第21回【虐待が発生しやすい環境 5選】

第21回【虐待が発生しやすい環境 5選】

【虐待が発生しやすい環境5選】
介護の仕事を13年間してきて虐待が発生してしまう原因は虐待を行った職員自体に問題がある場合もありますが、働く環境によって虐待を発生させやすくしてしまっている事もあるなぁと感じる事があります。働く環境を見直すことで虐待を抑止することが出来る場合もあります。

昨今施設内での虐待がボイスレコーダーや監視カメラなどの普及で表に出てきやすくなっています。今までは知らず存ぜぬで済んでいたのかもしれませんが、これからは施設をあげて対応していかなければどんどん施設の悪いイメージが付いてしまいかねません。少しでもご参考になれば幸いです。

【1. 人間関係が悪い】

介護の人間関係ってとても特殊だと感じています。上下関係があまりなく“ため口”や“使ってはいけない汚い言葉”を職員同士で平気で使っている光景を目にする事があります。一般企業ではありえないのではないかなぁと感じます。出先でそんな会話をスタッフ同士で行っていたら印象が悪いと感じませんか?

出先で聞くと“感じ悪い”“雰囲気が悪い”と感じるのに、どうして介護現場では平気で話してしまうのでしょうか?一番の原因は外部があまり介入しないからだと感じています。コロナ禍に入ってからは今まで以上に外部の人が入らなくなり、緊張感が緩んでしまってはいないでしょうか?

私が今まで体験した“えっ?”と思った事は“無視をする”“自分よりも後に入ってきた職員に対し厳しく接する”“自分の機嫌によって態度が変わる”“自分の思い通りにならないと機嫌が悪くなる”“あの職員は仕事が出来ないから一緒に仕事をしたくないとシフトを変えて欲しいと無理難題を言ってくる”等です。

まず“無視”については転職を数回してみて、どこの施設にも一定数いるなぁと感じています。挨拶をしても無視・自分の意にそぐわない意見を言う職員は無視・自分を持ち上げない人は無視…。等本当に“幼いな”と思っています。無視できるほど強いと思っているのかもしれませんがはたから見たらただの我儘ですよね。

介護の仕事ってチームプレイです。職員の数だけ物の見方や視点が異なるため意見に相違が出てくるのは当たり前な事だと感じています。意見が異なるからこそ色んな物の見方が出来るようになったり意見をすり合わせて質の良いケアが出来たりするものではないのでしょうか。

自分の意見が通らないからと機嫌が悪くなり無視をする職員が居る事によって職場の雰囲気が悪くなるどころか、自分の意見を言いにくい職員さんであれば“嫌われないように”と自分の意見を押し殺し、無視する職員の意見に同調するようになります。これではいい意見を持っているかもしれない職員を潰してしまう事になります。

ケアの質が良くなるどころか“おかしい”と思っても反対意見が出なくなると頭では“悪いケア”と分かっていても従うしかなくなってしまいます。これを繰り返していくと初めは“悪いケア”と思っていた心も次第に“当たり前”“いつもの事”“仕方が無い”という気持ちに変わってきてしまいます。

異なる意見を言う事ってとても勇気が必要です。私も経験があるのですが、反対意見を伝えてから無視され始めましたが、これを耐えるのって結構しんどいです。しかし悪いケアを見て見ぬ振りが出来ない性格上最後まで同調せずに頑張りました。最終的には上司が注意してくれましたが心が折れますよね。

時折上司がランダムに見回りを行う、会議に出席する、上司がしっかりと悪い事は悪いと言えるような訓練を行う等の仕組みが必要なのかもしれません。お互いに“それはちょっとまずいかもね”と言い合える関係性つくりが重要だなぁと感じています。とても難しい事ですが必須だなぁと…。

次に体験したのは“自分よりも後に入ってきた職員に対し厳しく接する”です。今までの中で出会ったのは1人なので、とてもレアケースなのかもしれません(笑)。転職して配属されたユニットのリーダーさん(Aさん)がこのタイプでした。

転職時初めの数週間は常に穏やかで利用者様や職員に対して敬語会話され、とても丁寧な方という印象を抱いていました。「何かあったら聞いてください。」「大丈夫ですか?」「やりにくい事とか無いですか?」等とても優しくて穏やかな印象だったのですが、日を重ねるごとに徐々に本性が見え始めました。

休憩時間ってだいたいこの時間にこのシフトの職員が入るって決まっているかと思いますが、急に「〇〇さん、先に休憩言ってください。」と他の職員を休憩に行かせたかと思うと態度が一変。「何考えてるんっすか?ちゃんと会議録読んでるんですか?」と怒り始めました…。

転職してまだ1週間。会議も行われていなければ利用者様の顔と名前を覚える事や介助の仕方について必死に覚えている段階。教えて頂いている期間であったので言われた時は“?”となり理解することが難しかったです。さらには“あれが出来ていない”“これが出来ていない”と出来ていない事を探して注意し始める。

Aさんは私に何を求めているのか本当にわかりませんでした。こんな感じの事を30分以上言われ続けメンタル的に大分参っていたところに休憩していた職員が帰ってきましたが、それを察知すると急に元の穏やかないい人に戻るのですごく怖かったのを今でも覚えています。

転職してまだ1週間しか経過しておらず、相談できる相手もいない・Aさんは私以外の前ではとてもいい人を続けているため数か月間はどうしたらいいものかずっと悩んでしました。仲が良くなってきたころにその職員に相談したところ今までにもそういう事があり、私の前に入った職員が何名かすぐにやめていったとの事でした。

私が全く表に出さなかったので気が付かなかったと言われました。事情を聴くとAさんは以前勤めていた職の関係で自分よりも先に入った人に対しては“先輩”と敬うという意識が強く、後から入った職員には指導という名の“きつく対処する”事が当たり前だと思ってしまっていたようです。

職種を聞いたら納得はしましたが陰湿すぎると思いました。この職種で働かれている方は常にこんな環境下で仕事をしていたのかと思うと恐ろしいです!!自分が所属していたところの習慣でいつの間にか良し悪しも分からなくなってしまうのは怖いなぁと感じました。

なぜ私だけにあたりが強かったのかというと、私が配属される前に異動してきたのがAさんで、Aさんからすると前からユニットにいた職員は全員“先輩”という認識だったそう。後から入ってきたのが私だけだったため指導という名の注意が始まったそうです。本当に怖くて同じ時間の勤務が嫌で嫌でたまりませんでした。

他にも自分の機嫌によって態度が変わったり、好き嫌いで仕事をするなど“社会人としてどうなの?”と思う方は老若男女問わず意外と多い印象を受けています。こういうストレスとずっと抱えていると自分よりも立場の弱い利用者様にストレスのはけ口が向いてしまうのかなぁと感じています。

実際に自分もストレス過多になった際口調がきつくなってしまったりイラっとしやすくなってしまったりという事実体験しました。後からすごく申し訳ない気持ちになり罪悪感で落ち込みます…。人間関係の悪さからくるストレスをため込むことで突発的に虐待のきっかけを作ってしまう人もいるのではないかと危惧しています。

【2. 問題解決が出来ない】

【1.】でもお伝えしたような人間関係の悩みや利用者様の問題に耳を傾けず放置しているとまずいです!“話をしてもしょうがない”“相談した方が余計にストレスを感じた”という思いをさせてしまうと目に見えない所で問題が大きくなりやすいと感じています。

一番“これはまずいよなぁ~”と感じた対応は自分にとって“面倒”と思う事は知らん顔してしまう上司です。職員が利用者様に対してマズイ対応をしていると話が出た際「あいつやってるんだろう。知ってる。ダメだよなぁ~。」で終わってしまう…。

またある時は看取り対応が続いてしまいメンタル的に落ち込んでいる職員のフォロー体制について相談した際、対応した職員を呼び理由も聞かず「看取りを経験するっていい事だぞ。不安なら本を読んだ方がいい。自分も看取士の資格を取ったから勉強して資格取得したらいいよ。」と軽く返してしまう始末…。

職員間のトラブルや職場内の環境についての話が出ると「それは主任に任せているから~。俺じゃなくて主任に話して~。」と擦り付け、主任も主任で「えっ?それ俺?」や「これは困ったねぇ~。でもまぁ何とかなるでしょう。」「注意していいよ~。」と丸投げ。

こうなるともう誰に相談したらいいのか分からなくなりますよね。一生懸命頑張っている職員は嫌気がさして施設を去っていきますが、残っている職員はどんどんやりたい放題になっていきます。自分の思い通りにならないとすぐに怒り出すように。誰も注意しなければそうなりますよね。

また、逆に上司の意見が強すぎて問題解決が出来なくなっているパターンもありました。問題が発生した際の解決方法をユニット内や当事者同士で話し合う習慣が無く、問題が起きたら上司に報告して上司が対応策も考える・又は対応策が全く出ないという施設がありました。

同じ事故報告が何度も何度も出ているにも関わらず対応が無い。事故報告書を書いている職員にどう対処したら事故が減ると思うか尋ねると「分かりません。いつも上司が考えているから上司が考えてくれるかと。」と言われた事がありました。自分で考える癖が全くついていな印象でした。

しかも1人だけではなく大半の人が自分で考える事をせず「上司が何とかしてくれると思います。」「対応策は上司が考えてくれますから~。」と他人任せ。上司も忙しい為事故対策についての検討結果が出るまでに1週間以上かかる上にこれ意味があるのかなぁと思う対応策だったことも。

1週間に同じような転倒事故が3回起きてもセンサーマットの設置を頑なに嫌がり「センサーマットはこの施設にはありませんから。センサーマットは拘束ですから。職員がしっかり見守っていれば大丈夫です。」と。職員も忙しい為常にその方を見守れるわけではありませんし、すでに3回も事故が起きています。

その都度ご家族様に謝罪の電話をしているわけで、ご家族様から転倒について言われないかのと尋ねると「転倒のリスクは伝えてあります。これ以上何をしろっていうんですか?」と怒られた時は“えっ?”となりました。頭の打ちどころが悪かった場合命に関わる可能性もあると伝えても「説明してありますから。」と。

「では転倒を防ぐことが出来ない事は仕方がありませんね。骨折するリスクもありますが、職員の見守りにも限界があります。」と強めに伝えましたが「家族には伝えてありますし、家族も了承していますから。」と。正直何かあった際ご家族様から苦情が来るのではないかとひやひやしていました。

部屋の扉を閉めて部屋を真っ暗にして寝たい利用者様でしたが、上司からの指示は“部屋の扉を全開、洗面台の電気はつけたまま”というもの。対応策を聞いた時は本人のプライバシーや意思はどうなるんだと思いました。案の定電気を消してほしい、扉を閉めて欲しいといつも以上に起きてくるようになりました。

こうなると転倒も増えてきます。転倒を起こしてほしくないと思う職員はこういう行動をして転倒した利用者様に対し必要以上に怒ってしまう事があります。一度感情がセーブできなくなるとどんどんエスカレートしていきます。利用者様が泣いてしまう程怒っている時もあり、見かねて対応を変わったことが何度かありました。

そのことを上司に伝えもっと違う解決策が無いかと相談しましたが何もなく、車いすに鈴を付けたら「人権侵害だ。」と怒られる始末。本人の意向に沿った中で対策をしたいとユニット職員で話し合い、最終的にユニット費で足元に置くセンサーライトを購入し、トイレに起きた際に光で起きたことが分かるように対処しました。

職員も車いすの音を拾う事に注力するよりも光で起きたことが分かるようになったので可能な限り付き添えるようになり精神的にも余裕が持てるようになりました。センサーマットのように音が鳴るわけではないためすべてに反応することは出来ていないと思いますが、リスクを減らせることにはつながったかと思います。

職員のマンパワーだけに頼るのではなく、職員も利用者様も双方に負担の少ない解決方法を探し出し対応していく事で職員のストレス軽減に繋ると感じています。さらには心の余裕の無さから必要以上に強く当たってしまうという事を回避できるのではないかと感じた出来事でした。

【3. 職員を一方的に責める】

何かトラブルが発生した際カンファレンスを開く事があるかと思います。問題が発生した原因が職員の怠慢によるものであれば注意を受けても仕方が無いかと思うのですが、そうではなくどう考えても防ぎようがないという場合でも原因を追及せずに職員が悪いと一方的に責める上司がいました。

ユニット型特養でしたが、人手が足りず夜勤者が来るまで朝から1人勤務。食事介助が5名に8割近くの方が全介助ないし転倒注意の方で集めていたユニットに配属でした。正直ここまで職員の数が少ないところは初めてだったうえに職員がそろっていたとしてもこの介助量はきついと思うレベルでした。

介助はほぼベッド上での排泄介助だったため部屋にこもることが多く、食事介助も部屋で召し上がる方もいらっしゃりリビングでの見守りが難しい&部屋での急変にも気が付くことが遅くなってしまう環境。その上看取り対応の利用者様を集めていたユニットだったので本当に大変でした。

お風呂も機械浴中心、離床や臥床も職員2人対応。職員が1人勤務の時はお風呂介助等出来ないため清拭対応でしたが1日5人の清拭を通常業務以外に行う事はとても至難の業としか言いようがありませんでした。通常のようにしていたら到底終わるわけがない為休憩を取らずに行う事がほとんど。

休憩が取れないことや業務量に対しての職員数が明らかに足りていない事はずっと相談していました。職員数が少ないのに何故ここまで手のかかる利用者様を集めたのだと疑問でしかありません。他のユニットに異動した職員から「すごく楽になりました。」と言われると私も異動したくてたまりませんでした。

それでも事故を最小限にとどめていた事や急変時にすぐに対応できていた事が誇らしく感じる程そこのユニットに配属になっている職員は頑張っていました。しかしいくら頑張っていてもどうにも防げない事故やトラブルは出てきます。

そんな時カンファレンスで「ちゃんと見守りをしていたのか?見守り不足だろう。」「いつ行っても職員の姿が見えない。どこに居るのか。」「もっと利用者様と関わる時間を持たなければいけない。」「いつもユニット内や部屋が汚い。」と言われてしまうと“無理だろう!!”と心の中で大きな声で叫んでいました。

看取りに関しても常に3~4名看取りの方を対応し、1人帰天してはすぐに他のユニットから看取りの方を移動してくるため常に気が休まず利用者様情報を得る事や対応を覚える事に一苦労。ユニットケアってこんなんだっけ?って思ってしまう程“おかしい”と感じていました。

利用者様の介助量と職員数が合っていない事が一番の問題で、職員数を増やしてほしい(せめてユニット内に早番と遅番を配置して欲しい)と訴えてきましたが「人が居ないから無理だ。」「知り合いを紹介しろよ。」というのみ。人員配置基準も満たしていたのか怪しい感じでした。

現場の職員が一生懸命頑張って努力して何とかなっている事も知ろうとせず、悪いところばかり注意されたり文句しか言われなかったりすると相当ストレスが溜まります。職員同士で支え合えるユニットだったため何とかなっていましたが、職員の大異動があってから一気に崩れ落ちました。

忙しい時にペースを乱される事を利用者様がしてしまった時に大きな声で怒ってしまったり、口喧嘩をしてしまったり、無理やり介助をしたりしてしまう事が発生しはじめました。現場の状況をしっかりと把握して判断する能力が求められますよね…。

【4. 責任転嫁する】

今まで述べてきたように様々なリスクやこういう事故が起きると安易に想像できる事を助言しても全く耳を貸さなかったのに、いざ提言したとおりの問題が発生した際に「俺は聞いていない。」「なんでもっと早く分からなかったんだ。」「自分たちは関係ない。職員の問題だろう。」と責任転嫁する上司がいました。

面倒が起こるとすぐに“自分は知らなかった”“自分は関係ない”と上司が言ってしまうのはまずいですよね。トラブルを未然に防ぐために、こういうトラブルが起きそうだから早めに対処をした方がいいと伝えているのに何の対応もせず言った通りのトラブルが発生する。

現場の職員としては“だからあれほど提言したのに!!”となりますよね。こうなった時にどこに問題があったのかカンファレンスを行いますが大抵「俺は知らなかった。」「問題が分かっていたのならば現場で対処が出来なかったのか。」「主任は知らなかったのか?」等言いがちです。

責任転嫁をすればするほど信用は無くなりますし、職員のストレスは大きくなります。モヤモヤとした気持ちが立場の弱い利用者様に向かってしまう事が起こりえます。どういう理由があれ虐待は絶対に良くないことですが、ストレスをため込んでしまうとこういう事になりかねません。

上司は問題に真摯に向き合いどこに原因があってどう対処したらよかったのか、助言された時点で何か出来る事が無かったのか等を検証し、対処していく事が大切だと感じています。“自分は悪くない”と責任を転嫁してしまう事は絶対に避けて欲しいなぁと感じています。

【5. 傍観しているだけ】

暴力行為のある利用者様や奇声をあげ続ける利用者様の対応で困っていた時、上司やケアマネージャーに相談しても「仕方が無いよね。」「利用者様の性格を把握しなさい。」で終わってしまう事が何度かありました。事務所職員は利用者様と関わらないから現場の気持ちなんて分からないよねと溝が深まるばかり。

何の対応もしていなければ“やれることがあるだろう”と言われても仕方が無い部分もありますが、あの手この手を使ってもダメ、何か熱中できるのが無いかと探して行ってみるもダメ、ご家族様に趣味等聞いて対応するもダメな場合もあります。そうなると職員もこれ以上どうしていいか分からないとなってしまいます。

色々と試しても失敗が続き、その間も暴力や奇声に耐え続けていると次第にメンタルがやられてきてしまいます。認知症外来や精神科の受診が出来ないかと相談しても「薬に頼るのは拘束だ!虐待だ!」と言われてしまうと“じゃぁどうすればいいのよ!?”となってしまいます。

毎月のユニット会議で議題として持ち出してみますが「毎月同じ事話しているけどどうしたいの?意味ないじゃん。」と言われた時はさすがに現場でどうしようもなく、他の利用者様とのトラブルも発生している事、職員のメンタルが限界にきている事を伝えどう対処したらいいかお手本を見せて欲しいと言ってしまいました。

実際に丸1日でもそのような環境の中で仕事をしてみれば職員の気持ちも分かってもらえるかと思って提案したのですが「忙しいから無理。」と逃げますよね…。薬でぐったりするほど状態を落としたいわけではなく、認知症の症状を抑える薬などで落ち着くパターンもある為行ってみて欲しいと伝えても理解されず苦労しました。

こんな環境ではいろんな事が起きてしまします。実際何人かにあなたが行っている事は虐待に繋がってしまうと伝えた事があります。ストレスは痛い程理解できますが、やってはいけない線を越えてはいけません。虐待を抑止するためにも病院受診をと訴えていましたが理解しようとしない上司を説得するのはとても大変です。

最終的には生活相談員として転職されてきた方がこの状態をそのままにしておくのはおかしいと上司を説得してくれ病院受診に繋がりました。利用者様の症状に合う薬の量になるまでは薬の調整が難しく日々状態観察をして記録に残し受診の度に持って行ってもらいました。

ぐったりするほど強い薬では寝たきりと変わらず今まで出来ていた事も出来なくなってしまう事、思わぬ転倒や誤嚥のリスクに繋がります。怒らず、暴力も出ないけど自分で出来る事は今まで通り自分で出来る所を目指して調整していきました。とても時間がかかりましたがその人らしさを残せたのは良かったです。

これらの事が虐待を生んでしまう悪い環境だと長年介護に携わっていて感じる事です。働く環境を整えるだけで職員のストレス軽減に繋がり、虐待を防ぐことにも繋がると思っています。残念ながらニュースで介護士の虐待について耳や目にすることが多いですよね。

原因を聞くと「忙しかった。」「ストレスが溜まっていた。」という話が出てきます。いつもは穏やかな職員でも過度なストレスを感じ続けてしまうとちょっとした出来事から虐待が始まってしまいます。どんな時でも虐待をしていい理由なんてありませんが、一度ストッパーが外れてしまうとエスカレートしていきます。

環境と整える事で虐待しそうになる“初めの1歩”を止める事が出来るのであれば、施設をあげて環境を整えていく事が大切だと感じています。ネット社会の今、いままで以上に情報が外に漏れやすくなります。早急な環境整備・職員満足度調査などが必要なのかもしれませんね。



プロフィール

介護の学校を卒業し、介護福祉士として働き始めました。

介護福祉士歴14年で、26歳の時に、半年間ベトナムでの施設ボランティアを経験しました。

介護施設は現在で5社目で、今はリーダーとして働かせていただいています。

身長150cm台の小柄な介護士として

Instagramでは介護をする方へ少しでも役に立てるような発信をする活動をしています。

「今日が1番若い日」を心がけて、お年寄りに接しています。

介護士歴12年目、リーダー歴約10年です。


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(2023年9月5日)

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