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第14回【それあり?仰天介護士5選】

介護士って令和元年の時点で全国に210.6万人いると言われています。凄い数ですよね!!これだけの人が居れば仰天するような驚きの介護士さんも結構います。あなたの周りにも仰天するような介護士さんが居るのではないでしょうか?今回は私が出会った仰天介護士をまとめました!

【1. 利用者様を怒鳴りつける】

職員の思うような行動をしなかった時や、転倒のリスクが大きく何度も転倒してしまう方に対して「なんであなたは…。」と鬼の形相で怒鳴りつけている職員がいました…。利用者様は怖くて「そんなに怒らないでよ。」と泣いている始末。

隣のユニット勤務でしたがあまりにも酷かったので間に入り利用者様を私のユニットで面倒を見る事にしました。それ以外にもご飯を食べない・トイレを拒否する等の理由で「あなたんて嫌いです。」と面と向かって伝えていておいおい…と思いました。

そんな態度で接していたらいくら認知症があって物事の認識が出来ない方だったとしても声を聞くだけで不穏になられます。嫌だった記憶って結構しっかりと残ってしまうのでこれを解消するのはちょっとやそっとの努力ではどうにもこうにもなりません。

その職員が出勤で機嫌が悪くなりそうなときは早い段階でその利用者様を隣のユニットに避難していただき対応する、そのような対応が出来ない場合は主任クラスの人にユニット内で見守りをしてもらうようにしていました。

一番は怒鳴ってしまう職員を指導することですが、こういう職員って指導したところで逆切れしたり言われたその時は気にしても1人になると抑制が効かなくなってしまったりするんですよね…。他者の目があっても抑えが効かなくなってしまったらもうさよならですね…。

コロナの影響で面会が出来なくなってしまっている事もこういう職員が増えてしまう1つの要因になっているのではないかと感じています。やはり外部の目が入るって大切なんだなぁと思っています。接客業の方でお客様に怒鳴る人がいないのは外部の目があるからではないかと感じています。

介護って自分の思った通りの仕事が出来る事って本当に少ないです!イレギュラーな事が発生するなんて四六時中ですし、臨機応変に判断して対応する能力が求められます。自分の思い通りに仕事をしたい方には向いていないのではないなかぁと思ってしまいます。

【2. 都合が悪いとすぐ休む】

こういう方各施設に1人は居る印象です。合わない職員が居るから・看取りの方でそろそろお別れになりそうで対応が怖いから・やりたくない行事だから・体がだるいから等々理由は様々ですが、お給料を頂いて仕事をしています。責任感を持って仕事して欲しい!!

何度も何度も休まれるとさすがにシフトを組む時もその方が休んでも大丈夫なように組むしかなくなります!1か月の夜勤を全部飛ばした職員もいて、他の職員さんが夜勤明けで帰ってまた夜勤で来たり、早番でいったん帰って夜勤で来たり見ていて可哀そうでした。

休んだ等の本人は悪びれることなく「すいませんでした~。」程度。頑張っている職員の心身がボロボロになっているのを感じていました。何故頑張っている職員がつぶれそうになって手を抜く職員が働きやすい環境になってしまうのか…。頑張っている職員が報われない施設多いです!

流石に夜勤を飛ばす職員の翌月の夜勤の回数はゼロになりますよね。ゼロになるとなったで「夜勤やりたいのに~。」なんてことを平気で言うので本当に驚愕でしかないです。来るか来ないか分からない職員程面倒な人は居ません。仕事を任せられないです!

だいたいこういう時は休むよなという事が分かるため、早い段階で勤務を変わる等の対応をしていますが、施設としてしっかりと指導する必要があると思っています。注意するとやる気をなくして来なくなってしまうからという理由で強く言えないと言いますが、その考えは間違っていないでしょうか。

指導しないことで頑張っている職員のモチベーションが下がり、その職員が施設を辞めていってしまう事の方が施設としては打撃が大きいです。結果としてやる気のある職員がどんどん辞めていき、手を抜く職員たちが残っていく悪循環を生んでしまいます。

施設として残って欲しい職員はどういう人で、どういう職員を大切にしていかなくてはいけないのか考えた方がいいのではないでしょうか?いい職員が残り、手を抜く職員が減っていけばおのずといい評判が立ち職員も自然と集まってくるのではないかと感じています。

【3. 送って欲しくて待っている】

車の免許が無く公共交通機関を使用している職員が、電車やバスが来る時間を待つのが面倒で誰かに乗せていって欲しくて仕事が終わるまで待っているという事がありました。時々ならまだしも毎日乗せていってくれそうな人を探して待っていて正直引きました。

乗せていく人も仲が良くて好きで乗せていく分には構わないのですが、本当は乗せていきたくないのに勝手に待っている・乗せていくなんて一言も言っていないのに勝手にユニット内の手伝いを始め仕事が終わるのを待たれている・帰る方向が違うのになぁ等不満があっても言えない人もいました。

施設長も何度か注意をしていますが、当の本人は「相手から乗せていくと言われた場合は良いんですよね。」と違う方向に捉えており唖然としました。何故皆あなたを乗せていきたいと思っているの?と不思議でしかなかったです。

凄いのは乗せていくなんて一言も言っていないのに「今日は〇〇さんに乗せていってもらうから大丈夫。」という時があるそうで、「乗せていくなんて約束なんてしてないよ!」と怒っている職員もいました。これはどうにかしないとまずいなぁと思っていましたが接点が無く注意出来ずもどかしかったです。

そんな中私の部下としてその職員が異動してくることに!これはチャンスと思い嫌々乗せていっていいた職員に対し通勤通路と違う道を通っての事故の場合会社からの保険が下りない事・自己責任になってしまう事を説明していきました。

その説明をすると大抵の人は「それは困るけど、もう断りにくくって…。」との回答が。そこで私の方で対象の職員にそれとなく注意するので、乗せて行っている職員には「今日は用事があるから乗せていくことが出来ない。」と伝えてもらうようにしました。

本人には会社から交通費をもらっている事・あなたを送っていく事で通勤道路ととこなる所を通って事故にあった場合トラブルになりかねない事・家と反対方向なのにあなたの為に送って行かなくてはならないという事はガソリン代が余計にかかることなどを伝え公共交通機関で帰るように伝えました。

時刻表を印刷しユニットや送っていく事が嫌だと思っているユニットに貼り、電車の時間があることを伝えるようにしていった所少しずつ乗せて行って欲しいという事が出来ない雰囲気になり電車で帰ることが増えてきました。

ですがこういう職員ってあきらめが悪くひらめきだけは凄いんです!ユニット職員がダメになったら事務所職員やデイサービス職員等新たなターゲットを見つけて乗せて行ってもらっていました。もう呆れでしかなかったです。こういう人は何を言ってもトラブルになったとしてもターゲットを変えていくのでしょうね…。

【4. ユニット費や施設備品を私物化】

ユニット費ってユニット管理になっていることが多いですよね。きちんと管理出来ているところは良いですが、頼んでいもいないものを買ってきたり、一緒に自分の買い物をしてしまっている人もいました。そういう職員がいるリーダーさんは常にユニット費を持ち歩いていました。

また、領収書ではなくレシートをもらってもらい購入品を確認し頼んでいないものやレシートに記載があるが商品が無い物に関してはユニット費を支払わないように対策しました。本来はやらなくてもいい仕事ですが、こういう人が居る事によって余計な仕事って増えていくんですよね…。

また、施設の備品を持って帰る職員もいました。聞いた話では調味料や手袋等を持って帰っていたという人も!これらは立派な犯罪です!こういう職員が居るとどんどん管理体制が厳しくなりもらうにももらいにくくなっていきます。

職員を信頼して職員や利用者様が困ることが無いように管理を緩めています。それを裏切る行為はやめましょう。万引きや横領と同じことをしています!認識が低いのかバレないと思っているのか分かりませんが、入職時の研修でしっかりと伝えていかないといけないのかなぁと感じています。

疑いたくはないですが、ある程度しっかりと管理する体制を整えていかないといけないのかもしれないですね。あるいはダミーでもいいのでカメラを設置する等やりにくい環境を作っていく事も必要なのかもしれないです。悲しいですが…。

【5. 利用者様やご家族様との必要以上の関係性】

ご家族様の中にはいいケアをして欲しいからと職員に必要以上に物を送ろうとされる方もいらっしゃいます。それを受け取ってしまうと何かあった時に施設側として言いにくい関係になってしまうため断るようにと指導を受けています。

しかし中にはその味を占めて悪びれることなくもらってしまう職員もいます。中には誕生日を伝えご家族様から誕生日プレゼントをもらったり、お米やお土産など個人的にもらったりする職員がいました。見ていてい“えっ?”っとなりましたし、そのせいでその方優先の介助になって行くのは納得がいきませんでした。

利用者様にトラブルが多く困っていてもご家族様に伝えるはずの相談員がそういう事とをしていたため目をつぶり隠蔽…。現場の職員は頭を悩ませているのに相談員は見て見ぬふりをしてご家族様からは賄賂をもらっている。解決しなくてはいけないことが出来ないもどかしさに苛立ちを覚えていました。

必要以上の関係性を築く事で悪影響を及ぼすことが多いなぁと感じています。ある程度の距離感を保ちつつ物品以外の事で信頼関係を築いていく必要がある事、そうして築いた関係性は壊れにくいですが、物品のやり取りでできた関係性は壊れやすい事を学びました。

何かトラブルがあった際「あんなに物をあげたのに・よくしてあげたのに裏切られた。」と怒りが大きくなって来る事があります。最悪の場合は訴訟に繋がることも!!避けられるトラブルは避けたいですよね!必要以上の関係性を築くデメリットをしっかりと伝えていく事が大切だなぁと感じています。

物の受け渡しではなく、面会の度に話をするなどして信頼関係を築いていけた方がいいですよね。私はその方が相談もしやすいですし、困ったことを伝えやすいなぁと感じています。そういう関係性が大切です!!

仰天した出来事いかがでしたか?本当にいろんな職員がいて凄いですよね!おかげでまとめ記事にすることが出来ていますが、こういう事もあるのだと知ってもらい啓発していけたらなぁと思っています。起こる前の対策が大切です!!

 

(2023年4月4日)


第13回 “あきらめ”の思考 Part.3【あきらめてはいけない事】

あきらめの思考Part1【燃え尽きない為に完璧を求めない!あきらめる事も時には必要】、Part2【あきらめとやらないは異なる】はいかがでしたでしょうか?同じ“あきらめ”でもかなり内容は異なりますよね。今回は最終のPart3【あきらめてはいけない事】をまとめました。

“あきらめ”って状況によって一旦あきらめた方がいい事・あきらめではなく手を抜いているだけな事・そしてこれだけはあきらめてはいけないなと思う事があるなぁと感じています。少しでもご参考になりましたら幸いです。

【1. ケアの質】

介護施設ってほとんどの施設が介護士不足で人手が足りないですよね…。介助に時間をかけられないと思う事もありますが、ケアの質を落としていいとは私は考えておりません。むしろ人手が足りない中でもケアの質の向上を目指した方が後々大きな差になると感じています。

例えば“歯磨き”。介護士になってからこの職員さんの歯磨きって“丁寧だなぁ~”“うまいなぁ~”と感じたことって正直あまりありません。逆に“本当に磨いたの?”“歯が汚いなぁ”“これじゃぁ肺炎になってしまうよなぁ”と思う事の方が多いです。

出来てない方の言い分として多く耳にするのは“嫌がるから…”“歯が無いから”“手が出るから”等々…。こういう事を言う職員が多いところって結構な確率で歯ブラシはカビが生えている物をいつ交換したのかも分からない期間使っている・歯磨きの使用具も1個しかない事が多い印象を受けています。

また、手袋を使用せず素手で磨いており、歯の表面を軽く左右に動かすだけの事が多いです。いくつかの施設を経験している職員さんの場合はもう“やる気”の問題だぁと思っていますが、今の施設しか知らずそのようにしか教わることが出来なかった職員さんの場合は可哀そうだなぁと思ってしまいます。

後者の方が教えてくださる場合、初めは“そうなんですねぇ~”と思って聞いていますが、なるべく早い段階から「やってみてもいいですか?」と聞いて行わせていただくようにしています。手袋を装着し両手を使って歯磨き。意外と綺麗に出来てしまう事が多いです。

“えっ!?歯磨き嫌がらない”“やらせてくれますね!!”と驚かれることもあります。必ず声をかけながら手が出てくるときはよけながら、時には腕を掴まれながらも実施します。歯磨きがしっかりできていないと軽くブラッシングするだけで出血が酷い!!

歯科診療の先生から軽く磨いて出る血は出してしまった方がいいと教わっているため私は躊躇しませんが、初めて出血を見た職員は“えぇ!!”と驚いていました。歯磨きをおろそかにすると歯槽膿漏や誤嚥性肺炎を誘発するリスクを伝えながら、手袋を着用する重要性についても説明しています。

こうすると教わることが出来なかっただけの職員さんは次から真似して歯磨きをしてくれるようになる傾向にあります。前述の職員さんに関しては伝えてもきっとやりません。変わる傾向にある人はごくわずかだと感じています。

以前の施設に転職した際、口腔ケアに関して看護課長さんより「ここは誤嚥性肺炎が多いので、歯磨きをしっかりしてくれますか?」と言われた事を今でも覚えています。“ん?”と思いましたが、現場に入って納得でした。時間をかけて徐々にケアの質が上がると外部評価も変わってきます。

施設担当の歯科診療の先生からの評価がまず変わりました。「今年に入ってから歯が格段に綺麗になったね。」と言われるようになりました。この話が歯科診療を対応している看護師から介護職にされます。そのうち「ここのユニットは大丈夫だね。」と看護師からの評価も上がります。

この経験って私は“成功体験”だと思っています。自分たちの頑張りが第三者から認められる事は、ケアの質の向上に繋がります!!“出来てない”“ダメ”“汚い”という評価よりも格段にいいですよね!!これが施設全体に広まれば、施設の評判としても高くなると思っています。

実際に歯科診療の先生が訪問された家で施設選びの相談をされた際、〇〇の施設は丁寧だからいいよと紹介してくださった事もありました。頑張りって必ず誰かが見ていてくれて評価されます。地道で長い道のりですが、ケアの質はあきらめてはいけないと感じています。

これは他のケアに関しても同じです。お風呂の時に足の指の間やかかと、手の拘縮部分の垢をこすって落とす。ひげを剃る・顔を拭いて目ヤニを綺麗に取る・乾燥していたら保湿剤を塗る・爪が伸びていたら切る等々細かい事ですが、私は無意識にそこの部分を観察してしまっています。

気が付いてさっと出来てしまう職員さんが居ると“おっ!!”っと嬉しくなり、密かに“ファン”になってしまいます。その職員さんの行動を観察しいいところをどんどん真似しようとお手本にさせていただいています。こういう職員さんがいると楽しくなります。

【2. 出来る事があるはず】

介護の仕事をしていると困ることって多々ありますよね。利用者様の対応が主ですが、“無理です”と諦めてはもったいないなぁと感じています。介護をし始めた頃は代替え案など浮かばす“できません”“無理です”と思いがちでした。

しかし、年々“こうしてみたらどうだろう?”“これがだめだったかぁ。じゃぁ次こうしてはどうだろう?”“テレビやYouTubeでこの情報を得たから試してみよう!”と試していくうちにやっていればいつかヒットする事が出てくるという事が分かりました。

すぐに結果として見える事もあれば、長い時をかけないと見えない事もあります。同じ症状でも1人1人違う個性がある為仕方がないと思っていますが、ヒットしたときの快感は格別です(笑)“無理”“出来ない”で諦めるのはもったいないなぁと思ってしまいます。

以前対応した利用者様にとても対応に困った方がいらっしゃいました。高次脳機能障害・認知症・水分制限・カリウム制限等々の制約があった方で、自分の思うようにいかないとすぐに大声を出して怒鳴る・他利用者様の水分を取って飲んでしまう・ベッドからの転落・車いすからの転倒等々問題山積みでした。

酷い時は洗面台に栓をして顔を入れて水をがぶがぶ飲んでしまう程。飲みすぎては何度も嘔吐して救急搬送…。カリウム数値がおかしくなっており入院、退院してはまた同じこのことの繰り返し…。医者からは水分管理をしっかりするように言われますが、そうすると怒鳴り出す…。

怒鳴り出すと手が付けられず他利用者様から「怖い」「うるさい」とのクレームが。利用者様同士で喧嘩しています事も何度もありました。病気のせいだと分かっていても職員もストレスが溜まってきます。ご家族様からうかがう以前の性格は穏やかな人だったと聞いていたためセーブできない本人も辛かったと思います。

本来なら専門病院を受診してあった薬を処方していただきたかったのですが、施設側が断固薬反対で叶わず。相談員さんが変わってからはこの状況で放置するのはおかしいとやっと病院受診につなぐことが出来ました。ここで注意したいのが強すぎる薬はNGという事!!必要以上の薬はドラックロックになってしまいます。

医者と相談しながら弱い薬から開始してもらい、ユニット内でも出来ることは無いかといろいろと試しました。まずは何かに集中できる時間を作る為生活歴からヒントが無いか試したり、塗り絵・パズル・写経・以前興味のあった本・散歩・体操・日光浴・ヒーリング・アロマ等々試しました。

1回断られたからと言ってこれはダメだと決めつけず、今日はこれが良かったというものを探し記録しました。この中からたった1つだけ集中して出来るものがあった時は本当にみんなで喜びました。また、怒鳴り始めてからは効果が無い事も分かったので、ソワソワし始めたタイミングで提供するようにしました。

以前とは全く異なるほど怒鳴る回数も減り、利用者様も職員も心のストレスが大幅に減りました。何がヒットするかなんてやってみないと分かりませんし、私たちが“えっ?これ?ないでしょ!”と思ってもそれが意外と良かったりもします。先入観を持たずに少しでも可能性があるのであればやってみることが大切です!!

これは他の事にも役立ち、たとえば環境が整えば自力摂取できる方がこぼしてします。麻痺の問題で上手く口に運べない方に関してすぐに食事介助に移行するのではなく、自助具を変えてみる・すくいやすいように水分をゼリーに変えてみる等々試せることって結構あります。

ちなみに100円ショップの子供向けの商品って結構高齢者にも使える事あります!!“それ子供用でしょう。ありえないんだけど…”と言われた事もありますが、子供向けのイラストのままだったら分かりますが、子供用品と分からない、本人が気に入っていれば全然ありだと思っています。そこは工夫次第ですよね。

考える力が身に着くと自然と“どうにか出来ないかなぁ”と自然と考える頭になり、普段の生活の中から“おっ!これ使えそう”“こういうのが欲しいと思っていた”等欲しかった情報をGET出来る事が増えます。情報収集し、ユニット内で相談して試してみるのが楽しくなっています。

【3. 労働環境】

介護施設って結構ブラックな施設多くないですか…。休憩が取れない・無料残業が多い・異常な連勤シフト・好き嫌いで分かれるシフト・無視・いじめ等々…。見ていてあきれる事もありますが、何か所か施設を転々としましたが、どの施設でも見られる光景です。

ある程度あきらめが付いてしまっている部分もありますが、少子高齢化の今の時代で人手不足が深刻な今現在、この労働環境をしっかりと整備出来る施設が職員から選ばれる施設になると感じています。最近YouTubeのおススメで労働基準法について上がってくることがあり見ていましたが学ぶ事ばかりです。

今は労働者が権利を訴えやすくなった分、労基に訴えて監査が入り指導を受けたという話を耳にする機会が増えました。介護施設って年数が長い施設程昔の考えのまま運営されていることが多い印象を受けていますが、時代と共に考え方や職場環境を変えていかなければいけないなと感じています。

変化を嫌う傾向にある施設では提案・意見しても断られることも多く、煙たがられることがほとんどでした(笑)しかし、転職後に私が訴えていた内容の事で労基に入られ指導を受けたと耳にすることもあり、あの時しっかりと考えて変えていたら良かったと言われた事もあります。

変えるって常務理事会等での決定が必要だったり、今いる職員さんたちの意識も変えていかないといけなかったりするため結構労力を使いますが、労働環境が変わった施設の退職者はとっても少ないです。やめたことを後悔してしまう程です(笑)

職員間の問題については上司が入って解決していくしかありません。放置はNGです!!また、話を聞いているだけもNG!しっかりと話を聞き、周りの職員への聞き取り調査を行い必要であれば指導もしていかなくてはなりません。退職理由の1番は人間関係です。

雰囲気を壊してしまう職員が1人いるだけで環境は悪化します…。仕事が出来たとしても雰囲気を壊して今うのはチームワークが大切な介護施設ではNGだと思っています。1人の為に他の職員を手放すのは勿体ないです。

また、シフト作成について時々好き嫌いでシフトを作る方がいます。誰が見てもこのシフトは酷いと思うシフトが上司のお咎めなく認められている状況を見るとモヤっとします。好きな職員は楽なシフトで、嫌いな職員は連勤に会議は休日出勤。これはやってはいけないことです!!

シフト作成は公平に作らなければ不満に繋がります。この状況を放っておけば退職にも繋がりますし、精神的にも大きなダメージを与えます。我慢しがちな職員だった場合職場に出勤することも出来なくなってしまう事もあります。上司の管理責任になりますね。見逃さないで欲しいです!!

あきめはいけない事は大きくこの3つに分類できるのではないかと感じていますが、皆さんいかがでしたでしょうか?これが叶えばいい施設になるんだろうなぁと思っていますが、現実はそうそう上手くいかないものですよね。

その中でも少しでもいいから変わっていけたらいいなぁと思っています。まずは自分が率先して変えていく意識をもって、かつ押し付けないようにしていきたいと思っています。素敵な施設になったら働くのも楽しくなりますよね。嬉しい報告が出来るように頑張っていきたいと思います!!

(2023年3月24日)


第13回【ユニットケアの理想と現実5選】

ユニットケアとは自宅に近い環境を施設内で実現し、一人ひとりの個性や生活リズムに合わせてサポートしていくケアの事を言います。従来型は業務の流れに利用者様が合わせていましたが、ユニットケアは利用者様の流れにケアを合わせるイメージです。

家での暮らしをそのまま施設でも実現する事を目的としているため、従来型特養よりも比較的自由度は高いかなぁと感じています。ユニットケアっていいなと思う反面、人手が足りないと実現は難しいとも感じています。今回は理想と現実についてまとめました。

【1. 起きたい時間に起床する】

<理想>
・自然と目が覚めた時に起きて欲しい
・職員都合で無理に起こしたくない
・眠い日は遅くまで寝ていてもいい

施設でこんな朝を過ごせたらいいですよね。毎日食事だからと眠いところを無理やり起こされたり、食欲が無いのに無理に起こされ食べさせられたり…。ゆっくり余生を過ごしたいのに学生や社会人のように管理された生活ってしんどいですよね。

<現実>
・手が回らない
・朝ごはんが食べられない
・薬が飲めない
・昼夜逆転してしまう
・いつまでも寝ている

人手が足りていた施設でユニットケアを行っていた際は目が覚めた方から起床介助を行っており、眠っている方は9時とか11時とかまで寝ている方もいらっしゃいました。無理に起こすことは無く、目が覚めたかなぁ~と何度も部屋を伺い目が覚めたら起きて頂いていました。

食事は個人で冷凍出来るものを用意していただいていたので、例えばパンを解凍してコーヒーと一緒にお出ししていました。ご家族様の協力があってこそですが、もしも自宅にいたらきっとこんな生活を望むだろうなぁと思っていました。

どうやって理想を作っていったのかというと、まずは第一に職員確保!!職員が足りないと遅く起きる方のケアに手が回りません!!人手があるからこそフロアをもう1人の職員に任せて起床介助に行くことが出来ていました。職員が足りなかったら、いろんなリスクがある中フロアを空にすることは出来ません。

仮に職員の確保が出来たとしたら、次に行うのは他職種連携およびご家族様との連携です。ご本人様の望む暮らしを行う中で栄養価やご家族様負担が発生してくることがあります。その点をよく話し合い進めていきます。ご家族様の負担が厳しい時ももちろんあります!!

そんな時は朝食や朝食後薬を飲めなくても大丈夫か栄養士や看護師と相談していく必要があります。ユニットのお菓子や寒天ゼリーを作っておいて出すこともありました。ここは工夫が大事になってきます。ここで働いていた時はユニット管理の食パンがあったので何とかなっていました。

【2. 設えは本人希望】

<理想>
・自宅に居た頃のような配置にしたい
・本人が住みやすい環境にしたい
・自宅で使っていたものを施設でも使用したい
・自分の部屋と認識できる・安心できる環境にしたい

施設ってどうしてもどの部屋も同じ感じになってしまいますよね。部屋の作りからベッド、床頭台・棚等同じですよね。そうすると自分の部屋なのか他人の部屋なのかってなかなか分かりにくいです。認知症の方は混乱しやすくなります。

だからこそ自宅で済んでいた時のような配置で違和感なく生活して欲しいと思っていますが

<現実>
・転倒のリスクが出てくる配置になることがある
・部屋が狭くて理想のような配置に出来ない
・自宅で使用していた棚が痛んでいて持ってくるのが大変
・大きな家具の運搬が大変

自宅に住んでいた時を再現すると床にものが多い叉は荷物が多すぎて足の踏み場が無いなんてことがあります。足腰が丈夫であればいいのですが、足が上がりにくく小回りが難しい状態では転倒のリスクしかありません。転倒で骨折してしまう事もあるので本人と話し合って決めていく事が大切です。

設えで大切な事は、職員都合の配置ではなく利用者様の意思を尊重した配置にする事です!!職員の使い勝手も大事かもしれませんが、そこに住むのは利用者様です。受け答えが出来る利用者様であれば必ず本人の意思を尊重しながら行えるといいですね。

時々模様替えをしたくなる利用者様がいらっしゃり時間を作って手伝う事もしていました。自分も模様替えしたくなる時があるので気分転換にもなっていいなぁと思いますが、人手があってこそ出来る事だなぁと感じています。人手が無いと、残業しないと絶対に出来ないからです…。

出来たらこれは本当に理想ですが、ご家族様と一緒に模様替えが出来たら一番いいのかなぁなんて思う事もあります。引っ越しの時みたいに、家族団らんで過ごせる時間でもあるのかなぁと。おそらくご家族様も自分の仕事や家事などで忙しいので難しいとは思っています。

【3. 炊飯はユニット炊飯・とりわけ配膳】

<理想>
・家にいた頃のように炊き立てのご飯の香りを感じてほしい
・好きなものを好きなだけ食べて欲しい
・一緒に調理をしたい

朝目覚めたら“トントントン”とまな板の音。美味しいご飯やみそ汁の香りがしてくるのが理想。学生までの頃はそういう環境を感じていたためよくわかります。利用者様世代なら、朝は早起きして家族みんなで食事という生活だったと思われるためそれが良いとされています。

<現実>
・空間が広い為ご飯の香りやみそ汁の香りってしない。
・炊飯は常食、軟飯、お粥等いくつか炊かないといけない
・毎食炊くのは本当に大変
・時間がかかる
・栄養価が変わってくる
・調理に集中できない

自宅にいる事の炊飯ってだいたい1日1回で済みますが、介護施設の場合10人の大人数な為毎食炊飯しないとなりません。毎回2~3種炊いていたらそれだけで時間がかかってしまいます。炊き立ては美味しい事は重々承知していますが、結構負担になっています…。

炊き忘れたときはもう他のユニットや厨房を駆けずり回ってご飯をもらっていて、足りずに冷凍ご飯を出す事もありました。スイッチの入れ忘れや時々炊飯器の時間そのものがずれている事もありバタバタします。でも炊き立てを食べて欲しいという気持ちもあります!!

取り分け配膳はプレートに乗ってくる食事を利用者様の前に持って行き食べたい量を言ってもらいながらお皿に盛りつけます。そんなに食べないのに「もっと食べるよ。」と取る方も居れば、取り分けたとたんに食べてしまい、ご飯が届く前におかずが無くなってしまうなんて方も…。

自分で取った食事に対しての食事量を記録に残していくため多くとって残された方が、他の利用者様と比べたときに十分な量を食べていたとしても全量にならない事もあります。その方が普段どのくらいの量を食べているのかを知ることが大切です。

待てない方に関しては、取り分けが終わるまでお皿は職員の方で管理し、すべてそろってからお出しする等していました。待っている間に隣の方の食事に手を伸ばして食べてしまったなんてハプニングはつきものですね。配りながら盗食にも目をやらないといけないので忙しい…。

調理も調理が終わるまで集中できればいいですが、介護施設ってそんな事出来ないことの方が多いです!コールで呼ばれたり転倒や転落のリスクがあったり、ご家族様から話を受けたり等々調理に集中できないです!!人手が無いと難しいです。

味噌汁を作る時は食材を鍋に投入しタイマーをかけてその場を離れていました。煮えたら出しと味噌を入れて味見して終了。時間があれば利用者様に味見をして頂いていました。人手が充実している時は一緒に具材を投入するところから行っていましたが、毎回は無理でした!!

これを朝・昼・夕とやっていた施設は本当に人手があり、1人になる時間ってほとんどなかったです。1人で業務を回す施設の場合やりたくても出来ません。利用者様の対応やその他の業務に追われ、そんな中取り入れたらきっと食事の時間押しますね…。

【4. お風呂は好きな時間に入る】

<理想>
・自宅に居た頃のような時間に入ってもらいたい
・週2回に限らず入りたい時に入ってもらいたい

自宅で生活している時ってお風呂と言えば夕食前後ですよね。昼間に入るって温泉や銭湯に行く時ぐらいじゃないでしょうか?介護施設では午前中や昼間に入ることが当たり前になっていますが、入所されたばかりの方に「昼間になんて入らないわよ。お風呂は夜でしょ。」と言われたことがあります。

また「なんで毎日入れないの?お風呂に入ってからじゃないと眠れないでしょうよ。」と言われた時“確かに!!”と思ってしまいました。なんと説明したらいいかとても困ったのを覚えています。実現出来たらいいですよね…。

<現実>
・シフトを組めない
・週2回入るのでさえギリギリな時がある
・本人の体力の問題

本当は理想を叶えたいですが、現実は人手が多い日勤さんが居る時間が9-16時あたり。人手があった施設でも3人確保できる時間は13-16時まででした。夕食前後の時間は職員2人になることが多く、お風呂に人手を割くことが出来ませんでした。

夕食前後に職員2人も職員が充実していた施設での話で、人手が足りない施設はほとんど1人対応になっている事も少なくありません。週2回の入浴を回す事すらきついなぁと感じる事が多々あります…。週2回は入れていればそれ以上は難しいというのが本音…。

仮に人手があったとしても利用者様の希望の入浴時間に合わせたシフトを作るとなるとその前後のシフトも合わせ調整が結構難しくなってきます。また、入りたい日に体調が悪くなってしまったり、気が乗らなかったりして組んだ意味が無くなってしまう事もあります。

しかし、出来る事なら月に1回だけでもいいから希望の時間にゆっくり入って欲しいという気持ちはあります。いつか実現出来たらいいなぁと想像を膨らませております…。希望がかなえられる施設にするため人は職員何人必要なんでしょうね…。

【5. ユニット外や地域交流】

<理想>
・好きな時にでかけてほしい
・社会交流を通して出かける楽しみを感じてほしい
・施設や部屋の中にこもらず過ごしてほしい
・施設に居ても楽しい生活を送って欲しい

こんな理想の施設があったら素敵ですよね。ここ数年はコロナの関係で施設の外に出ることがとても難しく、ご家族様との面会でさえも満足に出来ませんでした。楽しみが一気に減った方も多かったのではないかと思います。 コロナ化が落ち着いてきたらまた再開しだすと思います。

<現実>
・付き添っている時間が確保できない
・交流の準備が大変
・職員が足りない
・費用がかかる

ユニットの外に行くという事はユニット職員又は行く先の職員の誰かが付き添っていないといけません。付き添わなくても大丈夫な方もいらっしゃいますが、送迎には職員が必要になります。送迎ぐらいと思うかもしれませんが、人手が足りない時は送迎ですら時間が無い…と感じてしまいます。

また、ボランティアで来てくださった方に任せきりになってしまう事も少なくありません。本当に申し訳ないなぁと感じていますが、現実問題付き添えない事もあります。また、クラブ活動をしていた施設では人手が足りない上に準備や片づけ等もあり、毎回無料残業なんてことも。

職員が確保できる時にやるのではなく業務として毎月やると言われてしまうと、利用者様に楽しみを提供したい気持ちはありますが、毎度毎度無料残業となれば職員のモチベーションは反比例してだだ下がりになりますし、やりたくないと反発の声も上がってきます。

人手があった施設に居た頃はその日に「今日人が居るから何かやりませんか?」とクッキングやドライブに行く事も多々ありました。こういう感じで出来たら一番いいなぁと思っています。やはり“人”の確保が重要だなぁと通感じています。

この施設に居た頃は利用者様の“夢”の実現にも力を入れていて、電車に乗って映画館に行ったり、ディズニーランド開園以来行っていないため行ってみたいという方へ行く準備をしたりもしていました。残念ながら体調の関係で行けませんでしたが、関わっていた時間も楽しかったです。

“ユニットケア”が出来たら本当に理想の施設になると感じていますが、それを遂行するためには“人材”の確保がとても大切です。人材が集まればある程度は理想を叶える事が出来ると思いますが、その理念を浸透させていく事も重要です。

“楽しい”“やりがいがある”と思えなければ積極的に行う職員ってなかなかいません。理想のケアが出来るように人材の確保とやりがいをもって仕事をしていけたらと思っています。いつかそんな施設で働きたいと思っています!!

(2023年3月15日)


第12回 “あきらめ”の思考 Part.2【“あきらめ”と“やらない”は異なる】

前回は【あきらめの思考Part1.燃え尽きないために完璧を求めない!】をまとめしたが、如何でしたでしょうか?今回はPart2.【“あきらめ”と“やらない”は異なる】についてまとめます。前述と後述では全く意味が異なってきますよね。私が感じた事について出来事を踏まえまとめてみました。

【1. “あきらめ”と“やらない”は信頼関係にも繋がってくる】

介護施設って慢性的に人手不足で、その中でやりくりしてなんとか業務をこなしていますよね。食事介助や排泄介助・入浴介助は人手が無いからと怠ったりやらなかったりするわけにはいきません。そんな中で“あきらめ”と“やらない”について感じた出来事です。

私が経験した職員がいない場面はユニット内で朝から夕方まで1人勤務をしたことです。隣の協力ユニットも夜勤者が遅番者出勤まで残業して、遅番者が来たら遅番者が一人…。一人勤務って結構ハード!!何かが遅れたらそのまま全部遅れ休憩が取れないなんてことも。

ここでは職員A,Bを例に“あきらめ”と“やらない”について比較していきたいと思います。朝から体調不良者やイレギュラーな事がたて手続きに起こっていた時の10時のお茶の時間。食事介助が必要な利用者様が5名。また食事開始が11時からの利用者様も数名いる状況。

こんな場合みなさんはどう乗り越えますか?5名の水分介助を行うと、飲み込みに時間のかかる方もいて1時間程度かかります。ここで“あきらめ”を選択したA職員は水分摂取が比較的出来る利用者様の介助を諦め、水分がなかなか摂れない利用者様を優先的に介助して11時まで対応しました。

一方“やらない”を選択したB職員。介助なんてする時間はないと自分に言い聞かせ誰一人としてお茶の介助をしませんでした。自分で飲める利用者様にも提供しませんでした。この選択が“あきらめ”と“やらない”の違いだと感じています。

A職員の場合は今出来る範囲の中でしっかりと状況判断をして対応していますが、B職員の場合ははなからお茶を提供するつもりがありません。この違いって結構重要で、人手が無い時にA職員かB職員かで利用者様のトータルの水分摂取量がかなり異なってきます!!

高齢者って水分を中々摂らない方が多く、知らないうちに脱水になっていることが少なくありません。脱水は大量不良を引き起こす原因に繋がります。そう考えると、今出来る範囲の中で優先順位を考え水分摂取が難しい方を先に対応できる事は凄い事だと思っています。

そして“あきらめ”を選択したA職員のようなタイプの方は10時のお茶が飲めなかった利用者様に関しては昼食時にずらして提供し、ご利用者様の“無理のない範囲”で飲めるように対応していることが多い印象です。一度に飲めない方も優先して10時に提供することを選択しています。

15時の時間はまだ夕食まで時間がある為介助して飲めることが多いですが、B職員の場合は15時のお茶は自分で飲める人だけ…。なぜなら介助に1時間かけられないと判断しているから。または比較的のめる方を介助して時間のかかる方は次のシフトの職員に任せる叉はそもそも作っていないか…。

そうなると1日の中での水分摂取の差がA職員とB職員で最大400ccにもなります。これって結構大きな差だと思っています。A職員とB職員に対する意識の違いも感じていて、A職員の場合“できななった”と話すことが多いですがB職員の場合は“出来ないよ”“ムリだよ”と話す事が多いなぁと感じています。

A職員とB職員、同じ環境の中での対応の違いは“信頼度”にも繋がってくると思っています。やれる範囲で頑張るという姿勢はリーダーや上司の立場からすると何かあったらA職員に任せたい!頼りたい!となります。考え方や対応の仕方って大事です!!

【2.“あきらめ”と“やらない”は対象が異なる】

【1.】で感じられたかもしれませんが“あきらめ”を選択するAタイプ職員の対象は“利用者様”ですが、“やらない”を選択するBタイプ職員の対象は“自分自身”だと感じています。利用者様が困らないように対応するか、自分自身が大変にならないように対応するか…。

この選択の違いの差って大きいですよね。Aタイプ職員の場合は苦労することが多いですが、その分沢山の経験を積んで学び、人としても職員としても“凄いなぁ”と思える方が多い印象を受けています。Bタイプ職員の場合は出来ない理由ばかり見つけようとしている印象があります。

介護って毎日同じことの繰り返しというわけではなく、利用者様の状況は常に異なる為臨機応変な対応やその場その場での判断が大切になってきます。介護に携わり始めの頃は何を優先したらいいのか、どう業務をこなしていけばいいのか分からずただただ時間に追われていました。

経験年数と共に何を優先したらいいのか、どう動いたら効率よく行くのかを考えられるようになり、ここまではやらなくはならないが、この部分は“あきらめる”しかないという事も判断できるようになりました。また、諦めてはいけない事に関しては他職種に助けを求める事も必要だと学びました。

Aタイプ職員は頑張っているからこそ周りも自然と助けてくれるようになり、周りを巻き込む力も凄いなぁと感じています。憧れの職員さんであり真似したい職員さんでもあります。行動を真似することも大切ですが、考え方を教えてもらい真似することがA職員に近づく近道だと感じています。

頑張りって周りの職員や利用者様・ご家族様も良く見ています。Aタイプ職員が多くなることは施設の信頼度にも繋がってくると感じています。Aタイプ職員を目指すことは容易ではないですが、近づけるように私も頑張っていきたいと思います。

【3. “あきらめ”ていい事と“あきらめてはいけない”事の判断をつけられる】

例えば入浴の回数は国の基準で週2回は実施しないといけないと決まっています。これは人手が無いからと諦めてはいけない事で、これを“無理だから”とあきらめてしまうと監査で引っかかる事になります。監査に引っかかるという事は指導が入るという事!これはまずいですよね!!

職員1人で入浴対応が出来る利用者様の場合はどうにかなることが多いですが、職員が2人必要になってくる入浴介助の場合はどうにもならない事もあります。そんな時は入浴を“あきらめ”ても清拭に切り替えて対応します。この切り替えが出来るかがとても重要です。

この切り替え・判断が出来る職員が少なくても各ユニットに最低1人は居て欲しいなぁと思っています。判断できない人ばかり集まっている職場は、監査が怖いですねぇ…。以前勤めていた職場では主任クラスがこの事を理解できておらず衝撃を受けました。

主任クラスが「人がいないんだもんしょうがないよね~。」とお気楽な事を言っていましたが、今年が初監査との事で、どうなった事でしょうねぇ~(笑)。考えただけでも怖いなぁ~と…。この施設で学んだことは最低でもリーダーや主任クラスはこの点しっかりと把握しならないという事です。

施設としてはしっかりと役職者に監査基準や法についての教育も行っていかなくてはならない事だと痛感しました。勿論、自分個人で学ぶ事も大切です。私もまだまだ法については把握しきれていない事が多いので、一緒に勉強していきましょう!!

今回は“あきらめ”と“やらない”事は異なるについてまとめてみました。どう伝えたらいいか悩みましたが、意味合いが上手く伝わりましたでしょうか?伝え方についてもっと学んでスキルアップしていきたいと思います!!

次回は【あきらめの思考Part3.あきらめてはいけない事】についてまとめます。介護をするにあたり、あきらめてはいけない事って結構ありますよね。先日私が所属している地域おむつアドバイザーの中で「見慣れてはいけない。当たり前だと思ってはいけない。」という言葉を耳にしました。

凄く胸に響いたとともに、これって“あきらめてはいけない事”にも繋がってくるなぁと感じました。是非Part3を楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。最後までご拝読ありがとうござました。

 

(2023年3月9日)


第12回【介護施設にもたらしたコロナの影響5選】

コロナが広まって早3年が経過しました。今後インフルエンザと同じ5類に引き下げられる可能性がありますが、まだまだ収束する様子は見られません…。この3年間で介護業界だけでなくいろんな業界に大きな影響を及ぼしました。

今回はコロナがもたらした介護施設への影響をまとめました。外部の目が入りにくくなっているこの3年間。今まで気にしていたことも気に出来なくなっている可能性が高く、面会の制限なく再開になった際ちょっと怖いなぁ~なんて思っています。

【1. ADLの著しい低下】

コロナ陽性者が出ると居室隔離になります。陽性者が部屋で隔離出来る場合はまだいいですが、認知症で何故隔離させているか理解できない方の場合は部屋から出てこられてしまいます。マスク着用の習慣がほとんどない高齢者の場合装着している事は困難です。

そうなると1人だった陽性者は一気に広がりクラスターに。介護士がどれだけ気を付けていても密着しなくてはケアが出来なかったり、マスクを引っ張られたりすることによって感染リスクが高まり、他利用者様へ感染させてしまう可能性もでてきます。

クラスターが発生した場合、利用者様は基本的に部屋での隔離となりベッド上で過ごしていただく事になります。つまりほとんど起きることなく寝たきり状態になってしまうのです。自立されていた方がずっと寝たきりで食事も介助になってしまうとその期間が長い程ADLは低下します。

クラスターが収まる頃には起きている時間が短くなったり、立てなくなったり、立位保持が難しい、食事介助が必要になる等著しいADLの低下が見られることが多いです。後遺症なのか“痰がらみ”も多く見られており、痰きりの薬が処方される方も多い印象です。

【2. 基本的なケアが出来ない】

クラスターが発生するとお風呂や着替え、整容等まで手が回らなくなります。職員の感染も増える為人手が極限まで少なくなります。非陽性者で業務を回さなくてはならず、必要最低限のケアだけで手がいっぱいになります。

クラスターが落ち着くまで施設に泊まり込み交代でケアされている方、隔離ホテルに泊まりそこから通っている方など自宅に持ち帰らないようにしている職員さんもいました。夜勤続き、休みなく出勤し続けるなど心身ともに疲労の限界を迎えながら仕事をしていらっしゃいました。

クラスター発生までいかなくても数人陽性者が出る、職員が陽性になり休むという事があると職員のケアにかける時間がいつも以上に増える叉は職員数が減る事になり、排泄介助が従来通りの回数から大きなパッドを使用することで回数を少なくすることもありました。

日本のパッドやおむつは性能が良くまた皮膚にも優しい素材が多い為、皮膚トラブルがほぼ起きることなく済んだので本当にありがたいなぁと思いました。その流れで排泄回数の見直しを行った施設も多いのではないかと思います。

私は運よく大規模なクラスターに合うことなく、また感染することなく仕事をすることが出来ていますが、自分が感染しないように不必要な外出は控える・食事に行くときは同じ職種の人に限り、感染対策をしっかりしている人だけにするようにしていました。

勿論そうしたくても出来ない環境の方もたくさんいらっしゃり、ご家族様から感染をもらってしまった方も多く見受けられました。それは仕方が無い事だと思っています。施設内で陽性者を責めない事を周知する注意書きが何度も回ってきていました。お互いさまと思い対応したいですね。

【3. 面会出来ない】

高齢者が陽性になると命に関わる事もある為、面会制限をかけた施設が多いのではないでしょうか?人数・時間・接種回数・来られる地域等施設ごとにルールを設けたことと思います。この3年間は利用者様にとってもご家族様にとっても辛い時間だったのではないかと感じています。

毎日面会に来られていたり、面会の回数が多かったりしていた利用者様は不安を口にされる方が多かったです。寂しさを感じたり・家に帰りたくなってしまったり・ふさぎこんでしまったり・落ち着かなくなってしまったりした方が多くいらっしゃいました。

5類に引き下げられたら面会の制限が緩和されるかと思いますが、施設内マスク着用や検温・手指消毒はこれからも続くと思っています。“感染を持ち込まない”事がとても大切になってきますのでご協力をお願いいたします。

【4. クラスター時の職員不足】

【2.】でも触れましたが、陽性になったら職員は一定期間出勤停止となります。クラスターが発生した際は勤務できる職員の数は大幅に減ります。私が知っている限りでは通常の職員の半数が陽性になり夜勤を2人で回していたという事がありました。

ヘルプを依頼してもなかなかクラスターが発生したユニットに行きたいと申し出てくれる人は少なく、派遣さんに依頼するにしても断られることが多いとも耳にしました。派遣さんも1か所の施設勤務だけでない場合がある為仕方が無いとは思います。

本当に猫の手も借りたい程手が回りません!!連勤・残業・泊まり込み等になることも少なくなく疲労困憊な様子を目の当たりにするとどうにか出来ないかと心苦しくなります。防寒着を着て・いつ自分が感染するかも分からない不安も相まって心身共に疲労が凄かったと思います。

そこまで陽性者が出ていなかった時でも無症状で菌を持っている可能性もあり、ケアする際に密着する回数が多い介護ではトランス時や口腔ケアの時に飛沫をもらう可能性も高くちょっとしたことにも敏感になってしまう程でした。予防でN95のマスクを着用していた時もありました。

目からの感染もあるとの事でフェイスシールドやゴーグルを使用してケアをする日々でしたが、トランス時にフェイスシールドが利用者様の肩に引っかかったり、ゴーグルは蒸して汗まみれになったり、何か良いグッズが無いかと探し回っていました。

病院関係者の方はもっと大変な環境の中ケアに当たられているので頭が上がりませんし、クラスターを防ぐことが医療関係者の方々への負担を増やさない事だと思い“うつらない”“うつさない”を仕事中だけでなくプライベートでも意識していました。

【5. 業績悪化】

クラスターが発生するとデイサービスやショートステイの受け入れが出来なくなったり、訪問系もサービスの提供が出来なくなったりします。営業停止は収益が入らないため、停止期間が延びれば延びるほど業績が悪化します。

介護業界に限った事ではありませんが、ボーナスカットや各種手当が無くなったり、休業や廃業になったりした施設も多く見受けられました。サービスの提供が出来ないと休業や廃業だけでなく、利用できなくなってしまったご家族様にも負担が増えてしまったと思います。

また、クラスター対応に尽力したにもかかわらずボーナスカットでは職員のモチベーションが下がり、退職に繋がったという声も多く聞かれました。また燃え尽き症候群になられた方もいらっしゃいました。

数年前にもサーズという感染症が流行りましたが、コロナ程これほどまで世界中で何年にも渡り感染が収まらないなんてことは初めてではないでしょうか?今の医学的技術があってもこれだけの年数がかかるので、未知の感染症がどれほど怖いものかと思い知らされました。

行事や外出もまだまだ今まで通りには出来ていない施設が多いかと思います。早くコロナが落ち着いて今まで通り外出や行事・面会が出来るようになってくれたらと願っています。利用者様にとって1日1日はとても大切です。今は限られた範囲の中で精いっぱいの楽しみを提供していけたらと思っています。

 

(2023年2月28日)


第11回 “あきらめ”の思考 Part.1【燃え尽きないようにするために】

“あきらめ”と聞くとあまり良いイメージが無いですよね。私も少し前までは悪いイメージしかありませんでした。しかし、仕事をしていくうえでどうしても諦めないといけない事、いったん諦めた方がいい事等があるという事に気が付きました。

“あきらめ”について考えた時
① 燃え尽きないために完璧を求めない!諦める事も時には必要!
② “あきらめ”と“やらない”は異なる
③ あきらめてはいけない事
に分類できるのではないかと思いました。おなじ“あきらめ”でも①~③に分けてみると意味は大分異なりますよね!!

今回は【①の燃え尽きないために完璧を求めない!あきらめる事も時には必要】について私なりの考えをまとめてしました。頑張りすぎて疲れてしまった方・頑張っているけどこれでいいのか悩まれている方等、迷われている方に是非見て頂けたらと思います。

【1. 燃え尽きないようにするために】

完璧主義の方・頑張り屋さんの方に燃え尽きてしまう方が多いですよね。私の周りでも燃え尽きて仕事が出来なくなってしまった職員さんが何人かいました。頑張っている姿を近くで見ていただけに苦しんでいる様子を見るのがもどかしく、助けてあげられなかった事を後悔しています。

介護ってチームワークが大切で、他職種とも密に連携を取っていかなければならず自分一人ではどうにもならない事が多いですよね。問題に対する原因が分かっていても物理的に時間や人手が足りないとなるとどうしても解決できない事もあります。

“利用者様の為に”とあれもこれもしなくてはと思いがちですが、できない事があることもあると認識しあきらめる事も大切です。根詰めて根詰めて自分をダメにしてしまうならば、一旦あきらめて環境が整うように努める事も必要かなと感じました。

私も最善のケアを目指すあまり力が入りすぎて次の日が休みの日は明け方まで仕事をする・誰が見ても分かるようなユニット内のマニュアルを作る・統一したい事は見える化する・利用者様の買い物やユニット内の買い物は仕事後や休みの日にする等常に仕事の事気にして生活をしていました。

そうすることでケアの統一やミスが格段に減りましたが、自分の貴重な時間を使い、無料残業でボーナスに反映されるわけでもなくただただ“リーダー”としての責任感だけで行ってきました。しかし、その行動が知らないうちに心身ともに疲労を蓄積し体に反応として出てしまうのです。

私が体への反応として経験した辛かった出来事は
1.朝目が覚めたら体が全く動かなくなっていた。
2.休みの日でも外に出ず1日中起きられずに寝ている。人と会うのが億劫だったり笑顔が出なくなったり、楽しみを感じなくなる。
3.息を吸うと肺なのか心臓なのか覚えていませんが激痛が走り息が吸えず、少しでも動くと体に激痛が走り泣きながらもう死んでしまうのではないかという恐怖を覚えた という出来事がありました。

それぞれの詳細をまとめてみました。読んで辛くなってしまう方もいらっしゃるかもしれません。その方は読まずに次の項目に飛んでください。

1. の時は入職1年目の冬の事でした。特殊な業種で入職した為数か月ごとに職場が変わり、その間に夜勤までをこなして独り立ちしなくてはなりませんでした。介護は全くの未経験で知識もなくこなすのに必死でした。自分に“出来る”“大丈夫”と言い聞かせていた真っ最中の事でした。

もう少しで1年が経過するという時に体の方が限界を迎えてしまいました。朝目が覚めたら目線以外動かない。というよりも動かすと体中に激痛が走り首を動かす事もしんどく、起き上がるなんて激痛すぎて出来ない程身体が思うように動かなくなっていました。

前日までは問題なく動けていただけに自分でもどうしたのか分からずパニックです。一人暮らしをしていたので頼れる人も近くにおらずとりあえず親と職場に電話して病院へ。首を動かすだけで激痛が走る状態だったためタクシーで向かいました。

どこを受診していいのか分からなかったためとりあえず整形外科へ受診に行きましたが、道中のブレーキやアクセルの振動でさえ全身に痛みが走り苦痛でした。着いてからも歩く事、レントゲン台に乗ること・降りる事がきつかったのを覚えています。検査の結果はというと異状なし。混乱でした。

有難いことに次の日に親が駆けつけてくれかかりつけの整体に向かい針治療にかけてみる事に。針治療を行なった後恐る恐る起き上がると、なんと!!痛み無くスムーズに動くように!!激痛から解放された事・動くようになった安堵感を今でも鮮明に覚えています。

1年の中で数か月ごとに特養・グループホーム・デイサービス・事務所など次々と職場が変わり、介護のケアや業務を必死に覚えている中で心身ともに常に緊張状態になっておりそれが蓄積され体が限界を迎えたのだろうとの事でした。

2. は完全に鬱のような症状だったなと今なら冷静に考えられます。本当に仕事以外で人とあることが億劫で出 来たら一人になりたかったです。仕事中は笑顔を意識していたため周りには気づかれていませんでしたが職場を出ると真顔や疲れた顔をしていたと思います。

今でいう笑顔うつ(微笑みうつ)病だったのかなと思います。このケースの場合他人に気が付かれにくくどんどん悪化しやすいです。私の場合丁度長期休暇が取れるタイミングで実家に帰りゆっくりしたことで解消された気がします。

介護職って心身ともに疲労が蓄積されやすく健康を保てるようにしないといけないはずなのに、なかなか長期休みが取れない職種ですよね…。たまたまリフレッシュ休暇を取り入れている法人に就職することが出来たので1週間しっかり休むことが出来たのが大きかったです。

人が充実していないと取り入れる事が難しいかもしれませんが、職員の心身の健康を守るためにも是非取り入れていって頂きたいなと節に願っています。今まで4施設を経験しましたが、リフレッシュ休暇があったのは初めの1施設だけでした。それが現状です…。

3. は仕事上の人間関係やご家族様の対応で疲れていた時に発症しました。結構クレーマー気質のご家族様で毎日面会に来られその対応だけでも気が滅入っていました。今は携帯を持って入所される方が多く、何かあるとすぐに電話をされご家族様が来られる…。

認知症症状があることが理解できていないご家族様の場合、電話の内容が事実とは異なる内容だとしても本当だと思いその都度時間を問わず面会に来られ職員に詰め寄っていました。その時の施設は何時に面会に来られても許可している施設でした。

クレーマーだと分かっているなら面会時間を決めて対応して欲しかったのですが、ご家族様の希望優先でその訴えも叶わず…。事務所職員も退勤している時間帯。職員は1人しかいない。1人になる時間の恐怖とストレスから来た症状だと思っています。

何度か対応しきれずに他のユニットに逃げ込んで施設長を呼ぶ事もありました。その後“みんな大変事はわかっているよ”と言われましたが、ならば毅然とした態度で面会に制限をかける等して職員を守って欲しかったと思いました。

そんなある日の夜勤明け、自宅に帰りヒット一息ついていると急に息をすることが出来なくなる程に息を吸うだけで激痛が。次第に空気がほんの少ししか吸えなくなり助けを呼びたくても声が出せずただ泣くだけ。体もちょっと動くだけで全身に痛みが走りもうだめかと思ったほどです。

たまたま家族が休みで異変に気が付いてくれたのですぐに病院に行きましたが病院に着くころには症状が治まり、肺のレントゲンを撮影しても異常なし。ストレスって本当に怖いです!!

自分では“まだ大丈夫”“もっとやれる”と思っていましたが、身体が“もう限界だよ!”と訴えていたんだなと感じました。きっとこうなる前から症状はあったのだと思いますがそれに気が付くことが出来ませんでした。

こういうことがあると介護から離れたい気持ちが強くなるのですが、燃え尽きる前に自分と向き合って休む事・逃げる事も大切だなと感じました。無理は絶対に禁物です!同僚も頑張りすぎて顔面麻痺の症状が出た人もいます。“大丈夫”と思おうとすること自体“大丈夫ではない!”です!!

【2. チームの輪を乱さないようにするために】

介護って本当に意識や技術・向上心の差が大きい職業だと思っています。例えば介護未経験者や経験が浅いチームの場合、経験豊富な職員や意識が高い職員のレベルに合わせてしまうと付いてこられなくなってしまいます。

頑張っていてもそこまでの余裕が無く必死に働いている職員にとっては自分を責めてしまう事もあります。また、出来ていない事に着目しがちになる為チーム内がギクシャクしだす事もあります。そうなってしまうとチームの輪が乱れますよね…。

リーダーになりたての頃、自分がリーダーなのだから同じユニット職員のレベルを上げるのも仕事!出来ていないことは注意し出来るようになってもらう。指導していく事が役割だと意気込み行っていましたが、出来ていないことに目がいってしまい雰囲気を悪くしてしまいました。

相談されることも減り、次第に孤立しはじめギクシャク…。注意しかされないリーダーとはきっと一緒に仕事をすることも嫌だったと思います。その人なりの考え方やキャパシティーを全く気にする余裕もなく、今思えば自分の理想を一方的に押し付けていたのだと猛省しています。

責任感で指導するのではなく、自分が率先して質の高いケアをする事で真似したいと思える職員・リーダーになることの方がいい関係性を築きながら良いチームワークを作っていく事が出来ると今は思っています。楽しい雰囲気を意識した方がおのずと質も上がっていきました。

手を抜いている事に対して目をつぶることは出来ないですが、例えば忙しくて掃除が出来なかった・急変対応があってどうしてもできなかった業務に関しては“仕方がない”事としています。また、時間がかかってしまう事についてもスピードを求めないように気を付けています。

スピードが速い=仕事が出来るではないと思っているからです。仕事が早くてもケアが雑であれば意味がありません。安全かつ利用者様に不快な思いをさせないように丁寧且つ迅速なケアを目指すように伝えています。チーム内の力量に合わせたケアを意識して目標ラインを決めています。

時折出来ていないことをチクチク詰め寄る方を見かけますが、見ている方もとても嫌ですし雰囲気に出ます。職員も利用者様もいやすいようにある程度目をつぶる(今は諦める)ことも大切だと学びました。見守り指導しつつ徐々に高いレベルを目指していく事が大切だと感じています。

【3. 自分を守る為に】

【1.】とも重なってきますが、頑張りすぎる事は自分をないがしろにしている事だと気が付きました。自分が健康でなければいいケアは出来ません。まずは自分のメンタルや体力を万全の調子にすることが何よりも大切です。

早出出勤や無料残業、休日出勤、急な休みに対応するための出勤・休みの返上等々体力的に辛い事をしていました。始めは“大丈夫?”と心配されていても次第に“やってくれるのが当たり前”になっていきました。やってしまうから出来るものだと思われてしまうのだと学びました。

こうなってしまうと自分を自分で追い込むだけです。定時内に上がる・仕事は家に持ち帰らない・出来ない事は出来ないと断る・仲間に頼るという事を意識するようにしました。自分を犠牲にしてまで頑張る必要はありません!!

優先順位を考えて今やらなくてはいけない事・後回しでもいい事を見極めていく事が大切になってきます。また、 “あきらめる”のではなく、“どうしたら解決できるのかを考える”“自分が頑張るのではなくチームで頑張る”へ考え方を変えました。

以前の私は人に頼ることが悪い事だとどこかで思っていて、なんでもかんでも一人で乗り切ろうとしていました。せっかく「手伝いますか?」と声をかけてもらっても「大丈夫。」と答えていました。悪いと思って断っていましたが実はこれ“頼りにされていない”と相手に思わせてしまっていたんです!!

そんなこと全く考えもしていなかったのですが、ある時とても尊敬しているリーダーさんから「頼ってもらえると嬉しいもんだよ。頼りにしてもらえないと自分じゃ頼りにならない。ダメなんだと思ってしまう。」と言われハットしたのを今でも覚えています。

私は“悪い”と思っていても受け取る側は“役に立たない”“信用してもらえていない”と感じてしまう。言葉にしないことでいつの間にか溝が出来てしまっていました。これでは上手くいかず余計一人で頑張るしかなくなりますよね…。気持ちをきちんと伝えていく事も大事だなぁと思いました。

一人だと無理をしてしまったり“出来ない”“無理だ”と諦めたりしていたこともチームで取り掛かればどうにかなることが多いです。それは仲間の知識やアイディアで対応できるから。自分では考えつかない事が沢山出るのであきらめなくてはいけないなと思っていたことでも突破できることが増えました。

頼るってとても勇気がいる事ですが、“信じて頼る”という事もリーダーとして、ないより仲間としてもとても大切な事だと学びました。

以上の事から燃え尽きないためにあきらめる事も大切だと実体験を元に感じました。実際に経験しないと“頑張ればいい”“あきらめる事はいけない事!”と思っていたかもしれません。時には肩の力を抜くことも必要です。少しでもこの出来事が誰かのお役に立てたらと思います。

次回以降②“あきらめ”と“やらない”は異なる、③あきらめてはいけない事についてまとめていきたいと思います。

(2023年2月21日)


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