介護士
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第19回【夏の介護現場!仕事中の熱中症対策7選】

本格的な夏が始まる前からこの急な暑さに参っていませんか?年々異常な程に気温が高くなり、利用者様だけでなく職員も熱中症対策しないと危険ですよね!私は数年前に熱中症になり、熱が身体から抜けず体の芯から熱いという感覚と激しい頭痛に襲われました。

高齢者って温度調節が難しく、暑いのにも関わらず厚着をされたり冷房の風が嫌いだったり、中々涼しくできない環境がありますよね。さらに今年は電気代の価格が上がっている事もあり電気代には厳しい施設が多いのではないでしょうか。私の施設も毎日電気を消すようにとの館内放送が流れています。

そんな環境の中、自分の身は自分で守らないといけません!数年前に熱中症になってから熱中症対策には余念が無い私が行っている熱中症対策をご紹介します。少しでもお役に立てば幸いです!一緒にこれから来る熱い夏を乗り切ってきましょう!!

【1. 水分を1日2Lはとるようにする】

仕事をして動き回っていると中々水分を摂る機会って少なくないですか?私は500mlのペットボトルを3本程持って行っても1本しか飲まなかったなんてことが何度もあります。1Lを飲むのもやっとな日が多いです。喉の渇きが無い状態で身体に入れていく事はとてもしんどいです…。

しかし、熱中症とは喉が渇いたと思った時にはもう熱中症になっていたりなりかけていたりします。喉が渇いていない時からキッチンに入ったら飲むようにする等ルールを決めて意識的に摂るようにしています。飲み物はスポーツドリンクや果汁ジュースではなく水や麦茶等糖分の入っていないものを摂っています。

砂糖が多く入っている飲み物を多く摂取してしまうと血糖値が上がってしまい、小学生でも飲みすぎで糖尿病になってしまった人がいると聞いてから飲んだとしても1本にして残りは水や麦茶にするようにしています。糖分って飲めば飲むほど喉が渇いたりすることもあるのでほどほどに!!

入浴介助の後は過酷な環境の中での仕事を頑張ったご褒美に小さいサイズの炭酸を飲んでいい事にしています。高温多湿で頑張った後の冷えた炭酸ってなんであんなにも美味しいんでしょうか。やめられなくなります(笑)

【2. 塩分を摂るようにする】

汗っかきな方ならば理解していただけると思うのですが、汗を多量にかいた後って黒い服を着ていると白っぽくなることありませんか?汗もしょっぱい感じの臭いになり、きっと白いのは塩の結晶だと思っています。これからの季節汗をかくときに着る服の色は気にしないといけないなぁと思っています。

出てしまった塩分を補給する事ってとても大切ですよね。仕事中に効率的に塩分を補給できる手段としては塩飴や塩分入りの飲み物を飲むようにしています。食事では梅干や塩辛等“塩”を意識的に取り入れるようにしています。ただし、食べすぎると高血圧になる可能性があるので食べすぎには要注意です!!

汗をかきやすい時期になるとユニットやお風呂場に塩飴を常備しておき、誰でもいつでも食べられるようにしています。ちょっとした工夫ですが、ユニット職員の健康を守ることも大切だと思っているので色んな種類の塩飴を用意していました。

私のお勧めは飲み物ならば“梅ソルティー”飴ならば“塩サイダー”がおススメです。塩サイダーの飴はユニット職員にも大好評でした!美味しく食べられるのがいいですよね。スーパーやドラッグストア、アマゾンなどで安くまとめて購入していました。

【3. ボディーシート】

有難い事に数年前から-〇℃という感じの冷感のボディーシートが発売されています。初めて使った時にはそのひんやり感にとても驚き、感動したのを覚えています。今では毎年まとめ買いして暑い夏を乗り切っています。なくてはならない必需品です!

最近ではいろんなメーカーさんが出してくださり、首に巻くタイプや大判型など種類も多くとてもありがたく思っています。冷感シートで拭いた後に扇風機等風が当たる場所に行くとさらに冷感を感じ涼むことが出来ます。とてもおススメです。

接触冷感タオルも使用していたことがありますが、襟元がびしょびしょになってしまったり首に巻いているとすぐにぬるくなってしまったり、その都度振って対応していましたが手間を感じるようになってしまい今では冷感シートに頼っています。そろそろまとめ買いする頃かなぁと思っています。

このタイプの冷感シートもお風呂場に香りやメーカーを変えて数個おいておくようにしていました。結構使ってもらえると嬉しいです。暑さ対策大切ですし、お風呂介助をしてくださっている職員さんが一番熱中症になるリスクが高いので少しでも予防に繋がったらなぁと思っています。

【4. 首を冷やす】

今は主流になりつつあるクールリングを使用しています。先ほども書いたように冷感タオルでは襟元がびしょびしょになってしまいますが、こちらはびしょびしょにはなりません。初めは“ひやっ”としますが30分もしないうちにぬるさを感じるようになるため3個ぐらい用意しています。

冷凍庫で早く固まってくれるので本当にありがたいです。保冷剤だと溶けてから固まるまで時間がかかりますが、クールリングは交換するまでの間の時間で十分冷えてくれるので夏の必需品になっています。使い終わったものはアルコールできちんとふき取ってから冷凍庫に入れるようにしています。

これ以前は首にかける扇風機を使っていましたが、ファンの音で利用者様の声が聞き取りにくかったり抱える時に利用者様にぶつかってしまう危険や圧迫してしまう危険があったりしたので使う回数がとても少なくなりました。一人の時間になり記録を打つ際に使っていたぐらいです。

また、メーカーにもよるのかもしれませんが風を感じても生ぬるい風で涼しいとはあまり感じませんでした。利用者様のドライヤーをかける時の汗対策にはいいのかもしれません。首にかける扇風機は買ったもののあまり出番がありませんでした。

【5. 接触冷感マスク】

コロナが5類相当に下げられた今でもマスク着用が義務化されている施設は多いのではないでしょうか?真夏のマスクって本当にしんどいですよね。特にマスクをしたままのお風呂介助なんて地獄です!!コロナ禍になって冷感マスクが発売されるようになって本当にありがたかったです。

とはいえいくら冷感といえどマスク無しよりは蒸れますし、熱いです!しかも私はですが、普通のマスクに対して汗の吸収が悪いような気がしています。きっと冷感加工や性能の問題なんだろうと思っていますが、汗が口周りに付いているなぁと感じる事が多いです。

肌が弱いので夏場は汗かぶれで肌荒れが酷くなり痛みを感じてしまう事が度々あります。マスクが汗を吸収しきれなくなったりある程度の時間使用したマスクは交換するようにすることで皮膚トラブルが大幅に軽減されました。勿論あまりにも酷くなってしまった時は皮膚科にも通いました。

夏の汗かぶれにお悩みの方は勿体ないと感じるかもしれませんがこまめなマスクの交換が一番有効的でしたのでお試ししてみてください。今年の夏もマスクによる肌荒れと戦いながら涼しくなる季節を待ちわびたいと思います。車やロッカーにも常備し持ってくるのを忘れたとしても大丈夫なようにしています。

【6. 冷感スプレー】

これは服にバシャバシャかけています。本当に涼しくなるのでお勧めです!「あっつ~い!!」と感じたらスプレーして冷感を感じています。結構涼しさを感じられることが出来ています。かけすぎるとヒリヒリするので注意が必要です(笑)

お風呂介助前や仕事前、休憩中に服にスプレーすることはもちろんですが、ユニットやお風呂場にも用意しています。今は服だけで履く制汗剤でも冷感を感じられるものが出ているのでいろんなものを使っていい感じのものを見つけたいと思っています。

頭皮にも“バチバチ”となるスプレーをしていますが、ぱちぱち感が爽快で汗をかいた頭皮にスプレーするととても気持ちがいいです。これは大学生の頃から使用しているのでもう13年以上愛用しています。13年って凄いですよね!まだ廃盤にならず発売されている事に感謝しかありません。

【7. 小型扇風機】

これは本当に便利でもう何年も愛用しています。コードレスな事や扇風機の角度を変えられるものがおススメです。脱衣所で風を感じながら着替え介助を行ったり、記録を打つ際にデスクに置いて使用しています。私が使用している物は風量を5段階で調整できるのでそれもありがたいです。

普段使いはもちろんですが、これからは洪水などの水害で電気が使えない時に充電しながら使う事が出来るので重宝します。ソーラーで充電できるバッテリーも用意してあるので涼むものが何もないよりは安心です!施設に忘れて帰った時は他の職員が使っていたようです(笑)

一度使ってしまうと風が無い事がとても不便に感じます。広い空間での冷房は効き目を感じにくいですが、風があるだけで涼しく感じる事が出来ます。16時間夜勤で介助していない間はずっと使っていますが、充電が切れて朝には使えなかったという事は今のところありません。

汗で蒸れたマスクを乾かしたり、冷感マスクの冷感を感じる為に使う事もあります。やはり夏は冷感を感じる事が重要だなぁと思っています。便利なグッズが沢山出ているのでいろんなものを使ってみたいなぁと考えています。

熱中症対策いかがでしたでしょうか?ご参考になるものがあればとても嬉しいです。おススメの熱中症対策グッズがありましたら是非教えて頂きたいです。

(2023年7月14日)


第18回【こんな施設では働きたくない事例7選】

介護施設って全国に沢山数がありますがその分働きやすい施設・働きにくい施設って分かれるなぁと感じています。今まで数回転職をしてきましたが、働きにくい施設には共通点があることに気が付きました。今からお伝えする内容は私が経験した話をまとめたものになります。

介護士のなり手が少なく人手不足な施設が多い中、これからは利用者様だけでなく職員からも選ばれる施設を目指していかないとケアの質が悪くなる悪循環に陥ると肌で感じています。こんな働きにくい環境になってしまっている場合は早急に働き方改革を行う必要があると思います。ご参考までにご覧いただけましたら幸いです。

【1.休みの日に会議や委員会・研修に参加しなくてはならない】

いままで複数の施設で働いてきましたが、休日の会議や委員会・研修に参加しなくていいとなっている施設は少なかったです。休みって午前0時から翌日の午前0時まで休まないと休日とは言えないことになっています。休みの日の出勤は予定も入れられずゆっくり休むことも出来ず休みではないですよね。

休みの日に会議を入れられると本当に嫌で嫌でたまりませんでした。時間外をつけると言われたとしても嫌です。会議や委員会・研修の日程は前もって分かることが多いのでその日をあらかじめ希望休の紙に記載し、出勤で出られるようにしてくださっていた施設には感謝しかありません。

このことから私がシフトを作る際はあらかじめ予定が分かっているところは出勤で参加できるようにしていました。どうしても予定が合わないことももちろんあります。その時は代わりの職員を出す・会議の1週間前に議題を渡して意見をもらっておく等していました。

工夫次第で休みをしっかりと確保することは出来ます!働き方改革が叫ばれている昨今、昔ながらの“当たり前”を少しずつでも変えていき、働きやすい職場を作っていかなくてはならないなと感じています。職員がいてくれるのが当たり前と感じず、休日と仕事のメリハリを作っていけたらと思っています。

【2. 熱や体調不良、怪我でも出勤させる】

これはすべて私の身に起きた出来事で本当に辛かったですし、職員の身体を大切にしない施設では長い目で見たときにここで長期間働けない・倒れるまで使い倒されるのではないかという恐怖を覚えました。こういう事から施設に対する不信感って芽生えるんだなと感じています。

1つ目は熱が38度出てしまい夜勤を休ませて欲しいと連絡した時です。夜勤の勤務変更はとても大変な事はシフトを作っている身からすると申し訳ない位分かっています。それでも無理して出勤できない程頭痛・吐き気が酷く、ふらふら状態では仕事にならないと思い電話しました。

すると「夜勤を交換してもらう事は難しい。業務は手を抜いてもいいから出てきて欲しい。」との言葉が!!ふらふら状態で仕事にならない事、出勤しても寝ている事が多くなってしまう事を伝えましたが「それでもいいから。」と。本当に鬼畜だと思いましたし、涙が出てきました。

親に送ってもらい出勤しましたが、悪寒と吐き気、頭痛、ふらふら状態で排泄介助もままならない状況でした。事前に体調が悪い事は遅番者に伝わっており、パッドをいつもよりも大きい物にしてくれていたので回数を減らして何とかなりましたが、起床介助は鬼のように感じました。

2つ目は疲労とご家族様からのカスタマーハラスメントに身体が悲鳴を上げたときの事です。以前勤めていた施設は深夜だろうが面会に来られたら断ることなく受け入れている施設でした。被害妄想が激しい方がいらっしゃり、身に覚えのない事を携帯電話で家族に電話され身内の方が飛んで来られる感じでした。

事実とは異なるという事を伝えてもやはりご家族様なので「身内が嘘つくわけがない!」との事で怒られることが頻繁にありました。事務所職員がいない時間帯の面会を辞めて欲しい事やそのご家族様の面会時間の制限をして欲しいと施設側に要望していましたが「みんな分かっているから。」と言われるのみで対応されず。

ある日の夜勤明け、家でゆっくり過ごしていると急に呼吸がしにくくなり息を吸おうとすると肺あたりが激痛で息をごく微量しか吸うことが出来ず窒息するかと思うほど。身体を動かそうにもちょっと動かすだけで激痛が走りでこのまま倒れて死んでしまうのではないかという恐怖を感じた事がありました。

たまたま家族が家に居て異変にすぐ気が付いてくれたので何とか病院に行くことが出来ました。泣く事しかできず初めは救急車を呼ぶかという話にもなりましたが、数分で少し落ち着いてきたので病院に電話をしてすぐに連れて行ってもらいました。

病院に到着したころには落ち着きましたが、念のためレントゲン撮影を行う事に。異常はなく精神的ストレスによる不調ではないかとの事でした。このことを出勤した時に看護師資格を持っているの上司に伝えると「心臓の方じゃないの?生活習慣が悪いのでは?ご飯食べられて眠れているならストレスじゃないよ。」と…。

言われた時何を言っているのか理解できずしばらくフリーズしたのを覚えています。正直“悪魔”だと思いました。この一件以降この上司には何も言わなくなりましたし、「大丈夫?」と聞かれても「はい。」としか答えなくなりました。きっと悩みを伝えたところで軽くあしらわれるんだろうなと思ったからです。

3つ目は足を怪我したときのことです。夜勤中足首の痛みを感じ始め、ストレッチをしたり揉んだりして朝まで迎えましたが、時間の経過とともに足が床に着く事が激痛になってきました。足首は腫れていませんでしたが、痛みが今まで感じたことが無い程の痛みで骨折したのかと思ったほどです。

起床介助で利用者様を抱えたときの悶絶するほどの激痛は二度と経験したくない程でした。仕事終わりには片足が床に付けない程までになってしまい、ケンケンして駐車場まで向かいました。施設から駐車場まで階段を上らなくてはならず距離もあったのでいつもは1分で行ける所15分以上かかっていました。

痛すぎて笑いが出てきたほどです。笑いながらも思うように動けず自分が嫌になって笑い泣きしていました。どうしようもなくなる時に笑いがこみあげてくることってドラマの中だけではないんだなぁと思った1幕でした。実際は笑っている場合では無かったですが…。

自宅に着いてからも手すりの付いていない階段を上ることが出来ずたった3段の階段に10分以上かかりました。油断して足が床に着いた瞬間体中に電気が走るかのような痛みに悶え、疲れたのか失神するかのように眠ったのを覚えています。家族は気絶しているのかと心配になったと話していました。

午後から整形外科に受診に行き、施設内では車いすを借りて異動していました。レントゲンを撮るも異状なく骨折でもヒビが入っているわけでもないと言われた時は不思議で仕方がありませんでした。自宅用に松葉杖を借りる程の痛み。1週間ほど安静にするようにと言われたためその旨施設に電話しました。

仕事から帰る時に上司には足の痛みや病院に行く事を伝えていたので話がスムーズにいくかと思っていたのですが、「車いす使えば出勤できるってことだよね?」「車いすだったら排泄介助も大丈夫だよね。」という言葉が返ってきたときは“鬼畜”と思いました。

松葉杖を使っている事も伝え、足をつくと激痛で利用者様のトイレ介助も困難である子を説明していましたが出勤するようにと…。食事の配膳も難しいと伝えても軽く思われており最終的には「早番から遅番になれば大丈夫かもしれないよね。」と…。

もうどう話しても出勤は免れないと思い遅番ならば出勤する旨伝えました。電話しながら上司には分からないように泣いていました。状況を知っている他の職員さんが「代わりに出勤するので休ませてあげてください。」と掛け合ってくれましたが、「本人が出るって言ってるから大丈夫だよ~。」と言われたそうです…。

まる1日半足を使わず安静にしていたこともあり、出勤する頃には痛みが大分治まったので最後まで仕事をすると夕方から来てくれると言ってくださっていた職員さんに連絡をしましたが、きっと無理して仕事をすると思ったと早い時間から駆けつけてくれました。

開き直って仕事をしていたのですが、その職員さんが上司を説得し早退させてもらう事が出来ました。本当に感謝しかありませんでしたし、上司の事は嫌いになりましたよね…。それ以降足の痛みは出ていませんが、疲労を感じにくいのか一気に痛みとして出る為小まめにメンテナンスするようにしています。

この1年後あたりに上司に掛け合ってくれた職員さんが同じような症状に襲われたそうで「松葉杖を使うまでの痛みではなかったけど、あの痛みでも仕事をしろって言われたら無理。泣いちゃうよ。」と話していました。仲間って大切だなぁと改めて感じました。

ちなみにこの上司、交通事故にあった職員に対しても「今日は休みで病院もやってないし、出勤できるよね。」と言ってこさせようとしていました。事故直後ってパニック状態になっている事もあり痛みって感じにくく、数日後に症状が出る事があることを伝えながら上司に“おかしい”と噛みつきました!!

それでも理解できない上司は「本人が来るかどうか決めるから。」との1点張り。事故に合った職員には裏で今日は病院に行って診断書を貰い休むことを伝え、上司の指示には従わなくていいと連絡しました。また、その上司のさらに上の上司に報告し休みの許可を出してもらいました。

私たちの立場では上司を選ぶことは出来ませんが、施設側は上に立つ人をしっかりと選ばないと真面目な職員程その施設を離れていきますし、最悪職員の人生を台無しにしてしまうリスクがあることを肝に銘じていただきたいなと思います。

2つ目3つ目の時は転職したてでリーダーをしておらず平社員でしたが、こういう上司にはなってはいけないと心に刻む経験となりました。嫌な思いをしたからこそ、自分がリーダーをする時には職員を守れる上司になりたいなと思いました。

【3. 面談内容を他の職員に話す】

これは本当にマズイです!面談をする立場の方ってベラベラと話してしまう人ではいけません。1対1の面談だからこそ言える悩みや不満ってあると思うんです。しかし、話した内容を「〇〇さんが△△で悩んでいるんだよ。」とか「□□って言ってたよ。」って話してしまってはいけません。

こんなことをされては職員間に亀裂が入ることは間違いないですし、面談でなくても普段から何も話さなくなります。面談内容によっては1人ではどうしようも出来ないこともあるとは思いますが、相談する相手や内容をしっかりと考えていかなくてはいけないと思います。

私もつい口に出てしまう時がありますが、こういう状況を見て何でも思ったら話してしまうのはまずいなと感じました。話す前に話しても大丈夫な内容か、話す場合も言葉を選んで話すことが必要だと思いました。これは訓練が必要ですが、一旦家に持ち帰って内容を整理する事や時間を置くことも必要なのかなと思っています。

【4. パワハラを見て見ぬふり】

時々リーダーは偉い!部下の意見はすべて間違っている。自分のいう事を聞いていればいいんだと思い込んでいる方を見かけます。意見を言うもんであれば「ハァ?」「誰がそう言ったの?」と聞く耳を持たず意見を却下。威圧的態度を取ってきます。

こうなると部下は何も言えなくなりますし、おかしいと思っていても指摘すらできません。会議でも発言はなく、そのリーダーの意見ばかりが通るようになり反対意見が多かったとしても絶対に自分の意見を曲げようとはしません。

リーダーより上の上司に相談したときに「まぁまぁ。」「きっと考えがあるんだよ。」「理解してあげて。」としか言われないと何を理解すればいいのか分かりませんし、話したところで無駄なんだなと思ってしまいます。日ごろから自分の意見を伝えてくれるリーダーならばいいですが、「ハァ?」しか返されなければ終わりです。

部下同士で意見をまとめ多数決に持ち越しても、リーダーにとって都合の悪い話に進んでいくと毎回「保留。」と言われそれ以上話が進まないようにされてしまいます。また、嫌いな職員に対しては皆の前でその人を落とすようなことを平気でします。いじめだと感じている職員は多かったです。

しかし、一緒に会議に参加している施設長や主任クラスの人が見て見ぬふりしていては私たちはどうすることも出来ません。注意されないことを良い事にどんどんエスカレートしていき、しまいには嫌いな職員に対して無視をしたり物を隠したりする、その人が用意した物を捨てるなどの行為にまで発展しました。

そのことを上の人たちに伝えても「話し合おう。」と上司を含めた3人での話し合いの機会を作り、話し合いを行ったことに対して満足している始末。本人目の前にして意見なんていえるわけがないですよね。他の職員からの話が出ているのに聞く耳を持たなかった為一斉退職に繋がりました。

自分がそのリーダーから嫌われたくないからと何の手も打たずにいると真面目に働いている職員はやめていきますよね。耐えてまでその施設にしがみつく理由って無いので。誰を大事にするのかを見極め間違えると大量離職に繋がりますので、第三者を含めた検討をしていく事が必要だと思っています。

【5. 素手、素足で介助するように強要する】

いつの時代の話をされているのだろうかと思いました。排泄物や体液には感染症に繋がるものが含まれている事があり、素手では触れないようにと教わってきた私には驚愕でしかありませんでした。手袋をつけての介助は利用者様に失礼だとか、家族だと思えば手袋なんてつけないだろうと説明されました。

いくら説明を受けても到底納得できず、まず身内ではなく赤の他人である事・自分の親や祖父母の介助をすることになったとしても手袋は着用して行う旨伝えました。また、もし素手や素足での介助により感染症を貰った場合、保証をしてくれるのかと尋ねましたがこういう時は逃げられますね…。

これに関しては看護師さんの入れ替わりもあった事もあり、おかしいと感じた看護師さんが施設長を説得して素手・素足は禁止となりました!本当に看護師さん様々です!!私たち介護士の話って聞いてもらえないことが多いのですが、看護師さんの意見なら聞いてもらえるこの風潮って何なんですかね?

従業員の健康を守ることは会社としての義務であり役目であることを忘れないで頂きたいと思います。感染症リスクを怠ったことによる労災等になれば施設の評価が下がるって分からないんでしょうか?それとも労災は申請しない感じなのでしょうか?どの道ブラック施設確定です!!

【6.プラスティック手袋を使いたければ自腹で用意】

排泄介助や感染症対策時にペラペラのエンボス手袋だと感染症をもらってしまうのではないかと心配になりますよね。今まで複数の施設を経験しましたが、直近の2施設はエンボス手袋しか用意が無く驚きました!プラスティック手袋を置いてある施設は職員の事を考えていたんだなと感じました。

看護師さん用にはプラスティック手袋が用意されていても介護士は使用禁止!何故?感染症リスクのある利用者様のケアをする時は本当に不安しかありません。手袋が破けやすいし、エンボスを2重にしてもすぐにスポット抜けてしまう為本当に介助しにくい!

嘔吐や吐血など感染症リスクがある時に使用するためにも欲しいと伝えても許可が降りず本当に不思議でしかありませんでした。状況を知っている看護師さんがいつも内緒で分けてくれていましたが、それ以外に使いたい時は自費で用意するしかありませんでした。

プラスティック手袋って安くはなくて100枚入りの手袋でも無くなるのが早い。片手だけプラ手袋でもう片方
エンボス使うようにする等工夫しながら使っていました。看護師さんの働きかけで介護職員もプラスティック手袋が使えるようになった時は喜びましたし、看護師さんに感謝しかありませんでした。

今の施設は未だエンボス手袋のみで、時々総務の方がこっそり箱ごとくれますが本当に感謝しかありません。日ごろから声をかけたり仲良くなっておいたりするとみに対して手を貸してくださる事があるのでコミュニケーションってとても大切ですね!!

【7.宿直者がいない】

特養で宿直者を置かない施設ってあるの?と驚きました。救急搬送時や急変時どうするのかと尋ねると上司に連絡するようにと!!上司に連絡したところで緊急時に上司が来るのを待つのっておかしくないですか?看護師からの救急搬送要請が出た後、上司に連絡し来るまで救急車要請出来ず不安しかありませんでした。

この施設では4回程夜間に救急搬送要請を行いましたが、毎回なぜ救急搬送要請指示を受けてから連絡するまで30分近く何も出来ないまま待っていなくてはいけないのかと憤りを感じていました。待っている間に何かあった場合どうするのかと不安でしかありませんでした。

また、救急隊の方からも看護師から救急搬送要請が出てから救急隊を呼ぶまでの空白の時間は何をしていたのかと聞かれる為、その間の説明も本当に困りました。自分を守る為に「上司に連絡した所到着間際まで電話するのを待って欲しいとの指示があり〇分後に連絡するようにとの指示を受けました。」と伝えていました。

勿論救急隊の方はそれで納得されるわけもなく、上司が到着するのを待っている間に急変したらどうするつもりなのかと聞かれました…。ごもっともすぎて何も言い返せませんでした。施設側や上司は何かあったらどうしようと思わないのかと疑問でしかありませんでした。

辞めてしまった相談員の方はこういう時に備えて施設近くのアパートを借りて住んでいたようですが、個人の采配やそういう気遣いに甘えていてはいけないと感じています。特養は利用者様の人数も多く、急変リスクも高いので宿直者は必ず設置するようにした方がいいと思っています。

ちなみに宿直者を設置していない理由としては今まで救急搬送をしてこなかったからという単純な話でした。怖さを感じないで施設運営していること程怖い事は無いと思いました…。今でも宿直者を設置していないみたいですが、正直辞めて正解だったと思っています。

以上がこの13年間で経験してきた“こんな施設では働きたくない”と思った出来事でしたがいかがでしたでしょうか?転職を数回していると驚くようなことをしている施設があることに驚くことが多いです。きっと皆さんも驚愕した出来事があるのではないでしょうか?

昔ながらの働き方に固執している施設は職員がどんどん離れていきます。利用者様やご家族様だけでなく、職員の働き方満足度も上げていかなければ人材の確保は難しい&良い人材は残らないと思っています。是非とも見直して働き方改革をしていきましょう!!

(2023年7月7日)


介護付有料老人ホームで働いてみませんか?

■業務内容
株式会社さわやか倶楽部が運営する、2022年3月オープンの介護付き有料老人ホーム「さわやか横浜栄館」で介護職を募集しております。

(募集概要)
・オープンニングスタッフ募集!
・介護付き有料老人ホームで介護職としての勤務となります。
・正社員
・入居者様お一人おひとりのご要望に丁寧に対応していただくお仕事です。
・無資格未経験からチャレンジしたいという方も大歓迎です。
・介護職員をはじめとして他職種との密な連携が大事な職種となります。

(仕事内容)

当施設の介護のお仕事は身体的な介助だけでなく、利用者様とのコミュニケーションを第一に考えています。未経験の方でもまずは積極的に入居者様に接することから始めて、徐々に実務に慣れていただければ大丈夫です!
新規オープンの施設なので、入居者様の人数が少ないうちからお仕事を覚えていけるので、未経験の方やブランクがある方も歓迎です!
・入居者様の身体的なサポート(食事・入浴・排泄介助など)
・居室や共有スペースの掃除、洗濯などの生活のサポート

ケアアシスタントは専門スタッフがいるため、介護のお仕事に集中できます!

■出勤日数
週5日(夜勤あり)
【給与情報】:
基本給 137,000円~
職務手当 22,600円
被服手当 1,000円
地域手当 50,000円

(手当内訳)
夜勤手当 6,000円/回

月給:242,100円~(夜勤4回分含む 超えた分は別途支給)

(別途支給)
交通費支給(上限2万円まで)

昇給あり(年1回)
賞与あり(年2回)
※2年目以降支給対象

 

ご応募はこちら↓↓↓
https://lin.ee/BWjqqAo

(2023年7月3日)


第17回【昔は良かったけど今はNGになっている事5選】

私が介護士になって早13年目に突入しました!介護士なりたての頃は1年1年が長く感じていましたが、年数を重ねるごとに1年がとても速く感じます。悩みながらもあっという間に13年も介護に携わっている事に驚きつつ、介護も大分変ってきているなぁと感じています。

13年前は当たり前に行っていたことも、利用者様の権利を守ることが謳われるようになってきて禁止事項になった事が多々あります。きっとこれからも今は普通に行っている事もどんどん禁止や改善等で変わってくるだろうなと感じています。ここ10年弱で変わった事をまとめました。今も行っていたら要注意です!!

【1. Y字拘束帯】

始めて介護に携わった時、車いすに縛り付けられているのを見て驚いた事を覚えています。初めは車いすに縛り付ける事に抵抗や申し訳ない気持ちがありましたが、慣れって怖いもので時と共に“つけなければいけないもの”“転ばないように必要な道具”という認識になってしまっていました。

当時は拘束具を使用している利用者様が数名いらっしゃり、少しでも転倒や転落の危険があるとすぐに拘束具を使用していました。Y字拘束帯を使用していても車いすごと転倒される方もいて、その場合は太い柱にも縛るなんてことも行われていました。

今考えたらとても異常な光景ですよね。自分の親が縛られていたらとても悲しくなります。今ではY字拘束帯は全く見なくなりました。使用しない代わりにいろんな工夫をしていかなくてはなり、転倒や転落のリスクが上がり大変になりましたが、人権を考えると無くした方がいいですよね。

用具に頼らずにいろんなアイディアを出して対応していかなくてはならないため、アイディアを多く出せる事が求められます。とはいえ、どれが利用者様にあてはまるかを探すまでの道のりが大変ですし、他の方にも同じことが当てはまるかといえばまた違ってきたりします。

しかし、沢山悩んで失敗して成功した経験は自分の知識の引き出しを多くすることに繋がるので、沢山のアイディアを出してトライしていく事が大切だと思っています。“3人寄れば文殊の知恵”と言いますが、いろんな職員から沢山のアイディアが出るような関係性つくりをしていきたいですね。

【2. 拘束帯】

こちらは就寝する際に使用する拘束帯です。骨盤上にベルトを通し、強力な磁石でベルトを固定します。ベッド上ではマットレス、布団では布団に括り付けていました。本来ならば骨盤上で止めているため抜ける事は無いはずなのですが、スルッと抜けている方がいて驚いた事を今でも覚えています。

緩く縛り付けると意味が無い為結構きつめに止めるようにと教わっていたので、苦しかったのではないかと思います。強力な磁石を使用しているため、カギとなる磁石が紛失したときは解除できないためいつも大騒ぎになっていました。

使用されている利用者様は鍵の磁石を必死に取ろうとされていたり、ベルトを外そうとしたりされている様子を見て申し訳なく感じていました。自分がされたら必死で外そうとしますし、抜けようとしますよね。抵抗しているうちに何らかの偶然が重なりスルッと抜け出ていたのだろうと思います。

当時は監視カメラをつけるなんてことはまだ無かった為どうやって抜け出ていたのか知る由もありませんでしたが、今は見守りセンサー等で様子を見る事が出来る為あの頃にこういうシステムがあったらどうやって抜けていたのか知りたかったなぁと思う時があります。

今はベッドから落ちてしまう方にはベッドではなく畳やマットを敷いて床に寝て頂く、這って出てこられる方には部屋の床全体に畳をしく、クッションマットを敷く等で対応するようにしています。部屋から這ってこられる方もいらっしゃいますがその時は危険が無いように見守りを行うようにしています。

本人が何をしたいと思っているのかを知ることが大切で、闇雲に否定しない・連れ戻さない・叱責しないことが大切です。気が済むまで時間がかかることもあります。根気がいる時もあります。しかし、否定等した時の方が余計大変になる事の方が多いです。

介護士も感情のある人間なので、時には怒ってしまう時もありますが、なるべくは見守るようにしたり、話をして意識を違う方に変えてもらえるようにしたりしています。言葉の選び方ってすごく重要で、声掛けによって落ち着かれることもあります。俳優さんになったつもりで色んな仮面をつけられたらいいなぁと思っています。

【3. つなぎの服を着る】

普通の作業機のようなつなぎではなく、介護用のつなぎは足首から首にかけて1本のファスナー、足首から股下を通って反対柄の足首までのファスナーが付いている物になります。自分で外すことが出来ないようにファスナーの持ち手が外せるものやファスナーを隠すようになっている物があります。

使用する対象の方は主にパッドを弄ってしまう方や身体を掻き壊してしまう方、ウロバックの管を引っ張って抜いてしまう方等でした。介護施設では拘束具にあたる為今では全く見なくなりましたが、以前勤めていた有料老人ホームではまだまだ使っている状況でした。

確かにパッドを弄って失禁してしまう方・身体を掻き壊してしまう方・ウロバックの管を引っ張ってしまう方の対応って本当に大変です。今でもどう対処したらいいのか分からず困ることの方が多く、排泄介助の頻度を増やしたり、軟膏やクリームを塗って対処したりしてもうまく行かないことばかりです。

何が正解なのか分かりませんが、どうしてそのような行動をしてしまうのかを探り知ることが大切だと思っています。無意識で行ってしまう行為の場合はどんなに考えても分からないことの方が多く挫折することが何度もあります。この問題はいつになっても出てくるので対策が難しいんだろうなと感じています。

【4. ミトン】

介護用のミトンって料理に使うミトンのような物の手首部分にボタンが付いていてミトンをつけた手では取れない仕組みになっています。また、柵につなぐようにして使用していました。胃婁の管を引っ張ってしまったり、点滴を抜いてしまったり、身体を掻きむしってしまったりする方に使用していました。

両手を自由に使えないため鼻を掻くにしても目をこするにしても何もできません。行動が制限されるため大きな声を出される方や噛みつこうとされる方、足で蹴ろうとされる方がいらっしゃいました。認知症の症状がある方は理解できないまま行動が制限される為恐怖でしかないと思います。

何をされるのか分からない恐怖・身体が思うように動かせない恐怖。そこから来る行動だと思います。今はこのような場合に拘束をする場合、施設内で本当に拘束する必要があるのか、代わりの案は無いのか等をしっかりと話し合ったうえでご家族様に同意を頂き、時間を決めて行う事となっています。

安易に行ってはいけないことだと認識してしっかりと話し合う事が大切ですね。とはいえ外している間のリスクについてもしっかりと話あり対策を立てる必要があります。ここもしっかりと検討していかないと同じ事故を繰り返すことになります。とはいえ、対策立てるのって結構難しいですよね…。

【5. 4点柵】

ベッドから降りてしまう方に行っていました。ベッドから降りられないようにするために行っていましたが、逆にこの対応が余計に危ない事もあります。また、柵を自分で外される方もおり、その場合は柵をベッドに縛って取れないようにもしていました。

その場合柵を外すことが出来ないため柵を超えて床に落ちてしまう事故が出てきます。その場合柵の無いベッドから落ちるよりも高い位置から落ちてしまうため骨折等の怪我に繋がります。ベッド柵を乗り越えて横に置いてあったリクライニングの車いすの上に乗っていた方もいました。

このように動けてしまう方に使う場合は降りられないようにすることによるリスクの方が高い場合もあります。 今は4点柵にすること自体拘束にあたる為行う事はほぼほぼ無いと思いますが、実は3点柵でも拘束になることもあります。

それは壁付けになっている事です。壁側に付け片側のみ2点柵になっていても壁があってベッドから降りられないようにしている時点で4点柵と同じ行為となりますので注意が必要です。どのような対応が拘束に当てはまるのか確認しながら対応していきたいですね。

身体拘束を行う場合は“切迫性”“非代替性”“一時性”の条件を満たしている必要があります。“切迫性”は利用者様や他の利用者様の生命や身体に危険が及ぶ可能性が著しく高いこと、“非代替性”は身体拘束に替わる介護方法が無いこと、“一時性”は身体拘束が一時的であることを指します。

今回上げた物以外には向精神薬を使用して行動を抑止してしまう事も拘束に当たります。“ドラックロック”ですね。薬って本当に怖い物で元気だった利用者様が寝たきり状態や食事がとれず全介助になってしまう事もあります。薬の使用は本当に慎重に決めなければいけません。

介護経験が浅い方は昔の介護を知って驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。この10年でケアの仕方が大分変ってきているなぁと見返していて感じます。利用者様の“人権”“権利”が謳われるようになってきましたが、職員に対する“人権”についてももっと変わっていって欲しいなと節に願うばかりです。

(2023年6月20日)


第16回【新卒者には言わないで欲しい言葉5選】

新卒のみなさん、職場には慣れましたでしょうか?まだ1か月程なので必死に覚えようと頑張っているところでしょうか?就職して数日で居なくなってしまう方がいるこの介護業界…。慣れるまで本当に大変だと思いますが、一緒に頑張っていけたらなぁと思います。

そんな今回は私が新卒の時に言われて堪えた言葉をまとめした。必死に頑張っている時にこれ言われると本当に心が折れます…。何度心がぽっきり折れそうになった事か…。先輩や上司等教える立場のみなさんはこの言葉を使わないようにして頂けたらなぁと思っています。

【1. で?だから?何?】

この3拍子は本当に心臓に悪い!!新卒の頃血圧が高い利用者様が居て「血圧が176の…です。」と伝えたと事「で?だから?どうして欲しいの?」と言われた事があります。分からないから聞いているのにそんな風に返されたらもぅ何も聞けませんよね…。怖い人確定ですし何も聞けない人認定になります。

聞きたいことがあっても聞いたらまたあんな風に返されてしまうと思うと怖くて何も聞けません…。その人が出勤している時は他の職員さんに聞いたり、聞ける人がいない場合は最悪黙ってしまったりするなんてことも起こりかねませんよね。

先輩職員は当たり前の常識かもしれませんが、新卒の頃って何をどうしたらいいのかなんて分からない事だらけです。是非血圧が高い時は頭を高くした方がいい事・血圧が低い時は足を高くした方がいい事などを丁寧に教えてあげられたら良いいなぁと思っています。

私も介護士にならなければ分からなかった事が沢山あります!また、説明する際は事実だけ伝えるよりも出来たら根拠も一緒に説明出来たら理解度が格段に上がると感じています。覚える時って“これはこうだからこうなの”と教わるよりも“これはこういう理由でこうだからこうした方がいいよ”と教わる方が理解しやすいですよね。

教える側も忙しい事は重々承知していますが、出来たら時間をかけて教えて頂けたら嬉しいです。長く介護業界にいて思う事は“初めが一番肝心”だという事。初めの時点でしっかり教わることが出来た職員と教えてもらえなかった職員ではその時点から雲泥の差が付いてしまいます。

転職を数回していますが、「教えてもらえなかった。」「先輩もそうやっていた。」と聞くことが多いです。やる気がある職員の場合、凄くもったいないなぁと感じています。一度身についてしまった知識や対応って意識していない限り簡単には変えることが出来ません。

変わりたい・ケアの仕方を覚えたい・学びたいと思って聞いてくる職員さんには自分が学んできた知識を伝える事をしていますが、それでいいと思っている職員さんには伝えても軋轢を生むだけなのでよほど酷いケアでない限りは少しずつ提案するようにしています。

この経験から一番初めの指導がとても重要であると思っています。介護業界って人手不足でしっかりとした教育システムが出来ていない施設が多い印象を受けていますが、しっかりとした人材を育てる事がのちに施設を支える力となるので教育には是非力を入れて欲しいなぁと思っています。

一方経験年数が長い方が「で?だから?何?」と言われている事もちらほら見受けます。この場合は自分で少し考えて欲しい・もうこの程度は理解しておいてほしいという意味合いが含まれている事が多い印象です。なんでも聞けばいいと思っていると言われてしまうかもしれません。

新卒の頃は比較的優しく教えてもらえますが、経験年数が長くなるほど基礎的な知識は知らないと冷たく返されることが多いです。これは介護業界に限った事ではないと思いますが…。自分でも学んで吸収していく事が大切になります。恥を捨ててどんどん聞いて覚えて頂けたらと思います。

介護ってどんどん新たな取り組みをしていっており、ICT化も進んできています。昔は良かったケアも今では推奨されいなかったり、逆にパッド系であれば昔よりも性能が上がっているので排泄があったらすぐに交換という流れが変わってきたりしています。

私自身、いろんなセミナーに参加したり参考書を読んだりして日々新しい情報を入れるようにしています。新しい情報を得る事でケアの質も上がっていきます。“生涯学びである”とよく耳にしますが本当にその通りだと感じています。

また今は外国の方が介護施設に入職されることが当たり前になってきており言語の壁をすごく感じています。正しく伝えていくためには英語のスキルをつけなくてはいけないと実感しており、介護以外にもそういう知識をつけていく必要もあると思っています。一緒に切磋琢磨していけたらいいですね。

【2. 覚えてないの?】

覚えられるまでの間、情報を収集しようと必死にメモをしていますが一気に利用者様数十名の事を覚えるのは至難の業です。ユニット型特養で10名を覚えるのであっても食事形態・トロミの強さ・使用具(お箸やスプーン・食器)などを覚えるのに必死でした。

従来型特養の場合、食事は厨房から1名ずつお盆に乗ってくるとしても数十名の名前や特徴を覚えるのは本当に大変でした。メモをしていても慣れるまでは疲れてしまい家で見返る気力すらなかったです。一人暮らしをしていたので自分の事でいっぱいいっぱいでした…。

覚える事はその他にもトイレ介助の仕方やおむつ交換・陰部洗浄の仕方・おむつやリハパンのサイズやパッドの種類・着替えのやり方・お風呂介助での機械浴・寝浴の使い方等々沢山あります。私が就職したころはまだ拘束具も使っていたころだったためその使い方まで覚えなくてはいけませんでした。

これだけの量を覚えるには時間がかかります。初めの頃は何が重要な情報なのかを区別することも難しく、“下肢更衣しています”という申し送りでさえメモしていました。今思えば着替えた内容はメモしなくても良かったのですが、言葉が聞きなれておらず着替えと認識するまでに少し時間がかかりました。

覚える事が得意な方ではなかった私は結構苦労しましたが、その中で一番覚えやすいなぁと思ったことはイラストで書くことです。座席やトロミの量、使用具、エプロン等イラストにして書いた方が覚えやすかったです。これは転職や異動した時も未だに行っています。

この経験から教える時はイラストにした紙を渡して見てもらうようにしています。省ける時間は省いて利用者差様との関わりの時間を多く出来たらいいなぁと思いこのような形で指導するようにしています。目で見てすぐ理解できるようにすることがポイントだと思っています。

また、指導する機会を得て感じる事は一緒に目標を立てて“この時期までにここまで覚えられるようになろう”と取り組んでいく事が大切だという事です。“一緒に”という事が一番大切で1人にしない事を意識しています。どこまでなら覚えられているか、心配な事は無いか確認しながら行うようにしています。

「覚えてないの?」と声をかけるよりも「どこまで覚えられた?」と言葉を変えるだけでも印象が変わりますよね。覚えられている個所を把握し、そこから次はどうするか・どこを目指していくかを“一緒に”考えていけると良いですね。そうすることで信頼関係やチームワークにも繋がってくると思っています。

【3. できるよね?】

何度か見学してから実際に行ってみますが、当たり前かのように言われるのはプレッシャーでしかないですよね。実際見ているのと行ってみるのでは大分異なることが多いです。見ている時は「出来そう。」と思っていてもやってみると体重のかかり方やふらつき具合等が異なることが多いです。

また、教えてくれる職員との身長や体格差がある時は尚の事見ているのとやってみるのでは大きな差が生まれます。「できるよね?」よりも「やってみる?」と声をかけてもらえた方が安心してケアすることが出来ます。見守る姿勢が大切だなぁと感じています。

これはパッド交換や入浴介助の時も同様です。怪我をさせてしまったらどうしよう、失敗したらどうしようという気持ちが大きく不安が付きまとうので、優しく見守り時には手助けするスタンスが初めの事は必要なぁと思っています。

私は一番初めの施設でとても印象に残っている先輩がいます。その方は“やらせてみる”事を大切にされていて「やってみようか。」と声をかけてくださっていました。対応が難しい方の時でも「声をかけてみて。」と。拒否や怒られてしまいその旨伝えに行きますが「もっと声をかけてみて。」と。

その時は“えぇ~助けてよ~”と思っていましたが、言葉や表情を変えてみたりして何とか対応することが出来た時に「出来たじゃん。よかったね。」と言ってもえました。決して放置されていたわけではなく、他の事をしながらも何度か後ろに来て見守ってくださっていました。

指導する時ってだいたいの方は出来ないとすぐに変わって先輩が対応したり、難しい方の対応は自分でやってしまった方が早いからと中々対応をさせてもらえなかったりすることがあります。しかし、それでは独り立ちしたときに対応が出来なくて困ってしまいます。

それを見越して一人になった時に自分で解決できるよう時間をかけてくださっていたのだと感じました。“自分で考える”という機会を沢山もらえたことはとても貴重な体験だったと思っています。この経験が私の中ではとても重要だったと感じているため、私もなるべく自分で考えてもらう時間を作るようにしています。

そのため、異動や転職したときは見ているよりもやって体で覚える方が感覚を掴むのが早いので数回見たら「やってみてもいいですか?」と声をかけてやらせてもらうようにしています。教えてもらう期間は決まっています。その間で独り立ちしたときに困らないようにしていきたいなぁ思っています。

【4. 専門用語】

介護士歴が長くなれば長くなるほど専門用語が当たり前になってきます。例えば“側臥位”や“体位交換”“BP・KT”“下肢挙上”等々…。文字で見れば何となくは理解できるかもしれませんが、口頭でズラズラと言われてしまうと何のこと?と頭に“?”が沢山浮かびます…。

必死にメモしていましたが、そのまま業務に入ることが多く入る前に先輩職員に確認してから入るようにしていました。今では私が先輩方のような立場になり、専門用語が出てしまう事が多くなってきました。初心を忘れず専門用語だけでなくしっかりと噛み砕いて説明できるようにと意識しています。

勿論、介護職員同士や他職種間との間では専門用語を多用しても構わないと思いますが、新卒者やご家族様に説明する場合、記録に残す際は専門用語を使用せずに誰が読んでも分かる言葉を使うようにしています。理解できるまでの間は専門用語を使ったとしても意味まで説明してあげられるといいですね。

【5. できてない】

初めのうちは出来ないことが多いのは仕方が無い事だと思っています。利用者様のケアの事に気が行ってしまい、掃除や物品補充などまで気が回らない事が多いと思います。実際私もよく抜けてしまい「あっ!やってしまった。」と焦る事があります。

その際「この間〇〇やってなかったでしょ。やっておいたから。」や「△△してないよ。」と言われると凹みます。また、パッドの当て方が出来ていない、声のかけ方が出来ていない等出来ない事を見つけては注意してくる人っていますよね。

出来ていないことばかり見つけて注意されるとやる気が無くなってしまいますし、やること自体怖くなってしまいます。初めのうちから完璧に出来る人なんてそうそういません!失敗をしながら成長していくものだと思っています。失敗を責めるのではなく教えてあげるスタンスでいて欲しいなぁと思います。

また、見える化できるように工夫し抜けが無くなるようにこの時間帯の仕事はこれと目で見て分かるようにしました。出来たらチェックを入れるようにする、チェック忘れが無いような位置にチェック項目を貼っておく等注意ではなく他のアプローチが出来たらなぁと考えています。

どんな仕事でも初めは皆素人で苦労しながら成長していくものです。経験が長くても抜ける事もあります。ミスしない人はいないので“お互い様”という気持ちでお互い助け合っていけたらいいですよね。注意は双方嫌な気持ちになりますので、何度もミスしがちな事は見える化をお勧めします!!

(2023年6月5日)


第16回【衝撃を受けた利用者様5選】

衝撃を受けた利用者様についてのエピソードを教えて欲しいとの連絡を頂いたことがあり、今回は私が介護士歴13年の中で強烈に印象に残っている凄い利用者様のエピソードをまとめました。結構強烈な印象の利用者様っていますよね…。あなたは出会った事ありますか?嘘のような本当の話です。

エピソード内容は個人情報の保護の観点から多少事実ではない事を交えながらまとめさせていただいております。話を大きくして書いている事はありませんので、ご了承いただけましたら幸いです。

【1. 自殺願望が強い】

始めて介護に携わった従来型特養での話です。体格が良く結構若めの男性利用者様がいました。事前情報の時点で自殺願望があることは知っていましたが、実際に関わってみると想像以上に大変でした。介護ってこんな方も見るのかぁ~と驚愕したのを今でも覚えています。後にも先にもこの方以上の方に出会ったことはありません。

自殺願望の強い男性利用者様(以後A様)は力も強く私が就職した事はまだ禁止になっていなかったY字拘束帯を使用していました。それでも車いすごと自分で移動し自傷行為をされてしまうため柱にも縛っている状況でした。今では考えられない状況ですが、昔はこういうケアが多かったです。

頑丈な柱に縛っていたため身動きが自由に取れず、「殺してくれ~。」「警察を呼んでくれ~。」と大きな声を出しており、従来型特養だったこともあり他利用者様から苦情の嵐でした。本来ならお部屋で過ごしていただきたいのですが、お部屋で1人にする事も難しく常に職員の目が必要な方でした。

ベッド上で休んでいただいていた時、排泄介助で部屋に向かうとナースコールを首に巻いていたりベッドから床に降りて消火器や消化ホースを持ち出して自傷行為をしようとされたりしていました。4点柵になっていましたが難なく降りてしまい全く意味がありませんでした。

そのため職員の目があるリビングで過ごしていただくしかなかったのですが、ある日いつものように怒鳴っているなぁと思っていると目の前を何かが高速で飛んでいきました。確認するとなんと!ブレーキの棒の部分が床に落ちているではありませんか!!

急いでA様の方を見ると反対側のブレーキを折っている所でした!“ブレーキって折れるの?”と驚いたと同時に他の利用者様へ危害が加わらないかという恐怖と職員が間に入ったとして怪我をしない保証はなく“どうしよう”という状態でした。

すぐに大きな声を出して他職員へ周知し職員数名がかりで対応しました。事なきは得ましたが、どうしたらいいのか本当に分からず困っていました。この後私の異動があったためA様の対応についてどうなったのかまでは残念ながら覚えていないのですが、後にも先にも一番の恐怖体験でした。

自殺願望を持たれている方が利用されることは多くはありませんがA様以外にも数名対応したことがあります。自傷行為をされるためハサミや爪切り等自傷行為しそうなものの持ち込みは禁止したり、ズボンやトレーナーなどについている紐を全て外したりあらゆる可能性を考えて対処しています。

【2. セクハラが凄い】

高次脳機能障害による衝動が抑えられない男性利用者様(以後B様)、知能犯的なセクハラをする男性利用者様(以後C様、D様)と2タイプのセクハラを経験しました。介護とセクハラって結構避けられない非常に嫌な問題だと感じています。

“認知症だから”で片づけられてしまう事が多いですが、介護施設以外で行えばそれはれっきとした犯罪で逮捕されるような事も我慢しなくてはならない環境を本当に変えていかないといけないと感じています。セクハラが原因で病んで介護の仕事から離れていく職員も少なくありません。

始めて酷いセクハラを目の当たりにしたのは従来型特養時代。ショートステイ利用者のB様でした。高次脳機能障害があり、自分の思い通りにならないと感情が抑えられず怒鳴る等の事前情報はありましたが、セクハラについては一切記載がありませんでした。

当時私はショートステイ担当で入退所を主に担当しており、日中のケアは特養職員さんが行っていました。セクハラの被害を知ったのはある女性職員からの相談でした。ナースコールがあり部屋に伺うと、ナースコールを口に入れなめまわしそれを手に取れと強要されるとの事。

断ると怒り出し部屋を出ると再度コールを鳴らし同じ要望をしてくるとの事でした。男性職員が対応するときはそのような事が無いとの事だったため、B様が利用される日の対応は男性職員と決めました。男性職員には「女性職員を呼べ。」と要望していましたが断ってもらいなるべく女性職員が関わらないようにしていました。

全介助の方だったためセクハラ行為が酷い時は部屋への訪室を控えていたのですが、こういう時はなぜか動けることが多く、ベッドから転落することが次第に増えていくようになりました。こうなると訪室しないわけにはいかなくなります。訪室するたびにセクハラを受けるか、行かなくて転落するか…。

非常に困りました。当時勤めていた施設での男性職員の割合はとても少なくほぼ女性職員だったため勤務を調整しても女性職員しかいない事が多かったので、どう対処するか何度も会議やカンファレンスを開いていました。事務所職員も加わりなるべく男性職員が対応することで方向が決まりました。

しかし、夜勤ばかりはどうにも調整が難しく職員2人とも女性職員になってしまう事もありました。その場合は開始早々からコールの嵐。ナースコールをなめるだけでなく、陰部に入れてそれを触らせるなどエスカレートしていきました。女性職員がどんどん憂鬱そうになっているのを見ているのが辛い程でした。

自分が夜勤の時であれば対応するのですが、送迎等もあるため中々夜勤に当たらず…。そんな時はB様が寝付くまでB様の対応をしてから帰るようにしていました。誰も助けてくれないと思いながら仕事をするよりも誰かがかばってくれていると思えるだけで精神的負担は軽くなるのではないかと考えていました。

男性相談員にも協力してもらい、あまりにも要望が酷い時や女性職員同士の夜勤になってしまう時の宿直を変わってもらう等あの手この手を使って対応していました。あまりにも酷かったので数か月の利用後からは利用を断っていた記憶があります。

次のC様、D様についてはユニット型特養の時の出来事です。こちらもショートステイご利用の方々で、歩行や着替え等自立をされている方々でした。初めの頃はセクハラしそうな感じは全くなかったのですが、利用期間が長くなるにつれ徐々にセクハラ行為が目立ってくるようになりました。

C様D様共に認知症の症状はあるものの在宅で過ごせる程度。受け答えもしっかりしている方々でした。ショートステイユニットには女性職員が多かったこともあってか次第にエスカレートし始め、部屋に衣類を返却に行った職員の腕を掴んでベッドに押したおしたり、キスをしようとしたりし始めました。

職員が大きな声を出して助けを求めたため気が付きましたが、もし1人の時間帯だったらと思うと恐怖しかありません。男性利用者様で足腰がしっかりしているため力はとても強く、振り払えなかったと話していました。仮に振り払ったとしても怪我をさせてしまうリスクもあり手加減をしなくてはなりません。

こんな怖い介護って無いですよね…。またお風呂介助の際は自分で身体を洗えるにも関わらず陰部を洗うようにと強要したり、浴槽の中で意識が飛んだぶりをして「大丈夫ですか?」と声をかけに近寄った時に腕を引っ張り浴槽内に引き込もうとしたりする程知能犯でした。

さらには職員が1人になる時間帯を知っていてあえて1人になった時間になってから部屋に戻り着替えをして欲しいと要望したり(自分で出来る)、「揉ませてくれよ。」と迫ったりしていました。1人になる時間帯が恐怖でしかありませんでした。

お風呂は男性職員が対応する、着替えは職員が2人いる時間帯に2人で部屋に入り対応する等決めました。ここの施設での問題は上司で、セクハラの件を訴えても「減るもんじゃないから揉ませてあげたら。」との1言。女性職員たちの顔が凍り付いたのは今でも鮮明に覚えています。勿論私もその1人でした。

1人になってしまう夜勤帯はどうにもできないため、排泄介助時にセクハラ行為が見られる時は協力ユニットの職員に応援要請していいという取り決めをして対応しました。リビングに起きてこられることもあり、夜勤に行く事が億劫で仕方がありませんでした。

利用者様から介護士へのセクハラ問題ってあまり表ざたにならないですが深刻な問題だと感じています。女性利用者様から男性職員へのセクハラもあるので、利用者様の権利だけでなく職員の権利も守ってもらえるような仕組みになってくれると安心して働くことが出来るのになぁ~と思っています。

【3. 家族が亡くなっている事に気が付かない】

デイサービスを利用されていた利用者様(E様)は奥様と2人暮らしでした。ある日のデイサービス利用時、送迎に向かった職員が異臭に気が付き家に上がると奥様が亡くなっていました。デイサービスは週2程度だったためいつ亡くなったのか分からない状況でした。

E様は認知症の症状が強く、何を聞かれてもニコニコと笑って「そうだねぇ~。」としか話をされませんでした。状況を伺うにも全く話を聞くことが出来ません。今のご時世2世帯で生活する事はとても少なくなってきています。

高齢者夫婦だけで生活をされている場合このような状況が大いにあるのではないかと思っています。地域との関わりやご家族様との関わり次第で発見がとても遅くなることもあり得ます。コミュニティの形成をどうしていくかが課題になってくると思っています。

【4. ヤバイ異食】

認知症の症状が強く自分の世界を過ごされている事が多いF様。いつもニコニコと施設内を自由に歩かれていました。どこに行くのか尋ねると「山登りに行くのよ。」や「あの公園にねっ、遊びに行くの。」といつもお出かけに行く話をされていました。

お出かけする為に荷物を探して歩かれている事もありました。ある日の事、口をもぐもぐしながら歩かれていたF様。いつものように「どちらに行かれるのですか?」と尋ねると「あのね…。」と話し始めたとたん、口から強烈な異臭が…。

もぐもぐと口を動かされており、「何を食べているんですか?」と尋ねると「えっ?お饅頭があったからね、おいしそうだと思って食べてみたの。」とにこっとされていました。同時に私と隣にいた職員は“ヤバイ”と焦りすぐに手袋をはめて口を開けさせてもらいました。

F様はお饅頭が取られると思い嫌がっていましたが明らかな異臭!!お饅頭なんておやつの時間でも出る事が無く、差し入れもない。恐る恐る口を開けると茶色い物体が!!!そう、ウンチを食べていました!!思わず私ももう1人の職員も「うわぁ~!!!」と大きな声を出してしまいました。

一体どこで食べてきのか?従来型特養だったため部屋で使用しているポータブルトイレも含め広範囲を探す事に。するとある部屋のポータブルトイレの中に排便の形跡があるのに物体が無い場所が…。他人のポータブルトイレを開けてお饅頭を見つけたと思い食べていました。

どうやって食べたのか尋ねると「スプーンがあったからね、すくって食べたのよ。」と…。どこにスプーンを隠し持っていたのかと驚きました。排泄物や消臭液、ティッシュを食べてしまっている可能性があり、すぐに看護師に報告しました。経過観察となりましたがしばらくは話をするたびに排泄臭が口からしていました…。

その件を受け、ポータブルトイレの管理方法について検討されることとなりました。日中も使用される方だったためこまめな訪室と処理をする・F様の所在確認をする程度しかできませんでしたが、それ以降は同じ異食はありませんでした。

異食って結構介護施設では多いですよね。強烈だったのはF様の異食でしたが、これ以外に多いのがポリデントの異食です。また、ティッシュやボタン、消しゴム等の異食もありました。手の届く所に置かない、食べてしまうかもしれないと思う事が事故を防ぐには大切になってきます。

【5. 施設から居なくなる】

これは数か所の施設でありました。自宅で最後まで暮らしたいという気持ちは痛い程良く分かります。納得して施設に入る方は少なく、うまい具合施設に連れてこられそのまま入所になる方は少なくありません。家に帰りたい利用者様と施設に泊って欲しいご家族様の希望どちらの気持ちも分かるので複雑です。

だいたい帰りたくなる時間は日が暮れる夕方が多く「家に帰って夕飯の準備をしなくちゃ。」と話される方が多い印象です。あの手この手を使って家に帰りたいと思う意識を他に向けられないかと試しますが、落ち着かれるようになるまでとても大変です。

職員の目を盗んでサッといなくなってしまう方も居て、ほんのちょっと他利用者様の介助をしている間に姿が見えなくなっていたなんてこともあります。事務所職員が気付いて止めてくれればいいのですが、デイサービスの帰る時間帯に他利用者様に紛れ込んでしまうと難しい事もあります。

中には他利用者様の面会に来たご家族様と一緒に玄関まで行き外に出てしまう方もいらっしゃいました。すたすたと歩かれていたため、違うご利用者様のご家族様と思っていたとの事でした。確かに利用者様なのか、ご家族様なのかの判断は職員以外の方では難しいかもしれないと思いました。

姿が見えないと急いで探し回りますが、施設内で見つけられない時は本当に焦ります。交通事故にあってしまう危険性や方向が分からず街をさまよってしまう可能性があるからです。冬場は凍死、夏場は熱中症など命に関わる可能性も大いにあります。見つけられるまで非常に緊張感が漂います。

今までの経験の中で驚いた離設は2回程ありました。1回目は直接関わっていないのですが、2階に入所されていた利用者様が避難用の滑り台を降りて外に出てしまったことです。たまたま滑り台の降り口付近を見ていた職員がいて気が付き行方不明になる前に気が付けたので大丈夫でした。

2回目は1階の利用者様で部屋の窓のカギを開けて外へ出られました。これもたまたま外の防犯カメラを見ていた職員がいて外に出ている事に気が付きすぐに対応したので事なきを得ました。職員は必要最小限の人数で対応しているため常に見守っている事は出来ません。難しいです。

他利用者様のケア中に居なくなってしまった場合気が付く事が遅れる可能性もあります。常に戸締りや所在確認の必要があり、ちょっとした物音にも反応するようになりました。ずっと気を張っているため仕事終わりはどっと疲れが襲ってきます。

衝撃を受けた利用者様いかがでしたでしょうか?結構重い内容だったかもしれません…。ほとんど表に出ないことですが、介護士って介護だけでなくこういう大変な方の対応もしなくてはなりません。サービス業とはいえ我慢できないことも多いです。

介護士って虐待の報道は沢山され、利用者様の人権についてはどんどん改正されていますが、介護士の人権を守ってくれるようにならないと介護士離れは解決しないのではないかと感じています。施設としても対策をしっかりと考えて職員を守れる施設が増えると介護士としては嬉しい限りです。

 

(2023年5月31日)


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