訪問介護
『横浜介護求人センター』

第27回【ユニット型特養の特徴 5選】

同じ“特別養護老人ホーム”でも“従来型”と“ユニット型”とで分かれます。入所するにあたっても勤務するにあたってもどのように異なるのか知る事ってとても大切な事ですよね。今回は“ユニット型特養”の特徴をまとめていきます。

【1.10人1ユニット】

これがユニット型特養の大きな特徴と言ってもいいのではないでしょうか。従来型特養は20~30名が食堂で過ごされている事が多いかと思いますが、ユニット型特養は利用者様10名で1ユニットとなっています。10人と限られているからこそより利用者様の事を深く知る事ができます。

居室担当も施設によるとは思いますがだいたい2~3名程度。従来型特養で勤務していた時はだいたい2~3部屋を受け持つことが多く、4人部屋で考えると12名程担当することがありました。そう考えるとだいたい1/6程度の人数で済むので関わり方も濃くなることが分かるかと思います。

利用者様10名に対し深く関わる職員は夜勤でのみ関わる職員を除けば5名程度なので、利用者様と職員の関係性を築きやすいというメリットもあります。逆に利用者様との関係性が上手く築くことが出来なければトラブルや精神的に参ってしまう等のデメリットにも繋がりやすいのも特徴。

従来型特養の時には関わる利用者様の人数が多い為、個人的に時間を作って対応することがとても難しかった記憶があります。「少しお待ちください。」と声をかけたまま時間に追われ気が付いたら対応できなかったなんて事がしょっちゅうありました。私にはこれが合いませんでした。

お願いされているのに“忙しい”を理由に対応できず後回しにすることが心苦しいなぁと感じる日々。勿論ユニット型特養でもすぐに対応することが難しい事は多々あります。しかし1日の中で関わる時間を作ることは従来型特養に比べたら作りやすいかなぁという印象を持っています。

職員1人にユニット内で見守りをしてもらい、その間に利用者様と事務所に行ったりお願い事を聞きにお部屋に伺ったりすることがしやすいと感じています。利用者様の要望に合わせて比較的対応しやすいのではないでしょうか?少人数だからこそ職員数にゆとりのある時はクッキングやドライブを行いやすいのも特徴かなぁと。

【2.個別ケア】

ユニットケアでは今まで当たり前になっていた決まった時間での一斉介助ではなく、1人1人の生活リズムに合わせてケアをしていく事が推奨されています。確かに私たちも1人1人起きる時間も食事を食べる時間も、トイレに行く時間も寝る時間も異なりますよね。全く同じ人はいないと思います。

ユニットケアの理想は目が覚めてから起きてお腹が空いたら食事を食べて、トイレに行きたいタイミングで対応し、お風呂に入りたい時間に入浴をして寝たい時間に就寝する事です。現実的には全部を叶える事は難しい事が多いですが、可能な限り利用者様の要望に合わせてケアを行っていきます。

ユニットケアでは入浴も“個別”で基本的には利用者様と職員が“1対1”で対応します。従来型特養の場合は一斉入浴となるので集団での入浴ですが、個別で入浴できる事は大きなメリットではないでしょうか?1対1でゆっくり入浴できる環境はいいなぁと感じています。

1対1だからこそ話せる事や利用者様のペースに合わせて入浴を行い、皮膚観察や爪切りなど時間をかけてケア出来るのも私は良いなぁと感じているところです。勿論時間をかければいいというわけではなく、リビングの状況やその日の予定に合わせて対応することは大切です!!そのうえで最大限ケアしていきたいと思っています。

今までは介護士の動きに合わせて利用者様のケアを合わせていましたが、今は介護士が利用者様の動きに合わせてケアを提供していく事が求められています。そのためにあるのが“24時間シート”利用者様1人1人の生活リズムや希望を細かく記録して利用者様の望む暮らしが提供できるようにするためにあります。

24時間シートを作るには利用者様をより詳しく知る事が大切になってきます。ボソッっと話したことが核心だったなんてこともあるので、どれだけ興味を持って利用者様と関わるのがとても大切なのではないかと感じています。利用者様の声を沢山拾って24時間シートに落とし込んでいけるかが鍵です!

24時間シートは濃く書かれている方がいいですが、そこに職員の思いを書き込んでしまわないように注意が必要です!勝手に“この人はこう思っているだろう”と書いてしまうのは職員の勝手な思い込みでしかないからです。書く場合にはしっかりとした“根拠”を元に書き出していきましょう。

例えば嫌いな食材があるように感じているとします。その食材を食べるといつも嫌そうな表情をされるとか、吐き出されるとかという反応があれば記録に残していきます。その回数が多いのであればきっとその食材は嫌いなんだと思います。そうして“なんとなく”ではなく“根拠”を集める作業が大切になってきます。

それを繰り返し行っていく事でその方の24時間シートが濃い内容になって行くと感じています。私もまだまだ観察しきれていないことや他の職員さんからの何気ない言葉や疑問から気づかされることが多々あります。一人でしまい込まず発言して共有認識を持って行く事も大切です。

利用者様をよく観察してその方にあった個別のケアが出来るように一緒に切磋琢磨していきましょう!!

【3.ユニット内での炊飯】

ユニットケアは基本的にユニット内で炊飯やみそ汁つくりを行います。ご飯は常食・軟飯・お粥であればユニット内での炊飯を行います。だいたい常食と軟飯または常食とお粥を炊くことが多いかなぁと感じています。朝・昼・夕で毎回炊飯を行う施設が多いのではないでしょうか。

味噌汁も朝・昼・夕と作ります。これは施設によって大分異なる印象がありますが、お昼だけ作る施設・毎食作る施設・味噌汁以外は厨房で作る施設と本当に様々です。食材も入れるだけの状態で届けてくれる所や豆腐等簡単な食材はユニット内で切って作る所もあります。

理想としては利用者様と一緒に炊飯やみそ汁つくりをとされていますが、中々難しいのが現実。作れる利用者様って結構少ないですよね。食材を切ったり具を入れたりするのは職員が対応し味見を利用者様にお願いする事であればまだ出来るかなぁという感じです。

炊飯以外にはクッキングも行えます。行事としてでもいいですし、時間がある時に「今からホットケーキ作ろう!!」と言って作る施設もありました。その施設ではホットケーキミックス粉がいつでも使えるようになっていた事や厨房から卵や牛乳がもらえる事・調味料も常に沢山あったのでやりやすかったです!!

その施設はおやつもユニット費から捻出していたためこういう行事がやりやすかったという事もあるかと感じています。ユニット費でフライパンや鍋、ホットプレート、サンドメーカー、ワッフルメーカーなどを自由に購入ですることも出来ていたのでいろんなものを作ることが出来ました。ある程度の自由さは大切ですね!

【4.なじみの関係】

【1.】でもお伝えしましたが、10人単位の利用者様とそれに合わせた少人数の職員で1ユニットを作りますので馴染みの関係が作りやすいです。いつも顔を合わせる関係だと回数が増えるごとに安心感が生まれますよね。逆に合わないと結構キツイという事にもなりかねませんが…。

利用者様同士も10人で毎日顔を合わせているといろんな話をする関係になってきます。例えるならば町内会の集まりのような感じでしょうか?「昔〇〇の仕事をしていたんだよ。」「子供が△△の仕事をしているんだ。」「昔は□□のあたりはこんな感じだっだよね。」「戦争の時は…」等いろんな話が飛び交います。

調子の悪い利用者様がいる時には「今日は〇〇さん調子が悪いのかい?」と心配されたり、コロナ前であればお見舞いにと部屋に伺い声をかけに行かれたりする事もありました。見ていても心が温まる光景だなぁと感じていました。こういうやり取りを見るのも結構好きですね!!

また看取りを行っていた施設では職員もそうですが利用者様も涙を流して別れを悲しまれたり、セレモニーの際に仲の良かった利用者様からご家族様に挨拶をして頂いたり、ユニット内だからこそお別れの日の朝に職員と一緒に部屋に挨拶をしに行ったり、お見送りに参加したりという事も出来ていました。

ユニットケアの良いところは少人数で関わることでより濃い個別ケアが出来る事ですが、デメリットとしては人間関係がうまく行かない時の精神的ストレスが大きいという事です。利用者様とのトラブルでは合わない職員が出勤するたびに利用者様が不穏になるなんて事もあります。

「この人が私の物を取ったんだ。」「この人が私にいじわるをするんだ。」という訴えはとても稀ですが「この人にセクハラされたんだ。」等と訴える方もいらっしゃいます。本当か誤解かは双方に話を聞いたり、普段の利用者様や職員の事を近くで見ている職員への聞き取りをしたりする事が重要になります。

時にあらぬ誤解で思い込まれてしまう時もあります。その場合、職員は出勤すること自体が苦痛になってきてしまいます。誤解が解けない場合は職員を異動させるという事もあります。誤解を招かないように行動することが大切ですが、いくら気を付けていても防げない事もあります。

それ以外には職員に“依存”してしまう事もあります。この職員に言えばなんでもやってくれるとなると他の職員には言わない事もその職員に対してはどんどんエスカレートしていきやすくなります。“出来ないことは出来ないと断る”という事も必要です。

断れないと本当は自分で出来る事でも職員が行うようになっていきます。これが続くと利用者様の“やろう”という気力を奪いかねませんし、他の職員に対しても「〇〇さんはやってくれるのに!」という不満を抱かせることにも繋がります。

やる気の低下からADLの低下にも繋がり、介助度が高くなってしまうこともあります。体調が悪い時などは仕方がないとは思いますが、なんでもかんでも職員が手伝ってしまう事はケアではありません。出来る残存機能を活かしながらケアしていく事が大切なのではないでしょうか?

“依存”が強くなってくると職員との関係性が崩れトラブルの原因に繋がりやすくなります。深く関わることも大切ですが、ある程度距離を保つ事も必要です!また、周りの職員に相談してどう対応していけばいいのかを一緒に考えていく事が出来るととてもいいなぁと感じています。一人で抱え込まないようにして欲しいです!

利用者様同士のトラブルも結構あります。認知症の為大きい声を出されてしまう方やずっと大きな声で歌を歌われる方、自分の思いが先行してしまい他利用者様にぶつかりながら車いすを自走される方、他利用者様の部屋に入ってしまい物を持ち出してしまう方や放尿してしまう方等対応が難しい方もいらっしゃいます。

そこに認知症ではないけれど身体が不自由で家での介護が難しいという理由で入所されてこられる方がいらっしゃる場合、注意したり怒ったりすることがあります。認知症という病名は知っていても実際に自分に危害が加わってくると怒ってしまう気持ちも理解できます。

ユニットケアの難しいところはそういうトラブルをどう防いでいくかという事だと感じています。職員が目を光らせていても常にその利用者様の行動を見ている事や制限することは出来ません。他利用者様のケアで短時間でもその場を離れなくてはいけない事も少なくありません。

双方の利用者様が嫌な思いをしながら生活しなくてもいいように可能な限り対策していきたいと思っています。手を尽くしてもどうにもできない場合もあります。その場合はご本人様の意向を聞き取り、ユニット異動という形で対応させていただく事もあります。

入居してからの関係を作る事・入居してからずっと同じ空間で生活をしていく事は私たち介護士が感じている以上に大変なのかもしれません。入居したくなくても家庭の事情等で無理して入居されてくる方も多いです。少しでも居心地の良い環境を作っていけたらいいなぁと日々思っています。

【5.家の延長】

ユニットケアは在宅の延長線の生活が出来る事を理想とされています。家で使っていた食器やおはし、家具を持ち込んでもらうようにご家族様に声をかけていきます。自分が使っていた物があるだけで安心感やここが自分の部屋(家)になるのだと理解できることにも繋がります。

1人1人持ち込まれるのもが異なる為“自分の部屋”と認識しやすいのかなぁと感じています。こたつを持ち込まれる方、テーブルや人形、仏壇を持ち込まれる方もいらっしゃいます。お仏壇の場合は毎朝ご飯とお茶を交換しますし、お花を飾りたいという要望に合わせて職員が仏花を購入して飾ることもします。

ご家族様の写真や亡き旦那様や奥様の写真を飾っている方もいらっしゃり、部屋ごとに設えが大分異なります。利用者様の思い出の品が沢山あると話のきっかけや利用者様を知る事にも繋がるので出来る事であればどんどん持ち込んでいただきたいなぁと思っています。

従来型特養の多床室ではテレビの持ち込みが制限されてしまいますがユニット型特養の個室ではテレビの持ち込みやラジオの持ち込みも出来ます。比較的持ち込み物の自由度が高いです!利用者様が安心して暮らせる環境を作っていけたらいいですよね

(2023年12月6日)


第26回【覚える為に工夫している事5選】

介護の仕事ってケアの方法から専門用語等覚える事が沢山ありますよね。新卒の時専門用語が沢山行きかっていて何が何のことなのか理解できずに“えっ!?何それ?”ってなった事が幾度となくありました。介護を始めたばかりの頃ってそうなりませんでしたか?

専門用語なのか何なのか分からず、申し送りで話している内容は全部紙にメモして後から調べたり先輩に聞いたりするようにしていました。今では笑い話ですが“ももひき”“傾眠”も申し送りのスピードの中では理解で来ていませんでした。

新卒の頃は専門卒や介護施設でアルバイトをしていた同期に比べるとどうしても覚えが遅い自分が情けなくて、先輩が優しくて余計に不甲斐なさを感じて落ち込む日々を過ごしていました。覚え方を自分なりに習得してからは異動や転職時にも大いに役立っていると感じているので今回は工夫している事をお伝えします。

【1. 居室や席は図を書いて覚える】

部屋や食事の席ってもう決まっている事が多いですよね。ショートステイやデイサービス以外では毎日変わるわけではないため見取り図にして書くようにしています。テレビの位置・カウンターやキッチン・ベランダ等分かる部分を書いてテーブルの形も大まかに書きます。

車いすの人と椅子の人で色を使い分けるととても見やすいです。利用者様に特徴がある場合はその特徴もメモすると顔と名前が一致しやすいです。また、転倒注意などの細かい注意点も食事の席に書き出します。図面と一緒に注意点が書いてあることによって1枚1枚注意点を書いた紙を探さなくて済むので見やすいです。

居室も大まかにユニット内の見取り図を書いてそこに部屋番号と利用者様の名前を書きだします。部屋の中は1部屋1部屋ざっとベランダ・洗面台・トイレなどの設備を書いてからベッドの向き、頭の位置、ポータブルトイレ・車いすの位置などを書き出します。

必要であればセンサーマットの有無や転倒・転落注意があるのか・就寝時の電気はどうするのか・部屋に用意する水分等があるのかどうかも書くようにしています。動きながらペラペラと見返すよりも付箋を付けてこのページを見ればまとめてあるという事が分かるようにすると尚見返しやすいです。

そこに書ききれない部分は次のページなどに書いていき、後で見返して違うノートや紙にまとめるのもいいと思います。“パッと開いてすぐ確認が出来る”“開いたページに多くの情報が載っている”という事が早く覚えるためには有効的だと感じています。

【2. お箸などの自助具の絵を描く】

ユニット型特養の場合、お箸などの自助具は個人購入してあることが多いです。使う用具もそれぞれ異なっており頭だけで覚えるのは時間がかかる作業です。間違って他の方に出してしまうわけにもいかないので大雑把でいいので絵を描くようにしています。

どのように絵を描いていくのかというと、四角い枠1人1人分けて書きその中に自助具やお盆なのかランチョンマットなのか、食事用エプロンが必要かどうか・トロミの有無や濃さを書くようにしています。1人1人分けて書くという事がポイントです。

書き方の例としてお箸であれば柄や色の特徴を書いたり、右利きなのか左利きなのかでお箸の向きを変えたりして書きます。スプーンやフォークを使用するのであれば大きさや福祉用具の物なのかで書き方を変えています。ただ単にスプーンと書いてあるよりも絵があることによって見やすくなります。

ご飯茶わんや汁椀・食事形態なども人それぞれ細かく異なります。ご飯だけでもペースト粥・お粥・軟飯・常食・パン食と複数の種類があります。ここに味噌汁の具の有り無し・塩分制限による味噌汁の量・ご飯のグラム数も加わると食事量だけでも結構な情報量ですよね。

メモしたところをペラペラとめくって1人1人の情報を得るよりもまとめて書いてあることによって食事も見やすくなります。“まとめる”事を意識して書いていくといいですよ!是非試してみてください。

【3. コップの絵を描く】

これも先ほどまでと同様ユニットケアでは個人で用意する事が多いので特徴を書くようにしています。コップも陶器・プラスティック・マグマグ・吸い飲み・ペットボトルなど使うものは様々です。色が違うだけで同じ物を使う方もいらっしゃるので、間違えないようにしないといけません。

さらに水分制限がある場合には何時に何cc提供するのか、トロミを付ける場合には200ccに対して小さじ・大さじ何杯入れるのか・好みの水分や嫌いな水分を書くようにしています。これ以外にもぬるめにする・熱いままの提供がいい等の好みも重要ですよね。これを覚えるのも本当に苦労しました。

【4. 排泄介助の準備】

これは従来型特養の時にとても苦労しました。新卒で配属されたのが従来型特養でした。ここは遅番で出勤したら就寝時の排泄用具を準備するという決まりがありました。従来型特養では就寝介助も30名行っていたためトイレ介助を行う方用の分を用意することが地味に大変でした。

個人用の籠がありそこに使うテープ型おむつやパッドをいれていたのですが、毎回サイズが書いてある紙を見なくては用意することが出来ず時間がかかっていました。慣れている先輩方はものの数分で準備が終わっていたのにその倍近くかかっていました。こんなことでと思われるかもしれませんが情けなさを感じていました。

準備に時間がかかるため早めに出勤し準備をするようにしていましたがこれはしんどいですよね。ある時同じ施設に配属になっていた介護施設でバイト経験のある同期にどうしたら覚えられるか相談したことがあります。その時に「紙に全部書き出して持って行くといいよ。」と言われハッとしました。

当たり前といえば当たり前なのですが、それまでは排泄チェック表を持って準備をしていました。早番者が書きたいけど書けない、記録を打ちたいけど打てないなんて事をしてしまっていました。排泄チェック表も時間帯でそれぞれ異なるサイズが書いてあったため見間違いで準備間違いをすることも。

同期にアドバイスを貰ってからは準備しなくてはいけないサイズを書き出し、それを持って準備するようにしました。今思えば“当たり前”“なんでそんなことも考えつかないの?”と思ってしまいますが、初めの頃は何をどうしたらいいのか分からないことだらけで付いていく事に必死でそこまで考えが回りませんでした。

ユニット型特養に移ってからは“個別ケア”が謳われており一斉排泄は行わないためパッド類のサイズ+排泄時間も覚える必要がありました。時系列を書き、この時間に〇〇様、テープ型おむつM+700mlパッド等と書くようにしました。排泄チェック表を1枚貰い排泄時間に色を付けたりそこに使用品を書くのもありです。

そうやって書いた紙をポケットに入れて排泄介助をしているため、よく利用者様の部屋に紙やボールペンを置いてきてしまうという事をしていました。無駄な時間をカットする為に作ったはずが、逆にそれを探すために余計な時間をつかうはめになる事なんていまだにやります(笑)

【5. ポジショニングの絵を描く】

ポジショニングってクッションを外す前はどっち向きでどのようにクッションを入れていたのか分かるのに、外して排泄介助をしたとたんどっちを向いていたのか、クッションがどう入っていたのかど忘れする事ありませんか?私はいまだに体位交換の向きがどっちだったか分からなくなる時があります(泣)

クッションの入れ方も利用者様によって大分異なりますよね。使用するクッションの大きさや固さも違います。どこに何を入れるのか絵をかいてしまうのが覚えるには近道です。勿論何故そこにこのクッションを入れる必要があるのかを根拠を元にして理解することも有効だと思います。

体位交換の向きついては次に向く側を排泄介助中ずっと心の中で連呼するようにしています。そうすれば排泄介助が終わった時に次どちらの向きにするのか忘れなくて済みます。または体位交換する際にやりやすい位置に立って排泄介助をすることもおススメです。

体位交換をする時って利用者様の背が見えるように対応しますよね。つまり、排泄介助に入る際は顔が見える側に行って排泄介助を行うとそのまま体位交換することが出来ます。こうすることで間違う事は極端に減ります!!忘れやすい方は是非試してみてください。

以上が覚えるために工夫している事です。リーダーになってからはこの苦労を元に“見える化”していく事にしていました。介助するその場に表やイラストがあることによってメモした場所を探す事や紙を無くした場合でも対応することが出来るようになります。

ちょっとしたことですが、あるかないかだけでもケアの統一性も上がります。見える化するにあたり準備することが一番大変ですが、一度作り上げてしまえばあとは本当に楽です。異動してきた職員や新卒者・中途採用者にとっても働きやすくなると思っています。良かったら参考にしてみてください。

(2023年11月22日)


第25回【なぜあの職員は問題解決能力が高いの?】

職場で問題が起きたときすぐに解決策が出る人っていませんか?しかも内容がしっかりしていて“凄い!”と思うような解決策なので“なんでそんなに解決策が出てくるの?解決内容も凄くてどういう思考回路をたどっているの?”と気になった事がありませんか。

私はそう感じた人が数名いました。その施設では毎年職員に年間目標を作ってもらい、半年単位で振り返りを行う習慣がりました。その際に用いられていたのが“PDCAサイクル”。学生の頃には聞いた事が無く、就職してから初めて行うものでした。

PDCAサイクルを取り入れていくうちに問題解決能力が高い人はPDCAサイクルが習慣化していて“考える力”が身についているのだと感じました。PDCAサイクルを習慣化することによって何事にも考えて検証していく力が身に付くと身をもって感じています。

今回はPDCAサイクルについてどういうものなのかを紹介していきたいと思います。今はこれ以外にも大谷翔平選手が昔から行っていた夢を叶える為の“マンダラチャート”の活用が有効であると耳にする機会が増えました。“自分を見つめなおす”“どうしたいのか考える”力が必要とされる時代なのかもしれないですね。

【1. PDCAサイクルとは】

“PDCAサイクル”という言葉を聞いた事ありますか?PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとったものになります。流れとしてはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)そしてまたPlan(計画)の順で繰り返し行います。

この流れを常に行っていく事でケアの質がどんどん向上していき、問題が発生した時もこれを元に何が原因でどう対処していけばいいのかを考えられるようになっていきます。指示をされてからでないと行動できないよりもみんなが考え意見を出し合っていった方が個人としても施設としても成長度は大きいと感じています。

ではどうやって“PDCAサイクル”を活用していけばいいのか?ひとつずつ順を追って説明していきます。私は“PDCAサイクル”を導入している施設で仕事をしていた時に考える能力や客観的に物事を見る力が身に付いたと実感しています。離れてからは尚更ありがたい環境だったなと思っています。

【2. Plan(計画)】

計画をたてるにあたり、まずは個人の年間目標やユニット内目標、施設目標を元に自分は何が出来て何が出来なさそうかを紙に書き出していきます。その中で出来そうな事・出来なさそうな事・頑張れば出来そうな事柄を計画にしていきます。資格取得も目標になりますね。

計画を作る際はWho(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、What(何を)Why(なぜ)、How(どのように)、How much(いくらで)を組み込んで検討するとより具体的に考えられるかと思います。具体的に物事を考えられた方が計画するにあたり成功時のイメージがしやすいです。

例えば介護福祉士や社会福祉士・ケアマネージャーの資格取得を目標とする事やユニット内で利用者様と1対1での外出を企画するとあった場合、担当利用者様の行きたい場所を聞き取り料金が発生する場合は行きたい場所の利用料金や食事処での予算を盛り込んで計画を立てます。

計画を立てるにあたり、おのずと自分が何をしなくてはいけないのかが見えてくるはずです。計画は時期も書き出していきます。ここまでにこの範囲までの勉強をする・この時期に試験申し込みが開始されるため必要な資料を集めておく・ご家族様との連絡調整・タイムスケジュールを作るなどが計画に入ってきます。

いわゆる年次計画書のようなものでしょうか。大まかな年次計画書を元にそれをもっと細かく深堀していく作業を行っていきます。大切なのは簡単に達成できてしまう目標ではなく、頑張れば達成できる目標を立てる事!簡単な目標では成長は期待できないと思っています。

この流れがどう問題解決に繋がっていくのかというと、例えば転倒事故が起きたとします。その際、一番初めに何故転倒事故が起きていしまったのかという検討をしますよね。その後、事故原因を元に転倒を防ぐための対応策を考えます。この対応策がPlan(計画)にあたると思っています。

【3. Do(実行)】

立てた計画を元に実行していきます。先ほどの転倒事故の場合であれば対応策を遂行することに当たります。計画通りにスムーズにいく事もあれば思うように進まないことも出てきます。どういう流れで進んでいるのかを記録しておくのも大切です。

また、“ここはこうした方がよさそう”という事があればそれも書き出していきます。このやってみてどうだったかという感覚をメモに残せることで次のCheck(評価)をする時にとても役立ちます。いろんなことを感じながらDo(実行)出来るといいですね。

【4. Check(評価)】

Plan(計画)を立ててDo(実行)した事に対しての評価を行います。計画通りに進んでいたのか、思うように進まなかったのかについて深く検証していきます。計画通りに進まなかった時には何故計画通りに進まなかったのか、原因はどこにあるのかを検討します。

ここで役に立ってくるのが先ほどDo(実行)した時の記録です。ここの部分でつまずいてしまった・ここの部分をこうした方がよさそうだと感じたなど、実行してみての感想があれば原因を探る際に大きなヒントとなります。

計画通りに進んだ時もスムーズに遂行出来た要因を評価します。例えばこの時期にご家族様に了承を得る事が出来たため早めに施設や食事処の予約をすることができた。施設利用料や食事処の大まかな予算を早めに算出してご家族様に相談したから了承を得る事が出来たという感じで評価します。

こういう評価をすることによって成功した時の“成功体験”を感じる事が出来るようになります。成功体験が増えれば増えるほど“次はこれをやってみよう”“このやり方は間違っていなかったんだ”というやる気や自信に繋がってきます。

これを事例の事故に当てはめていくと、立てた対応策があっていたのかそれとも修正が必要になってくるのかを検討することに当たります。立てた対応策に問題が無い場合は対応策を引き続き実行し、変更が必要な場合は何をどう変えた方がいいか検討するとこになります。

【5. Action(改善)】

Do(実行)、Check(評価)をしてみてこのままの計画のまま進めてもいいか・一部改善して再度計画を立てるか・計画を中止または延期するかどうかを決めていきます。このまま計画を進めていく場合には予定通り計画を遂行しながらまた評価をしていきます。

計画を変更したり延期したりする場合にはどう変更するのか、中止する理由は何かを検討します。先ほどの転倒事故の場合は対応策をそのまま継続していくのか、立てた計画の変更が必要であればどう変更していくのかを決めていきます。

ここでどうするかを決めたのち、また最初のPlan(計画)に戻りPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)と続いていきます。これを繰り返していく事によって徐々に考える力や想像力が付くようになり、結果問題解決能力が高くなると感じています。

問題解決能力と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、要は“自分で考える力”が身に付く事が大切だと思っています。自分で考え発信し対処していく事で自分の経験値が上がっていきます。“間違えてしまったらどうしよう”という不安な気持ちがあるのも分かります。

しかし、失敗から沢山の事を学べます。失敗した事により同じ失敗をしないように回避したり、何が失敗に繋がったのかを考え検討したりしていく事で次に生かすことが出来ます。考える力を身につけて問題解決能力を一緒に高めていきましょう!!

(2023年11月8日)


第24回【リーダーになって理不尽だなぁと感じた事 3選】

リーダーになると今まではそこまで気にして来なかった事が気になったり、なんで怒られているの?これって当たられているだけでは?と思ったりすることありませんか?リーダーになり見る景色が変わるから感じるのかもしれませんが、勘弁して欲しいなと思うがあります。今回はそんな事をまとめました。

【1. 怒りのはけ口にされる】

私よりも二回り以上年上の男性職員から事あるごとに怒られ、時には怒鳴られていました。一度退職されていたこの職員が復職するとなって施設内がどよめいた程。私はこの職員と関わった事が無かった為どういう人かわかりませんでしたが、シフト会議では「同じユニットに配属しないでよね。」との声が上がっていました。

配属ユニットは後日決めるという事になりその後しばらくしてから主任より「ここに配属にしようと思っている。気は強いけど多分気が合うと思うよ。」と…。この時はまだそこまで深刻に考えていませんでしたが、のちにこの時の主任の発言を恨むことになりました(笑)

自分のユニットにその職員が復職になることをユニット職員に伝えると、知っている職員は皆顔をしかめる程。ここまで嫌がられている職員って?と恐怖心を抱き始めました。パート職員は皆知っているけれど、常勤は私を含め誰もその人との接点が無かった為私のユニットに配属しやすかったのだと気がつきました。

復職されてから慣れていた施設という事もあり始めからエンジン全開の職員。私の事を「あんた。」と初めから名前を呼ぶつもりがないという態度。面倒だなぁと思いつつも関わらないといけないため嫌な気持ちを抑えながら仕事をしていました。

いつものように仕事をしていたある日、申し送り終わりに「あんたは上から目線でムカつくんだよ。」と言われ“…”となりました。なぜ上から目線と感じたのか尋ねると、ノートに書いてあった文言が上から目線に感じるとの事。

それはリーダー会議で言われた事に対して「〇〇と決まりましたので、よろしくお願い致します。」や「△△が気になるとの指摘がありました。注意していきましょう。」という文字。私はノートに書く際、文面では誤解が生まれやすくなると思っていたため丁寧に書くことを心がけていたためびっくりしていましました。

どこがどう上から目線になるのか私には一切理解できず、他の職員にそう感じるか尋ねると「そんな事思ったこともない。」「丁寧に伝えているんじゃない?」「なぜ上から目線と感じたのか理解が出来ない。」との事でした。もしかしたら私の前だから言えなかっただけかもしれませんが、衝撃を受けました。

ここから一気にエスカレートしていき「あんたは利用者から信頼されていない。」「俺は他の職員に聞いたけどあんたがやっているやり方をしている人は一人もいない。」「ちょっとこっちに来てみろ。楽しそうにしているように見えるか?」等事あるごとに怒られ始めました。

一番しんどかったのが会議中に「俺は他の職員に聞いたけど、あんたがやっているやり方をしている人は一人もいない。あんただけだよ。」と腕を組みながら睨みつけるかのように言われた事。会議の進行をしていましたが、あまりにも辛すぎて泣きそうになるのを堪える事が精一杯でした。

この前からその職員の発言が問題視されていたため、主任と相談しあえて会議の日を休みにしてみる事もしましたが、会議に参加していました。夜勤入りでも明にしても出勤されるため、会議には相談員だけでなく主任・施設長が同席する事になりその時も2人とも同席していました。

意見を言われたのは前月に話し合った利用者様の対応について。ドクターからの指示もありこうしていくと看護師も含め話し合ったことに対しての意見でした。おそらくその対応に納得が行っていなかった事が原因だと思われますが、水面下で他の職員に聞きまわっていたと聞くと辛いものがあります。

事前に他の職員からその職員から「〇〇についてどうしてる?俺は納得いってなくてやってないんだけどやってるの?と聞かれました。違う意見を言うと目をつけられそうで怖くて同意しちゃいました。」と聞いていたためまだ救われましたが、それでもみんなの前で詰められるのは辛いものが…。

その時、主任が「それは間違っているよね。前月ドクターからの指示を元に、本人の性格を踏まえてそうした方がいいって決めたよね。逆にやっていない職員に対して注意をしなければいけないんじゃないの?そこで裏でこそこそ聞いてリーダーを責めるのは間違っているよね。」とフォローしてくれました。

本当に号泣しそうになるほど、守ってくださったことに感謝しました。しかしその後も私を怒る事は治まらず、私が一緒に仕事を出来ない・怒られた際に他の職員さんが事務所に連絡する・促され事務所に逃げ込むという事が続きました。これでは仕事に支障が出ます。

他にも勉強会の参加者を当日の朝に施設長がピックアップして決めていたのですが、それすら気に入らず事務所に怒鳴りこみに行っていたこともあったそう。事務所でも手に負えないと問題になっていました。なぜこんな方の復職を認めたのかと本当に思ってしまいました。

出勤時に毎回その職員が行ったことについて事務所職員やらユニット職員から報告を受けるたびに謝罪しており、仕事に行くのが本当に嫌でたまりませんでした。いっその事リーダーをやってもらった方がいいという話になり打診してくれていましたが、頑なに断っていたそうです。

施設長も、主任も、相談員も看護師もお手上げ状態。誰にでもかみついていて、話し合っていくうちに、もしかしたら男性の更年期障害ではないのかという話になり、ポスターを掲示板に貼る事や病院受診にどう持って行くか安定剤を内服したら少しは落ち着くのではないかという話にまでなっていました。

半年後、その職員が入院する事を期に復帰時にユニット異動してもらう事になりました。「うまく行く可能性があるかもしれないと思って配属したんだけど、辛い思いをさせちゃってごめんね。」と主任から謝られました。退院後は人が変わったかのように穏やかになり、持病による痛みのせい?かという話になりました。

入院することを誰にも言わない・その職員の為に出勤数を増やしてくれる職員に対しても何も言わない・意思疎通も難しかったです。もう2度と一緒に働きたくないと思う人でした…。ちなみに移動先で穏やかになったのはその職員が好みの職員がいたからでした…。

その職員が産休に入ると元の性格に戻り、リーダーや同じユニット職員が疲弊していました。リーダーってだけで怒りを発散するターゲットになってしまうのは本当に理不尽ですし、だからやりたいという人出ないのだなぁと思う出来事でした。

【2. 都合のいい時だけリーダー呼ばわりされる】

やりたくないことに関しては人の話を聞かず、やらないのに自分の都合が悪くなってくるときだけリーダー呼ばわりしてくる人っていませんか?「リーダーなんだからやってくれないと。」“リーダーなんだから”という言葉本当にずるいなぁと思いますし言われても全く嬉しくありません。

ある日の出来事。入浴介助中の職員(Bさんとする)は他の職員(Cさんとする)を教えながら介助を行っていました。そんな中Cさんがあわただしくユニット内を右往左往していたのでどうしたのか尋ねると「〇〇さん(利用者様)が意識消失をしてしまって…。」との事。

話を聞くと今意識消失したのではなく入浴する前の脱衣の時、すでに意識消失をしていたとの事。本来入浴前に意識消失していれば入浴は中止しベッドで休んでいただきながらバイタル測定や看護師報告をしなければなりません。それをしないどころかすぐに意識が戻ったからとなんの報告もなしに介助を続行していたとの事。

すぐに上げてもらいベッドまで運び横になってもらいました。看護師にも報告していないとの事ですぐに看護師と相談へ報告。幸いにも意識は回復しそれ以外に体調が悪くなることもなく事なきを得ましたが、この時は焦りましたよね。きっと介助していたBさん自身も焦ったと思います。

この件は看護師から事務所に報告があがり事故報告書対応という事になりました。Bさんに事故報告書を書いてもらいましたが、着ていた衣類に問題があったとなっており到底納得できる内容ではありませんでした。指摘するとすぐに仲の良い職員に告げ口をして2人で不満をあらわにしてくるので伝え方に悩みました。

主任とも相談し、生命にかかわる重大事案という事もあり看護師から注意してもらう事になりましたが、それが仇に…。Bさんより「看護師から注意を受けたんだけど、私はあなたの部下なのになんでリーダーが注意してくれないの?看護師じゃなくてリーダーが指導するんでしょ?」となぜか私が怒られる羽目に…。

看護師から「生命にかかわる事なので私から指導する。」と言われたため任せたと伝えましたが、私から注意したところで納得しない方なので“私が注意したところで聞かないじゃんかよ!!”と内の中で怒りました!!本人に直接言えたらいいのでしょうが、そこらへんが言えないのが私の弱いところ…。

またこのBさんは仲の良い利用者様と親密になりすぎてしまい、個人的な買い物等をお願いされた際にそれを誰にも言わずにやり取りをしていました。いつの間にか知らないものが増えていっていた為他の職員に聞くと「私も気になっていました。」と。

ご家族様が面会に来られたわけでもなく、お金には結構厳しいご家族様だったので不思議でしかありませんでした。そこで利用者様に尋ねると「Bさんにお願いして買ってきてもらったんだよ。お金は渡しているから大丈夫なの。」と。“えっ!?”となりました。

施設のルールとして利用者様の物品を購入する時にはいくら本人からのお金であっても書類を書かないといけない決まりになっていました。金銭って結構トラブルの原因になるのでこの手順は必ず必要です。にもかかわらずそれを無視し、ユニット職員誰にも報告しないのはいけませんよね。

せめて居室担当者に相談してくれていたらそこから手順を踏んで購入してきてもらう等できたはずなのに…。これはBさんに伝えなくてはいけない事なので伝えましたが治らないどころか最悪な事に隠し始めるようになりました。利用者様も口を割らないように2人で話し合っていた感じでした。バレバレでしたがね。

私が注意しても余計隠れて行うようになってしまったためここは主任の出番です。主任から話をしてもらいましたが、やはりここでも「なんでリーダーが話しをしてきてくれないの?」と。「いやっ私何度か注意しましたよね。それでも隠れて行っていたので。」と伝えました。

それ以外にも何かやりたくないことがあると「リーダーなんだからやってよ。」「リーダーなんだからこの人どうにかしてよ。」「リーダーなんだから〇〇さん(利用者様や職員)を移動させてよ。」と無理難題も言ってきます。
“リーダーって何なの?”と思う事が沢山ありました。

【3. リーダーのシフトはきつくても仕方がない】

シフトを作った事があるかたなら分かって頂けるのではと思うのですが、自分のシフトって結構きつくなりませんか?自分のシフトを楽に作る人もいますが、それって他の職員からはバレています。そういう事や自分の性格上他の人がきつくなるぐらいなら自分がきつい方がいいと思い、キツイシフトを作りがちです。

そんな中「リーダーはリーダー手当をもらっているんだから、キツイシフトになるのは当たり前だよね!」と言われたことがあり“えっ?何て言った?”と思う事がありました。リーダー手当って施設によって異なりますが私が貰っていた手当は5千円。夜勤の方が貰える額。リーダーやらずに夜勤を多くやった方がいい!

リーダーって1日のバランスや連勤のバランス等を見てシフトを作成しています。休みが重なって作れない時は自分の予定をキャンセルする事や連勤を続けることもあります。その点を分かってもらえないことはとても辛いですよね。どうにかして希望休を出勤にてしている事が分かるようにできないかと思っていた程。

前半とてもキツイシフトを作っていると後半に公休が沢山余ってしまうという事も起きます。そうすると後半に連休が続く時があるのですがこれはもう「ずるい。」「自分ばかり楽なシフトだ。」と言われる対象になります。“いやいや、その前の連勤見てよ!皆の休みがかぶっているから6連勤しているじゃない”となります。

あまりにも酷かったときはシフトを交代制で作ろうと提案しましたが、そういうことは「私出来ないから。」と逃げるんですよね。一度腹が立ちすぎてユニット会議の勉強タイムの時にシフトを作ってみようという時間を設けたこともあります。

それぞれの希望休や、出勤可能日数・行事や受診等の紙を想定で作ってやってもらいました。数日で作れなくなり「無理~。」と言って投げ出す職員が多かったですね。これで少しはわかってくれたかなと思いましたがそんなことはありませんでした(泣)

施設的にも問題だと感じたようで年度始まりの挨拶の時にPowerPointでシフトに関する意見としてという事でまとめてくれていました。そこからは少しは減りましたが、実際に自分で作ってみる事をしない限り無くならないなと思っています。

リーダーの仕事って部下育成や実習生対応・ご家族様対応・シフト作成・入浴やリネン交換の予定表作り等々、仕事は多岐にわたります。通常の業務をこなしながらプラスでこの業務を行う事が多いので、残業したり家で作業したりすることが結構あります。

それに加えみんなが働きやすいようにするためにはどうしたらいいかと常に考えて動いていますが、こういう何気ない一言で凹んでしまう事があります。逆に頑張っている事に気が付いてフォローしてくれる職員もいて、そういう時は報われ心が軽くなるんです!

これだけ見るとリーダーってやりたくないなと思ってしまうかもしれませんが、私は意外とリーダーという役職は嫌いではありません。一緒に同じ方向を向いて動けている時はとても楽しいからです。またリーダーにならないと見えない景色もあるので貴重な経験をさせて頂けているなと思っています。

人間としても成長できると感じており、間違った時に指摘してもらう事で間違いに気が付けますし、人とのかかわり方や距離の取り方、伝え方なども身についていくと実感しています。とは言え私もまだまだ感情的になってしまう事があるので成長途中ですが、苦労しながら成長できるのは糧になると思っています。

リーダーとして苦しんでいる方も多いと思います。今はSNSが発展してきている為、自分の施設内だけで悩むのではなくいろんな方と関わって悩みを相談できるようになった事はとても大きい事だと感じています。一緒に切磋琢磨していけたら嬉しいです。

(2023年10月24日)


第24回【介護の仕事で失敗した事 5選】

介護に限らず、仕事や遊びでも失敗してしまう事ってきっと誰しも1回は経験した事があるのではないでしょうか…。どんなに偉い人でも仕事が出来る人でもミスをしたことが無いという人はいないと思っています。ミスをしても次同じミスをしないようにすればいいと感じています。今回は私の失敗談をまとめました。

【1. データを消してしまった】

介護施設って何かとExcelで表を作る事多くないですか?シフトや排泄チェック表・食事チェック表・掃除チェック表、入退所荷物チェック表等々いろんな事で使っています。個人情報が無い物は自宅で作成してくることもあります。ある時、職員からデータを1つのExcel表にまとめられないかとの相談を受けました。

Excelをまとめる事は出来る為「できますよ。」と言いデータを預かりました。元あるデータに新しいデータが入ったシートををコピーして挿入。出来たと思いそのまま保存して終わりにしましたが、どういう手順間違いをしたのか元のExcelにも作ってきたExcelにもデータが無くなってしまいした!!

“エッ!?”と思い何度かそれぞれのExcelデータを確認しましたが何度確認しても見当たりません。データがきちんと移行出来ていない状態のまま上書き保存をしてしまったため元のデータすら消えてしまったのです。ゴミ箱を探しても見つけることが出来ず本当に焦りました。

消されてしまった職員の方は言うまでもなく愕然としている状況…。データの復旧や思いつく事を行ってみますがデータが無く元に戻すことが出来ない事態…。私は半分パニック状態でデータを探すもとうとう見つけられませんでした。

何とか復旧する手立てはないかと、パソコンに強い事務所職員に連絡し来てもらいました。何かのソフトを使用して無事に復旧することが出来ましたが、この時は本当に申し訳ない気持ちとデータがどうにか復活しないかという焦りで冷や汗が湧き出ていました。

この経験からデータをまとめる時やいじる時は万が一に備えデータをコピーしておいてから操作するようにしました。確認してきちんとデータの移行が出来ている事が確認できてからコピーしたものを消すようにしています。面倒な手間かもしれませんが、データが消えてしまって再度作り直しするよりはいいかなと思っています。

【2. 施設の備品を壊してしまった】

ショートステイの方の服を洗濯する際、毎日違う方が来られる事や似たような服を持って来られる方が多くないですか?タグに名前が付いていても毎回タグを確認する作業も大変…。そこで洗濯を干すハンガーに誰の服か分かるように名前をラミネートしてひっかけるようにしました。

また、季節の行事がある時にはそのテーマのイラストや写真をラミネートしてランチョンマットを作ることもありました。例えば母の日であればカーネーションの写真に“お母さんいつもありがとう”と文字を入れて印刷しています。ラミネートがあれば簡単なガーランドも作ることが出来るのでとても重宝しています。

ラミネートって入れる向きがあるのご存じですか?ラミネートのくっついている側を先に機械に通し、ペラペラになっている方が後に入るようにして入れます。間違えて入れてしまうと歪んでしまったり、機械が故障してしまう事があるんですよね。

いつものように向きを確認しながらラミネート作業を行っていましたが、そのうちの1枚を逆に入れてしまいました。気が付かないままラミネートを行っていると出てくるはずのものが出てこない!!“おやっ”と思っていると残りの部分はどんどん中に入って行ってしまう状況…。

確認すると中でくるまってしまっていました。“ヤバイ”と思ってすぐにスイッチを切りますがその後どうしたものかと悩むばかり。リバース機能が付いていないラミネートだったため戻すことができなく、機械に入っていない部分を引っ張っても全くびくともしませんでした。

後ろから引っ張ってダメならば前側からどうにか引っ張り出せないかと考え、先の細い物で引っ張ってみようという事になりました。ピンセットのようなものが欲しかったのですが見つからず、代わりを探して見つかったのはハサミ!今思い返せばハサミを選択したことが最大のミスだったと後悔しています。

ハサミを入れ軽く挟むようにして引っ張り出そうとしましたが、挟めるわけもなく切ってしまいます。何か所か試しても細かく切れてしまうばかり…。出てくるどころか機械の中で細かくなってしまう上に、一部が機械の中に落ちてしまう始末…。これ以上頑張っても悪くなるばかりだという事で手を止めました。

最終的に事務所職員の所に行き事情を説明しました。余計な事をしてしまった事も合わせて謝罪しました。事務員さんからは「困ったねぇ~。」の一言。最終的に機械のねじを外して紙を取り出してもらう事が出来ましたがラミネートはそのまま壊れてしまいました…。

その後新しいラミネートを施設が購入しリバース付のものにグレードアップしていましたが、また壊してしまうのではないかという不安の方が大きく、自分で個人的に購入しそれを使うようにしていました。自分のものであれば壊れても罪悪感は無いですが、また施設のを壊してしまうと気持ちが滅入るのでそうしました。

ラミネートは施設でしか使う用途がないと思っていましたが、なんだかんが家でも使う事が増えてきて個人で購入しておいて良かったなと思っています。写真や汚したくない書類・飾りたいものなどをラミネートして保存できるのであって良かったです。

【3. 勤務変更になっている事を忘れていた・大寝坊】

シフトが出てすぐの時、月の最後の方のシフト変更を依頼されていました。了承し勤務変更していましたが、シフト表に変更になった事を書き忘れていたまま時が流れ、勤務変更した事すらすっかり忘れてしまっていました。勤務時間までまだ時間があると思っていたら施設から電話が…

「あれ?今日〇〇さん遅(11時~)番だよね?」との質問に「・・・?・・・!!!」となりました!電話を受けた時13時からの遅番だと思い込んでいたため理解が追い付きませんでしたが、「勤務変更したんじゃなかった?」と言われてから勤務変更した事を思い出しパニックに!!

「わぁ~!!すいません!!勤務変更した事すっかり忘れていました。」と急いで用意して施設に向かいました…。勤務変更を承諾した上で遅刻してしまうのは本当に嫌ですね。勤務変更を受けたときはすぐにシフトに赤字で書くようにするようにしました。また、前日にも確認し勤務が間違えていないか確認しています。

シフト変更ミス以外に社会人最大の大寝坊をしたことがあります…。今までも何度か早番の時に30分程度の寝坊をしてしまったことはありましたが、それは社会人1年目の終わりから2年目の初めの方だけで、それ以降は寝坊することなく出勤することが出来ていました。

ある早番の日。日が昇り気持ちよく目が覚めスマホを見ると施設から異常なほどの電話の着信履歴がありました。覚えている限り10回以上は来ていたんじゃないかと思います。早番の起きる時間に目が覚めたと思っていましたが、時計を確認し一瞬“あれっ?今日私は休みだっけ…?”となりました。

いつもは5:30に目覚ましをかけて起きているはずが、時計を確認すると9:00になっていました。まさかの2時間半の大寝坊!!!そりゃぁ施設側も鬼電するよなぁと思います。やってしまったと即施設に電話。「〇〇です、すいません。」と電話すると「電話出たぁ良かったぁ。」と心配してくださっている様子。

「今まで無断で遅刻なんてないから体調が悪くなったか事故にでもあったのかと思った。」と。ここの施設では無遅刻で数年が経過していたため何かあったのではないかと心配してくださっていました。そんな中「寝坊です。」と伝えるのが本当に心苦しかったです…。

「急いで向かいます。」と伝え出勤しましたが、それはもう気まずいのなんの…。いろんな職員さんから「大丈夫?」「心配したよ。」と言われるたびに、小さい声で「すいません。大寝坊しました。」と伝えていました。これ以外に大寝坊した事はありません!

寝坊の原因はスマホがマナーモードになっていた事。仕事中はマナーモードに設定し、仕事後に解除していましたが前夜は解除し忘れたまま目覚ましをセットして寝てしまっていました。しばらくの間は早番前の夜に何度もマナーモードが解除されているか確認していました。

寝てからもマナーモードが解除されていないのではないかという不安で目が覚めてしまう事もありました。ある意味早番恐怖症のような感じになっていました。仕事もしばらくの間はいつもに比べ「行きますよ~。」「やりますよ~。」と動き回っていました。寝坊は怖いですよね!!

【4. 送迎準備ミス】

ショートステイの送迎をしていた時の話です。送迎を行うようになって数か月が経過したころ、いつも施設の車いすを準備してお迎えに伺っているお宅に何も持たずに行ってしまったことがあります。玄関に着き“ピンポ~ン”とチャイムを鳴らして利用者様の顔を見た瞬間に車いすを持ってくるのを忘れていた事に気が付きました。

冷や汗タラタラになりました。ご家族様のご予定もあったと思います。幸いにも施設から5分もしないご自宅だったためすぐに取りに戻る事が出来ましたが、自分でもなんで忘れたんだ!!と苛立ちました。丁度ショートステイ業務に慣れ始めた頃だったかと思います。

慣れてきた頃って一番ミスが生じやすいとは言いますが、まさにその通りでした…。その日以降しばらくの間は何度も忘れ物が無いか確認するようになりましたが、不安要素が大きく運転中にもちゃんと持ってきているか不安になることが何度かありました。

デイサービスもそうだと思いますが、送迎って分刻みになっている事が多いので、出勤と同時にバタバタしています。前日のうちにある程度用意はしておきますが送迎ルートの再確認、当日ご利用の利用者様と送迎時間の確認等結構忙しいです。

送迎に到着してからも、私が勤めていた施設では薬の確認を行う事が決まっていたため泊まる日数分の薬がしっかりと用意されているか、頓服や吸入・点眼等の忘れは無いかの確認を行っていました。薬の用意し忘れがちょいちょいあるので、探して用意する時間も考慮して送迎の時間を設定していました。

また、お通じの状態や食事の状態・最近の様子などもご家族様に伺っていました。初めの頃はご家族様との会話に緊張していましたが、回数と共に徐々に慣れていき信頼関係を築くことが出来ました。退所の際には時間に余裕がある時もあり、その時は介護の相談に乗ることもありました。

ショートステイ担当をしていた時はほぼ1人勤務状態でした。2人勤務の日は余裕持って仕事をすることが出来ていましたが、1人だとあれもこれも全部1人で調整しなくてはなりませんでした。介護職員になって2年目にはとても責任重大でハードな環境だったと思っています。

今思えばその大変さを2年目で経験させてもらう事って滅多に出来ない経験だよなぁと思います。若手の時に責任のあるポジションに配属していただけたことはありがたかったのかなと思うようになりました。この時のおかげでご家族様との関係性の作り方や電話対応・外部ケアマネとの報連相の仕方と学ぶ事が出来ました。

【5. 判断ミス】

介護の仕事をしているとセンサーが複数名同時になる事ってありますよね。これは従来型特養でもユニット型特養でも経験しています。センサーマットを使用しているという事は転倒や転落のリスクが高いからですよね。センサーが反応したらすぐに部屋に向かい対応することが基本ですが、同時だと優先順位をつける必要があります。

同じセンサー対応でも、Aさんは行動に移す事が早く鳴ってからすぐ反応しないと転倒・転落に繋がるけれど、Bさんはセンサーが反応してもすぐに動かれるわけではなく、センサーマットに足を下して靴を履いている事があるから同時に反応した場合はAさんを先に対応してからBさんのように瞬時に判断します。

例えばAさんがトイレの要望であればトイレに座って頂きその間にBさんをトイレにお連れする。Aさん、Bさんのトイレにかかる時間を把握しておかなくてはなりませんが、トイレが長い方に座っていていただき早く終わる方をベッドにお連れし、もう1人の方の対応をする。

センサーマットを使用している方は結構待っている事が難しい方が多く、「待ってるよ。」と言ってくださってもほんの数分でそのことを忘れて動き出される方が多い印象です。本来は1人対応してからもう一人の対応をすることが好ましいですが行えない現状があります。

時にはAさんに車いすに乗って頂いて一緒にBさんのもとへ向かいBさんの対応をしてからAさんの対応をすることもあります。これを瞬時に判断して対応しなければなりません。介護って体力勝負のイメージが強いですが、時間配分や利用者様の状態を見ながら判断するので結構頭も使うなぁと感じています。

この判断を間違えてしまうとBさんが靴を履いているのを待っている間にAさんは転倒や転落してしまいます。このように2人同時であればまだ何とか対応できるのですが、これが3人・4人となると申し訳ないという気持ちは大きいですが、もう誰かしらは転倒・転落することは確定です。防ぎようがありません。

職員の身体は1つしかありませんので、どれだけ急いだとしても最後の方に向かうまでに何かしらの事故が発生するリスクは高いです。事故にならずに済んだとすれば本当に運が良かったとしか思えないと感じています。この判断って介護経験が長くても難しいです。

介護経験が浅い時であれば尚の事判断することは難しいですよね。日中であれば他にも職員が居るので手分けして対応することが出来ますが、1人の時間帯では助けてくれる職員はいません。判断の仕方は先輩から聞くか経験を積んで理解できるようになるかだと思っています。

また、施設側がリスクを把握し考えてくれるところであればユニットごとのリスクを確認したうえでユニット移動をしてくれるところもありますが、今まで経験してきた施設ではほとんどの場合「運が悪かったね。」「見守り不足だね。」で終わってしまいます。これでは何の解決もできません!!

リスクを完全に防ぐことは出来ませんが、利用者様の身体機能や認知機能の状態に合わせてリスクを最小限に抑える事は出来るかもしれません。ユニット会議や普段の職員とのコミュニケーションで試せることはどんどん行っていきたいなと思っています。

これらが私が失敗したなぁと感じている事5事例になります。どんな人でも失敗を経験しながら成長してくものと思っています。失敗はしてもいいと思っていますが、大切な事は“同じ失敗を繰り返さない事!”同じ失敗を繰り返すことは成長には繋がりませんし反省していないと感じてしまいます。

失敗から何が原因で失敗してしまったのか、次また同じ失敗をしないようにするためには何をする必要があるのかを考える事が大切です。私も未だに失敗する事は度々あります。挑戦しての失敗は許容範囲だと思っています。いいケアを提供できるよう、一緒に頑張っていきましょう!!

(2023年10月10日)


第23回【守らないとヤバイ!労働に関する事 5選】

働き方改革が謳われている昨今ですが、介護施設の働き方改革って中々進んでいないように感じています。閉鎖的環境だからなのでしょうか…。周りがどんどん働き方を変えている中、変わっていかない事にもどかしさも感じています。

一昔前までは当たり前だったことも時代や労働基準法の観点からは違法になっている事もあります。これは私たち労働者も知らなくてはいけないことだと感じています。今回は労働基準法の中で介護にも関係してくることをまとめました。ご参考までに。

【1. 休憩は業務から完全に離れる】

皆さんは休憩時間になった時現場から離れて休むことが出来ていますか?人手が足りなくて現場に残り見守りをしながらの休憩や休憩が取れないなんて事ありませんか?私も何度か人手が足りず休憩を取っている暇が無く食事を食べながら見守りを行う事や電話対応、ご家族様対応をしたことがあります。

労働基準法の定める“休憩時間”の定義は“休憩時間は労働者が権利として労働から離れる事がされなければなりません”とされています。つまり、人手が足りずに見守りをしながらの休憩は休憩時間に含まれないという事です。本来ならば休憩時間には当てはまらないので、別にしっかりと休憩時間をもらう必要があります。

ちなみに、見守りや電話対応などをしながら休憩とされてしまっていた時間は休憩時間ではなく“待機時間”や“手間時間”とされます。休憩が取れない時間を残業時間として請求できる施設もありましたが、たいていは請求も残業扱いにもされず、職員の優しさに甘えている施設が多い印象です…。

これは職員が声を大にして休憩が取れるような環境を作っていかなければならないと感じています。私もこのことを知ったのは最近だったため、もっと早く知って職場環境を変えられるように働きかけられたら良かったなと思っています。

施設側も職員が言ってこないからいいだろうではなく、休憩が取れているか現場に赴いて様子を確認し、休憩が取れていないようであればどうすれば休憩が取れるようになるのかを話し合い解決していかなくてはなりません。これは現場だけでなく、看護師も事務職員も同様です。

休憩時間については労働基準法第34条において下記のように定められていますのでご参照までに。
・6時間を超え8時間以下の場合は少なくとも45分
・8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩を与えなければならないとされています。

8時間勤務で残業になった時普段の休憩時間以外に1時間取らせてくれていた施設は対応がとても神だったなと感じました。本来であれば1時間取っていればそれ以上の休憩を取らなくてもいいって解釈も出来ますよね…。こういうところで職員に対する優しさを感じます!

【2. 休みは午前0時から午後12時までをいう】

直近の職場以外ずっとショート夜勤(8時間)しか行ってきませんでした。ショート夜勤の時ってシフトの組み方が2パターンあると感じています。1つは夜勤を連続して2日続けて“夜・夜・休・休”にするパターンと単発夜勤で次の日から勤務になるパターン。“夜・休・早・遅・遅”等。

単発夜勤の次の日って施設によって考え方が異なり、“夜・明休・早・早・遅・遅”のように4連勤が始まる所と“夜・明休・遅・休”叉は“夜・明休・休・早”にするパターンがありました。前述のシフトは丸1日ゆっくり休める日が来るまで休んだ気がしませんでした。連勤になりがちです。

後述の時は基本2日連続の夜勤ですが、5回になる時はシフトが上手く組めず単発になるのでこういうシフトパターンにするという決まりがありました。働く側からすると2連続夜勤はきついですがその分丸1日休みが増えるので後述の方がとてもありがたかったです。

分かりやすいようにすると、例えば月4回の夜勤があったとして単発夜勤の時は4回が夜勤で4回が明休みとなります。月9日休の場合丸1日休みは5日。2連続夜勤の時は2連続夜勤が2回と明休みが2回となります。丸1日休めるのは7日間となります。

こう比較すると丸1日休みが2日増える事が分かるかと思います。2日増える事ってとても重要だと感じていますが皆さんはいかがでしょうか?明休みと丸1日休みでは結構大きな差がありますよね!身体はちょっとキツイかもしれませんが2連続夜勤が好まれていました。

今までシフトを作成していましたが、基本的には2連続夜勤を主に作っており、2連続夜勤がキツイ人には単発夜勤を入れるようにしていました。また夜勤を多く入れて欲しいという職員には相談しながら3連続夜勤を入れる事もあります。その場合は明休みの後に2連休を入れるなどの配慮をしていました。

シフトを作成する時、夜勤明けの休みは連続して24時間休めていないといけないと教わっていました。なので単発の夜勤明けを作る時は明の退勤時間7時から連続した24時間以降のシフト、つまり翌日の7時以降のシフトになるようにしていました。残業等を考えると遅番が一番安全なシフトという事になります。

こう思って作成していましたが、じつはこの考え間違っていたんです!労働基準法第35条においての休日とは午前0時から午後12時までの連続した24時間を休日と定義しているため、夜勤の終わりが翌日を回った時点で法廷休という事にはならないのです!!

つまりは公休9日となっている場合夜勤明けが4回あると本来は法定休5日と夜勤明け4日という事になります。これは労働基準法違反では?と思ってしまいますよね!私もこの事実を知った時は労働基準法を無視しているじゃないか!介護はブラック業界なの?と思ってしまいました。

しかし、労働基準法第35条では少なくとも毎週1回の休日を与えなければならないとされており、明休み以外に休みがあれば問題がない事になるのです。または4週に4日の休日を与える事も認められるとなっています。つまり、法廷休5日と夜勤明け4日の場合は条件を満たせば労働基準法に違法ではないという事になります。

この場合は就業規則の書き方を変える必要があると感じています。ロング夜勤(16時間夜勤)の場合は明休み以外に休みがある為公休9日は守られると思いますが、ショート夜勤を取り入れている施設はトラブルの元にもなりかねませんし、就業規則に記載した方がいいのではないでしょうか?

また、夜勤を多く行っている方は注意が必要です。例えば
“早・早・遅・夜・明休・休・早・早・遅・遅・休・早・遅・夜・明休・休・早・早・休・”は問題ないですが“早・早・夜・明休・早・遅・夜・明休・早・早・早・夜・明休・休・早・早・遅・夜・明休”等明休みでない日が少なくなると労働基準法に引っかかる可能性が出てきます。

4週の内に明休みでない日が4日入れられればセーフですが、前半2週間程度明休みしかなく後半に明休みではない休みが4日あったとしてもキツイですよね!!いくら法的にはセーフの範囲になるからといってこれでは職員が倒れてしまいます。

シフトを作成する際はこのことに十分考慮して作成しなければなりません。時々明休みが続き12連勤等という事を目にしたり聞いたりすることがありますが、この作り方はとても危険です…。バランスよく作ることが難しい時もありますが、職員の身体の事を考えて作成していきたいなと思いました。

【3. 出勤時間よりも早く出勤を促すことは業務命令になる】

皆さんの施設では何分前に出勤することが必要と言われていますか?私が介護を始めた頃は30分前には出勤して事前準備や業務日誌や報告書を読むことが暗黙の了解とされていました。また、先輩よりも早く出勤することも暗黙でしたね…。こういう施設今でもまだ多いのではないでしょうか?

一方で業務開始ギリギリに出勤してくる職員も多くなってきたなぁと感じるこの頃。特に若い世代の人たちは早くても5分前、時には遅刻か?と思う程業務開始数秒前に出勤してくる人がいます。こんな時「もう少し早く来た方がいいですよ。」と言ってしまいがちですが、それを言ってしまうと業務命令になってしまうんです!

私もここ数年の間でこの事を知ったのですが、時代の流れとともに働き方も徐々に変わりつつあります。賃金の発生しない時間から業務を行う事は違法行為という考え方が定着してきているため何とも難しい問題も発生しています。

ベテラン介護士さんたちの時代は始業時間には業務を開始できる状態にしておくことが一般的でしたが、若い世代の介護士さんは始業時間から申し送りや報告書を見てから動き出す事が一般的になっています。こうなると「あの人は来るのが遅い。リーダー注意してよ。」という話が必ずと言っていい程上がってきます。

数年目からリーダー会議等で「早く出勤するようには業務命令になるから言わないように。」と言われ始めており、その旨を説明しても中々納得されない方がいらっしゃるのが実情です。自分たちが当たり前だと思っていた事と異なる考えを持った人に対してはこういう反応をされる事結構ありますよね。

注意したいけど出来ない場面も。入職時一定期間誰かについて業務や利用者様の事を教えてもらうと思いますが、その際に教える側が早く出勤しているのに教わる側が時間ギリギリに来る場合です。この場合本来ならば「教える側を待たせるのは…。」と言いたくなるのですが、どういえばいいのか凄く困っています。

独り立ちしてから出勤する時間を遅くする分には問題ないのですが、教えている間は通常業務よりも時間がかかります。その分早く来て教えてあげようとしている職員の気持ちやこの時間から始めないと終わらないというその職員のルーティンがあるかと思います。

直接何時に来るようにとは言えませんが、あまりにもギリギリの場合には教える側の心構えを伝え、教わっている側であることを伝えそれとなくもう少し早めに来られないか伝えていますが、伝わるかどうかは難しいところです。ギリギリ出勤が続く場合は教わる気が無いと先に業務を始めてしまっている職員もいます。

本来は教わる側もそろってから教え始めて欲しいのですが、こればかりは本当に注意の仕方が難しい!!教える側には「早く来るように!」とは言ってはいけない事は伝えています。業務中に「1人だと慣れるまで時間がかかって押せ押せで焦って仕事をしていた。」等上手く伝えてくれる人もいます。

早く来なくても業務がこなせる環境を整える事が一番大事な事はわかっているのですが、現場だけの問題ではない事もあります。厨房が委託だった場合その会社内でのルールや施設との決まり事もあります。時間に押される事もありますが、お互いそれぞれのルールを守らなくてはいけないので難しいところ…。

また、勤務時間によっては夜勤者の退勤時間と早番者の出勤時間が同じ時間になっている事もあります。その場合、遅く出勤してくる人は良いかもしれませんが、仕事上がりの人は退勤時間になってから申し送りが始まることも少なくありません。

その場合は夜勤者が残業という形になってしまいます。勤務時間を30分程度ずらせるのであれば問題ないと思いますが、勤務時間を変えるのって簡単ではありません。自分の権利だけでなく、相手の事も考えられないと困ってしまいます。この場合はそのことを伝えるようにしています。

昔は“社会人として”“社会人のマナー”と言えていたことも言えなくなってきていますよね。働きやすい環境になってきていると思う一方で注意するにも出来ない、どう伝えたらいいのか分からない等の問題も出てきています。コミュニケーションを取ることが大事なのだとは思いますが、人間関係の構築方法も変わってきています。

時代の変化に合わせて私たちもどういうアプローチをしていけばいいのか等勉強してかなくてはいけないのかもしれません。職員間の関係性って利用者様のケアの質にも繋がってきます。臨機応変に業務形態を変えていく軽いフットワークが求められていくのかもしれません。

【4. 勝手なシフト変更は違法になる】

今までいくつかの施設で働いてきましたが、直近の施設はシフトが出た後に本人の了承なくシフトを変えてしまうところでした。ある日出勤したらなんか赤字で書いてあるなぁと思い良く見たら勤務変更になっていました。申し送りノートには勤務変更になっているから各自確認するようにと…。

“えっ?聞いてないんだけど!なんで勝手に変更するの?”というのが正直な気持ち。今まで私もシフトを作成してきましたが、シフト変更する時は必ず当人に勤務変更の理由と変更になるシフトを伝え、了承を得てから変更していただけに、衝撃でした。知らされることもなく勝手に変更なんて…。

変更になっている事を聞いていない事・一度出たシフトを元に予定を立てているため交換が必要になった時は相談して欲しい事を伝えました。「そうだよね。ごめんね。」と言われましたが、まさかの翌月、その次の月も何の断りもなくシフトが変更になっていました。

この時は勤務後に予定を入れていたため「絶対に無理です。」と断り、何故一言相談をしてくれないのかと尋ねました。「今まで勤務変更はこうやって来たら。」と言われましたが、納得がいくわけがありません。調べたところシフトが出てからの勝手なシフト変更は違法になるとの事でその旨を伝えました。

また、以前あったのが「今日は人が多いから2時間早く退勤していいよ。でも明日は人が居ないからその分明日2時間長めに勤務してね。」という会話。2日合わせて16時間なので問題が無いかと思いがちですが、2日目に関しては残業割増が貰えないという事が発生しています。

また、早めに退勤する2時間を時間有休に出来る場合は良いのですがそうではない場合は最悪早退ということにされ賃金カットにもなってしまう事もあるかもしれません。これでは働く側にとって不利でしかありませんよね。施設側が得するだけです。

私もここまでは考えていなかったのですが、言われてみればそうだよなぁと気づかされました。ただし次の場合は当人の了承を得ている事が大前提ですが問題が無いとの事です。それは1日8時間勤務で出勤時間と退勤時間を1時間遅らせる等の場合。これはたまにすることがありました。

また例外的に大幅な勤務変更が認められるケースもあります。それは自然災害や倒産等の時です。この時はケースバイケースですが、本人の了承は“必ず”必要です。どんな時でも理由と変更の可否を聞くようにすることが大切です。施設側の勝手な変更だけはしないようにしましょう!!

もしもこれらのことを施設側が知っていた上でそれを教えずに行っていた場合、結構悪質だなぁと思います。その一方で私たち働く側もしっかりと労働基準法を知らないと知らぬ間にいいように使われてしまう事になるなと感じました。労働基準法について調べるうちに“知る事ってとても大事”な事だと感じました。

【5. 退職届は拒否できない】

直近の施設での出来事。転職して試用期間が終了する頃に“ここの施設では長い期間働くことは難しい”と思い退職届を提出しました。勿論理由を聞きたいと施設長室で話し合いを行いました。自分が目指すケアとかけ離れている事や見ていて耐えられないケアをしている旨伝えました。

「そういう意見を言ってくれる人が欲しかった。変えていって欲しい。」と言われ「これ(退職届)は受け取れない。」と返されました。変えていくと言っても今のケアが当たり前になっている状況でケアの方法を変えていく事って骨が折れる程難しい事。

職員の性格を理解したうえで「ここでは難しい。」と判断しましたが上の方々はケアの方法を変えていく起爆剤になって欲しい事。とてもありがたい言葉でもう少し頑張ってみようと奮闘しますがどんどん悪い面が表に現れてくる状況。細かいことまでは言えませんが頭が痛くなるほどでした。

上司に状況を伝えても「本人に注意しろよ。」「悪いところは悪いって言えない関係性じゃだめだろう。」「あいつ(リーダー)はやばいなぁ。」というばかり。結局人に丸投げで自分は何もしないスタンスが見え始めここで頑張ることに何の意味があるのかと不信感を抱くようになりました。

悪いところは「ここが出来ていない」「あれが出来ていない」「怠慢だ。」と文句ばかり。ではどうしていけばいいのか尋ねると「それは現場で考えろ」と…。悪いところがあるのであればどう改善していけばいいのか施設全体で考えなくてはいけないのでは?と苛立つばかり…。

2回目の退職届を出しに行きましたが「それを提出するのは俺(施設長)じゃない。〇〇から出されたなら受け取るが。」と言われた時はこの施設長は職員をどう見ているのかと憤りを感じるとともに、付いていけないと思いました。その後も話をしようとすると逃げられ退職届が提出出来ない状態に…。

人生初めて労働基準監督署に行って相談しました。基本的には退職したい日の2週間前に退職届を出せば問題が無い事や退職届を受理しないことは無効だと言われました。就業規則に退職届の提出についての期間が定まれている場合、2週間前ルールの適応は難しいかもしれないとも言われました。

また、労基で相談した相手により退職届を出してからその後も定期的に退職した旨を伝えていかないと残留するという暗黙の了承になってしまうという方、受理されなくても一番初めに出した退職届が有効だという方がいますので、相談する相手にもよるかもしれません。

私の場合3回程労働基準監督署に相談に行きました。そこで最終的には1回目に返された退職届が受理しなかったとしても有効であるという結論に至りました。労働基準監督署に相談しに行ったことを伝えた上で再度退職届を提出しました。

退職日は1番初めに退職届を出した日から3か月が経過していたため当月中に辞める日に書き直して出しました。その時「施設のルールとして退職届は3か月前だから退職日を今から3か月後に書き直して持ってきて。」と…。ずるいなぁと思いました。これ以外にも納得のいかない条件ばかり…。

再度労働基準監督署に相談に行くと「強気に出ないと良いように使われる。きっとこのままではまた退職届を受理しない・退職日を3か月後にしろって言われてずるずるいってしまう。」と言われました。その通りだと思いましたが、中々強気に行くことが出来ず自分の性格が嫌になりました。

私の性格をみかねてか退職届を簡易書留で送るようにという事・有休消化等の希望も退職届と一緒に封筒に入れて送るようにとアドバイスを貰いました。その際は労働基準監督署に行って相談しこういう内容でいいと言われた旨も一筆添えました。

“労働基準監督署”という言葉ってとても強いですよね。この文を入れただけでそれ以上は何も言われませんでした。最後の方は診断書を書いてもらい休みながらのやりとりになりましたが、勤務しながらこのやり取りをしていたら気持ちが滅入ってしまったと思います。

退職したいと思っている職員を無理やり引き留めておいてもやる気はどんどん無くなるばかりなので、施設側にとっても働く側にとってもいい事はないと思っています。無理やり引き留めるのではなく、魅力ある施設運営をしていく姿勢が大切なのではないかと思います。

これらが私たち働く側も知っておいた方がいいと思った労働基準法や民法です。こういう事って会社側に丸投げしてしまいがちですが、自分たちを守る為にも自分たちが率先して学ばなければいけない事でもあるかもしれません。一緒に勉強していきましょう!!

(2023年10月2日)


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