ!?何それ?”ってなった事が幾度となくありました。介護を始めたばかりの頃ってそうなりませんでしたか?

専門用語なのか何なのか分からず、申し送りで話している内容は全部紙にメモして後から調べたり先輩に聞いたりするようにしていました。今では笑い話ですが“ももひき”“傾眠”も申し送りのスピードの中では理解で来ていませんでした。

新卒の頃は専門卒や介護施設でアルバイトをしていた同期に比べるとどうしても覚えが遅い自分が情けなくて、先輩が優しくて余計に不甲斐なさを感じて落ち込む日々を過ごしていました。覚え方を自分なりに習得してからは異動や転職時にも大いに役立っていると感じているので今回は工夫している事をお伝えします。

【1. 居室や席は図を書いて覚える】

部屋や食事の席ってもう決まっている事が多いですよね。ショートステイやデイサービス以外では毎日変わるわけではないため見取り図にして書くようにしています。テレビの位置・カウンターやキッチン・ベランダ等分かる部分を書いてテーブルの形も大まかに書きます。

車いすの人と椅子の人で色を使い分けるととても見やすいです。利用者様に特徴がある場合はその特徴もメモすると顔と名前が一致しやすいです。また、転倒注意などの細かい注意点も食事の席に書き出します。図面と一緒に注意点が書いてあることによって1枚1枚注意点を書いた紙を探さなくて済むので見やすいです。

居室も大まかにユニット内の見取り図を書いてそこに部屋番号と利用者様の名前を書きだします。部屋の中は1部屋1部屋ざっとベランダ・洗面台・トイレなどの設備を書いてからベッドの向き、頭の位置、ポータブルトイレ・車いすの位置などを書き出します。

必要であればセンサーマットの有無や転倒・転落注意があるのか・就寝時の電気はどうするのか・部屋に用意する水分等があるのかどうかも書くようにしています。動きながらペラペラと見返すよりも付箋を付けてこのページを見ればまとめてあるという事が分かるようにすると尚見返しやすいです。

そこに書ききれない部分は次のページなどに書いていき、後で見返して違うノートや紙にまとめるのもいいと思います。“パッと開いてすぐ確認が出来る”“開いたページに多くの情報が載っている”という事が早く覚えるためには有効的だと感じています。

【2. お箸などの自助具の絵を描く】

ユニット型特養の場合、お箸などの自助具は個人購入してあることが多いです。使う用具もそれぞれ異なっており頭だけで覚えるのは時間がかかる作業です。間違って他の方に出してしまうわけにもいかないので大雑把でいいので絵を描くようにしています。

どのように絵を描いていくのかというと、四角い枠1人1人分けて書きその中に自助具やお盆なのかランチョンマットなのか、食事用エプロンが必要かどうか・トロミの有無や濃さを書くようにしています。1人1人分けて書くという事がポイントです。

書き方の例としてお箸であれば柄や色の特徴を書いたり、右利きなのか左利きなのかでお箸の向きを変えたりして書きます。スプーンやフォークを使用するのであれば大きさや福祉用具の物なのかで書き方を変えています。ただ単にスプーンと書いてあるよりも絵があることによって見やすくなります。

ご飯茶わんや汁椀・食事形態なども人それぞれ細かく異なります。ご飯だけでもペースト粥・お粥・軟飯・常食・パン食と複数の種類があります。ここに味噌汁の具の有り無し・塩分制限による味噌汁の量・ご飯のグラム数も加わると食事量だけでも結構な情報量ですよね。

メモしたところをペラペラとめくって1人1人の情報を得るよりもまとめて書いてあることによって食事も見やすくなります。“まとめる”事を意識して書いていくといいですよ!是非試してみてください。

【3. コップの絵を描く】

これも先ほどまでと同様ユニットケアでは個人で用意する事が多いので特徴を書くようにしています。コップも陶器・プラスティック・マグマグ・吸い飲み・ペットボトルなど使うものは様々です。色が違うだけで同じ物を使う方もいらっしゃるので、間違えないようにしないといけません。

さらに水分制限がある場合には何時に何cc提供するのか、トロミを付ける場合には200ccに対して小さじ・大さじ何杯入れるのか・好みの水分や嫌いな水分を書くようにしています。これ以外にもぬるめにする・熱いままの提供がいい等の好みも重要ですよね。これを覚えるのも本当に苦労しました。

【4. 排泄介助の準備】

これは従来型特養の時にとても苦労しました。新卒で配属されたのが従来型特養でした。ここは遅番で出勤したら就寝時の排泄用具を準備するという決まりがありました。従来型特養では就寝介助も30名行っていたためトイレ介助を行う方用の分を用意することが地味に大変でした。

個人用の籠がありそこに使うテープ型おむつやパッドをいれていたのですが、毎回サイズが書いてある紙を見なくては用意することが出来ず時間がかかっていました。慣れている先輩方はものの数分で準備が終わっていたのにその倍近くかかっていました。こんなことでと思われるかもしれませんが情けなさを感じていました。

準備に時間がかかるため早めに出勤し準備をするようにしていましたがこれはしんどいですよね。ある時同じ施設に配属になっていた介護施設でバイト経験のある同期にどうしたら覚えられるか相談したことがあります。その時に「紙に全部書き出して持って行くといいよ。」と言われハッとしました。

当たり前といえば当たり前なのですが、それまでは排泄チェック表を持って準備をしていました。早番者が書きたいけど書けない、記録を打ちたいけど打てないなんて事をしてしまっていました。排泄チェック表も時間帯でそれぞれ異なるサイズが書いてあったため見間違いで準備間違いをすることも。

同期にアドバイスを貰ってからは準備しなくてはいけないサイズを書き出し、それを持って準備するようにしました。今思えば“当たり前”“なんでそんなことも考えつかないの?”と思ってしまいますが、初めの頃は何をどうしたらいいのか分からないことだらけで付いていく事に必死でそこまで考えが回りませんでした。

ユニット型特養に移ってからは“個別ケア”が謳われており一斉排泄は行わないためパッド類のサイズ+排泄時間も覚える必要がありました。時系列を書き、この時間に〇〇様、テープ型おむつM+700mlパッド等と書くようにしました。排泄チェック表を1枚貰い排泄時間に色を付けたりそこに使用品を書くのもありです。

そうやって書いた紙をポケットに入れて排泄介助をしているため、よく利用者様の部屋に紙やボールペンを置いてきてしまうという事をしていました。無駄な時間をカットする為に作ったはずが、逆にそれを探すために余計な時間をつかうはめになる事なんていまだにやります(笑)

【5. ポジショニングの絵を描く】

ポジショニングってクッションを外す前はどっち向きでどのようにクッションを入れていたのか分かるのに、外して排泄介助をしたとたんどっちを向いていたのか、クッションがどう入っていたのかど忘れする事ありませんか?私はいまだに体位交換の向きがどっちだったか分からなくなる時があります(泣)

クッションの入れ方も利用者様によって大分異なりますよね。使用するクッションの大きさや固さも違います。どこに何を入れるのか絵をかいてしまうのが覚えるには近道です。勿論何故そこにこのクッションを入れる必要があるのかを根拠を元にして理解することも有効だと思います。

体位交換の向きついては次に向く側を排泄介助中ずっと心の中で連呼するようにしています。そうすれば排泄介助が終わった時に次どちらの向きにするのか忘れなくて済みます。または体位交換する際にやりやすい位置に立って排泄介助をすることもおススメです。

体位交換をする時って利用者様の背が見えるように対応しますよね。つまり、排泄介助に入る際は顔が見える側に行って排泄介助を行うとそのまま体位交換することが出来ます。こうすることで間違う事は極端に減ります!!忘れやすい方は是非試してみてください。

以上が覚えるために工夫している事です。リーダーになってからはこの苦労を元に“見える化”していく事にしていました。介助するその場に表やイラストがあることによってメモした場所を探す事や紙を無くした場合でも対応することが出来るようになります。

ちょっとしたことですが、あるかないかだけでもケアの統一性も上がります。見える化するにあたり準備することが一番大変ですが、一度作り上げてしまえばあとは本当に楽です。異動してきた職員や新卒者・中途採用者にとっても働きやすくなると思っています。良かったら参考にしてみてください。



プロフィール

介護の学校を卒業し、介護福祉士として働き始めました。

介護福祉士歴14年で、26歳の時に、半年間ベトナムでの施設ボランティアを経験しました。

介護施設は現在で5社目で、今はリーダーとして働かせていただいています。

身長150cm台の小柄な介護士として

Instagramでは介護をする方へ少しでも役に立てるような発信をする活動をしています。

「今日が1番若い日」を心がけて、お年寄りに接しています。

介護士歴12年目、リーダー歴約10年です。


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(2023年11月22日)

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