就職活動
『横浜介護求人センター』
介護付有料老人ホームで働いてみませんか?
■業務内容
株式会社さわやか倶楽部が運営する、2022年3月オープンの介護付き有料老人ホーム「さわやか横浜栄館」で介護職を募集しております。
(募集概要)
・オープンニングスタッフ募集!
・介護付き有料老人ホームで介護職としての勤務となります。
・正社員
・入居者様お一人おひとりのご要望に丁寧に対応していただくお仕事です。
・無資格未経験からチャレンジしたいという方も大歓迎です。
・介護職員をはじめとして他職種との密な連携が大事な職種となります。
(仕事内容)
当施設の介護のお仕事は身体的な介助だけでなく、利用者様とのコミュニケーションを第一に考えています。未経験の方でもまずは積極的に入居者様に接することから始めて、徐々に実務に慣れていただければ大丈夫です!
新規オープンの施設なので、入居者様の人数が少ないうちからお仕事を覚えていけるので、未経験の方やブランクがある方も歓迎です!
・入居者様の身体的なサポート(食事・入浴・排泄介助など)
・居室や共有スペースの掃除、洗濯などの生活のサポート
ケアアシスタントは専門スタッフがいるため、介護のお仕事に集中できます!
■出勤日数
週5日(夜勤あり)
【給与情報】:
基本給 137,000円~
職務手当 22,600円
被服手当 1,000円
地域手当 50,000円
(手当内訳)
夜勤手当 6,000円/回
月給:242,100円~(夜勤4回分含む 超えた分は別途支給)
(別途支給)
交通費支給(上限2万円まで)
昇給あり(年1回)
賞与あり(年2回)
※2年目以降支給対象
ご応募はこちら↓↓↓
https://lin.ee/BWjqqAo
(2023年7月3日)
第17回【昔は良かったけど今はNGになっている事5選】
私が介護士になって早13年目に突入しました!介護士なりたての頃は1年1年が長く感じていましたが、年数を重ねるごとに1年がとても速く感じます。悩みながらもあっという間に13年も介護に携わっている事に驚きつつ、介護も大分変ってきているなぁと感じています。
13年前は当たり前に行っていたことも、利用者様の権利を守ることが謳われるようになってきて禁止事項になった事が多々あります。きっとこれからも今は普通に行っている事もどんどん禁止や改善等で変わってくるだろうなと感じています。ここ10年弱で変わった事をまとめました。今も行っていたら要注意です!!
【1. Y字拘束帯】
始めて介護に携わった時、車いすに縛り付けられているのを見て驚いた事を覚えています。初めは車いすに縛り付ける事に抵抗や申し訳ない気持ちがありましたが、慣れって怖いもので時と共に“つけなければいけないもの”“転ばないように必要な道具”という認識になってしまっていました。
当時は拘束具を使用している利用者様が数名いらっしゃり、少しでも転倒や転落の危険があるとすぐに拘束具を使用していました。Y字拘束帯を使用していても車いすごと転倒される方もいて、その場合は太い柱にも縛るなんてことも行われていました。
今考えたらとても異常な光景ですよね。自分の親が縛られていたらとても悲しくなります。今ではY字拘束帯は全く見なくなりました。使用しない代わりにいろんな工夫をしていかなくてはなり、転倒や転落のリスクが上がり大変になりましたが、人権を考えると無くした方がいいですよね。
用具に頼らずにいろんなアイディアを出して対応していかなくてはならないため、アイディアを多く出せる事が求められます。とはいえ、どれが利用者様にあてはまるかを探すまでの道のりが大変ですし、他の方にも同じことが当てはまるかといえばまた違ってきたりします。
しかし、沢山悩んで失敗して成功した経験は自分の知識の引き出しを多くすることに繋がるので、沢山のアイディアを出してトライしていく事が大切だと思っています。“3人寄れば文殊の知恵”と言いますが、いろんな職員から沢山のアイディアが出るような関係性つくりをしていきたいですね。
【2. 拘束帯】
こちらは就寝する際に使用する拘束帯です。骨盤上にベルトを通し、強力な磁石でベルトを固定します。ベッド上ではマットレス、布団では布団に括り付けていました。本来ならば骨盤上で止めているため抜ける事は無いはずなのですが、スルッと抜けている方がいて驚いた事を今でも覚えています。
緩く縛り付けると意味が無い為結構きつめに止めるようにと教わっていたので、苦しかったのではないかと思います。強力な磁石を使用しているため、カギとなる磁石が紛失したときは解除できないためいつも大騒ぎになっていました。
使用されている利用者様は鍵の磁石を必死に取ろうとされていたり、ベルトを外そうとしたりされている様子を見て申し訳なく感じていました。自分がされたら必死で外そうとしますし、抜けようとしますよね。抵抗しているうちに何らかの偶然が重なりスルッと抜け出ていたのだろうと思います。
当時は監視カメラをつけるなんてことはまだ無かった為どうやって抜け出ていたのか知る由もありませんでしたが、今は見守りセンサー等で様子を見る事が出来る為あの頃にこういうシステムがあったらどうやって抜けていたのか知りたかったなぁと思う時があります。
今はベッドから落ちてしまう方にはベッドではなく畳やマットを敷いて床に寝て頂く、這って出てこられる方には部屋の床全体に畳をしく、クッションマットを敷く等で対応するようにしています。部屋から這ってこられる方もいらっしゃいますがその時は危険が無いように見守りを行うようにしています。
本人が何をしたいと思っているのかを知ることが大切で、闇雲に否定しない・連れ戻さない・叱責しないことが大切です。気が済むまで時間がかかることもあります。根気がいる時もあります。しかし、否定等した時の方が余計大変になる事の方が多いです。
介護士も感情のある人間なので、時には怒ってしまう時もありますが、なるべくは見守るようにしたり、話をして意識を違う方に変えてもらえるようにしたりしています。言葉の選び方ってすごく重要で、声掛けによって落ち着かれることもあります。俳優さんになったつもりで色んな仮面をつけられたらいいなぁと思っています。
【3. つなぎの服を着る】
普通の作業機のようなつなぎではなく、介護用のつなぎは足首から首にかけて1本のファスナー、足首から股下を通って反対柄の足首までのファスナーが付いている物になります。自分で外すことが出来ないようにファスナーの持ち手が外せるものやファスナーを隠すようになっている物があります。
使用する対象の方は主にパッドを弄ってしまう方や身体を掻き壊してしまう方、ウロバックの管を引っ張って抜いてしまう方等でした。介護施設では拘束具にあたる為今では全く見なくなりましたが、以前勤めていた有料老人ホームではまだまだ使っている状況でした。
確かにパッドを弄って失禁してしまう方・身体を掻き壊してしまう方・ウロバックの管を引っ張ってしまう方の対応って本当に大変です。今でもどう対処したらいいのか分からず困ることの方が多く、排泄介助の頻度を増やしたり、軟膏やクリームを塗って対処したりしてもうまく行かないことばかりです。
何が正解なのか分かりませんが、どうしてそのような行動をしてしまうのかを探り知ることが大切だと思っています。無意識で行ってしまう行為の場合はどんなに考えても分からないことの方が多く挫折することが何度もあります。この問題はいつになっても出てくるので対策が難しいんだろうなと感じています。
【4. ミトン】
介護用のミトンって料理に使うミトンのような物の手首部分にボタンが付いていてミトンをつけた手では取れない仕組みになっています。また、柵につなぐようにして使用していました。胃婁の管を引っ張ってしまったり、点滴を抜いてしまったり、身体を掻きむしってしまったりする方に使用していました。
両手を自由に使えないため鼻を掻くにしても目をこするにしても何もできません。行動が制限されるため大きな声を出される方や噛みつこうとされる方、足で蹴ろうとされる方がいらっしゃいました。認知症の症状がある方は理解できないまま行動が制限される為恐怖でしかないと思います。
何をされるのか分からない恐怖・身体が思うように動かせない恐怖。そこから来る行動だと思います。今はこのような場合に拘束をする場合、施設内で本当に拘束する必要があるのか、代わりの案は無いのか等をしっかりと話し合ったうえでご家族様に同意を頂き、時間を決めて行う事となっています。
安易に行ってはいけないことだと認識してしっかりと話し合う事が大切ですね。とはいえ外している間のリスクについてもしっかりと話あり対策を立てる必要があります。ここもしっかりと検討していかないと同じ事故を繰り返すことになります。とはいえ、対策立てるのって結構難しいですよね…。
【5. 4点柵】
ベッドから降りてしまう方に行っていました。ベッドから降りられないようにするために行っていましたが、逆にこの対応が余計に危ない事もあります。また、柵を自分で外される方もおり、その場合は柵をベッドに縛って取れないようにもしていました。
その場合柵を外すことが出来ないため柵を超えて床に落ちてしまう事故が出てきます。その場合柵の無いベッドから落ちるよりも高い位置から落ちてしまうため骨折等の怪我に繋がります。ベッド柵を乗り越えて横に置いてあったリクライニングの車いすの上に乗っていた方もいました。
このように動けてしまう方に使う場合は降りられないようにすることによるリスクの方が高い場合もあります。 今は4点柵にすること自体拘束にあたる為行う事はほぼほぼ無いと思いますが、実は3点柵でも拘束になることもあります。
それは壁付けになっている事です。壁側に付け片側のみ2点柵になっていても壁があってベッドから降りられないようにしている時点で4点柵と同じ行為となりますので注意が必要です。どのような対応が拘束に当てはまるのか確認しながら対応していきたいですね。
身体拘束を行う場合は“切迫性”“非代替性”“一時性”の条件を満たしている必要があります。“切迫性”は利用者様や他の利用者様の生命や身体に危険が及ぶ可能性が著しく高いこと、“非代替性”は身体拘束に替わる介護方法が無いこと、“一時性”は身体拘束が一時的であることを指します。
今回上げた物以外には向精神薬を使用して行動を抑止してしまう事も拘束に当たります。“ドラックロック”ですね。薬って本当に怖い物で元気だった利用者様が寝たきり状態や食事がとれず全介助になってしまう事もあります。薬の使用は本当に慎重に決めなければいけません。
介護経験が浅い方は昔の介護を知って驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。この10年でケアの仕方が大分変ってきているなぁと見返していて感じます。利用者様の“人権”“権利”が謳われるようになってきましたが、職員に対する“人権”についてももっと変わっていって欲しいなと節に願うばかりです。
(2023年6月20日)
第16回【新卒者には言わないで欲しい言葉5選】
新卒のみなさん、職場には慣れましたでしょうか?まだ1か月程なので必死に覚えようと頑張っているところでしょうか?就職して数日で居なくなってしまう方がいるこの介護業界…。慣れるまで本当に大変だと思いますが、一緒に頑張っていけたらなぁと思います。
そんな今回は私が新卒の時に言われて堪えた言葉をまとめした。必死に頑張っている時にこれ言われると本当に心が折れます…。何度心がぽっきり折れそうになった事か…。先輩や上司等教える立場のみなさんはこの言葉を使わないようにして頂けたらなぁと思っています。
【1. で?だから?何?】
この3拍子は本当に心臓に悪い!!新卒の頃血圧が高い利用者様が居て「血圧が176の…です。」と伝えたと事「で?だから?どうして欲しいの?」と言われた事があります。分からないから聞いているのにそんな風に返されたらもぅ何も聞けませんよね…。怖い人確定ですし何も聞けない人認定になります。
聞きたいことがあっても聞いたらまたあんな風に返されてしまうと思うと怖くて何も聞けません…。その人が出勤している時は他の職員さんに聞いたり、聞ける人がいない場合は最悪黙ってしまったりするなんてことも起こりかねませんよね。
先輩職員は当たり前の常識かもしれませんが、新卒の頃って何をどうしたらいいのかなんて分からない事だらけです。是非血圧が高い時は頭を高くした方がいい事・血圧が低い時は足を高くした方がいい事などを丁寧に教えてあげられたら良いいなぁと思っています。
私も介護士にならなければ分からなかった事が沢山あります!また、説明する際は事実だけ伝えるよりも出来たら根拠も一緒に説明出来たら理解度が格段に上がると感じています。覚える時って“これはこうだからこうなの”と教わるよりも“これはこういう理由でこうだからこうした方がいいよ”と教わる方が理解しやすいですよね。
教える側も忙しい事は重々承知していますが、出来たら時間をかけて教えて頂けたら嬉しいです。長く介護業界にいて思う事は“初めが一番肝心”だという事。初めの時点でしっかり教わることが出来た職員と教えてもらえなかった職員ではその時点から雲泥の差が付いてしまいます。
転職を数回していますが、「教えてもらえなかった。」「先輩もそうやっていた。」と聞くことが多いです。やる気がある職員の場合、凄くもったいないなぁと感じています。一度身についてしまった知識や対応って意識していない限り簡単には変えることが出来ません。
変わりたい・ケアの仕方を覚えたい・学びたいと思って聞いてくる職員さんには自分が学んできた知識を伝える事をしていますが、それでいいと思っている職員さんには伝えても軋轢を生むだけなのでよほど酷いケアでない限りは少しずつ提案するようにしています。
この経験から一番初めの指導がとても重要であると思っています。介護業界って人手不足でしっかりとした教育システムが出来ていない施設が多い印象を受けていますが、しっかりとした人材を育てる事がのちに施設を支える力となるので教育には是非力を入れて欲しいなぁと思っています。
一方経験年数が長い方が「で?だから?何?」と言われている事もちらほら見受けます。この場合は自分で少し考えて欲しい・もうこの程度は理解しておいてほしいという意味合いが含まれている事が多い印象です。なんでも聞けばいいと思っていると言われてしまうかもしれません。
新卒の頃は比較的優しく教えてもらえますが、経験年数が長くなるほど基礎的な知識は知らないと冷たく返されることが多いです。これは介護業界に限った事ではないと思いますが…。自分でも学んで吸収していく事が大切になります。恥を捨ててどんどん聞いて覚えて頂けたらと思います。
介護ってどんどん新たな取り組みをしていっており、ICT化も進んできています。昔は良かったケアも今では推奨されいなかったり、逆にパッド系であれば昔よりも性能が上がっているので排泄があったらすぐに交換という流れが変わってきたりしています。
私自身、いろんなセミナーに参加したり参考書を読んだりして日々新しい情報を入れるようにしています。新しい情報を得る事でケアの質も上がっていきます。“生涯学びである”とよく耳にしますが本当にその通りだと感じています。
また今は外国の方が介護施設に入職されることが当たり前になってきており言語の壁をすごく感じています。正しく伝えていくためには英語のスキルをつけなくてはいけないと実感しており、介護以外にもそういう知識をつけていく必要もあると思っています。一緒に切磋琢磨していけたらいいですね。
【2. 覚えてないの?】
覚えられるまでの間、情報を収集しようと必死にメモをしていますが一気に利用者様数十名の事を覚えるのは至難の業です。ユニット型特養で10名を覚えるのであっても食事形態・トロミの強さ・使用具(お箸やスプーン・食器)などを覚えるのに必死でした。
従来型特養の場合、食事は厨房から1名ずつお盆に乗ってくるとしても数十名の名前や特徴を覚えるのは本当に大変でした。メモをしていても慣れるまでは疲れてしまい家で見返る気力すらなかったです。一人暮らしをしていたので自分の事でいっぱいいっぱいでした…。
覚える事はその他にもトイレ介助の仕方やおむつ交換・陰部洗浄の仕方・おむつやリハパンのサイズやパッドの種類・着替えのやり方・お風呂介助での機械浴・寝浴の使い方等々沢山あります。私が就職したころはまだ拘束具も使っていたころだったためその使い方まで覚えなくてはいけませんでした。
これだけの量を覚えるには時間がかかります。初めの頃は何が重要な情報なのかを区別することも難しく、“下肢更衣しています”という申し送りでさえメモしていました。今思えば着替えた内容はメモしなくても良かったのですが、言葉が聞きなれておらず着替えと認識するまでに少し時間がかかりました。
覚える事が得意な方ではなかった私は結構苦労しましたが、その中で一番覚えやすいなぁと思ったことはイラストで書くことです。座席やトロミの量、使用具、エプロン等イラストにして書いた方が覚えやすかったです。これは転職や異動した時も未だに行っています。
この経験から教える時はイラストにした紙を渡して見てもらうようにしています。省ける時間は省いて利用者差様との関わりの時間を多く出来たらいいなぁと思いこのような形で指導するようにしています。目で見てすぐ理解できるようにすることがポイントだと思っています。
また、指導する機会を得て感じる事は一緒に目標を立てて“この時期までにここまで覚えられるようになろう”と取り組んでいく事が大切だという事です。“一緒に”という事が一番大切で1人にしない事を意識しています。どこまでなら覚えられているか、心配な事は無いか確認しながら行うようにしています。
「覚えてないの?」と声をかけるよりも「どこまで覚えられた?」と言葉を変えるだけでも印象が変わりますよね。覚えられている個所を把握し、そこから次はどうするか・どこを目指していくかを“一緒に”考えていけると良いですね。そうすることで信頼関係やチームワークにも繋がってくると思っています。
【3. できるよね?】
何度か見学してから実際に行ってみますが、当たり前かのように言われるのはプレッシャーでしかないですよね。実際見ているのと行ってみるのでは大分異なることが多いです。見ている時は「出来そう。」と思っていてもやってみると体重のかかり方やふらつき具合等が異なることが多いです。
また、教えてくれる職員との身長や体格差がある時は尚の事見ているのとやってみるのでは大きな差が生まれます。「できるよね?」よりも「やってみる?」と声をかけてもらえた方が安心してケアすることが出来ます。見守る姿勢が大切だなぁと感じています。
これはパッド交換や入浴介助の時も同様です。怪我をさせてしまったらどうしよう、失敗したらどうしようという気持ちが大きく不安が付きまとうので、優しく見守り時には手助けするスタンスが初めの事は必要なぁと思っています。
私は一番初めの施設でとても印象に残っている先輩がいます。その方は“やらせてみる”事を大切にされていて「やってみようか。」と声をかけてくださっていました。対応が難しい方の時でも「声をかけてみて。」と。拒否や怒られてしまいその旨伝えに行きますが「もっと声をかけてみて。」と。
その時は“えぇ~助けてよ~”と思っていましたが、言葉や表情を変えてみたりして何とか対応することが出来た時に「出来たじゃん。よかったね。」と言ってもえました。決して放置されていたわけではなく、他の事をしながらも何度か後ろに来て見守ってくださっていました。
指導する時ってだいたいの方は出来ないとすぐに変わって先輩が対応したり、難しい方の対応は自分でやってしまった方が早いからと中々対応をさせてもらえなかったりすることがあります。しかし、それでは独り立ちしたときに対応が出来なくて困ってしまいます。
それを見越して一人になった時に自分で解決できるよう時間をかけてくださっていたのだと感じました。“自分で考える”という機会を沢山もらえたことはとても貴重な体験だったと思っています。この経験が私の中ではとても重要だったと感じているため、私もなるべく自分で考えてもらう時間を作るようにしています。
そのため、異動や転職したときは見ているよりもやって体で覚える方が感覚を掴むのが早いので数回見たら「やってみてもいいですか?」と声をかけてやらせてもらうようにしています。教えてもらう期間は決まっています。その間で独り立ちしたときに困らないようにしていきたいなぁ思っています。
【4. 専門用語】
介護士歴が長くなれば長くなるほど専門用語が当たり前になってきます。例えば“側臥位”や“体位交換”“BP・KT”“下肢挙上”等々…。文字で見れば何となくは理解できるかもしれませんが、口頭でズラズラと言われてしまうと何のこと?と頭に“?”が沢山浮かびます…。
必死にメモしていましたが、そのまま業務に入ることが多く入る前に先輩職員に確認してから入るようにしていました。今では私が先輩方のような立場になり、専門用語が出てしまう事が多くなってきました。初心を忘れず専門用語だけでなくしっかりと噛み砕いて説明できるようにと意識しています。
勿論、介護職員同士や他職種間との間では専門用語を多用しても構わないと思いますが、新卒者やご家族様に説明する場合、記録に残す際は専門用語を使用せずに誰が読んでも分かる言葉を使うようにしています。理解できるまでの間は専門用語を使ったとしても意味まで説明してあげられるといいですね。
【5. できてない】
初めのうちは出来ないことが多いのは仕方が無い事だと思っています。利用者様のケアの事に気が行ってしまい、掃除や物品補充などまで気が回らない事が多いと思います。実際私もよく抜けてしまい「あっ!やってしまった。」と焦る事があります。
その際「この間〇〇やってなかったでしょ。やっておいたから。」や「△△してないよ。」と言われると凹みます。また、パッドの当て方が出来ていない、声のかけ方が出来ていない等出来ない事を見つけては注意してくる人っていますよね。
出来ていないことばかり見つけて注意されるとやる気が無くなってしまいますし、やること自体怖くなってしまいます。初めのうちから完璧に出来る人なんてそうそういません!失敗をしながら成長していくものだと思っています。失敗を責めるのではなく教えてあげるスタンスでいて欲しいなぁと思います。
また、見える化できるように工夫し抜けが無くなるようにこの時間帯の仕事はこれと目で見て分かるようにしました。出来たらチェックを入れるようにする、チェック忘れが無いような位置にチェック項目を貼っておく等注意ではなく他のアプローチが出来たらなぁと考えています。
どんな仕事でも初めは皆素人で苦労しながら成長していくものです。経験が長くても抜ける事もあります。ミスしない人はいないので“お互い様”という気持ちでお互い助け合っていけたらいいですよね。注意は双方嫌な気持ちになりますので、何度もミスしがちな事は見える化をお勧めします!!
(2023年6月5日)
第16回【衝撃を受けた利用者様5選】
衝撃を受けた利用者様についてのエピソードを教えて欲しいとの連絡を頂いたことがあり、今回は私が介護士歴13年の中で強烈に印象に残っている凄い利用者様のエピソードをまとめました。結構強烈な印象の利用者様っていますよね…。あなたは出会った事ありますか?嘘のような本当の話です。
エピソード内容は個人情報の保護の観点から多少事実ではない事を交えながらまとめさせていただいております。話を大きくして書いている事はありませんので、ご了承いただけましたら幸いです。
【1. 自殺願望が強い】
始めて介護に携わった従来型特養での話です。体格が良く結構若めの男性利用者様がいました。事前情報の時点で自殺願望があることは知っていましたが、実際に関わってみると想像以上に大変でした。介護ってこんな方も見るのかぁ~と驚愕したのを今でも覚えています。後にも先にもこの方以上の方に出会ったことはありません。
自殺願望の強い男性利用者様(以後A様)は力も強く私が就職した事はまだ禁止になっていなかったY字拘束帯を使用していました。それでも車いすごと自分で移動し自傷行為をされてしまうため柱にも縛っている状況でした。今では考えられない状況ですが、昔はこういうケアが多かったです。
頑丈な柱に縛っていたため身動きが自由に取れず、「殺してくれ~。」「警察を呼んでくれ~。」と大きな声を出しており、従来型特養だったこともあり他利用者様から苦情の嵐でした。本来ならお部屋で過ごしていただきたいのですが、お部屋で1人にする事も難しく常に職員の目が必要な方でした。
ベッド上で休んでいただいていた時、排泄介助で部屋に向かうとナースコールを首に巻いていたりベッドから床に降りて消火器や消化ホースを持ち出して自傷行為をしようとされたりしていました。4点柵になっていましたが難なく降りてしまい全く意味がありませんでした。
そのため職員の目があるリビングで過ごしていただくしかなかったのですが、ある日いつものように怒鳴っているなぁと思っていると目の前を何かが高速で飛んでいきました。確認するとなんと!ブレーキの棒の部分が床に落ちているではありませんか!!
急いでA様の方を見ると反対側のブレーキを折っている所でした!“ブレーキって折れるの?”と驚いたと同時に他の利用者様へ危害が加わらないかという恐怖と職員が間に入ったとして怪我をしない保証はなく“どうしよう”という状態でした。
すぐに大きな声を出して他職員へ周知し職員数名がかりで対応しました。事なきは得ましたが、どうしたらいいのか本当に分からず困っていました。この後私の異動があったためA様の対応についてどうなったのかまでは残念ながら覚えていないのですが、後にも先にも一番の恐怖体験でした。
自殺願望を持たれている方が利用されることは多くはありませんがA様以外にも数名対応したことがあります。自傷行為をされるためハサミや爪切り等自傷行為しそうなものの持ち込みは禁止したり、ズボンやトレーナーなどについている紐を全て外したりあらゆる可能性を考えて対処しています。
【2. セクハラが凄い】
高次脳機能障害による衝動が抑えられない男性利用者様(以後B様)、知能犯的なセクハラをする男性利用者様(以後C様、D様)と2タイプのセクハラを経験しました。介護とセクハラって結構避けられない非常に嫌な問題だと感じています。
“認知症だから”で片づけられてしまう事が多いですが、介護施設以外で行えばそれはれっきとした犯罪で逮捕されるような事も我慢しなくてはならない環境を本当に変えていかないといけないと感じています。セクハラが原因で病んで介護の仕事から離れていく職員も少なくありません。
始めて酷いセクハラを目の当たりにしたのは従来型特養時代。ショートステイ利用者のB様でした。高次脳機能障害があり、自分の思い通りにならないと感情が抑えられず怒鳴る等の事前情報はありましたが、セクハラについては一切記載がありませんでした。
当時私はショートステイ担当で入退所を主に担当しており、日中のケアは特養職員さんが行っていました。セクハラの被害を知ったのはある女性職員からの相談でした。ナースコールがあり部屋に伺うと、ナースコールを口に入れなめまわしそれを手に取れと強要されるとの事。
断ると怒り出し部屋を出ると再度コールを鳴らし同じ要望をしてくるとの事でした。男性職員が対応するときはそのような事が無いとの事だったため、B様が利用される日の対応は男性職員と決めました。男性職員には「女性職員を呼べ。」と要望していましたが断ってもらいなるべく女性職員が関わらないようにしていました。
全介助の方だったためセクハラ行為が酷い時は部屋への訪室を控えていたのですが、こういう時はなぜか動けることが多く、ベッドから転落することが次第に増えていくようになりました。こうなると訪室しないわけにはいかなくなります。訪室するたびにセクハラを受けるか、行かなくて転落するか…。
非常に困りました。当時勤めていた施設での男性職員の割合はとても少なくほぼ女性職員だったため勤務を調整しても女性職員しかいない事が多かったので、どう対処するか何度も会議やカンファレンスを開いていました。事務所職員も加わりなるべく男性職員が対応することで方向が決まりました。
しかし、夜勤ばかりはどうにも調整が難しく職員2人とも女性職員になってしまう事もありました。その場合は開始早々からコールの嵐。ナースコールをなめるだけでなく、陰部に入れてそれを触らせるなどエスカレートしていきました。女性職員がどんどん憂鬱そうになっているのを見ているのが辛い程でした。
自分が夜勤の時であれば対応するのですが、送迎等もあるため中々夜勤に当たらず…。そんな時はB様が寝付くまでB様の対応をしてから帰るようにしていました。誰も助けてくれないと思いながら仕事をするよりも誰かがかばってくれていると思えるだけで精神的負担は軽くなるのではないかと考えていました。
男性相談員にも協力してもらい、あまりにも要望が酷い時や女性職員同士の夜勤になってしまう時の宿直を変わってもらう等あの手この手を使って対応していました。あまりにも酷かったので数か月の利用後からは利用を断っていた記憶があります。
次のC様、D様についてはユニット型特養の時の出来事です。こちらもショートステイご利用の方々で、歩行や着替え等自立をされている方々でした。初めの頃はセクハラしそうな感じは全くなかったのですが、利用期間が長くなるにつれ徐々にセクハラ行為が目立ってくるようになりました。
C様D様共に認知症の症状はあるものの在宅で過ごせる程度。受け答えもしっかりしている方々でした。ショートステイユニットには女性職員が多かったこともあってか次第にエスカレートし始め、部屋に衣類を返却に行った職員の腕を掴んでベッドに押したおしたり、キスをしようとしたりし始めました。
職員が大きな声を出して助けを求めたため気が付きましたが、もし1人の時間帯だったらと思うと恐怖しかありません。男性利用者様で足腰がしっかりしているため力はとても強く、振り払えなかったと話していました。仮に振り払ったとしても怪我をさせてしまうリスクもあり手加減をしなくてはなりません。
こんな怖い介護って無いですよね…。またお風呂介助の際は自分で身体を洗えるにも関わらず陰部を洗うようにと強要したり、浴槽の中で意識が飛んだぶりをして「大丈夫ですか?」と声をかけに近寄った時に腕を引っ張り浴槽内に引き込もうとしたりする程知能犯でした。
さらには職員が1人になる時間帯を知っていてあえて1人になった時間になってから部屋に戻り着替えをして欲しいと要望したり(自分で出来る)、「揉ませてくれよ。」と迫ったりしていました。1人になる時間帯が恐怖でしかありませんでした。
お風呂は男性職員が対応する、着替えは職員が2人いる時間帯に2人で部屋に入り対応する等決めました。ここの施設での問題は上司で、セクハラの件を訴えても「減るもんじゃないから揉ませてあげたら。」との1言。女性職員たちの顔が凍り付いたのは今でも鮮明に覚えています。勿論私もその1人でした。
1人になってしまう夜勤帯はどうにもできないため、排泄介助時にセクハラ行為が見られる時は協力ユニットの職員に応援要請していいという取り決めをして対応しました。リビングに起きてこられることもあり、夜勤に行く事が億劫で仕方がありませんでした。
利用者様から介護士へのセクハラ問題ってあまり表ざたにならないですが深刻な問題だと感じています。女性利用者様から男性職員へのセクハラもあるので、利用者様の権利だけでなく職員の権利も守ってもらえるような仕組みになってくれると安心して働くことが出来るのになぁ~と思っています。
【3. 家族が亡くなっている事に気が付かない】
デイサービスを利用されていた利用者様(E様)は奥様と2人暮らしでした。ある日のデイサービス利用時、送迎に向かった職員が異臭に気が付き家に上がると奥様が亡くなっていました。デイサービスは週2程度だったためいつ亡くなったのか分からない状況でした。
E様は認知症の症状が強く、何を聞かれてもニコニコと笑って「そうだねぇ~。」としか話をされませんでした。状況を伺うにも全く話を聞くことが出来ません。今のご時世2世帯で生活する事はとても少なくなってきています。
高齢者夫婦だけで生活をされている場合このような状況が大いにあるのではないかと思っています。地域との関わりやご家族様との関わり次第で発見がとても遅くなることもあり得ます。コミュニティの形成をどうしていくかが課題になってくると思っています。
【4. ヤバイ異食】
認知症の症状が強く自分の世界を過ごされている事が多いF様。いつもニコニコと施設内を自由に歩かれていました。どこに行くのか尋ねると「山登りに行くのよ。」や「あの公園にねっ、遊びに行くの。」といつもお出かけに行く話をされていました。
お出かけする為に荷物を探して歩かれている事もありました。ある日の事、口をもぐもぐしながら歩かれていたF様。いつものように「どちらに行かれるのですか?」と尋ねると「あのね…。」と話し始めたとたん、口から強烈な異臭が…。
もぐもぐと口を動かされており、「何を食べているんですか?」と尋ねると「えっ?お饅頭があったからね、おいしそうだと思って食べてみたの。」とにこっとされていました。同時に私と隣にいた職員は“ヤバイ”と焦りすぐに手袋をはめて口を開けさせてもらいました。
F様はお饅頭が取られると思い嫌がっていましたが明らかな異臭!!お饅頭なんておやつの時間でも出る事が無く、差し入れもない。恐る恐る口を開けると茶色い物体が!!!そう、ウンチを食べていました!!思わず私ももう1人の職員も「うわぁ~!!!」と大きな声を出してしまいました。
一体どこで食べてきのか?従来型特養だったため部屋で使用しているポータブルトイレも含め広範囲を探す事に。するとある部屋のポータブルトイレの中に排便の形跡があるのに物体が無い場所が…。他人のポータブルトイレを開けてお饅頭を見つけたと思い食べていました。
どうやって食べたのか尋ねると「スプーンがあったからね、すくって食べたのよ。」と…。どこにスプーンを隠し持っていたのかと驚きました。排泄物や消臭液、ティッシュを食べてしまっている可能性があり、すぐに看護師に報告しました。経過観察となりましたがしばらくは話をするたびに排泄臭が口からしていました…。
その件を受け、ポータブルトイレの管理方法について検討されることとなりました。日中も使用される方だったためこまめな訪室と処理をする・F様の所在確認をする程度しかできませんでしたが、それ以降は同じ異食はありませんでした。
異食って結構介護施設では多いですよね。強烈だったのはF様の異食でしたが、これ以外に多いのがポリデントの異食です。また、ティッシュやボタン、消しゴム等の異食もありました。手の届く所に置かない、食べてしまうかもしれないと思う事が事故を防ぐには大切になってきます。
【5. 施設から居なくなる】
これは数か所の施設でありました。自宅で最後まで暮らしたいという気持ちは痛い程良く分かります。納得して施設に入る方は少なく、うまい具合施設に連れてこられそのまま入所になる方は少なくありません。家に帰りたい利用者様と施設に泊って欲しいご家族様の希望どちらの気持ちも分かるので複雑です。
だいたい帰りたくなる時間は日が暮れる夕方が多く「家に帰って夕飯の準備をしなくちゃ。」と話される方が多い印象です。あの手この手を使って家に帰りたいと思う意識を他に向けられないかと試しますが、落ち着かれるようになるまでとても大変です。
職員の目を盗んでサッといなくなってしまう方も居て、ほんのちょっと他利用者様の介助をしている間に姿が見えなくなっていたなんてこともあります。事務所職員が気付いて止めてくれればいいのですが、デイサービスの帰る時間帯に他利用者様に紛れ込んでしまうと難しい事もあります。
中には他利用者様の面会に来たご家族様と一緒に玄関まで行き外に出てしまう方もいらっしゃいました。すたすたと歩かれていたため、違うご利用者様のご家族様と思っていたとの事でした。確かに利用者様なのか、ご家族様なのかの判断は職員以外の方では難しいかもしれないと思いました。
姿が見えないと急いで探し回りますが、施設内で見つけられない時は本当に焦ります。交通事故にあってしまう危険性や方向が分からず街をさまよってしまう可能性があるからです。冬場は凍死、夏場は熱中症など命に関わる可能性も大いにあります。見つけられるまで非常に緊張感が漂います。
今までの経験の中で驚いた離設は2回程ありました。1回目は直接関わっていないのですが、2階に入所されていた利用者様が避難用の滑り台を降りて外に出てしまったことです。たまたま滑り台の降り口付近を見ていた職員がいて気が付き行方不明になる前に気が付けたので大丈夫でした。
2回目は1階の利用者様で部屋の窓のカギを開けて外へ出られました。これもたまたま外の防犯カメラを見ていた職員がいて外に出ている事に気が付きすぐに対応したので事なきを得ました。職員は必要最小限の人数で対応しているため常に見守っている事は出来ません。難しいです。
他利用者様のケア中に居なくなってしまった場合気が付く事が遅れる可能性もあります。常に戸締りや所在確認の必要があり、ちょっとした物音にも反応するようになりました。ずっと気を張っているため仕事終わりはどっと疲れが襲ってきます。
衝撃を受けた利用者様いかがでしたでしょうか?結構重い内容だったかもしれません…。ほとんど表に出ないことですが、介護士って介護だけでなくこういう大変な方の対応もしなくてはなりません。サービス業とはいえ我慢できないことも多いです。
介護士って虐待の報道は沢山され、利用者様の人権についてはどんどん改正されていますが、介護士の人権を守ってくれるようにならないと介護士離れは解決しないのではないかと感じています。施設としても対策をしっかりと考えて職員を守れる施設が増えると介護士としては嬉しい限りです。
(2023年5月31日)
第15回【介護士の介護以外の仕事7選】
介護士の仕事内容と聞くとだいたいの方は“食事”“排泄”“入浴”が頭に浮かぶのではないでしょうか?私も介護士になるまではそのイメージが強かったです。しかし実際に介護施設で働くようになってからはそれ以外の仕事の多さに驚かされています。
介護士っていろんなスキルがあると重宝されますし、結構役に立つことが多いなぁと感じています。今回は介護以外の仕事についてまとめました。
【1. 裁縫】
結構服の直しやボタンの付け直し等を行う事が多いです。ご家族様に依頼して新しい服を購入してくださる方はいいのですが、購入が難しい方や独り身の方、生活保護で生活されている方、施設の服を使用している方などの事情がある場合は新しいものがなかなか購入できません。
修繕すればまだ着られる時は職員が直しています。介護施設にはミシンが置いていない場合が多い為、手で直す事が多いですがミシンを持っている職員さんがいる場合は自宅で修繕して来てくださる事もあります。私は数年前にミシンを購入したので手で直すには時間がかかる場合は自宅で修繕しています。
また、柵カバーや湯たんぽカバー、ウロバックカバーなどは寸法を測って生地を切って作ることもあります。柵カバーは結構な頻度で色んな施設で作っていましたね。ウロバックもそのままでは排尿が人目に付いてしまうため、羞恥心を守るため、他の利用者様が不快に感じない為に作っています。
ウロバックの場合、袋状にしてしまうと排尿量を確認するのが面倒になってしまうため、底は縫わず且つ入浴時等に布を外しやすいように工夫することが大切になってきます。上手くできたときは“やったー”と嬉しくなります。
ご利用者様も喜んでくださるので作ってよかったなと思う事が多いです。めきめきと裁縫の腕が上達しているのを感じています。コロナが流行り出してマスクの品切れが多かった頃はマスクを作って販売もしていました。利用者様やご家族様、職員が沢山手に取ってくださり気づけば300枚近く作っていました。
マスクの供給が追い付いてきたころからは徐々に作らなくなり今はミシンを使う頻度はほとんどなくなりましたが、ミシンがあれば強度の高いものを作ることが出来る為買って良かったなと思っています。
【2. 料理】
一人暮らしをしていた事もあり、自分が食べる分の食事は作っていましたが人に食べてもらう程の料理やおやつ作りなどはほとんどしてきませんでした。介護施設で働くようになってから清まし汁や誕生日のケーキ、おやつクッキングなど何かと料理をする機会が増えました。
行事担当月にはなんのお菓子を作ろうかとクックパッドを開いては簡単に作れそう&利用者様の食事形態に合わせて作りやすそうなものはないかとしらべるようになりました。おやつ作りは分量が決まっているため大雑把な私は苦手意識がありましたが、今ではワッフルやたい焼き、炊飯器ケーキなど作れるようになりました。
固さも数種類作り分け常食が食べられる方用・刻み食の方用・ペーストの方用等で食材の水分量などを変えてっ作れるようになりました。またパイが簡単に作れる事にもやってみて気が付き、いろんなフルーツやジャムを入れて作るのが楽しくなりました。
利用者様と一緒に料理する時間も好きで、包丁で切って頂いたり、鍋をかき混ぜて頂いたり、ホットケーキミックスを混ぜて頂いたりとなるべく一緒に行うようにしています。認知症を患っていてもやはり体は覚えているもので包丁を持つと“トントントン”とリズミカルに食材を切れるんですよね!
新たな1面に気が付くことと同時にもっとこういう行事を増やしたいなぁ~と思うきっかけになっています。ホットケーキミックス粉・牛乳・卵がいつでももらえる環境だった時は凄く有難かったなぁと実感しています。人手が多く時間がある時に「あっ!何か作ろう!」となれる環境良いですよね。
複数の介護施設を経験しましたが、こんなに自由に食材を貰える施設は1か所だけでした。ある程度の自由さがあるからこそ職員も“時間があるね!じゃぁ何ややろう!!”となれるのかなぁと感じています。縛りすぎはやれることを少なくしてしまう事もあるんですね。
【3. PC操作】
介護士になった13年前はまだ手書きが主流でしたが今では介護ソフトを導入している施設の方が多いですよね。いろんなアプリやソフトがあって慣れるまでは一苦労。好奇心旺盛な私はいじって覚えるタイプなので色んなボタンを押して理解しています。
しかし介護ソフトの導入が進んでも手書きも平行で使用している事が多く、WordやExcelでの文書や表作成が多いです。Excelはセルの統合や関数などいろんな事が出来る分ややこしい事あり苦手意識がありました。しかし、仕事で使う表を使いやすくしたいという気持ちが大きく調べるように。
毎月曜日を1マス事変更していたものを月の数字を変えるだけで一瞬で変わるようにしたり、曜日に合わせて色が付くように設定したり、シフト作成の時は早番・遅番・夜勤・休み・有休の回数を自動計算できるようにしたりできるようになりました。
関数って覚えられると楽しいなぁって感じていますし“もっとこうできないかなぁ?”と調べて試し思うような書式が入れられた時はすごくうれしいです。Excelに強い方からしてみればそんなことかと思われるかもしれませんが、介護士ってPCに詳しい人は多くありません。
手間だった修正もそれにかかっていた時間も大幅に減らすことが出来るので大分業務改善になりましたし、誰が使っても自動で変更されるので異動した後も使えて良かったです。Word、Excel以外にはPowerPoint、Photoshop、canva、PremiereProなども使えるようになりました。
介護士の年齢幅ってすごくあって誰が見ても分かるように見える化する際にもこれらのスキルはとても役立ちました。見てわかるように環境を整えるだけで注意し合うのではなくミスを減らすことが出来るのでいいですよ!絵と説明文があると文章だけの物よりも理解しやすいとの声が多いです。
動画編集は以前勤めていた施設での毎年のユニット目標発表時に動画でやってみたいと思い始めましたが、奥が深くとても面白いなぁと感じています。まだPhotoshopでしか動画を作ったことがありませんが、背景合成や背景透過、PowerPointでのアニメーションを入れたり出来る事に感動しました。
作る回数が増えればきっともっと上達すると思っていますが、中々作る機会って無いんですよね…。職場の同僚から結婚式の余興を依頼されて利用者様と一緒に作った事は今でも鮮明に覚えています。動画編集を始めようかと思っていたことだったため今ならもっといいものが作れるのでは?と思ってしまう事もあります。
今は“ChatGPT”が何かと話題になってきていますが、これからもっと様々なAIが出てきて私たちの生活に溶け込んでいくのだろうなぁと感じています。介護に関しても今までは当たり前だったことも新しい情報がすぐに入って来るでしょうし、困難対応についても相談できるようになるのではと思っています。
介護士にパソコンスキルは求められていませんが、私はパソコンに強い人は必要だと感じています。勿論介護の仕事がメインなので、パソコンばかりいじられていては困ってしまいますが(笑)パソコンに強い人は必要だと思っています。
【4. DIY】
毎月のユニット費や経費の中でやりくりしなくてはいけない為、欲しいものが高くて買えない時は自分たちでDIYすることが少なくありません。壊れかけている物をリメイクしたり、無い物を作ったりアイディア勝負!100円ショップには本当にお世話になっています。
リメイクシート1枚で大分雰囲気が変わりますし、見た目が悪かったものも綺麗に見せる事が出来るので重宝しています。ユニット施設内で設えコンテストが開かれた際には玄関の外と内でデザインを変えたり、壁紙をレンガ調にしてみたり限られた費用の中でどれだけリアルな家感を出せるのかと考えたものです。
トイレ内も車いすがぶつかりすぎて汚れてしまっていたので新たに壁紙を貼ったり、障子を張り替えて和の雰囲気を作り出したり、いろんなものを作って雰囲気を出すことが楽しかったです。雰囲気だけでなく仕事の動線が無駄にならない為にどうにか出来ないかと工夫することも面白いです!
使いたいなぁと思ったその場所に無いものは用意し、置く場所が無ければ作り、利用者様の手に届かない且つ職員が取りやすいようにするにはどうしたらいいかを考えながら100円ショップを回るのが楽しくて仕方がありませんでした。
空間を上手く使う事・使いやすいようにする事を意識して作るようにしています。利用者様に関してはトイレのペーパータオルの位置を車いすの方用と自立歩行が出来る方用と2か所設置したり、杖を置く場所を作ったり、手が届かない方用に棚を設置する等何か出来ないかと考える事が私の性に合っているなぁと感じています。
意外な組み合わせで出来たときの達成感は何とも言えませんし、職員さんが自分の家でも作った等の話をされることが多くうれしい限りです。今は壁掛け収納にはまっています。掃除がとっても楽になる上に収納場所か決まっているので整理整頓がしやすいのでお勧めです。
【5. 買い物】
まさか利用者様の物や行事に使う物の買い出しを行うなんて入職前はこれっぽっちも考えたことがありませんでした。歯ブラシや歯磨き粉・ポリデントの日用品からパジャマや髭剃りまで買い物は多岐にわたります。施設内で物品を用意してくれている施設は良いなぁと感じています。
何も置いていない場合、業務中には買い出しに行くことが出来ないため仕事前や終わり、休みの日に買い出しに行かなくてはなりません。この点は仕事中に買い出しに行けるように業務に組み込むことが出来たらいいのになぁと常に思っています。
人手不足な施設が多く休憩が取れない・残業が多い場合は業務内に組み込むことは極めて難しいのですが、この現状を打破しないといけないよなぁと感じています。仕事前後の買い出しはなるべく行ってほしくないので私が請け負う事が多いのですが、宅配サービスが充実してきたら変わってくるかもしれませんね。
100円ショップのDAISOさんがオンラインショップを開設された事はとてもありがたく、注文するものが決まっている場合は宅急便で施設まで届けてもられるのでありがたいですね。しかし、施設によってはご家族様に請求できるお店が決まっている場合もあるので確認が必要になりますね。
オンラインショップが多くなってきているので、施設の対応としても上手く利用できるように調整していただけたら職員の仕事外での買い出しが大幅に減ってくると思っています。時代に合わせ介護施設も変わっていく必要がありますね。
【6. ご家族様の対応】
ご家族様の対応も立派な仕事ですが凄く難しいなぁと感じています。勿論ご家族様にもよりますが、話始めたらなかなか終わらない方・無理難題を押し付けてくる方・怒鳴る方・対応が難しい方等本当に様々な方がいらっしゃいます。
利用者様の対応だけでも精一杯な中、ご家族様の対応までとなると本当に精神的に追い詰められる事も少なくありません。良好な関係を作れるのが1番いい事だとは思っていますが、全員と上手い関係性を作れるかと言えばそんなことばかりではありません。
職員間での情報の共有がとても大切で話してはいけない事・こういう声掛けをした方がいいという事等のノートを作った事もあるほどです。中には“カウンセリング”しているみたいだなぁと思う方もいらっしゃいます。“傾聴力”“洞察力”“共感力”が必要だなぁと痛感しています。
良好な関係が築ければ相談や依頼もしやすくなるので、面会に来られた際は必ず声をかけに行き、最近の利用者様の状況を伝えるようにしていますが、その際良い事だけではなく、困っている事もしっかりと伝えるように意識するようにしています。
以前の施設でご家族様には利用者様の良い面のみの報告でトラブルや困っている事については一切伝えない方針の所がありました。そうなると困っている事は伝えないので病院受診の依頼が出来ずどんどんトラブルが酷くなり、手が付けられない状況になって初めて相談という事が!!
ご家族様からしてみれば今まで何度も面会に行っているのにそのような話は一切なく、いきなり酷いトラブルがあると伝えられるので困惑しますし不信感にも繋がってきます。毎回毎回問題を伝える必要はありませんが、一緒に考えていくスタンスが大切かなぁと感じています。
そうすることでトラブルが軽減された時の報告を一緒に喜ぶことが出来ますし、いろいろと試して対応している事などが伝えられるかなぁと思っています。細かいやり取りかもしれませんが、このやり取りで信頼関係って出来ると感じているので大切にしていきたいと思っています。
【7. 24時間シートの作成】
ユニット型特養の場合、24時間シートを作成している施設が多いのではないでしょうか?ユニットケアとは従来型特養のように一斉介助ではなく、1人1人の生活リズムに合わせたケアが求められています。そのため1人1人に合った時間の流れを作りケアの統一を図る目的で作成されます。
例えば起床時間にしてもAさんは5:30頃に起床されるがBさんは8:30頃、朝食はご飯叉はパンなのか、飲み物は熱いのが好きなのかぬるめなのか・冷たいのが好きなのか等細かい所を書き出していきます。利用者様をよく観察することが求められますし、“知る”事が何よりも大切です。
これを作成するのは本当に大変!利用者様やご家族様の望む暮らしを聞きながらどうケアしていくかを決めていき、どこまでなら対応できるか相談しながら進めていきます。好きな食べ物や趣味・嫌いな食べ物や嫌いな事等を記載したり、この時間の入浴を希望されているなどの情報も書きます。
それだけではなく、起床時間や入浴の湯温については夏場と冬場で書いたり、体調の波が激しい方の場合は調子がいい時と悪い時のパターンを記載したり着替えの手順やトイレの手順、入浴の手順など説明書きの様に事細かに記載します。
ケアの統一を図るためには必要だと思いますが、細かすぎてみている時間が無い事が難点。せっかく作っても活用されない事が多いのではないかと思っています。ただ、ケアを見直す際は情報を元に確認や変更が出来るのでケアの統一には必要なのかなぁと感じています。
きちんと更新されていれば24時間シートを見ればケアが間違っていないか確認できますし、新人さんや異動してきた方、ユニットに急にヘルプに入った際などには全く知らないよりも見てある程度は理解できるのでいいのかなぁと思っています。
ただ初めて作る時は時間がかかる!!業務時間内に24時間シート作成の時間を設けて作ってもらうようにしていますが、人手が無い場合は残業確定です!!数時間では終わらない。パソコンが苦手でない私でも音を上げる程なので、苦手な人にとっては拷問かもしれないですね。簡単にならないかなぁ~!!
介護士の介護以外の仕事内容いかがでしたか?介護士の仕事内容ってあまり知られない事が多いかと思います。意外といろいろな仕事があるんです!出来る範囲で出来る事を行っています。少しでも知って頂けましたら幸いです。
(2023年5月9日)
第15回【新卒の頃の出来事7選】
新年度がスタートしましたね!新卒のみなさん介護の世界へようこそ!介護に携わる仲間が増えたこととても嬉しく思っています。私が介護の世界に飛び込んだのはもう10年以上も前なんて…。時の流れは速い!早すぎます!!今回は今から13年前、私が入職したころのお話をしたいと思います。
10年以上前の事ですが、期待と不安、ドキドキ・ワクワク・緊張・希望と色んな感情を抱いていたのは今でも覚えています。介護の大学や専門学校を出たわけではなかったので就職してから一気にいろんなことを頭に叩き込まなければならず本当に苦労しました…。
周りは専門学校や福祉の大学を卒業していたり介護施設でのアルバイト経験したいたりする人ばかり。未経験者は私と高卒の人ぐらいでした。スタートから差があって“追い付かないと”と焦って焦って出来なくて落ち込んでをしばらく繰り返していました。
運が良かったのは同期に恵まれた事!皆優しくて介護に対しての熱量があって悩みを共有出来たことが私にとってはとても大きな支えとなしました。覚え方を教わったり、対応の仕方を教わったり、専門用語の意味を教えてくれたり…。思い返すとあの頃が懐かしい~!
新卒のみなさん、私たちも新卒の頃は皆苦労して今があります!ベテランの介護士さん、忘れてしまっているだけできっと介護を始めた事は悔しい思いや苦労した事が沢山あるはずです。是非思い出して新卒の方に寄り添っていただけたらなぁと思います。
【1. 覚えられない】
配属になった初めての施設が従来型特養だったので本当に覚えるのが大変でした。利用者様70名+ショートステイ利用者様の顔と名前・居室場所・食形態・トロミの濃さ・禁食・エプロン使用・注意事項・排泄介助・使用パッド等々初日から覚えなくてはならないことのオンパレード!
専門用語も理解できず、側臥位?移乗?トランス?体変?陰洗?DM食?BP?KOT?等常に頭に“?”が付きまとっていました。先輩に沢山聞いていました。家に帰ってからも調べて理解するようにしていましたが、専門用語って分からない~。
とりあえず言われた事はメモしていましたが、業務中に見返している時間はなく家で見返して別のノートに書き直して覚える。分からない事は調べるようにしていました。従来型特養は1人になる時間がないので分からない事をいつでも聞けるのがありがたかったです。
この思いからご家族様へ説明するときは専門用語を使わずに理解できる言葉で伝えるように意識するようになりました。仕事をしていると専門用語が当たり前になってしまいますが、相手の立場に立って説明することは大切ですね。記録でも専門用語はなるべく使わないようにしています。
ユニット型特養の場合は自助具や個別の食器も覚えないといけないので私は絵にかいて覚えました。飲み物の種類も従来型特養よりも多く、個別のおやつや飲み物があったり、薬の飲み合わせで出し手はいけない飲み物もあったり従来型特養よりも注意事項を覚えるのが大変でした。
従来型特養・ユニット型特養を経験してみて、一番初めに従来型特養で介護の基本的な事を学べた事は自分にとってとても意味のあるものだったなぁと感じています。忙しかったし覚える事に時間がかかって悔しい思いをした事もありましたが、今思えばそれが大切だったなと。
始めてユニットケアを経験したときは“個別性”や“利用者様との深いかかわり”に驚き大変だなぁと感じました。今では深く関われるユニットケアの方が性に合っているなぁと感じています。深く関わってケアを見直し改善できた時の達成感がなんとも言えません。あなたは従来型特養とユニット型特養どちらが好きですか?
【2. 腰を痛める】
排泄介助・入浴介助・トランス等体を使う仕事なので身体の使い方を覚えるまで腰を痛めていました。前かがみになる姿勢が多く、前かがみになっている時間も長いので起き上がる時は腰が伸びず腰の曲がったお年寄りのような感じで歩いていました。
色んな先輩方にやり方を教えてもらっていましたが、同じ身長や力具合の方からアドバイスを貰うのが一番いいなと思いました。背が違うとやりやすかったりやりにくかったり本当に変わってきます。背の低い人が背の高い人の介助を学んでも同じ高さでケアが出来ないので対応できません。
全く同じような先輩職員に出会える確率は低いので、同じ背の職員を探して聞くことをお勧めします。またストレッチや筋トレも大事だなぁと感じています。仕事終わりにお風呂に入って体を温めてストレッチするだけで痛みが軽減します。休みの日には体のメンテンナスと称してマッサージに通っています。
今では自分の腰を痛めない角度やベッドの高さなどを体で理解できるようになったので痛みはさほどありませんが、転職して20名の排泄を同じ時間に行うようになったら痛みが再発してしまいました。やはり同じ体勢が長時間続くのは良くないなぁと痛感しています。
従来型特養の場合は排泄時間を個別でずらすことは出来ないため本当に腰の保護が大切になってくるかと思います。ユニット型特養の場合は個別に合わせ排泄時間を見直し同じ時間に何人も重ならないように工夫していく事が大切かと思います。
無理はいつか限界を迎えます。痛みを感じたら整形外科や整骨・整体に通ってみる・コルセットを使ってみる・他の職員に頼ってみる等自分の身体をいたわることも大切です。体が資本なので壊れてしまうと仕事が出来なくなってしまうのでメンテナンス大切です!
【3. 排泄介助に抵抗がある】
これは初めて介助の仕事に就く人はこういう思いを感じていたのではないかと思っています。普段の生活の中でよく観察する事なんてなかったのでどうしたらいいのか分からず、特に異性の利用者様から「もっと良く拭いてくれ。」などの要望には抵抗感しか感じませんでした。
排泄物も排尿の場合は大丈夫でしたが、多量の排便の場合臭いにも慣れず量や泥状便や水様便のような排便の時はどうしたらいいのか思考停止になることもしばしばありました。先輩職員さんに声をかけて教わりながら覚えていきましたし、何度も衣類やシーツを汚してしまっていました。
今では皮膚観察を良くするようになり見る事にも触れる事にも抵抗はなくなりましたが、利用者様はそうではないので不快感を抱かせない触れ方や肌の露出を少なくしたり、本人の前で話す言葉に気をつけたりするように意識しています。
結構本人の前で“臭い”と平気で言ってしまう職員がいますが、もし自分が病院で入院をした時や脱毛などに行った際に看護師さんに“臭い”と言われたらショックですし、良い気持ちにはなりませんよね。言葉選びに注意出来たらいいですね。
新人職員や実習生に付いて指導するときは慣れない気持ちに理解を示しつつも観察しなければならないポイントを伝えるようにしています。臭いに慣れず1か月もしないで退職していった職員さんを何人か見ていますが、臭いに耐えられない方は厳しいのかもしれませんね。
【4. 利用者様と何を話したらいいか分からない・話の切り方が分からない】
入職後数日間は利用者様を覚えるという事で話をして覚えて欲しいと言われることが多かったのですが、介護初めの頃は何を話したらいいのか全く分からず沈黙の時間が苦痛でしかありませんでした。認知症の方とは話がかみ合わず、言葉がこもっている方は聞き取れずどうしたらいいの?となっていました。
利用者様の事を全く知らないので会話の引き出しも少なく、とりあえず「今日は天気がいいですね。」「寒いですね。」とあたりさわりのない質問をしていました。今では利用者様に合わせて話し方や質問内容を変えて会話することは難なくできますが、新卒の方や実習生を見ていると困っていることが良く分かります。
そんな時はこの利用者様は〇〇が好きである事や、△△の仕事をされていた等の情報を伝えるようにしています。情報を貰えた方がそのことについて質問できるので話がはずんでいるように感じています。是非先輩方は自分が得た情報まで伝えてあげられると良いですね。
話の内容にも困りましたが、話を切る方法についてもすごく悩みました。お話が好きな利用者様ってどの施設にもいらっしゃいますよね。次に行きたいけど話を切っては申し訳ないという思いから足が動かせず“助けて~”と心の中で叫んでいました。
中々出てこないと先輩職員から「早くして」「何しているの?」「いつまで話をしているの?」なんて声が…。“だってぇ~”と思ってしまいます。逆に「あれっ?〇〇さん見つけた~。ちょっと借りたいので借りて行ってもいいですか?」と利用者様に伝えて助けてくださる先輩は“神様ですかぁ?”と感謝していました。
利用者様に嫌な思いをさせないようにうま~く用事を思いだしたふりをしたり、コールが鳴ったふりをしたりして「用事を済ませたらまた来ますねぇ~。」とその場を切り抜けるようにしています。無言で退室する事や「はいはい。」と興味なさそうにしたら悲しい気持ちを与えてしまうのでそれはしないようにと心掛けています。
【5. 何を話しているか分からない】
口周りの筋力低下や歯が無い事により発音がしっかりできない、地方での就職の場合は方言が聞き取れないなど何を話しているのかさっぱり分からない事がありました。私は県外の田舎の施設に就職したので方言が全く分からず理解するのに時間がかかりました。
先輩方は難なく聞き取れていて凄いなぁと思いました。何故聞き取れるのか質問したら「耳が慣れるんだよ。」「だいたいこれを言いたいのかなぁと分かってくるんだよ。」と教えてもらい、関わる中で正解を見つけていきそれが理解に繋がるのだなぁと思いました。
そこに達するまで時間がかかる事、何度も関わって答えを見つけなければならない事を悟りました(笑)一番の近道は先輩方が何を答えているのかを観察してそれを真似る事です!真似る事って自分で0から1を見つけていくよりもとても近道!先輩方をよく観察することをお勧めします。
真似していく事で早く利用者様の要望に対処出来る事にも繋がりますし、信頼関係を早く築くことが出来ます。真似してもどうしてもうまく行かないことももちろんあります!そんな時は先輩を頼って間に入ってもらう事も多々ありました。
新人で分からない職員と分かっていてあえて意地悪をしてくる利用者様も中にはいます。メンタルがやられそうになることも何度もありました。あえて新人職員を指定してくることもあり部屋に入る前に深呼吸をしたり泣きそうになることも…。
その経験からそういう利用者様が居た場合、慣れるまではなるべく1人で対応しないようにしています。人がいなくてどうしても1人で対応しなければならない時は後から必ずフォローに入るようにしていて「どうだった?」と聞くようにしています。
大丈夫だった時はそれ以上関与しませんが、もしメンタル的に来ている場合は話を聞いて対処方法を一緒に考えるようにしています。1人で悩まないような環境を作っていけたらいいなぁと思っていますが、難しい時もあります。
しかし、声をかけられないで放置されるよりも気にかけてもらえているという事が分かるだけでも気持ちの面で救われるとの意見が多かったので、大切な仲間ですのでなるべくフォローできるようにしていきたいなぁと思っています。
【6. 電話に出るのが怖い】
携帯電話やスマホに慣れてしまい自宅の電話にも出る事が無くなっていたこともあり、電話に出るのが怖くて仕方が無かったです。初めは話の内容はメモ出来ていましたが、どこの誰からの電話か、折り返しが必要なのか、折り返す際の電話番号、担当者名等抜けが多く失敗ばかり…。
失敗するたび、事務所の先輩方に耳を澄まして話し方を聞かれていると思う度に本当に電話に出たくなくて“電話鳴らないで~”と心の中で何度願っていたことか(笑)鳴っても“誰か出ないかなぁ~”なんて出るのが遅くなると「早く出て。」と注意されていました…。
失敗しながら何度も電話対応していくうちに徐々に冷静に対応できるようになり、今では率先して電話に出られるようになりました。何事も失敗から学びますね!そしてやはり回数をこなしていく事が“鍵”だなぁと感じています。
顔が見えない電話だからこそ声のトーンやゆっくり話す事で相手に安心感を持っていただき不信感を持たせないようにすることが大切だなぁと思います。電話に出て嫌だなぁと思った対応は真似しないようにすると良いですよ。
失敗出来るのは初めのうちなので、“新人”感が出せるうちにどんどんチャレンジしていって欲しいなぁと思います。慣れてきてからの失敗は周りの目が厳しいですが、新人の頃であれば多めに見てもらえることが多いです!
【7. 寝坊しそうで怖い】
早番が6:30からで、普段そんな時間から活動する事なんてなかったので早起きできるのかが凄く怖かったです。慣れない仕事と連勤が続いている時は尚更早く起きられるのか不安で仕方が無かったです。しばらくの間は親にお願いして起きる時間に電話してもらっていました。
そういう緊張感や対策のおかげで遅刻はしないで新年度を迎えられるかなぁと思っていましたが、気のゆるみって怖いですよね。1年目の終わり頃に寝坊したしてしまいました。起きたとき“あれっ?今日休みだっけ…?”と一瞬安堵感を感じますがすぐに“ヤバイ!寝坊だ”と恐怖心とパニックが襲ってきます。
だいたい寝坊した時ってマナーモードになっていたり目覚ましをセットし忘れていたり、充電が出来ていなくて画面が消えていたりするんですよね(泣)寝坊した後はしばらくの間充電が出来ているか、マナーモードが解除されているか、目覚ましがセットしてあるか心配になり目が覚めてしまっていました。
寝不足確定です!!そして何故か“寝坊しそうだなぁ~”と感じた次の日って寝坊するんですよね!!!これは何度かあってこの感覚は当たるなと…。こう感じたときは今でも誰かにお願いして電話してもらうようにしています。潜在意識なのでしょうか…?
逆に“あと〇時間後に起きる”“朝起きてこれをする”と思って寝ると目覚ましが鳴る前に起きられることも多く人間って凄いなぁと感じています。初めのうちは緊張している事もあり寝坊はしないと思いますが、慣れてきたころに注意が必要です。
これは私の大寝坊してしまった時の話ですが、2時間寝坊した事があります!!後にも先にもこれ以上の寝坊は無いと思っています。起きた時、冷や汗とどういう顔して出勤したらいいのか夜勤者に申し訳に気持ちでいっぱいでした!そして通勤に40分かかったので運転中も焦っていました。
ペコペコ頭を下げながら出勤すると(その職場では)寝坊したことが無かった為に連絡が取れない程調子が悪いのではないか、通勤途中に事故にあってしまったのではないかと心配してくださっていました。心配してくださっていた事は嬉しかった半面凄く申し訳ない気持ちに押しつぶされそうになりました。
寝坊気をつけたいですよね!介護経験13年目を迎えましたが、いまだに早番の前の日はちょっと気持ちがソワソワしています。目覚ましを2つセットして2度寝しない、冬は起きやすいように暖房をセットしておくなど起きやすい環境を整えるようにしています。
新卒時の出来事いかがでしたか?新人さんはまさしく同じ気持ちを体験していらっしゃるのではないでしょうか?先輩職員の方々はきっと懐かしい気持ちになっているのではないかと思っています。新人の頃って沢山ミスをします。
ミスは嫌な気持ちになりますが、沢山失敗して注意された方がその後同じミスをしないようになるので年数を重ねてから失敗を沢山するよりもいいなぁと感じています。新人の頃だからこそまだミスが許されますが、経験年数が増えてくるとミスも許されなくなってきます!
初めにどれだけ経験を積めるかが今後の介護士としての力量や能力の差になってくるので危険が伴わない事に関してはどんどん質問してチャレンジさせてもらえるといいですね。積極的に“やります”と言えると株も上がりますよ!!
これから同じ介護に携わる仲間として一緒に切磋琢磨していけたらいいあぁと思っています。一緒に介護を盛り上げていけたら嬉しいです。
(2023年4月28日)